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【隙あらば簿記優遇】Ⅳでポエムが出る理由 / 「財務」5+1年149マーク全問解説

同業D社の預かり知らぬ所で、ひそかに進む簿記2級ブーム。その背景がデジタル時代のデータドリブン、つまり数値で洞察したり、次の経営判断に活かすニーズです。

Q
第1~3問出題が、経営分析→CVP→NPVと決まっている「事例Ⅳ」では、その応用や第4問ポエムで「ファイナンス」「簿記論点」のどちらかを出すしかない。そこで起きたのが簿記2ブームだ。
A

簿記取得を前提としない診断士試験と異なり、デジタルな世間はいよいよ簿記ブームへ。「Ⅳ」作問のしつこい簿記誘導は、その先取りと考えられます。

①意思決定はデータドリブン

現代のビジネス環境では、迅速で正確な意思決定が求められます。データドリブンなアプローチが主流となり、意思決定の根拠となる情報はデータに基づいています。簿記2級の履修を通じて、経理データの解釈や分析方法を学ぶことで、診断士はデータを活用した意思決定に必要なスキルを身につけることができます。

②デジタル化が進む経理を理論で支える

経理業務のデジタル化が進展する中で、経理担当者や診断士は、デジタルツールやシステムを適切に活用する必要があります。しかし、これらのツールを理解し、適切に活用するためには、経理の理論や基礎知識が必要です。簿記2級の履修を通じて、経理理論を学び、デジタル化が進む経理を理論的に支えることができます。

③狭く深い「事例Ⅳ」より広く浅い簿記2級

診断士試験における事例Ⅳは、狭く深い知識が求められる傾向にあります。しかし、簿記2級の履修を通じては、より広範な簿記知識を獲得することができます。この広く浅い知識は、診断士が様々な業界や企業の財務状況を理解し、適切な診断を行う上で有用です。

【隙あらば簿記優遇】Ⅳでポエムが出る理由 / 「財務」5+1年149マーク全問解説

「Ⅳ」第1~3問で出す経営分析→CVP→NPVとは、「1次」5+1年149マークの1/4強に過ぎない。であればまずその1/4を得意化し、残り3/4の【苦手をなくす】手が有効な。

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第1問 経営分析 12マーク

経営分析は全員満点を取らせるべく、複数解に幅広く加点するので、ド定番の指標を選んでOK。計算よりも狙いを知って納得です。

①収益性

収益性は企業の収益力を示す指標であり、企業がどれだけ利益を上げているかを評価します。収益性の向上は、企業の成長や競争力強化に直結し、投資家や経営者にとって重要な要素です。

②効率性

効率性は企業が資産をどれだけ効率的に活用しているかを示す指標です。特に有形固定資産や棚卸資産の効率的な活用が重要であり、資産の適切な管理や投資判断に役立ちます。

③安全性

安全性は企業の財務体質の安定性を示す指標であり、企業の経営リスクを評価します。財務レバレッジや流動比率などが安全性を示す指標として利用され、企業の経営リスクを適切に管理するための情報を提供します。

④労働生産性

労働生産性は企業の労働力の効率性を示す指標であり、労働者1人あたりの付加価値を評価します。賃上げにおいては、労働生産性の向上が必要であり、適切な設備投資や労働プロセスの改善が促されます。

第2問 CVP分析 15マーク

難化一途のCVP過去問をいくら解いても手も足も出ないのは、その根っこの原価計算知識がないと解けない応用作問をするため。よって簿記2を知らずにベテ勉するほど逆効果です。

前提:原価計算の6つの種類
  • 個別原価 vs 総合原価: 個別原価は製品ごとの原価を計算し、総合原価は全体の原価を計算します。個別原価は特定の製品の原価を把握するために、総合原価は全体の経営判断に使用されます。
  • 実際原価 vs 標準原価: 実際原価は実際の生産活動にかかったコストを基に計算され、標準原価は予め設定された標準値を基に計算されます。標準原価は予算策定や偏差分析に使用されます。
  • 全部原価計算 vs 直接原価計算: 全部原価計算は製品のコストに間接費も含めて計算し、直接原価計算は間接費を含めずに直接的な原価のみを計算します。全部原価計算は全体的な利益を把握するために使用され、直接原価計算は製品ごとの利益を把握するために使用されます。
主題:直接原価計算とCVP分析

CVP分析は企業が売上高や利益をどのようにして変動させるかを分析する手法です。直接原価計算を用いて限界利益概念を把握し、損益分岐点を計算することで、企業の利益を最大化するための戦略を立てることができます。

応用:セールスミックスやセグメント損益

限界利益概念は製品の売り上げ構成やセグメントごとの利益を分析する際にも活用されます。セールスミックスでは、異なる製品やサービスの組み合わせによる売り上げ構成を最適化し、利益を最大化する戦略を立てます。また、セグメント損益計算では、異なる市場セグメントや製品カテゴリーごとの利益を評価し、効果的なマーケティング戦略を策定します。

第3問 NPV 14マーク

宇宙語と恐れられるNPVで部分点を取るには、過去問の解き方を丸ごと覚えるのでなく、計算に必要なモジュール別に分けて深く理解します。

現在:初期投資額

まず、プロジェクトや投資の開始時に必要な初期投資額を考えます。これはプロジェクトを始めるために必要なお金の総額であり、例えば設備の購入やプロジェクトの立ち上げ費用などが含まれます。

将来:税引後CIF

プロジェクトや投資によって将来的に得られるキャッシュインフロー(収入)を考えます。これは通常、投資やプロジェクトが稼ぎ出す予想される利益や収入です。これには税金が差し引かれた後の額が含まれます。

時間価値:割引率WACC

NPVでは将来のキャッシュフローを現在価値に換算するために、割引率としてWACC(加重平均資本コスト)を使用します。WACCは企業の資金調達コストを表し、株式と債券の資本コストの加重平均です。これは企業が投資する際の機会コストを示す重要な要素です。

嫌がらせ:売却損益タックスシールド

NPV計算において、投資プロジェクトの終了時に固定資産を売却する場合、その売却損益も考慮する必要があります。また、売却損益やキャッシュフローに対して税金がかかる場合、それを考慮したタックスシールドも計算に含めます。固定資産売却損益とキャッシュインの関係は複雑なため、簿記履修済の方でも苦手にしやすい論点です。

財務理論(ファイナンス) 47マーク

筆算の制限がある診断士のファイナンスは基礎的な良問が多く、過去問を回転させるだけで効率よく身に付きます。

①「Ⅳ」出題の可能性がある企業価値

診断士試験では、企業の価値算定や投資判断に関する問題が出題されることがあります。NPV(Net Present Value、正味現在価値)は投資プロジェクトの価値を計算する手法であり、DCF(Discounted Cash Flow、割引現金流)法と密接に関連しています。診断士が企業の価値を評価する際に、DCF法やNPVの理解が必要とされる場合があります。

②企業財務論

企業の価値を高めるためには、効果的な財務戦略や資本構造の最適化が必要です。企業財務論は企業の資金調達、資本予算、配当政策などの財務戦略に関する理論や実践を学ぶ学問分野です。診断士が企業の価値を高めるためには、企業財務論の知識が重要となります。

③証券投資論

診断士が企業に投資する側として、投資先の選定や投資ポートフォリオの構築に関する理解が求められます。証券投資論は投資家が資産配分やリスク管理、収益の最大化を目指して行う投資活動に関する理論を学ぶ分野です。診断士が投資先のリターンやリスクを理解し、適切な投資判断を行うためには、証券投資論の知識が必要です。

会計理論 53マーク

診断士試験は簿記履修を前提としないため、逆に簿記履修済の方であれば荒稼ぎする論点です。受験初年度は深入り不要。

①BS・PLの作成(簿記2~3級)

貸借対照表(BS)は、企業の資産、負債、純資産の状況を示す財務諸表であり、企業の財務状態を把握するための重要な指標です。損益計算書(PL)は、企業の収益と費用を示し、特定の期間内の利益や損失を計算します。これらの財務諸表の作成は、企業の財務状態や業績を分析するための基本的なスキルであり、簿記の基礎的な知識が必要です。

②現金Cash、キャッシュフロー計算書(簿記1級)

現金(Cash)は企業の流動資産の一つであり、企業が所有する現金や現金同等物を示します。キャッシュフロー計算書は、企業の現金の流れを示す財務諸表であり、営業活動、投資活動、財務活動による現金の入出を明示します。これらの項目は簿記1級で学習される内容であり、診断士試験においても現金管理やキャッシュフローの重要性が問われます。

③財務諸表等規則(簿記1級)

財務諸表等規則は、企業の財務諸表の作成や開示に関する規則や基準を定めた法令です。これは企業の財務報告の信頼性や透明性を確保するために重要な役割を果たします。簿記1級で学習される内容ですが、診断士試験においても企業の財務報告に関する最低限の理解は備えて臨みます。

今日のまとめ

Q
試験合格を目的化した、世間の役に立たないイケカコ馬鹿の悪目立ちを苦慮する主催側。1次「財務」出題マーク数を見れば、「ファイナンス」「会計知識」のどちらかに誘導するのは当然すぎる。
A

そこで事例Ⅳポエムを出す狙いの一つが、【隙あらば簿記優遇】。受験2年目のCVP・NPV馬鹿化を回避し、簿記2を選択するのは賢い判断です。

■■ここからテンプレ■■

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