一流JTCで蝶よ花よと勤め上げ、40歳を過ぎて初めて自分のスキル不足に直面したあなたのために。仮に簿記や仕訳が死ぬほど嫌でも、そこをスキップして合格できるのが診断士試験の特徴です。
診断士合格は簿記不要が前提であるものの、そこの理解を怠ると過去問の答の暗記に終始し、その末路がふぞろいと広く知られる。そこで打倒試験!などと痛勘違いをせず、知識を味方に付ける姿勢が好まれます。
①簿記への苦手意識を解消 | ②簿記をスキップして合格可能 | ③診断士「財務」はコンパクトな好スキル |
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簿記の細かいルールや仕訳の苦手意識を持つことなく、バランスシートをベースとした経営分析にまず特化することで、経営全体の健康状態や企業価値を捉える視点を養えます。 | 中小企業診断士試験は、簿記や会計の全てを徹底する必要がなく、経営指標分析を理解することで合格を狙える設計です。 | 40歳を迎えて自分のスキル不足を実感した今こそ。難しく捉えがちな「財務」でも実は必要最低限の知識で合格できると実感すると、自信が大きく向上します。 |
これにより、日々のビジネス判断に直結する実践的なスキルが身に付き、現場での意思決定力が向上します。 | 過去5年分の問題を業界最速で正解に直すこのシリーズに沿って学べば、短期間でポイントを押さえた効率的な予習復習が可能です。 | そして、身につけた経営分析のスキルは、今後のキャリアアップや経営戦略の立案に直結する貴重な武器となるでしょう。 |
【はじめての財務・会計①】M&A・ファイナンスにはバランスシート / 誰でも最初は始めの一歩
そこで簿記や仕訳をスキップするときに、最初の一歩で押さえておくのが経営分析。特に「バランスシート」と「PLから求める付加価値・生産性」が超重要な。

どんなヘタクソ会計本でも、必ず見かけるこの手の図。ここを自分の言葉にして理解したり、周囲に説明できるのが診断士の超基本。そこで例題を2つ紹介します。
当期末に、新たに長期借入(借入後60ヵ月にわたって元利均等弁済)を行い、その資金全額で無形固定資産を購入したとする。他の条件を一定とするとき、この取引による財務諸表および財務指標への影響に関する記述として、最も適切なものはどれか。
「事例Ⅳ」で必ず問われるBS変動ですが、計算でなく文章題にすると正答率が下がります。
以下の資料は、20X1 年の実績と 20X2 年の予算の抜粋である。20X2 年における財務比率(付加価値や労働生産性)の変化に関する記述として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
世のあらゆるJTCが従業員に押し付け、果てはリストラの口実にする付加価値&生産性。その基本を診断士で学べます。
○ア 1年内返済予定長期借入金が増えるので、流動比率は低下する。
×イ 借入と投資が相殺されるので、投資活動によるキャッシュ・フローおよび財務活動によるキャッシュ・フローには(→○の合計には)影響しない。
×ウ 固定資産が増加するため、固定比率は改善(→○悪化)する。
×エ 自己資本には影響しないため(→○が)、自己資本比率は変化しない(→○悪化する)。
診断士の「財務」最重要知識となった付加価値。設問文の「付加価値率」を「売上高付加価値率」と読み替え、簡単な計算で〇イ一択に。

当社とその競合会社であるF社に関する以下の資料に基づき、下記の設問に答えよ。ただし、金額の単位は万円とする。 |
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(設問1 ) 当社の付加価値率として、最も適切なものはどれか。 |
×ア 20% 〇イ 25 % ×ウ 65 % ×エ 75 % |
後日説明しますが、Ⅳ経営分析に今年出ておかしくない重要ヒント。それに全く気付かないのがベテふぞ、ピンとくるのが上位5%です。
(設問2 ) 当社とF社の生産性に関する記述として、最も適切なものはどれか。 |
×ア 労働生産性はF社が上回っているが、その要因は設備生産性が当社のそれを上回っていることにある。 ×イ 労働生産性はF社が上回っているが、その要因は労働装備率が当社のそれを上回っていることにある。 ×ウ 労働生産性は当社が上回っているが、その要因は設備生産性がF社のそれを上回っていることにある。 〇エ 労働生産性は当社が上回っているが、その要因は労働装備率がF社のそれを上回っていることにある。 |
安全性(BS)
収益性は利益創出力、効率性は資産活用の度合いを示し、安全性は財務健全さを測ります。各指標は経営状況把握に重要ですが、BSのみを使う安全性が試験合格の鍵として特に大切です。各指標は企業の実態を反映し、適切な対策を講じるための基礎知識ともなります。
特に1次「財務」では「安全性」を集中的に出題し、数字の構造がシンプルで理解しやすく、実務にも直結する知識としてバランスシートの理解を最重視します。
計算すれば○エ一択。以下のエクセルで正解を先に計算し、次に本番で簡単に解く順序を考えます。

以下の資料に基づき計算された財務比率の値として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。 |

×ア 固定長期適合率は155.6 (→○87.5)%である。 ×イ 自己資本比率は25 (→○45)%である。 ×ウ 自己資本利益率(ROE)は30 %(→○20)%である。 ○エ 当座比率は117.5 %である。 |
数字で計算させると正答率Bになり、文章題にするとCになる。つまり2次の合格ボーダーを超えるにはここが大事と気が付きます。
自己株式を現金で取得し、消却したとする。他の条件を一定とすると、これによる財務比率への影響に関する記述として、最も適切なものの組み合わせを下記の解答群から選べ。 |
×a 固定比率は不変(→○悪化)である。 ○b 自己資本利益率は向上する。 ×c 総資本利益率は不変(→○改善)である。 ○d 流動比率は悪化する。 |
a | b | c | d | |
×ア | × | ○ | ||
×イ | × | × | ||
×ウ | ○ | × | ||
○エ | ○ | ○ | ||
×オ | × | ○ |
「Ⅳ」経営分析の練習として、解き直します。

以下の貸借対照表と損益計算書について、下記の設問に答えよ。 |
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(設問1 ) 固定長期適合率として、最も適切なものはどれか。 |
×ア 60 % ○イ 110 % ×ウ 150 % ×エ 167 % |
(設問2 ) インタレスト・カバレッジ・レシオとして、最も適切なものはどれか。 |
×ア 4 倍 ×イ 11 倍 ×ウ 12 倍 ○エ 14 倍 |
正解○イ。R4は経営分析の出題がありませんが、問がBS安全性出題の代わりになっています。
A、B、Cの各商店は、いずれも資産2,000 万円、負債500 万円を有する小売業であるが、あるとき各商店ともそれぞれ800 万円で店舗を増築した。支払いの内訳は以下のとおりである。 |
・A店は全額を自店の現金で支払った。 ・B店は建築費の半額を銀行より借り入れ、残額を自店の現金で支払った。 ・C店は全額、銀行からの借り入れであった。 |
下表のア~オのうち、増築後の各商店の財政状態を示すものとして、最も適切なものはどれか。 |
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取引がBS安全性に及ぼす良問クイズです。解説を読むより、×アウエをどう直すと正解かを考える方が覚えます。
余剰現金の使途として、新規の設備の購入(D案)と長期借入金の返済(E案)を比較検討している。他の条件を一定とすると、D案とE案の財務諸表および財務比率への影響に関する記述として、最も適切なものはどれか。 |
×ア 固定長期適合率は、D案では悪化するが、E案では改善する(→○変わらない)。 〇イ 自己資本比率は、D案では不変であるが、E案では改善する。 ×ウ 総資産は、D案、E案ともに不変である(→○E案のみ減少する)。 ×エ 流動比率は、D案では悪化するが、E案では改善する(→○変わらない)。 |
(設問1)固定長期適合率は実際に計算して求める。(設問2)は財務レバレッジを計算しなくても(知らなくても)消去法で当たります。

当社の貸借対照表および損益計算書は以下のとおりであった。下記の設問に答えよ。 |
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(設問1 ) 20X2 年の固定長期適合率の値として、最も適切なものはどれか。 |
×ア 64.44 % ○イ 82.86 % ×ウ 105.45 % ×エ 193.33 % |
(設問2 ) 20X1 年から20X2 年の自己資本利益率の変化とその要因に関する記述として、最も適切なものはどれか。 |
×ア 自己資本利益率は上昇(→○低下)したが、その要因の1 つは財務レバレッジの上昇(→○低下)である。 ×イ 自己資本利益率は上昇(→○低下)したが、その要因の1 つは総資本回転率の上昇(→○低下)である。 ○ウ 自己資本利益率は低下したが、その要因の1つは財務レバレッジの低下である。 ×エ 自己資本利益率は低下したが、その要因の1つは総資本回転率の低下(←変わっていない)である。 |
「Ⅳ」で問われる経営分析のうち、実は1次「財務」ではBS安全性しか出題しない。そこでこの試験は簿記や仕訳を必須としないが、急がば回れで先に簿記2級を取得するのが超有利と気が付くあなたが大好きです。
今日のまとめ
それは何より冒頭の図にあるバランスシートの理解が大事で、ここを見逃すと過去問の答ばかりを覚える末路にようこそ。そしてAI時代ではどんな苦手も、自分の言葉で説明したりしてもらったりできるので、BSの理解が急加速します。