「財務」は年25マーク出すので5+1年あると150マーク。うち「事例Ⅳ」第1問経営分析(11)→第2問CVP(17)→第3問NPV(18)→ファイナンス(48)→その他会計(55)と、徐々にモブ度が増すとわかります。
「財務・会計」は毎日コツコツとも言われ、計算でひたすら手を動かして体で覚える勉強が主体。しかしそればかり続けると応用がからっきしになるため、余力を作って文章題も攻略します。
①「Ⅳ」第1~3問は計算中心(46マーク) | ②ファイナンスは計算⇔文章題で半々(48マーク) | ③最後に残る会計知識問題(55マーク) |
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簿記知識は不要 この部分では、BS(バランスシート)の基本的な構造を理解すればよく、詳細な簿記知識に立ち入る必要はありません。 | 計算と文章題の両面対策 ファイナンスの計算問題では数値をもとにした正確な分析力を、文章題では理論の背景や解釈、論理展開を問われるため、両面の対策が必要です。 | 最低限の基礎知識の習得 この分野は文章題として出題されるため、基本的な用語や概念、主要なルールについて最低限の理解をしておくことが必要です。 |
計算力の強化 CVPやNPVの計算問題が中心です。各理論の基本的な考え方を理解し様々なケースで応用できるよう、計算問題を繰り返し演習してください。 | 事例Ⅳ第4問の知識問題の活用 第4問知識問題が時折ファイナンスから出題されることがあります。これに備えて、基本理論の復習と、実際の事例への応用力を養うことが望まれます。 | 重点は他分野にあり 出題頻度が低く、「事例Ⅳ」での得点源とはなりません。主要分野に比重を置きつつ、もしものときのために基本事項を押さえる程度にします。 |
問題のパターン把握 過去問や模擬試験を通じて、出題傾向や計算のパターンを把握することで、試験本番で迅速かつ正確な解答ができるようになります。 | バランスの取れた学習計画 計算問題の反復練習と、文章題の読解・論述演習を並行して行うことで、両方のスキルをバランスよく向上させましょう。 |
【全体を通じて】
- 重点分野へのリソース配分
第1~3問とファイナンスは得点源となるため、ここに多くの時間と労力をかけることが重要です。 - 反復と実践の重要性
各分野ごとに、過去問演習や模擬試験を取り入れ、出題傾向の確認と自分の弱点の補強を継続的に行いましょう。 - 基本に忠実に
まずはシンプルな前提(基本概念や主要計算方法)をしっかりと固め、そこから応用問題へのアプローチ方法を身につけることが、試験当日の自信につながります。
このように、各分野の出題傾向と試験の構造を踏まえて、学習時間や対策内容を戦略的に配分することが、合格への近道となります。
【はじめての財務・会計⑤】Ⅳには出ないモブキャラ攻略 / 財務諸表等規則・収益認識・CF計算書
隣のふぞろいの「財務」「Ⅳ」対策がサッパリなのは、計算練習ばかりに偏重するため。そこで「ファイナンス」以降の文章題も押さえる余力を持つことで、いざ本番でヲタヲタしない賢さUPな。

単年度で見ると一見ランダムな会計知識問題も、時系列にすると傾向がうっすら見えてくる。さらにウチの強みは、TAC正答率ランクをお借りして、正答率AB以外は後回しと割り切ることです。

論点別に解くならD社の過去マスで良く、特に計算問題は10年分解いても問題なし。ですが今日の会計知識に限ると、再出題可能性ゼロの古い過去問より、TAC過去問を使って「正答率C以下を後回し」にするのが賢明です。
❶第1問シリーズ:売上原価(PL作成)
原価とは、商品や製品を販売するために直接かかった費用を示すもので、商業簿記の売上原価では期末棚卸資産の評価、工業簿記の製造原価では仕掛品の計算が中心となります。正確な在庫評価や仕掛品の進捗管理は、収益との対応関係を明確にし、利益計算や財務分析に直結します。
こうなると10点満点
期末棚卸資産の数量・単価が正確に把握され、適切な評価方法が明確で、システムと連動して管理されている。
簿記2級の問題です。解説は後日。
以下の資料に基づき、当期の売上原価として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。 |
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×ア 626,000 円 ×イ 648,000 円 ×ウ 663,000 円 〇エ 670,000 円 |
値引・割引・割戻は、俗に’売上三兄弟’と呼び、簿記の頻出論点です。
得意先への商品販売時に、10 日以内に代金を支払えば2 %の支払いを免除するという条件をつけた。その売掛金200,000 円を販売から9 日目に回収するにあたり、条件を適用した金額を小切手で受け取った。 この取引を仕訳するとき、以下の空欄に入る語句として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。 |
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×ア 控除 (←売上を減額すること(戻り・値引・割戻))
×イ 値引 (←「負ける」こと。売上を減額)
○ウ 割引 (←売上割引は支払利息の一部として営業外費用になる)
×エ 割戻 (←リベートのこと。売上を減額)
簿記で売上原価を算定するのは通常、総平均法(AVE)か先入先出法(FIFO)ですが、移動平均法なる精緻で面倒くさい方法もあります。筆算でやるものではないので、後回しにします。
7 月における商品Aの取引は以下のとおりである。7 月の売上原価として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。ただし、払出単価の計算には移動平均法を採用している。 |
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×ア 2,200円 ○イ 2,300円 ×ウ 2,400円 ×エ 2,600円 |
この棚卸減耗損+商品評価損の計算方法は、(会社によりバラつかないように)簿記のルールで定められており、覚えるしかありません。ふぞろい勢が試験委員から嫌われるのは、このような会計ルール論点に身勝手な自己流ノウハウをでっちあげて、誤りを吹聴するためです。

以下の期末商品に関する資料に基づき、棚卸減耗損と商品評価損の金額の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。 |
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棚卸減耗損 | 商品評価損 | |
×ア | 6,900円 | 5,800円 |
×イ | 6,900円 | 6,400円 |
○ウ | 7,500円 | 5,800円 |
×エ | 7,500円 | 6,400円 |
×イは勘定科目が誤り、×ウは消費税認識が足りない、×エでは仕入れる度に消費税10%が儲かります。
商品19,800 円(税込)を仕入れ、代金は現金で支払った。このときの仕訳として、最も適切なものはどれか。なお、消費税率は10 %とし、仕訳は税抜方式によるものとする。 |
借方 | 貸方 | |||
○ア | 仕入 仮払消費税 | 18,000 1,800 | 現金 | 19,800 |
×イ | 仕入 租税公課 | 18,000 1,800 | 現金 | 19,800 |
×ウ | 仕入 | 19,800 | 現金 | 19,800 |
×エ | 仕入 | 19,800 | 現金 仮受消費税 | 18,000 1,800 |
収益認識
取引が発生した際にどのタイミングで売上として計上するかを定める基準です。近年は国際会計基準(IFRS)や国内基準の改訂もあり、契約内容や履行義務、引渡し時点など多角的な視点から判断されます。
こうなると10点満点
各契約の履行状況に基づき認識時点と測定基準が一貫しており、最新基準に沿った運用がなされている。
×ウがややひっかけ。○エは選びづらいので誤答でOK。
収益に関する記述として、最も適切なものはどれか。 |
×ア 検収基準は、契約の解消や返品リスクがない(→○高い)場合に採用される。 ×イ 出荷基準よりも収益認識のタイミングが早い(→○遅い)のは、引渡基準である。 ×ウ 長期請負工事(→○一定金額以上の長期請負工事)については、工事進行基準を適用しなければならない。 ○エ 販売基準は実現主義に基づいている。 |
当問は改正論点になっていて、〇イ割賦販売は以前は別のタイミングでした。×アウエいずれも暗記不要です。
収益認識のタイミングとして、最も適切なものはどれか。 |
×ア 委託販売において、商品を代理店に発送した(→○実際に販売された)時点 〇イ 割賦販売において、商品を引き渡した時点 ×ウ 試用販売において、試用のために商品を発送した(→○実際に販売された)時点 ×エ 予約販売において、商品の販売前に予約を受けた(→○実際に販売された)時点 |
世間的にはごく一部である、経理パーソンの間だけで熱い議論を生んだ収益認識の出題が続きます。簡単に言えば従来、売掛金/買掛金としてきたもの勘定科目が変わるのですが、興味ある方だけ以下のリンクでどうぞ。

以下の一連の取引の仕訳として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。 |
8 /12 当社は、得意先との間で、25,000円の商品Bと35,000円の商品Cを販売する契約を締結した。合計の代金60,000円は、商品Bと商品Cの両方を引き渡した後に請求することになっている。また、商品Bと商品Cの引き渡しは、それぞれ独立した履行義務である。商品Bについては、契約を締結した後、直ちに得意先に引き渡した。 8 /25 商品Cを得意先に引き渡した。当社は、商品Bと商品Cの代金に対する請求書を送付する予定である。 |
正解○アですが、覚えなくて構いません。![]() |
クレジット売掛金は簿記3級、その消費税は簿記2級です。再出題はないので、仕訳が得意な方以外はスルーしましょう。

以下の取引を仕訳するとき、販売時のクレジット売掛金の金額として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。 |
クレジット払いにより、商品を650,000 円(税抜)で販売した。信販会社へのクレジット手数料は販売代金の2 % であり、販売時に認識する。なお、消費税の税率は10 % とし、税抜方式で処理するが、クレジット手数料には消費税は課税されない。また、商品売買は三分法により記帳している。 |
×ア 635,700 円 ×イ 637,000 円 ×ウ 700,700 円 ○エ 702,000 円 |
「財務」第1問は例年「売上原価の算定」でしたが、R6はここ3年連続出題されている「収益認識」とのコンボ問題に。趣旨としては期末売掛金=(3)150,000ー(2)20,000=130,000円ですが、「Ⅳ」出題はないので苦手な人は迷わず捨てます。

以下の資料に基づき、当社が収益認識の基準として検収基準を用いている場合、当期の貸倒引当金繰入額として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。 |
【資料】 ⑴ 前期に出荷し、当期に顧客が検収を行った商品はなかった。 ⑵ 当期に出荷し、当期の決算日後に顧客が検収を行った額は20,000円である。 ⑶ 仮に出荷基準を用いた場合、当期末の売掛金残高は150,000円となる。 ⑷ 検収の結果、返品された商品はないものとする。 ⑸ 当期の決算整理前残高試算表における貸倒引当金勘定の残高は1,000円である。 ⑹ 貸倒引当金の繰入率は2 %とする。 |
○ア 1,600円 ×イ 2,000円 ×ウ 2,600円 ×エ 3,000円 |
❷現金・CF計算書
資金繰り・銀行勘定調整表
資金繰り表は一定期間のキャッシュ・インフローとキャッシュ・アウトフローを把握し、企業の短期的な資金需要と余剰資金を管理するためのツールです。経営判断や融資の検討、リスク管理に重要な役割を果たします。
こうなると10点満点
短期の現金流動が正確に予測・管理され、シナリオ分析等で迅速な資金対応が可能となっている。
簿記2級で学ぶ銀行勘定調整の出題で、知らなきゃ当たらないので鉛筆コロコロでOKです。

以下の資料に基づき、決算日の調整後の当座預金勘定残高として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。 |
【資 料】 当店の決算日現在の当座預金勘定残高は500,000 円であったが、銀行から受け取った残高証明書の残高は480,000 円であったので、不一致の原因を調査したところ、次の事実が判明した。 ① 仕入先銀座商店へ買掛金80,000 円の支払いのために振出した小切手が、未取付であった。 ② 得意先京橋商店から売掛金150,000 円の当座振込があったが、通知未達のため未記入である。 ③ 得意先新橋商店が振出した小切手200,000 円を当座預金口座へ預け入れたが、いまだ取り立てられていない。 ④ 水道光熱費50,000 円の通知が未達である。 |
ア 520,000 円 イ 600,000 円 ウ 620,000 円 エ 720,000 円 |
単なる数合わせですが、経理の実務で実際に行われているので、割り切って眺めておきます。

9 月中に予定される取引に関する以下の資料に基づき、最低限必要な借入額として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。なお、当月中現金残高が300,000 円を下回らないようにするものとする。 |
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×ア 200,000 円 ×イ 400,000 円 ○ウ 700,000 円 ×エ 1,300,000 円 |
ここまで詳しい出題があると、そろそろ「Ⅳ」出題の疑いありです。 1年分の利息を借入時に支払う=200×5%=10万円の支払いに気付く。ここを見逃すと誤答×アです。
次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。 A社では、X1 年4 月末に以下のような資金繰り表(一部抜粋)を作成した(表中のカッコ内は各自推測すること)。 |
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また、条件は以下のとおりである。 ① 売上代金の20 %は現金で受け取り、残額は翌月末に受け取る。 ② 仕入高は翌月予想売上高の60 %とする。仕入代金は全額現金で支払う。 ③ すべての収入、支出は月末時点で発生するものとする。 ④ 5 月末に事務用備品の購入支出が300 万円予定されているが、それを除き、経常収支以外の収支はゼロである。 ⑤ A社では、月末時点で資金残高が200 万円を下回らないようにすることを、資金管理の方針としている。 |
(設問1 ) A社は資金不足に陥ることを避けるため、金融機関から借り入れを行うことを検討している。6 月末の時点で資金残高が200 万円を下回らないようにするには、いくら借り入れればよいか。最も適切なものを選べ。ただし、借入金の利息は年利率5 %であり、1 年分の利息を借入時に支払うものとする。 |
×ア 190 万円 ○イ 200 万円 ×ウ 460 万円 ×エ 660 万円 |
当問は「資金繰り表」を知らなくても、設問指示に従い計算すると、×アイエでは200万円に足りないと分かります。
(設問2 ) 中小企業診断士であるあなたは、A社の経営者から、当座の資金繰り対策として銀行借り入れ以外の手段がないか、アドバイスを求められた。6 月末の時点で資金残高が200 万円を下回らないようにするための手段として、最も適切なものはどれか。 |
×ア 5 月に予定されている事務用備品の購入支出のうち半額を現金払いとし、残額の支払いは7 月に延期する。 ×イ 6 月に予定されている諸費用支払のうち400 万円を現金払いとし、残額の支払いは7 月に延期する。 ○ウ 仕入先と交渉して、6 月の仕入代金のうち半額を現金払いとし、残額を買掛金(翌月末払い)とする。 ×エ 得意先と交渉して、5 月の売上代金のうち半額を現金で受け取り、残額を売掛金(翌月末回収)とする。 |
第13問と同様、企業の資金繰りは重要論点ですが、こちらは知識の○×問題なので、後回しでOK。
運転資金管理に関する記述として、最も適切なものはどれか。 |
×ア 売上高を一定とすると、期中平均売上債権が少なくなるほど、売上債権回転率は小さく(→○大きく)なる。 ×イ 売掛金を増加(→○減少)させる動機の1 つとして、現金保有を増加させることが挙げられる。 ○ウ 営業サイクルは、企業が商品を仕入れてから、商品を販売して現金化するまでに要する期間である。 ×エ 企業間信用は、商品を販売(→○購入)したりサービスを提供(→○受領)した企業にとっての資金調達手段とみなすことができる。 |
CF計算書(間接法)
間接法によるキャッシュ・フロー計算書は、損益計算書上の当期純利益を起点とし、非現金項目や運転資金の変動を調整して営業活動によるキャッシュ・フローを算出する方法です。企業の実際のキャッシュ・ポジションを示すうえで有用です。
こうなると10点満点
損益計算書との整合性が保たれ、非現金項目や運転資金の変動が詳細に調整され、各活動のフローが明確にされる。
ウがなぜ〇になるかの説明はこちらで。
キャッシュ・フロー計算書に関する記述として、最も適切なものはどれか。 |
×ア 「営業活動によるキャッシュ・フロー」の区分では、主要な取引ごとにキャッシュ・フローを総額表示しなければならない(→○直接法では総額表示する(間接法では不要))。 ×イ 受取利息及び受取配当金は、「営業活動(→○営業活動または財務活動)によるキャッシュ・フロー」の区分に表示しなければならない。 ○ウ キャッシュ・フロー計算書の現金及び現金同等物期末残高と、貸借対照表の現金及び預金の期末残高は一致するとは限らない。 ×エ 法人税等の支払額は、「財務活動(→○営業活動)によるキャッシュ・フロー」の区分に表示される。 |
CF計算書のド定番問題です。
キャッシュフローが増加する原因として、最も適切なものはどれか。 |
○ア 売掛金の減少 ←営業CFの+増加
×イ 仕入債務の減少 ←営業CFの△減少
×ウ 棚卸資産の増加 ←営業CFの△減少
×エ 長期借入金の減少 ←財務CFの+改善
CF計算書作成に関する、基礎の知識問題です。苦手な方は「Ⅳ」対策まで後回しでOK。
キャッシュ・フロー計算書に関する記述として、最も適切なものはどれか。 |
×ア 間接法によるキャッシュ・フロー計算書では、棚卸資産の増加額は営業活動によるキャッシュ・フローの増加(→○減少)要因として表示される。 ×イ 資金の範囲には定期預金は含まれない(→○や3か月以内に換金可能な短期投資を含む)。 ○ウ 支払利息は、営業活動によるキャッシュ・フローの区分で表示する方法と財務活動によるキャッシュ・フローの区分で表示する方法の2 つが認められている。 ×エ 有形固定資産の売却による収入は、財務(→○投資)活動によるキャッシュ・フローの区分で表示される。 |
コロナ補助金漬けの問題があり、中小企業の資金繰りの重要性が強調されています。当問は「直接法キャッシュフロー計算」の設問なので、慌てず後回しにしてまとめて解きます。

D社は卸売業を営んでいる。以下のD社の資料に基づく売上および仕入に関するキャッシュ・フローの記述として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。 |
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売上によるキャッシュ・インフロー | 仕入によるキャッシュ・アウトフロー | |
○ア | 960万円 | 560万円 |
×イ | 960万円 | 570万円 |
×ウ | 1,040万円 | 560万円 |
×エ | 1,040万円 | 570万円 |
「Ⅳ」出題可能性のある間接法営業CFの計算です。PLの一部が使わないダミー条件と気づかないと、案外迷いそうです。

以下の資料に基づき、営業活動によるキャッシュ・フローの計算として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。 |
【資料】 (1)当期の損益計算書(一部抜粋)は次の通りである。なお、当期の減価償却費は30,000円であり、当期の営業外収益・営業外費用、特別利益・特別損失はゼロとする。 |
損益計算書(一部抜粋) 単位:千円 売上高 1,000,000 ←計算に使わないダミー 営業利益 200,000 法人税、住民税及び事業税 60,000 当期純利益 140,000 ←計算に使わないダミー |
(2)前期末および当期末の貸借対照表(一部抜粋)は次の通りである。 |
貸借対照表(一部抜粋) 単位:千円 前期末 当期末 売掛金 50,000 46,000 棚卸資産 30,000 33,000 買掛金 35,000 36,200 未払法人税等 30,000 30,000 |
×ア 112,200千円 ×イ 131,800千円 ×ウ 137,800千円 ○エ 172,200千円 |
❸財務諸表等規則
有形・無形固定資産
有形固定資産は建物、機械設備など物理的資産、無形固定資産は特許権、商標権、ソフトウェアなど物理的形態のない資産を指します。耐用年数、減価償却(償却方法)、時価評価や減損処理など、各資産ごとに適切な会計処理が求められます。
こうなると10点満点
資産ライフサイクル全体が正確に管理され、適切な償却・減損処理が定期的に実施されている。
暗記不要ですが、理屈で覚えるととポエム対策になります。
無形固定資産の会計に関する記述として、最も適切なものはどれか。 |
×ア 自社が長年にわたり築き上げたブランドにより、同業他社に比べ高い収益性を獲得している場合には、これを無形固定資産に計上することができる(→○できない)。 ×イ 自社の研究開発活動により特許権を取得した場合には、それまでの年度に支出された研究開発費を戻し入れ、無形固定資産として計上しなければならない(→○してはいけない)。 ○ウ 受注制作のソフトウェアの制作費は、請負工事の会計処理に準じて処理され、無形固定資産に計上されない。 ×エ のれんとして資産計上された金額は、最長10 (→○20)年にわたり、規則的に償却される。 |
産業構造のソフト化により、無形固定資産は頻出論点に。この際がんばってテキストを覚えます。
貸借対照表における無形固定資産に関する記述として、最も適切なものはどれか。 |
×ア 受注制作のソフトウェアについても償却を行う(→○は無形固定資産ではない)。 ×イ 人的資産は無形固定資産に含まれる(→○含まれない)。 〇ウ のれんは減損処理の対象となる。 ×エ 無形固定資産の償却には定額法と定率法がある(→○ほぼすべて定額法を用いる)。 |
補助金バブルのため圧縮記帳は実務で良く使います。事例Ⅳでもし出されると一生後悔するので、嫌でも覚える。本来は仕訳で覚えますが、簡単な考え方としては自己資金額(14,000)だけで購入と考え、その5年定額(2,800/年)です。
当社は、第1 年度期首に補助金12,000 千円を受け取り、当座預金に入金した。同日、その補助金12,000 千円と自己資金14,000 千円で備品26,000 千円を購入し、直ちに使用を開始した。その際、補助金相当額の圧縮記帳(直接減額方式)を行った。そして第1 年度期末に、定額法(耐用年数5 年、残存価額ゼロ)により減価償却を行った。 第1 年度の減価償却費として、最も適切なものはどれか。 |
×ア 2,400 千円 ○イ 2,800 千円 ×ウ 12,000 千円 ×エ 14,000 千円 |
補助金の主対象→有形固定資産と考えた場合、その重要論点になる減損も大事。面倒でも会計用語とセットで暗記する方が、結果的に近道です。
固定資産の減損に関する記述として、最も適切なものはどれか。 |
×ア 減損処理を行った資産であっても、収益性が回復した場合には帳簿価額を増額させる(→○させることはない)。 ○イ 減損処理を行った資産については、減損損失を控除した帳簿価額に基づき減価償却を行う。 ×ウ 減損損失を認識すべきであると判定された対象資産については、帳簿価額を再調達価額(→○回収可能価額)まで減額し、当該減少額を減損損失とする。 ×エ 対象資産から得られる割引前将来キャッシュ・フローが負である(→○の総額が帳簿価額を下回る)場合に、減損損失を認識する。 |
産業構造がソフト化・デジタル化すると、有形より無形固定資産が大事になってきます。×アについて、自社開発の特許権は無形固定資産に原則計上しません。例外はこちら。
無形固定資産の会計に関する記述として、最も適切なものはどれか。 |
○ア 自社が開発した営業秘密の製造技術などにより、同業他社に比べて継続的に高い収益性を獲得している場合であっても、これを無形固定資産に計上することはできない。 ×イ 自社の研究開発活動により特許権を取得した場合、過去の年度に費用処理した研究開発費を戻入れ、無形固定資産として計上しなければならない(→○することはできない)。 ×ウ 受注に基づいて制作したソフトウェアは無形固定資産に計上され、規則的に償却(→○棚卸資産に計上)される。 ×エ 無形固定資産に計上されるのれんは、耐用年数を確定できない場合、規則的な償却を行わない(→○20年以内の年数で規則的に償却する)。 |
簿記2級のド定番論点で×イウがあべこべ。×エは難しすぎるのでアエの2択に絞ればOK。

有価証券の期末評価に関する記述として、最も適切なものはどれか。なお、有価証券の時価は著しく下落していないものとする。 |
○ア 子会社株式および関連会社株式は、取得原価をもって貸借対照表価額とする。 ×イ その他有価証券(→○売買目的有価証券)は、時価をもって貸借対照表価額とし、評価差額は当期の損益として処理する。 ×ウ 売買目的有価証券(→○その他有価証券)は、時価をもって貸借対照表価額とし、評価差額は貸借対照表の純資産の部に直接計上する。 ×エ 満期保有目的の債券を額面金額と異なる価額で取得した場合、取得価額と債券の額面金額との差額の性格が金利の調整と認められるときは、額面金額をもって(→○償却原価法)貸借対照表価額とする。 |
簿記2級の超定番論点「有価証券」の出題です。これも経理部で仕訳を切る人には当たり前知識なので、実務に携わらない人はあえて捨てることにし、ヘタクソ暗記を避けます。
「金融商品に関する会計基準」に関する記述として、最も適切なものはどれか。 |
×ア 子会社株式については、連結財務諸表作成時に消去されるため、時価が著しく下落した場合であっても、個別財務諸表において評価損の計上を検討する必要はない(→○がある)。 ○イ その他有価証券に該当する株式は、貸借対照表上、投資その他の資産に属する資産として表示する。 ×ウ 保有する有価証券のうち、時価をもって貸借対照表価額とするのは、売買目的有価証券と関連会社株式(→削除)である。 ×エ 満期保有目的の債券に適用する償却原価法とは、債券を債券金額より低い価額または高い価額で取得した場合において、取得原価と債券金額との差額が金利の調整と認められる場合に、当該差額に相当する金額を償還期に至るまで毎期一定の方法で債券金額(→○取得原価)に加減する方法をいう。 |
資産は固定のみ、負債は流動⇔固定を区分します。
リース取引の借手側の会計処理と開示に関する記述として、最も不適切なものはどれか。 |
○ア オペレーティング・リース取引については、通常の賃貸借取引にかかる方法に準じて会計処理を行う。 ○イ オペレーティング・リース取引のうち解約不能のものにかかる未経過リース料は、原則として注記する。 ×ウ ファイナンス・リース取引にかかるリース債務は、支払期限にかかわらず、固定負債に(→○支払期限に応じて流動・固定に区分する)属するものとする。 ○エ ファイナンス・リース取引にかかるリース資産は、原則としてその内容および減価償却の方法を注記する。 |
負債・引当金
企業が将来支払う義務のある債務、引当金は将来の特定の支出に備えて計上する見積もり額を指します。正確な分類と見積りが重要であり、流動・固定の区分、引当金の妥当性評価が必要です。
こうなると10点満点
負債は原因別に正確に分類され、引当金は合理的な見積りと内部統制で透明性が確保されている。
×アイは差額補充でなく洗替法の仕訳、×アウは売上債権に受取手形を含めないひっかけです。
A社の決算整理前残高試算表は以下のとおりであった。貸倒引当金の仕訳として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。 なお、当社では売上債権の残高に対し5 %の貸倒れを見積もり、差額補充法を採用している。 |

借方 | 貸方 | |||
×ア | 貸倒引当金 貸倒引当金繰入 | 300 1,050 | 貸倒引当金戻入 貸倒引当金 | 300 1,050 |
×イ | 貸倒引当金 貸倒引当金繰入 | 300 1,200 | 貸倒引当金戻入 貸倒引当金 | 300 1,200 |
×ウ | 貸倒引当金繰入 | 750 | 貸倒引当金 | 750 |
○エ | 貸倒引当金繰入 | 900 | 貸倒引当金 | 900 |
ヒサイムセイ引当金? 初見の用語に慌てず、なんとなく正解○イを選んだ方は語感のセンスに自信を持ちます。
負債性引当金は、債務である引当金(債務性引当金)と債務ではない引当金(非債務性引当金)に分類される。非債務性引当金として、最も適切なものはどれか。 |
× | →○ | |
×ア | 貸倒引当金 | ←評価性引当金 |
○イ | 修繕引当金 | ←非債務性引当金 |
×ウ | 商品保証引当金 | ←債務性引当金 |
×エ | 退職給付引当金 | ←債務性引当金 |
債務性引当金は、債務である引当金(債務性引当金)と債務ではない引当金(非債務性引当金)に分類される。非債務性引当金として、最も適切なものはどれか。 |
覚えなくて良いですが、「預り金」とは自分の給与明細から何か引かれた時に、会社側が使う勘定科目のことです。
従業員の給料・賞与支払時に「預り金」として処理するものとして、最も不適切なものはどれか。 |
〇ア 源泉所得税 ×イ 事業主負担の社会保険料 〇ウ 社内預金 〇エ 従業員負担の生命保険料 |
退職給付会計を本気で追いかけ始めると、1次1~2科目分の学習時間を優に超えます。以前某国営航空会社で問題化したように、ニュースになった時に調べればOK。
退職給付会計に関する記述として、最も不適切なものはどれか。 |
〇ア 退職給付会計における年金資産とは、制度に基づいて積み立てられた年金資産だけでなく、一定の要件を満たした外部積立の資産も年金資産とみなしている。 〇イ 退職給付会計における費用は、「退職給付費用」として企業の損益計算書に計上される。 〇ウ 退職給付制度が終了した場合、資産の減少を伴って退職給付債務が減少する。 ×エ 年金資産および年金債務はネットして退職給付引当金として(→○ネットして退職給付引当金として)貸借対照表に表示されなければならない。 |

引当金は完全な経理部用語で、試験合否に無関係。ですがここまでくれば、勢いで暗記できます。
引当金に関する記述として、最も適切なものはどれか。 |
×ア 一般(→○個別)債権については、債権額から担保の処分見込額及び保証による回収見込額を差し引いて貸倒見積額を求め、これに基づいて貸倒引当金を算定する。 ×イ 将来発生が懸念される大地震に対して、震災損失引当金を設定することができる(→○できない)。 ×ウ 引当金は、確定した(→○将来発生しうる)債務について設定される。 ○エ 負債性引当金は、流動負債または固定負債に分類される。 |
なんと勘定科目名をそのまま聞く、簿記3級丸出しの設問。簿記ホルダーなら×イウエは何か変とすぐわかるので、逆にピンとこない方はそのまま捨てて構いません。
金銭債権・金銭債務や経過勘定項目に関する記述として、最も適切なものはどれか。 |
○ア 一定の契約に従い、継続して役務の提供を受ける場合に、すでに提供された役務に対していまだその対価の支払いがなされていないものは、未払費用という。 ×イ 金銭債権が貸倒懸念債権に該当する場合、財務内容評価法(→○個別評価法)により、貸倒見積高を算定しなければならない。 ×ウ 販売した自社商品の代金をいまだ受け取っていない場合に計上される勘定科目は、未収入金(→○売掛金)である。 ×エ 有形固定資産となる物品を購入し、その対価の支払いがなされていない場合に計上される勘定科目は、買掛金(→○未払金)である。 |
BSのワンイヤールールに関するクイズで、棚卸資産と固定資産は対象外です。一般常識なので、こちらの解説をどうぞ。
貸借対照表の表示に関する記述として、最も適切なものはどれか。 |
○ア 売掛金は、代金が回収されるまでの期間の長短にかかわらず流動資産に分類される。 ×イ 株式は、その保有目的にかかわらず流動(→○固定)資産に分類される。 ×ウ 棚卸資産(→○貸付金や借入金)は、決算日の翌日から起算して1 年以内に販売されるものは流動資産に、1 年を超えるものは固定資産に分類される。 ×エ 長期借入金は、時の経過により、返済期日が決算日の翌日から起算して1 年以内となっても、固定負債(→○となったら、流動負債)に分類される。 |
経理部でBSを作る人には必須の知識。診断士試験に出す意味は、簿記をやらない人への嫌がらせ以外は全くないです。
貸借対照表の表示に関する記述として、最も適切なものはどれか。 |
○ア 貸倒引当金が売掛金と短期貸付金に対して計上される場合、これらの資産の控除項目として、一括して記載することができる。 ×イ 繰延税金資産は、一年基準によって分類して流動資産または(→削除)固定資産として表示する。 ×ウ 資産除去債務は、関連する有形固定資産の控除項目として(→○ではなく負債に)表示する。 ×エ 中古不動産を販売する業者が販売用に保有している土地および建物は、有形固定資産(→○棚卸資産(販売用不動産))として表示する。 |
税効果会計
会計上の利益と税務上の所得との間に生じる一時的な差異を調整するため、繰延税金資産・負債を計上する手法です。企業の実態に即した税負担を正確に反映させるために重要な会計処理です。
こうなると10点満点
一時差異が的確に分析され、繰延税金資産・負債が合理的に算出・開示され、将来の税負担も検討されている。
税効果会計の、さらに仕訳の問題。苦手要素が2つ並ぶので、スルー可です。
当社は資本金1 億円以下の中小法人に該当する。当期400 万円の繰越欠損金を計上した。そのときの仕訳として、最も適切なものはどれか(単位:万円)。なお、法人税の実効税率は30 %とする。 |
×ア (借)繰越利益剰余金 120 (貸)繰越欠損金 120 ×イ (借)繰越利益剰余金 400 (貸)繰越欠損金 400 〇ウ (借)繰延税金資産 120 (貸)法人税等調整額 120 ×エ (借)法人税等調整額 120 (貸)繰延税金負債 120 |
税効果会計では、「エキキン」「ソンキン」を「サンニュウ」したり「フサンニュウ」します。足し算引き算するだけですが、苦手な人は後回しに。

当期の税引前当期純利益は800,000円であった。ただし、受取配当金の益金不算入額が24,000円、交際費の損金不算入額が36,000円ある。また、前期末に設定した貸倒引当金10,000円が損金不算入となったが、当期において損金算入が認められた。法人税率を20%とするとき、当期の損益計算書に計上される法人税として、最も適切なものはどれか。 |
×ア 158,000円 ○イ 160,400円 ×ウ 162,000円 ×エ 164,400円 |
法人税や税効果の出題としてはごく基本の、テキストレベルの問題です。
× | →○ | |
×ア | できない | できる |
×イ | 収益 所得控除 | 益金 損金 |
×エ | とは無関係に | に応じて |
法人税に関する記述として、最も適切なものはどれか。 |
×ア 内国法人の各事業年度開始の日前5年以内に開始した事業年度において生じた欠損金額があっても、その欠損金額は、当事業年度の損金の額に算入することができない(→○できる)。 ×イ 内国法人の各事業年度の所得の金額は、その事業年度の収益(→○益金)の額からその事業年度の所得控除(→○損金)の額を控除した金額である。 ○ウ 内国法人は、納税地の所轄税務署長の承認を受けた場合には、確定申告書を青色の申告書により提出することができる。 ×エ 法人税の税率は、売上高や総資産、資本金とは無関係に(→○に応じて)定められている。 |
その他財務諸表等規則
財務諸表等規則は、企業が作成する財務諸表の形式、記載事項、開示内容などについて定めた法的ルールです。透明性・比較可能性の確保と、投資家や利害関係者への適切な情報提供が目的です。
こうなると10点満点
最新の規則に完全準拠し、必要な情報が正確・タイムリーに開示され、注記も充実している。
外貨建て取引は、そこそこ規模の企業なら必ずあるし、いざ仕訳の時にルールを覚えればOK。いちいち暗記は要りません。
外貨建取引に関する記述として、最も適切なものはどれか。 |
×ア 外貨建の金銭債権・債務、前払金・前受金(→削除)については、決算日の直物為替レートにより換算する。 ○イ 為替差損益は、原則として営業外収益または営業外費用とする。 ×ウ 在外支店の財務諸表項目の換算は、(追加:貨幣性資産・負債について)決算日の直物為替レートにより換算する。 ×エ 二取引基準とは、自国通貨と外国通貨で帳簿を作成(→○取引そのものと代金決済を切り離して処理)することをいう。 |
ここまでくると、それなりの大企業の経理部でしか使わない知識ですが、なぜか5点配点に。要するに、100点などの超高得点阻止用の難問です。
外貨建取引の決算時の処理に関する記述として、最も適切なものはどれか。 |
×ア 外貨建売上債権においては、円安の進行によって為替差損(→○為替差益)が発生する。 ×イ 外貨建の子会社株式・関連会社株式は、決算日(→○取得時)の直物為替相場により換算する。 ×ウ 在外支店の有形固定資産は、決算日(→○取得時)の直物為替相場により換算する。 ○エ 取引発生後に付した為替予約について振当処理を適用する場合、予約時の直物相場と先物相場の差額は、適切な期間にわたって合理的な基準により配分し、各期の損益として処理する。 |
自己株式はそこそこ大事な論点ですが、他にもっとよい覚え方があるので当問はスルーでOK。
自己株式の会計処理に関する記述として、最も適切なものはどれか。 |
×ア 自己株式の取得は、他社の株式を取得する場合と同様に(→○異なって)処理される。 〇イ 自己株式の取得は純資産の減少、自己株式の売却は純資産の増加として処理する。 ×ウ 自己株式を消却した場合、その他利益剰余金(→○その他資本剰余金)が減少する。 ×エ 自己株式を消却した場合、資産(→○純資産)が減少する。 |
○アが法定福利費、×イウエは福利厚生費(法定外福利費)となります。この出題意図は、「くだらない暗記が嫌なら、簿記3級→2級の順に学ぶといいよ」です。
従業員の給与の発生に関連して、法定福利費として計上するものとして、最も適切なものはどれか。 |
○ア 厚生年金保険料の事業主負担額 ×イ 従業員の通勤定期代の事業主負担額 ×ウ 住宅手当 ×エ 住民税の特別徴収の額 |
大企業や公開企業(上場企業)のクソ細かい会計基準と違い、中小企業向けは大幅に緩和されます。×イは、中小企業では投資家の意思決定より内部の利害調整を重視するとわかる、良選択肢です。
「中小企業の会計に関する指針」に関する記述として、最も不適切なものはどれか。 |
○ア 「中小企業の会計に関する指針」では、一定の場合には法人税法で定める処理を会計処理として適用できるとしている。 ×イ 「中小企業の会計に関する指針」では、会計情報の役割として、利害調整に資することよりも投資家の意思決定(→下線部あべこべ)に資することが重視されている。 ○ウ 「中小企業の会計に関する指針」は、中小企業が、計算書類の作成に当たり、拠ることが望ましい会計処理や注記等を示すものである。 ○エ 金融商品取引法の適用を受ける会社並びにその子会社及び関連会社は、「中小企業の会計に関する指針」の適用対象外である。 |
❹会社法(計算書類・配当)
会社法では、計算書類(財務諸表)の作成、承認、公開方法や、株主への配当の決定プロセスなどが規定されています。法的根拠に基づく適正な情報開示と、株主の権利保護が重視されます。
こうなると10点満点
計算書類の作成、承認、公開プロセスが明文化され、配当も透明で合理的に決定されている。
×アイでは資本準備金は「株式発行」で変動し、「配当」時は動かない。ウエは分配可能額の計算ですが、簿記が苦手な人はスルーでOk。
資本準備金 | 利益準備金 | |
×ア | 100千円 | 300千円 |
×イ | 100千円 | 600千円 |
○ウ | 500千円 | |
×エ | 600千円 |
B社は、定時株主総会において、繰越利益剰余金を原資として6,000 千円の配当を行うことを決議した。なお、配当を行う前の資本金は18,000 千円、資本準備金は1,000 千円、利益準備金は3,000 千円であった。 このとき、積み立てるべき法定準備金として、最も適切なものはどれか。 |
「法務」でどうせ暗記が要るので、「財務」のうちに目を通します。
剰余金の配当と処分に関する記述として、最も適切なものはどれか。 |
×ア 株式会社は、1 事業年度につき、中間配当と期末配当の最大2 回の(→○何回でも)配当を行うことができる。 ×イ 株式会社は、資本剰余金を原資とする配当を行うことはできない(→○できる)。 ○ウ 取締役会設置会社は、取締役会の決議によって中間配当を実施することができる旨を定款で定めることができる。 ×エ 役員賞与(→○配当金)を支払う場合、その10分の1 の額を利益準備金として積み立てなければならない。 |
配当可能額や法定準備金は簿記の頻出論点であり、細かい所を知りたい方はこちらをどうぞ。
C社は、定時株主総会において、繰越利益剰余金から4,000 千円、その他資本剰余金から1,000 千円の配当を行うことを決議した。なお、配当を行う前の資本金は22,000 千円、資本準備金は1,000 千円、利益準備金は1,500 千円であった。 このとき、積み立てるべき法定準備金として、最も適切なものはどれか。 |
資本準備金 | 利益準備金 | |
×ア | 100千円 | 150千円 |
○イ | 100千円 | 400千円 |
×ウ | 400千円 | |
×エ | 500千円 |
×エについて、大会社ではない株式会社は、貸借対照表の公告が義務です。
会社法における計算書類の作成、開示に関する記述として、最も適切なものはどれか。 |
×ア 計算書類とは、貸借対照表、損益計算書、キャッシュ・フロー計算書(→○個別注記表)および株主資本等変動計算書のことである。 ×イ 子会社を有するすべての株式会社(→○大会社)は、連結計算書類を作成しなければならない。 ○ウ すべての株式会社は、各事業年度に係る計算書類を作成しなければならない。 ×エ すべての株式会社(→○大会社)は、定時株主総会の終結後遅滞なく、貸借対照表と損益計算書を公告しなければならない。 |
誤答選択肢は、正解選択肢の最小字数だけ変えて作る傾向がある。詳しくなりたい時は、正解選択肢より誤答選択肢に注目すると、効率的に覚えられます。
「会社法」および「会社計算規則」における資本金の額等についての規定に関する記述として、最も適切なものはどれか。 |
×ア 株式会社の資本金の額は、株主となる者が当該株式会社に対して払込みまたは給付をした財産の額とする。ただし、払込みまたは給付をした額の2 分の1 を超えない額は、資本金とせずに利益準備金(→○資本準備金)とすることができる。 ×イ 自己株式の取得は、配当可能限度額に影響しない(→○する)。 ×ウ 資本準備金は、資本金に組み入れるために取り崩すことが認められており、その場合には、資本準備金がマイナスになることも認められている(→○いない)。 ○エ その他資本剰余金は、繰越利益剰余金のマイナスを補填するために取り崩すことが認められている。 |
❺連結会計他
連結会計は、親会社とその子会社の財務情報を一体としてまとめる会計処理です。内部取引の消去や非支配持分の計上など、個別会計との違いを理解することが基本となります。
こうなると10点満点
内部取引の消去や非支配持分の計上が正確に行われ、グループ全体の財務状況が明瞭に報告されている。
当問は株式発行額(うち1/2が資本金)と、時価評価したD社純資産の差額でのれんを求めます。簿記2級既習の方は、表下半分の相殺消去仕訳を書くと理解度UPへ。

C社はD社を吸収合併し、新たにC社株式 200 千株を交付した。合併期日におけるC社の株価は 1 株当たり 400 円であった。D社の貸借対照表は以下のとおりであった。商品の時価は 24,000 千円であったが、その他の資産および負債の時価は帳簿価額と同額である。C社は増加すべき株主資本のうち、 2 分の 1 を資本金、残 りを資本準備金とした。 合併に伴い発生するのれんと、増加する資本金の金額の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。 |
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×ア のれん: 6,000 千円 資本金:37,000 千円 〇イ のれん: 6,000 千円 資本金:40,000 千円 ×ウ のれん:10,000 千円 資本金:37,000 千円 ×エ のれん:10,000 千円 資本金:40,000 千円 |
R2「Ⅳ」サプライズ作問からの再出題。エは逆ひっかけトラップで、×損失→○利益です。
のれんに関する記述として、最も適切なものはどれか。 |
×ア 自己創設のれんは、時価などの公正な評価額が取得原価となる(→○計上は認められない)。 ×イ のれんは取得後、5 年以内(→○会計は20年、税務上は5年)に毎期均等額以上の償却をしなければならない。 ○ウ のれんは被買収企業の超過収益力に対する対価とみなされる。 ×エ 負ののれんが発生した場合、当該期間の特別損失(→○特別利益)とする。 |
会計系トンチクイズ。診断士には不要知識なのでスルーします。
連結会計に関する記述として、最も適切なものはどれか。 |
×ア 親会社による子会社株式の所有割合が100%に満たない場合、連結貸借対照表の負債(→○純資産)の部に非支配株主持分が計上される。 ○イ 子会社の決算日と連結決算日の差異が3 か月を超えない場合は、子会社の正規の決算を基礎として連結決算を行うことができる。 ×ウ 負ののれんは、連結貸借対照表に固定負債(→○取得時に特別利益)として計上する。 ×エ 連結子会社の当期純損益に株式の所有割合を乗じた額は、持分法による投資損益として連結損益計算書(→○親会社の個別損益計算書)に計上する。 |
のれんの簡単な計算問題で、買収先企業BSの何を使って計算するかが聞かれます。暗記で良いですが、簿記2級で学ぶ【投資資本の相殺消去仕訳】とセットで覚えることがベストです。

A社は、B社株式の100 % を315 百万円で取得し、支配を獲得した。取得時におけるA社およびB社の貸借対照表は以下のとおりである。なお、B社の土地の簿価は100 百万円であるが、時価は200 百万円である。B社のその他の諸資産および諸負債の簿価は、時価と一致している。 取得時におけるのれんの金額として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。なお、税効果は考慮しないものとする。 |
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○ア のれん:15 百万円 ×イ のれん:55 百万円 ×ウ のれん:115 百万円 ×エ のれん:215 百万円 |
本支店会計は例年高得点阻止用の難問に。当問は比較的解きやすいですが、学習不要論点なので鉛筆コロコロCランクでOK。
× | →○ | |
×ア | A支店 / B支店 | ←貸借が逆 |
○イ | B支店/A支店 | |
×ウ | 買掛金 / 当座預金 | ←支店勘定を使っていない |
×エ | 現金 / 買掛金 | ←〃。これは買掛を回収した仕訳 |
本支店会計において本店集中計算制度を採用している場合、A支店がB支店の買掛金200,000 円について小切手を振り出して支払ったときの本店の仕訳として、最も適切なものはどれか。 |
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今日のまとめ
まさにその通りで「事例Ⅳ」対策なら経営分析→CVP→NPVまで、1次「財務」60点のクリアなら「ファイナンス」を強化すると良い。そしてこの55マークを解き直す利点とは、隣の計算練習偏重を回避できること、それと万一「Ⅳ」ポエムで出た時のボーナス点です。