AIによるホワイトカラー代替の流れが止まらず、R8試験は合格枠減&難化を予想。そして「過去問の答&パターンを覚えるふぞろい勉」を本気で蹴落とす生成AIによる予想問題作成&相互解答のチーム学習がいよいよ加速します。

C経営

【経営ひっかけ全問ドリル】コツを覚えてスラスラ時短~成長・競争戦略39マーク

「1次」本番まで2カ月強となり、過去問を解くスピード&回転数を上げて知識定着を図るフェーズへ。このとき「正解知識を覚えよう」より、「誤答ひっかけを落とすコツを知る」ことで、スコアが上がると同時に時短します。

AIが「1次」対策に普及するとどこが誤答か一目でわかり、正しい知識の定着が促されてスコアを上げやすい。「よくあるひっかけ」3大パターンがこちら。

①結論があべこべ

提示された前提知識(Aである)がありながら、論理の飛躍に全くあべこべな結論(Aでない)が導かれる誤りです。

誤答ひっかけのうち最も気づきやすい簡単なパターンで、一読しておかしいので素早くバツにします。

②細かな所を入れ替え

異なる2つの対象の特徴を、意図的によって、互いの説明として入れ替えてくるひっかけです。

一目読んだだけでは気づかないことがあるため、他の簡単な誤答選択肢を落とし「最後の2択」に絞ってから慎重に吟味します。

③断定から婉曲

特定の状況において「全て」「必ず」など100%成り立つとする強い断定に対し、そうでない例外が存在する場合は、国家試験の出題として誤答になります。

これはビジネス実務においても同様で、「必ず!」「絶対!」のようにうっかり断定するミスを避け、確率や不確実性を考慮した、より慎重で正確な婉曲表現を選ぶ慎重さが求められます。

【経営ひっかけ全問ドリル】コツを覚えてスラスラ時短~成長・競争戦略39マーク

本試験まで2カ月少々の6月に入ると、以前解いた過去問を「回転させる」ステップに進む。ここでのコツは、①誤答選択肢を国語的に落として時短論点別の過去問を古い年から解いてひっかけ対策強化、の2点です。

ドメイン~成長戦略23マーク

「1次」7科目では、重要論点ほど年1マーク定期的に出題され、微妙に少しずつひっかけの難度が上がる。一見イージーなスライムに見える簡単知識ほど、実は重要論点であるのが「最初のひっかけ」です。

ドメイン(多角化)

R3第1問 ドメイン(多角化) Aランク

第1問はドメイン出題が定番ですが、R3は多角化でした。

多角化に関する記述として、最も適切なものはどれか。
×ア 企業における多角化の程度と収益性の関係は、その企業が保有する経営資源にかかわらず(→○と) 、外部環境によって決定される。
×イ 情報的経営資源は、複数の事業で共有する(→○しない)とその価値が低下するため、多角化の推進力にはならない(→○になる)
〇ウ 多角化の動機の 1 つとして、社内に存在する未利用資源の活用があげられる。
×エ 多角化は規模(→○範囲)の経済を利用するために行われる。
R4第1問 ドメイン(多角化) Bランク

学説に触れているので難ですが、×イウは下線部があべこべ、×エは相乗⇔相補の定番入れ替えです。

×→○
×ア多角化の程度が一貫して上昇している(難)1970年代頃まで多角化が人気であった
×イウ上昇低下(イウをまたいで下線部あべこべ)
×エ相乗効果相補効果
企業の多角化に関する記述として、最も適切なものはどれか。
×ア C.マルキデスによると、第二次世界大戦後の米国企業では、多角化の程度が一貫して上昇しているとされる。(→○1970年代頃まで多角化が人気であった)
×イ R.ルメルトや吉原英樹らの研究によると、多角化の程度が高くなるほど、全社的な収益性(利益率)が上昇する関係があるとされる。(→○低下)
×ウ R.ルメルトや吉原英樹らの研究によると、多角化の程度が高くなるほど、全社的な成長性が低下する関係があるとされる。(→○上昇)
×エ 伊丹敬之によると、 1 つの企業で複数の事業を営むことで生じる「合成の効果」には、相補効果と(狭義の)相乗効果の 2 種類があるとされる。そのうち、物理的な経営資源の利用効率を高めるものは、(狭義の)相乗効果と呼ばれる。(→○相補効果)
〇オ 関連多角化を集約型(constrained)と拡散型(linked)に分類した場合、R.ルメルトの研究によると、拡散型より集約型の方が全社的な収益性(利益率)が高い傾向にあるとされる。
R5第1問 ドメイン(多角化) Bランク

この定番入替だと、さすがに正答率はB以上です。

 ドメインに関する記述として、最も適切なものはどれか。
×ア PPMを用いた事業間の資源配分の決定を基に、企業(→○事業)ドメインが決定される。
×イ 企業(→○事業)ドメインには、多角化の広がりの程度、個別事業の競争戦略の方針、差別化の在り方および日常のオペレーションといった内容が含まれる。
○ウ 経営者は事業間でシナジー効果がどれくらい働くのかを考えて、企業ドメインを決定する。
×エ 事業(→○企業)ドメインには、部門横断的な活動や他の事業分野との関連性、将来の企業のあるべき姿や経営理念といった内容が含まれる。
R6第3問 ドメイン(多角化) Aランク

以下では問題文の定義より、専門化率=青、垂直比率=緑、関連比率=黄色で計算しました。計算問題は一度納得すると忘れにくいので、大事に使える設問です。

ある企業では4 つの事業を展開している。以下は、各事業(①~④)の事業内容とある年度における売上高である。製品Aと製品B、部品Cは技術的に関連しているものとする。
① 製品A事業:960億円
② 製品B事業:10億円
③ 部品C(製品Aの原材料の1 つ)事業:20億円
④ 不動産事業:10億円
 R.ルメルトの多角化の分類に基づいたこの企業の多角化の程度として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
 なお、この多角化の分類では、多角化企業は以下の基準で分類されるものとする。
・専門化率が95 %以上のものは単一事業企業
・専門化率が95 %未満で垂直率が70%以上のものは垂直的主力事業企業
・専門化率と垂直率が70%未満で関連率が70%以上のものは関連事業企業
・専門化率と垂直率、関連率のいずれもが70%未満のものは非関連事業企業
×ア 関連事業企業
×イ 垂直的主力事業企業
○ウ 単一事業企業
×エ 非関連事業企業
R7第1問 ドメイン Cランク

よくある全社→事業→機能戦略について、知らない外人名で迷わせる。×イエの2択にし、PPMの知識を思い出してイを×にします。

C.ホッファーとD.シェンデルは、戦略概念を整理し、戦略には階層があり、それぞれの戦略の検討事項は異なることを指摘している。彼らの分類に基づいた戦略に関する記述として、最も適切なものはどれか。
×ア 機能分野別戦略(→○全社戦略)では、事業領域の選択が最も重要な戦略上の検討事項である。
×イ コングロマリット企業の全社戦略では、事業間の資源シナジーの創出(→○資源や資金の再配分)が最も重要な戦略上の検討事項である。
×ウ 事業戦略(→○全社戦略)では、事業ポートフォリオ内の事業間での経営資源の配分が最も重要な戦略上の検討事項である。
○エ 事業戦略では、独自能力の構築と競争優位性の獲得が最も重要な戦略上の検討事項である。
×オ 全社戦略(→○事業戦略)では、特定の製品や市場セグメントでの競争に焦点を当て、その事業の成長や利益を増加させることが最も重要な戦略上の検討事項である。

ベストの誤答選択肢 R7第1問 誤答×イ
コングロマリット企業の全社戦略では、事業間の資源シナジーの創出(→○資源や資金の再配分)が最も重要な戦略上の検討事項である。

コングロマリットの全社戦略は「シナジー創出」でなく「資源・資金の再配分」。この再配分をどの事業に行うかを可視化する判断ツールが次のPPMです。

PPM

R3第2問 PPM Aランク

PPMからド定番。市場シェア×成長率とその資金流出入を考慮するので、×エの断定を避けます。

ボストン・コンサルティング・グループ(BCG)が開発した「プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント」(以下「PPM」という)と、その分析ツールである「プロダクト・ポートフォリオ・マトリックス(BCG 成長-シェア・マトリックス)」に関する記述として、最も適切なものはどれか。
×ア PPM の分析単位である戦略事業単位(SBU)は、製品市場の特性によって客観的に(→○その企業の戦略に沿って主観的に)規定される。
×イ 「プロダクト・ポートフォリオ・マトリックス」では、縦軸に市場成長率、横軸に戦略事業単位(SBU)の売上高(→○市場シェア)をとり、その2 次元の座標軸の中に各事業が位置付けられる。
○ウ 「プロダクト・ポートフォリオ・マトリックス」において「金のなる木」に分類された事業は、将来の成長に必要な資金を供給する。
×エ 「プロダクト・ポートフォリオ・マトリックス」において「花形」に分類された事業は、生産量も大きく、マージンは高く、安定性も安全性も高い(→○高い傾向がある)
×オ 「プロダクト・ポートフォリオ・マトリックス」において「問題児(→○負け犬)に分類された事業からは撤退すべきである。
R3第5問 成長率 Cランク

「財務」で学ぶ複利現価係数の計算です。

次の文章の空欄に入る数値として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
業界全体の成長率は、当該業界における競争状況や収益性に影響を与えることから、競争戦略を考える上で重要な要因の1 つである。
X業界における2018 年度の販売金額は1,000 億円で、2020 年度の販売金額は1,440 億円であった。この間のX業界の年平均成長率(CAGR)は、【 】%である。
×ア 14.7
○イ 20.0
×ウ 22.0
×エ 29.3
×オ 44.0
R4第2問 PPM Eランク

PPMの誤文訂正は毎年1マークのド定番。×ウがひっかけで、「カネに関してはシナジー(互いのやりとり)を考慮」に。間違えて次に気を付ければOK。

ボストン・コンサルティング・グループ(BCG)が開発した「プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント」(以下「PPM」という)と、その分析ツールである「プロダクト・ポートフォリオ・マトリックス(または「成長-シェア・マトリックス」)」に関する記述として、最も適切なものはどれか。
×ア PPM では、「金のなる木」で創出した資金を「花形(→○問題児)に投資して、次世代を担う事業を育成することが、最適な企業成長を図る上での中核的なシナリオとして想定されている。
○イ PPM では、「負け犬」に位置づけられる事業は「収穫(harvest)」ないし「撤退(withdraw)」の対象とすることが、望ましいとされる。
×ウ PPM は企業における事業のポートフォリオを検討する手段であることから、そこでは、ヒト、モノ、カネ(→○ヒト、モノ ※カネは考慮する)といった経営資源に関する事業間のシナジーは、考慮されない。
×エ プロダクト・ポートフォリオ・マトリックスの縦軸は、当該企業の各事業(→○市場)の成長率で構成される。
×オ プロダクト・ポートフォリオ・マトリックスの横軸は、各事業(戦略事業単位(SBU))が属する業界の集中度を示すエントロピー指数(→○相対シェア ※R4第4問参照)で構成される。
R5再試験第2問 PPM

頻出のPPMでは、負け犬→問題児→花形→金のなる木の用語入れ替えが主ですが、時々×イのような細かいひっかけがあります。

プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント(PPM)に関する記述として、最も適切なものはどれか。
×ア PPM では、成長市場に位置づけられキャッシュ・フローを最も生み出す「問題児(→○花形)事業よりも、「負け犬」事業を削減する方が重要である。
×イ PPM では、縦軸に自社の事業(→○市場)の成長率、横軸に相対的な市場シェアをとり、その中での各事業のポジションに応じて、キャッシュの分配が決定される。
×ウ PPM では、「花形(→○金のなる木)事業は、他の事業へ資金供給することが最も重要な役割である。
○エ PPM では、「問題児」事業から撤退するか否かは、成長率、収益性に加え、自社のドメインとの適合性の観点からも判断される。
×オ PPM では、ライバルである他社を買収し生産規模を拡大すれば、「金のなる木(→○問題児)事業を「花形」事業にすることができる。
R6第4問 PPM Bランク
以下の表は、企業Xのある年度の各事業の状況を示している。プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント(PPM)の枠組みから示唆される記述として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
×ア 事業B(→○事業C(負け犬))は、成長余地がないので、できるだけ速やかに事業清算を行う。
○イ 事業Dは、市場シェアや競争力の維持のために、事業からの収益を自事業に再投資する。
×ウ 最も売上高の大きい事業Bから資金を投じ、事業C(→○事業A(問題児))を育成する。
×エ 最も市場シェアの高い事業Dから技術シナジーを生むための(→※PPMでは事業間シナジーを考慮しない)技術供与を行い、事業Aを育成する。
×オ 最も市場シェアの高い事業D(→○事業B(金のなる木)から資金を投じ、事業C(→○事業A(問題児))を育成する。
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ベストの誤答選択肢 R6第4問×エ
最も市場シェアの高い事業Dから技術シナジーを生むための(→※PPMでは事業間シナジーを考慮しない)技術供与を行い、事業Aを育成する。

PPMは資源配分の優先順位を示すが、事業内部の資源の強さは評価しない。その内部資源の価値・希少性・模倣困難性を問うのがVRIOです。

VRIO

R3第4問 VRIO Aランク

断定表現は丸めて言い換えます。

G.ハメル(G. Hamel)とC.K.プラハラード(C. K. Prahalad)によると、コア製品とは、コア・コンピタンスによって生み出された製品であり、最終製品の一部を形成するものである。
このコア製品に関する記述として、最も適切なものはどれか。
×ア コア製品で獲得したマーケットシェアが、最終製品で獲得したマーケットシェアを上回ることはない(→○もある)
○イ コア製品のマーケットシェアを拡大することは、コア製品への投資機会の増加につながり、コア・コンピタンスを強化する機会になる。
×ウ コア製品は、特定の製品や業界につながっているものであり、複数の製品や業界に展開することはない(→○もできる)
×エ コア製品を同業他社に販売すると、コア製品を販売した企業の最終製品の競争力は低下する(→○することもある)
R4第3問 VRIO Bランク

○ア PEST分析(コトラー)は本来マーケの出題領域なので、今後の「事例Ⅰ」出題可能性に注目します。

組織内外の環境を分析するための枠組み(フレームワーク)に関する記述として、最も適切なものはどれか。
○ア 「PEST フレームワーク」では、企業を取り巻く外部環境を、政治、経済、社会、技術の観点から分析する。
×イ 「VRIO フレームワーク」によると、経営資源について、経済的価値が認められるか、希少性が高いか、模倣が困難であるか、その経営資源を活用できる組織能力があるか、という条件のうち、1 つでも満たされていれば(→○4つとも満たすことで)持続的競争優位に資する経営資源と判断される。
×ウ 「戦略分析の3 C」はマーケティング環境を分析するための枠組みであり、資本(→○自社)、顧客、競合に着眼して分析を行う。
×エ M.ポーターが提示した「価値連鎖(Value Chain)」は、価値がどの機能で生み出されるかを可視化する分析枠組みであり、購入物流、製造、出荷物流、○販売・マーケティング、サービスなどの主要活動と、技術開発、人事・労務管理、調達活動、販売・マーケティング(→削除。主要活動に移す)などの支援活動から構成される。
×オ M.ポーターによる「5 つの競争要因(Five Forces)」は、当該業界の成長性(→○競争状況)を決定する諸要因である。
×エについては下図参照。
R5第2問 VRIO Aランク

VRIO→持続的な競争優位を探す一択になる。上の表を使い×アイウを正しい文に直して納得です。

 J. B.バーニーが提唱した「VRIOフレームワーク」に則った記述として、最も適切なものはどれか。
×ア 外部環境の機会を適切に捉えた価値がある経営資源であれば、業界内において希少でなくても(→○希少、模倣困難、組織化の3つが揃うことで)、持続的な競争優位の源泉となる。
×イ 価値があり、業界内において希少で、別の経営資源で代替される可能性が少ない経営資源を保有していても、それが組織体制とコンフリクトを起こすようであれば、組織体制を変更せずに経営資源を見直さなければならない(→○を変更して持続的な競争優位を図ると良い)
×ウ 価値が高く、業界内で希少な経営資源では、一時的な競争優位を得ることはできない(→○できる)
○エ 業界内で模倣困難かつ希少で価値ある経営資源を有していても、競争優位性を持続的に確立できないことがある。
R5再試験第3問 コア・コンピタンス

頻出のコア・コンピタンスは意外とふんわり覚えてしまっているので、当問を使ってVRIOとセットで覚え直します。

コア・コンピタンス⇔ケイパビリティの違い

コア・コンピタンスケイパビリティ(VRIO)
技術に焦点組織に焦点
語呂合わせ:代替も利いた?(模倣・希少・移転・耐久)V→R→I→Oの順で持続的競争優位
 G. ハメルとC. K. プラハラードによるコア・コンピタンスに関する記述として、最も適切なものはどれか。
○ア コア・コンピタンスは、顧客が認知する価値を高めるスキルや技術の集合体であるが、その価値をもたらす個々のスキルや技術を顧客が必ずしも理解している必要はない。
×イ コア・コンピタンスは、個々のスキルや技術を束ねたもの(→○顧客に特定の利益を与える一連のスキルや技術)であり、ユニークな競争能力であるためには、企業が独占的に個々のスキルや技術を所有している(→○模倣困難性など5つの視点を満たす)ことが必要である。
×ウ コア・コンピタンスは、特定の製品や業界と深く結びついているものであり(→○つくものではなく)、複数の製品や業界に展開すると(→○しても)、その有効性や価値は減少する(→○しにくい)
×エ コア・コンピタンスは、他の競争優位の源泉となり得る生産設備や特許権のような会計用語上の「資産」であり(→○ではなく)、貸借対照表上の1 科目として計上される(→○されることはない)
×オ コア・コンピタンスを活用し、製品や市場での競争を有利に進めていくためには、垂直統合によって一貫した製造・販売を手がけ、顧客価値を最大化することが必要である(→○は求められない)
R6第2問 VRIO Aランク
 伊丹敬之の提唱する「見えざる資産」に関する記述として、最も適切なものはどれか。
×ア 見えざる資産とは、「ヒト・モノ・カネ・情報」以外で(→○を含む)企業の有する資産を総称した概念である。
×イ 見えざる資産とは、具体的には技術やノウハウ、組織風土を指し、目に見える価値であるブランドは含まれない(→○も含む)
×ウ 見えざる資産は、いったん出来上がるとさまざまな形で多重に利用されることはない(→○される)
○エ 見えざる資産は、企業と外部との間の情報の流れだけではなく、企業内部の情報の流れからも生じる。
×オ 見えざる資産は、競争上の差別化の源泉にはなりにくい(→○なりやすい)性質を有する。
R7第3問 VRIO Aランク

時代が企業に求めるのは「競争」より独自の「成長」であり、VRIOは欠かせないフレームワーク。×アイがやや悩みますが、○イがテキストレベルの正解。

VRIOフレームワークに基づけば、自社の経営資源の模倣困難性は企業の持続的な競争優位性を左右する。競合企業が経営資源を模倣する際のコスト上の不利をもたらし、自社の経営資源の模倣困難性を高める要因として、最も適切なものはどれか。
×ア 競合企業には他に将来性が高く注力するべき経営資源があること(→追加:は無関係)
○イ 自社が歴史的な経緯で長い時間をかけて、独自の経営資源を獲得してきたこと。
×ウ 自社の経営資源がどのように競争優位性につながっているのかが既に明確になっており(→○でなく)、業界に知れ渡っている(→○いない)こと。
×エ 自社の経営資源の価値が特定の市場だけに限定されており、他市場では活用できないこと(→追加:は無関係)
×オ 自社の経営資源を代替できる別の経営資源が外部の企業から調達可能(→○不可能)であること。

ベストの誤答選択肢 R7第3問 ×ウ
自社の経営資源がどのように競争優位性につながっているのかが既に明確になっており(→○でなく)、業界に知れ渡っている(→○いない)こと。

ここまでが自社の内部資源(ケイパビリティ)に注目するこれまでの「成長戦略」の考え方。R7から新論点ダイナミック・ケイパビリティが追加され、変化の速い外部の動きを取りこんで自社を変革する新傾向出題が始まります。

新論点:ダイナミックケイパビリティ+企業間連携

R6第1問 創発的戦略 Dランク

創発的戦略とは、置かれた環境により戦略を変える、組織論でいう「環境不確実性」の論点。当問が布石となり、R7第4問 ダイナミック・ケイパビリティSST出題へと続きます。

H.ミンツバーグによって提唱された創発的戦略に関する記述として、最も適切なものはどれか。
×ア 創発的戦略(→○意図的戦略)とは、「意図された戦略」を「計画された戦略」に落とし込むための方策を表した概念である。
×イ 創発的戦略(→○新事業戦略)とは、新たな事業ドメインをつくり出すための戦略と定義される。
×ウ 創発的戦略(→○シナジー効果、範囲の経済)とは、企業が新たな市場・製品分野に進出する際、シナジー効果の創出を意図する戦略である。
×エ 創発的戦略(→○戦略は組織に従う(アンゾフ))とは、組織形態が戦略の選択肢を狭めるという、戦略策定過程の性質を表した概念である。
○オ 創発的戦略とは、もともとの経営計画には組み込まれておらず偶発的に起こった事象に対応することで、事後的に生み出される戦略のことである。
R7第4問 ダイナミック・ケイパビリティ Bランク

ダイナミック・ケイパビリティはここで試験初出ですが、環境変化の時代に大切。×アイウエはそれぞれ別な用語の説明です。

ダイナミック・ケイパビリティに関する記述として、最も適切なものはどれか。
×ア ダイナミック・ケイパビリティ(→○クローズド・システム)は、企業が外部環境への依存度を下げ、完全に独立した運営を実現する能力を指す。
×イ ダイナミック・ケイパビリティ(→○オーディナリー・ケイパビリティ)は、既存の経営資源を活用することで、成熟期の安定的な市場環境で競争優位性を得る能力を指す。
×ウ ダイナミック・ケイパビリティ(→○コスト・リーダーシップ)は、競合他社からの模倣によって追いつかれないように、業務プロセスの効率化を一層追求する能力を指す。
×エ ダイナミック・ケイパビリティ(→○コア・コンピタンス)は、顧客に独自の価値を提供し、かつ競合他社からの模倣を防ぐことを可能にする、現在の市場において競争優位性を獲得する基盤となる中核的な能力を指す。
○オ ダイナミック・ケイパビリティは、市場環境の変化を知覚し、新たなビジネス機会を活かし、必要時には既存の経営資源やプロセスを再構成する能力を指す。

従来の事例Ⅰが「競争を避け自社の強み(ケイパビリティ)を深掘り」する成長戦略であったのに対し、1次「経営」出題にダイナミック・ケイパビリティを追加したことで、「外部変化をSenseし、M&A・提携・垂直統合をSeizeして自社変革Transform」という攻めのロジックの出題増加が予想されます。

R3第3問 企業間連携 Cランク

どこでボケるか、探してウケます。

M&A(企業の合併・買収)に関する記述として、最も適切なものはどれか。
×ア M&A に当たって企業価値を算定する際には、複数の方法が用いられている。そのうち、マーケット(→○インカム)・アプローチとは、M&A の対象となる企業の収益力をベースに、企業価値を算定する方法である。
×イ M&A において、買収価格が買収対象企業の純資産の時価評価額を上回る場合、その差額は「負ののれん(→○のれん)」と呼ばれる。
○ウ M&A の手法として事業譲渡をとる場合には、譲渡・承継の対象となる資産や負債を個別に選択することができる。
×エ MBO(Management Buyout)とは、M&A の(→○M&Aとは)対象となる企業や事業の経営陣が、投資ファンドなどの第三者に、主体的にその企業を売却して、経営から退くことである。MBO(→○M&A)が成立すると、経営陣は退任の見返りとして、金銭的報酬を受け取る。
R4第5問 企業間連携 Bランク

こちらも良くある出題パターン。×アウは主語入れ替えとすぐわかりますが、×エ コントロール・プレミアムはテキスト外なのでネットで調べる。

M&A(企業の合併・買収)に関する記述として、最も適切なものはどれか。
×ア TOB(→○LBO)とは、買収コストを充足するために、買収する企業の資産や買収後のキャッシュフローを担保として借入金を調達し、企業買収を行う手法である。
○イ 黄金株とは、会社の合併などの重要な決議事項について、株主総会で拒否権を行使できる株式であり、敵対的買収に対する防衛策となる。
×ウ カーブアウト(→○クラウンジュエル(焦土作戦))とは、敵対的買収の対象となる企業の経営者が、買収される前に会社の魅力的な資産を売却して、敵対的買収の意欲を削ぐ買収防衛策である。
×エ コントロール・プレミアムとは、企業の経営陣(→○買収者)が企業の所有者から株式などを買い取り、経営権を取得することで生じる1 株当たりの価値の上昇分を指す。
R5第7問 企業間連携 Bランク

正解○ウは選びにくいので消去法で。×アエの下線部入れ替えは瞬殺。×イは戦略的提携→M&Aにしてもマル。×オをもし正解に選んだ方は注意不足です。

M&Aや戦略的提携に関する記述として、最も適切なものはどれか。
×ア 異業種間のM&Aでは、自社の必要としない資源までも獲得することがあり非効率が生じやすいが、規模(→○範囲)の経済のメリットを享受できる。
×イ 戦略的提携では、パートナーが裏切る可能性があり、それを抑制するために事前にデューデリジェンスを行うことが必須である(→○非効率である
○ウ 戦略的提携では、パートナーに開示する情報を選択することを通じて、パートナーの学習速度に影響を与えることができる。
×エ 同業種間のM&Aは、範囲(→○規模)の経済と習熟効果の実現というメリットがあることから、異業種間のM&Aに比べて統合コストは低い。
×オ 買収者以外の株主にオプションを与えるなどして買収コストを引き下げ(→○引き上げ)ようとすることを、ポイズンピルと呼ぶ。
R6第5問 企業間連携 Bランク
他社からの買収に対応する企業Aの行動に関する記述として、最も適切なものはどれか。
×ア 「ゴールデンパラシュート(→○MBO)を導入し、経営陣が既存株主から自社の株式を直接購入して上場を廃止しようとする。
×イ 自社の重要な資産をあらかじめ売却する「サメ除け(→○クラウンジュエル(焦土作戦))を行う。
×ウ 買収企業が保有する企業Aの株式を、市場価格よりも高い価格で全て買い取ろうとする「パックマン戦法(→○ホワイトナイト)を行う。
○エ 買収企業による企業Aの株式の大量買付に備えて、買収企業以外の既存株主が新株を市場価格より安く取得できるなどの権利を事前に与える「ポイズンピル」を導入する。
×オ 買収企業を逆に買収しようとする「ホワイトナイト(→○パックマン戦法)を探す。
R7第6問 企業間連携 Dランク

正解○オがテキスト外の初見知識なので選びにくい。それよりアイウエにバツをつける方が簡単です。

企業間の連携戦略に関する記述として、最も適切なものはどれか。
×ア TOBとは、買収者が対象企業の株式を公開市場(→○市場外)で株主から買い付ける手法のことを指す。
×イ 経営陣が中核となって既存株主から株式を買い取ることをMBOと呼ぶが、MBOは上場企業では起こるが、非上場企業では起こらない(→○でも起こる)
×ウ 仕入先の事業を買収し、事業のバリューチェーンの変革を目指す買収を水平的(→○垂直的)M&Aと呼ぶ。
×エ ジョイントベンチャーは、M&A(→下線部あべこべ)よりも当事者同士で共有できる情報の範囲が広く範囲の経済を享受できるので、より大きな相乗効果が期待される。
○オ ベンチャー企業が開発した革新的な技術やビジネスモデルを取り込み、自社の既存事業との間でシナジーを発現させることなどを目的に、事業会社がベンチャー企業に投資をすることをCVC(コーポレート・ベンチャー・キャピタル)と呼ぶ。

ベストの誤答選択肢 R7第6問 ×ア
TOBとは、買収者が対象企業の株式を公開市場(→○市場外)で株主から買い付ける手法のことを指す。

異業種M&Aで得られるのは「規模の経済」でなく「範囲の経済」。次の5フォースでは、外部連携で補えない競争上の制約、つまり業界構造による収益の上限を分析します。

競争戦略16マーク

中小企業の強みを見つけて伸ばすのが「ドメイン~成長戦略」とすれば、大手に対抗する自社戦略を描く知識が「競争戦略」。診断士受験者の多くが勤める大手上場JTC(強者)の視点から、その下請け体質な中小(弱者)視点への切り替えが問われます。

5フォース(ポーター)

R3第6問 5フォース(業界内競争) Bランク

猫が見ても○オ一択。同業D社のような1社独占には、公的規制がかかります。

脅威業界社数売り手買い手新規参入
代替品
×ア5社×1社5社
×イ4社×1社×1社
×ウ4社5社(1強)5社(1強)
×エ6社×1社×1社
○オ○2社○10社○5×10社以上
次の文章を読んで、問題に答えよ。
X社は全社的な成長に向けて、新たな業界に参入して、新規事業を展開することを計画している。参入先の候補として考えられているのは、AからEの5 つの業界である。社内で検討したところ、各業界の重要な特性として、次のような報告がプロジェクトチームから上がってきた。なお、X社では、いずれの業界においても、各業界における既存の取引関係を用いるとともに、製品・サービスの質とコストに関して既存企業と同様の条件で参入することを想定している。
A業界:この業界には、既に5 社が参入している。主要な原材料は老舗のF社から5社に対して安定的に供給されている。A業界の製品は規模が類似した代理店5 社を通じて販売されている。
B業界:この業界では、4 社が事業を展開している。G社が主要な原材料に関する特許を保有しているために、これら4 社は、原材料をG社から購入する契約を結んでいる。これら4 社の製品は、H社が全量購入している。
C業界:この業界には、既に4 社が参入している。主要な原材料は5 社から購入できるが、生産工程での安定性を考えると、その1 社であるK社の原材料が優れているために、K社の販売数量は他の4 社の合計よりも多い。C業界の製品の販売を委託する企業は5 社存在するが、その中でもL社が強い営業力を有し、他の4 社を圧倒した市場シェアを獲得しており、ガリバー的な存在である。
D業界:この業界では、6 社が事業を営んでいる。D業界の製品は技術革新により年々性能が向上しているが、その性能向上は、主要な原料を供給するM社の技術革新を源泉としているために、全量をM社から調達している。D業界の製品は特殊なサポートが必要であることから、そのサポート体制を有するN社を通じて全量が販売されている。
E業界:この業界には、既に2 社が参入している。原材料の汎用性は高く、コストと品質で同等の水準となる供給業者が10 社存在している。顧客は5 つの業界であり、いずれの業界でも、規模が類似した10 社以上が事業を展開している。
以上に記された情報に基づいて、各業界での競争状況、供給業者の交渉力、買い手の交渉力を業界構造として総合的に考えた場合に、X社が参入する業界として、最も高い収益性(売上高に対する利益率)が期待されるものはどれか。
×ア A業界
×イ B業界
×ウ C業界
×エ D業界
○オ E業界
R4第4問 5フォース(業界内競争) ・競争地位別戦略・(1)B (2)Cランク

絶対シェアなら×アの0.30、首位企業A社に対する相対シェアなら30%/45%=○ウ0.67に。(設問1)は間違えてふぅんと見直せばそれでOK。

次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。
消費財を生産・販売するX業界における市場シェア(占有率)は、以下のとおりである。
A社 45 %
B社 30 %
C社 15 %
D社 10 %
なお、B社はA社と比較して市場シェアでは劣るものの、製品技術の面では、X業界でA社と対抗できるだけの経営資源を保有している。
(設問1 )
X業界におけるB社の相対市場シェアとして、最も適切なものはどれか。なお、小数点第3 位を四捨五入とする。
×ア 0.30
×イ 0.33
○ウ 0.67
×エ 1.50
×オ 2.00

これも主語入れ替えパターン、×イウエオがどの地位戦略の説明かを考えます。

(設問2 )
X業界におけるB社の市場地位や状況を前提とした場合、B社の戦略として最も適切なものはどれか。
○ア A社から市場シェアを奪取しようとする場合には、経営資源を、すべての市場セグメントに偏りなく投入するのではなく、特定の市場セグメントに集中的に投入する。(→○チャレンジャーの説明)
×イ A社よりも低価格の製品を供給するフォロワーとして、A社からの攻撃を回避する。(→フォロワーの説明)
×ウ A社をはじめとする競合企業への同質化によって、市場シェアの拡大を図る。(→リーダーの説明)
×エ B社の市場地位を利用して、小売店でのシェルフ・スペースの確保を、A社をはじめとする競合企業よりも有利に進める。(→リーダーの説明)
×オ 規模の経済や経験曲線効果を利用して、A社をはじめとする競合企業に対するコスト面での優位性を確立する。(→リーダーの説明)
R5第3問 5フォース(業界内競争) Dランク

正答率Dですが、よく考えられた良問。5フォースの真ん中にある「既存業者間の競争」を考えます。独占度(HHI)が高いので業界ABに絞り、次に差別化が進んでいる業界B(○イ)です。

下表では、業界A~Eの競争状況が示されている。M.ポーターの「業界の構造分析(5フォース分析)」に基づき、既存企業間の対抗度の最も低い業界を下記の解答群から選べ。ただし、他の条件は全て等しいものとする。
×ア 業界A
○イ 業界B
×ウ 業界C
×エ 業界D
×オ 業界E
R5再試験第5問 5フォース(売手・買手)

売り手買い手の交渉力を、独占度・参入障壁・スイッチングコストから読み解く高低クイズです。

 「業界の構造分析」の枠組みに基づいて考えられる、売り手X業界とその顧客であるY業界との間での交渉力に関する記述として、最も適切なものはどれか。
×ア X業界が供給する製品をY業界の企業が他社の競合製品に切り替える際に、その製品の使用方法を初めから学び直す必要がある場合には、その必要がない場合と比べて、X業界に対するY業界の交渉力は高い(→○低い)
×イ X業界の企業が供給する製品と同業他社の競合製品との間での互換性が高い場合には、互換性が低い場合と比べて、X業界に対するY業界の交渉力は低い(→○高い)
×ウ Y業界の企業がX業界へ後方統合できる場合には、後方統合が不可能な場合と比べて、Y業界に対するX業界の交渉力は高い(→○低い)
×エ Y業界の企業にとってX業界の製品の強力な代替品が存在する場合には、代替品が存在しない場合と比べて、Y業界に対するX業界の交渉力は高い(→○低い)
○オ Y業界のハーフィンダール指数がゼロに近づくほど、X業界に対するY業界の交渉力は低くなる。
R6第7問 5フォース(新規代替) Aランク
M.ポーターの「業界の構造分析(5フォース分析)」における代替品に関する記述として、最も適切なものはどれか。
×ア ある業界に代替品が存在することは、その業界の潜在的な収益性に(→○負)の影響を及ぼす。
×イ 代替品となるものが少ないほど、代替品の脅威は大きく(→○小さく)なる。
○ウ 代替品のコストパフォーマンス比の向上が急速であるほど、その代替品の脅威は大きい。
×エ 代替品を提供する業界の利益率が高いほど、代替品の脅威は小さい(→○大きく)
×オ 何を代替品と見なすかは客観的に識別しやすい(→○しにくい)ものである。
R7第7問 5フォース(新規代替) Bランク

撤退しやすい業界は敗者が退場するので、非効率な競争が起きず損が少ない。逆に試験でベテが撤退せずムダ勉を続ける理由がわかるサービス問題です。

ある業界では、次のような特徴が見られる。
・新規参入には、大規模な設備や高度な専門技術が必要で、初期投資も多額になる。また、業界の参入規制に従うための許可取得にも時間を要する。
・撤退する際は、当該設備を他業界に転用でき、契約の解消もスムーズに進むため、撤退時の負担は比較的小さい。
「業界の構造分析」の考え方に従った場合、この業界における競争の特質に関する述として、最も適切なものはどれか。
○ア 参入障壁が高く、撤退障壁が低い業界であるため、新規参入は控えられる一方、低業績の企業は撤退しやすくなることから、業界の収益性は高くなりやすい。
×イ 参入障壁も撤退障壁も低いため、不採算企業が市場に残りやすく、業界の競争が激化して業界の収益性は低下しやすくなる。
×ウ 新規参入が制限されるとともに、競争力の低い企業が撤退しやすくなることから、市場の集中度は低下(→○上昇)し、業界の競争は緩やかになりやすい。
×エ 新規参入は慎重に行われるものの、撤退コストが低いため、多くの企業は業界にとどまり続け(→○続けることなく)、結果として業界の競争は激しくなりやすい(→○にくい)
×オ 撤退が容易であるため、新規参入(→○撤退)に対する動機は高まり、結果として、業界の競争の激化と収益性の低下が長期的に進みやすい(→○にくい)

ベストの誤答選択肢 R7第7問 誤答×エ
新規参入は慎重に行われるものの、撤退コストが低いため、多くの企業は業界にとどまり続け(→○続けることなく)、結果として業界の競争は激しくなりやすい(→○にくい)

買い手力が強い業界では価格を下げられやすい。その圧力に対してコストか差別化かで対抗ポジションを選ぶのが、ポーターの基本戦略です。

競争の3つの基本戦略(ポーター)

R3第7問 コスト・リーダーシップ(規模の経済) Cランク
画像:Globis学び放題

やや難しい分、正解を見てから嘘つき選択肢を読んで心底ウケる。するともう一生忘れません。

競争戦略に関する事項の説明として、最も適切なものはどれか。
×ア M.ポーター(M. Porter)によれば、競争戦略の基本は、規模の拡大による低コスト化の実現と製品差別化の同時追及(→○と集中の3点)があり、製品差別化と結びつかない低コスト化の追求は、短期的には成功を収めても、中長期的には持続的な競争戦略にはならない。
×イ ある特定の製品の生産・販売の規模を拡大することによって、生産・販売に関わるコスト、特に単位当たりコストが低下する現象は、「範囲(→○規模)の経済」と呼ばれており、コスト・リーダーシップの基盤となる。
○ウ 経験効果とは、累積生産量の増加に伴い、単位当たりコストが一定の比率で低下する現象である。この累積生産量と単位当たりコストの関係に基づくと、将来の累積生産量から単位当たりコストを事前に予測して、戦略的に価格を設定することができる。
×エ 製品差別化が実現している状況では、当該製品の顧客は代替的な製品との違いに価値を認めているために、競合製品の価格が低下しても、製品を切り換えない。したがって、このような状況では、需要の交差弾力性は大きく(→○小さく)なる。
×オ 製品ライフサイクルの初期段階で、コスト・リーダーとなるためには、大幅に価格を引き下げて、一気に市場を立ち上げるとともに、市場シェアを高める「上澄み(→○市場浸透)価格政策」が有効である。
R5第4問 コスト・リーダーシップ(規模の経済) Aランク

テキストレベル&穴埋めで過去マスでも当たる正答率Aランですが、経験曲線→参入障壁→コストリーダーシップ→価格戦略までピタリと一つにツナがる良問です。

ABC
×ア上澄み価格大きく速い
×イ上澄み価格小さく遅い
×ウ上澄み価格小さく速い
○エ浸透価格大きく速い
×オ浸透価格小さく遅い
経験曲線効果を用いた価格戦略に関する以下の記述について、空欄A~Cに入る語句の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
それまでにない全く新しい製品を発売する場合や、製品自体の存在が認識されておらず市場がなかなか拡大しない場合、製品ライフサイクルの初期段階でコストリーダーとなるためには、【A】戦略をとる必要がある。この戦略は、需要を喚起させるために思い切った低価格を設定し、ライバル企業よりも先に自社製品の生産数量および販売数量を増やすというものである。当該製品の経験曲線効果が【B】、コスト低下のペースが【C】場合、この戦略はより効果的である。
R4第6問 差別化(垂直統合) Bランク

これは主語ひっかけパターンと呼び、(垂直統合ではない)何の戦略の説明か=何が主語かを考えます。

ある企業では、近隣農家からブドウを仕入れて、仕入れたブドウだけを使って自社でワインを製造し、製造したワイン全量を近隣の酒販店に卸売りしている。この企業の垂直統合に当たる行動として、最も適切なものはどれか。
×ア 近隣農家からの仕入れが不安定であることの対策として、ブドウが収穫される半年前に仕入価格を決定し、その価格で買い取ることにした。(→仕入方法の説明)
×イ 販売戦略を見直し、製造したワイン全量を近隣の酒販店に販売することを止めて、製造したワインの半分を遠方の酒販店に販売することにした。(→チャネル戦略の説明)
○ウ 販売戦略を見直し、製造したワインの一部を自社で運営するWeb サイトで消費者に直接販売することにした。
×エ ワインケーキ需要の拡大を受けて、自社で製造したワインをワインケーキの製造業者に原料として販売することにした。(→B2B戦略の説明)
×オ ワイン需要が堅調なことを受けて、近隣農家からのブドウの仕入れを増やし、生産能力向上のための設備投資を行った。(→需要予測・設備投資の説明)
R6第6問 差別化(垂直統合) Cランク
企業が垂直統合を行う動機や理由はさまざまである。このうち、O.ウィリアムソンの取引コスト(transaction cost)理論の観点からの説明として、最も適切なものはどれか。
○ア 相手企業との取引関係構築の際に、関係特殊的な資産への多額の投資を必要とするため。(→取引コストの説明)
×イ 自社に蓄積された余剰資金を活用し、資本効率を高める必要があるため。(→資本効率向上の説明)
×ウ 自社の企業規模を拡大し、規模の経済性を高めるため。(→規模の経済の説明)
×エ 市場の新規性が高く取引相手の企業が存在しないが、自社資源を柔軟に再配分して直接進出することができるため。(→新規市場参入の説明)
×オ 複数の事業を傘下に収めることで、範囲の経済性を高めるため。(→範囲の経済の説明)
R7第5問 差別化(垂直統合) Bランク

上流や下流企業を自社に取り込むのが垂直統合で、そのメリデメを覚える。総合商社やM&Aに強い企業を想定して解きます。

垂直統合と市場取引に関する記述として、最も適切なものはどれか。
×ア 市場取引から垂直統合に転換すると、市場取引の時よりも暗黙知や文脈依存的な知識は活用されにくくなる(→○にくい)
×イ 市場取引垂直統合(→○下線部あべこべ)に比べて調整の効率性が高く、機会主義的行動の発生を抑制できる。
×ウ 垂直統合された組織では、市場取引の時に比べて、コストを削減したり機能や品質を向上させたりするインセンティブは高まる(→○弱まる)
○エ 特定の取引相手しか供給できない財を調達する場合、市場取引よりも垂直統合が選択される傾向がある。
×オ 取引する財が標準化されている場合、市場取引よりも垂直統合(→下線部あべこべ)が選択される傾向がある。
R6第8問 その他ポーター Bランク
衰退業界とは、景気変動や短期的要因によるものではなく、長期にわたって販売数量そのものが下降を続けている業界のことである。M.ポーターの衰退業界の競争戦略に関する記述として、最も適切なものはどれか。
○ア 買い手が価格に敏感でなく、かつ買い手の交渉力が小さいほど、業界の売上が縮小しても、残存者は利益を得やすい。
×イ 企業が業界内で強力なポジションを占めているほど、企業による業界の衰退予想はより悲観的(→○楽観的)になりやすい。
×ウ 急激かつ無軌道な衰退プロセスが予想されるほど、その業界の競争の激しさは減少(→○増加)する。
×エ 業界衰退期の戦略の1 つである刈り取り(→○拠点確保)戦略とは、高い利益率を生み出す特定のセグメントを見い出し、その防衛を目指す戦略である。
×オ 業界衰退の速度は、技術進歩や人口変化などの環境要因によって決まるもので、個々の企業の撤退戦略とは関係ない(→○にも影響される)。
R7第8問 その他ポーター Cランク

ポーターの”アクティビティ・システム”とは、基本戦略(コストリーダーシップ・差別化・集中)の考えを更に具体化したもの。中小相手の「2次」でポーターはほぼ出ないので、当問はスルー。

M.ポーターによって提唱された「活動システム(activity system)」に関する記述として、最も適切なものはどれか。
○ア 活動システム全体の一貫性を確保し、活動間の相互作用を強化することで、活動システムの模倣困難性を高めることができる。
×イ 活動システム全体を最適化するために、各活動の効率性(→○活動間の適合性)を優先した設計を行う必要がある。
×ウ 企業を類似した活動システムによってグループ化し、業界全体の競争状況(→○自社の戦略と活動のつながり)を視覚的に把握するためのツールを活動システムマップという。
×エ コスト優位を実現する活動システムに、差別化優位を実現する活動の一部を統合することで、低コスト化と差別化のトレードオフは解消される(→○が高まってしまう)
×オ 戦略を曖昧にする(→○何をしないかを明確にする)ことで、活動システムの柔軟性を高め、持続的な競争優位性を実現することができる。

ベストの誤答選択肢 R3第7問 ×オ
製品ライフサイクルの初期段階で、コスト・リーダーとなるためには、大幅に価格を引き下げて、一気に市場を立ち上げるとともに、市場シェアを高める「上澄み(→○市場浸透)価格政策」が有効である。

コストリーダーシップは低コストで市場シェアを広げる戦略であり、そのシェアの大きさや業界地位で取るべき戦略を変えるのがコトラーの競争地位別戦略です。

競争地位別戦略(コトラー)

R5第5問 競争地位別戦略 Bランク

5フォースの業界内競争を、今度はコトラーの競争地位別戦略で見ていく。中学入試算数レベルの表から4つの戦略を選ぶと、答えが5秒で決まる良問です。

下表では、ある市場のある年度におけるメーカー企業(企業A~D)の売上高(売上数量と売上金額)が示されている。「競争地位別戦略」に基づいた、各社のとる戦略に関する記述として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
×ア 企業A(→○企業C)は、数量シェアを増加させるために、積極的に価格を下げる。
×イ 企業Bは、製品単価が最も高く市場拡大の利益が大きいため、市場全体の拡大(→○ニッチ市場の獲得)を第一に目指す。
×ウ 企業C(→○企業A)は、製造コストを上げて製品品質を高めながら、競合からの顧客獲得を狙う。
○エ 企業Dは、最大のシェアを維持するためには、他社の行動に対して同質化を行うだけでなく、自社からのイノベーションも検討する。
R5再試験第4問 競争地位別戦略
業界の参入障壁が高まることが想定される状況に関する記述として、最も適切なものはどれか。
×ア インターネットの普及に伴いEC という新しい販売チャネルが生まれ、潜在的な顧客が飛躍的に増加した。(→障壁が低くなる説明)
○イ 従来よりも巨額の運転資本を必要とする新しいビジネスモデルが業界内で普及した。
×ウ 代替品の技術が大きく進化し、そのコストパフォーマンスが大きく向上した。(→障壁が低くなる説明)
×エ 誰でも利用可能なオープンな標準規格が業界内で誕生し、高品質な製品が低価格で消費者に提供可能になった。(→障壁が低くなる説明)
×オ 当該業界の提供する製品の需要が拡大し、その製品の平均的な価格が上昇した。(→障壁が低くなる説明)

ベストの誤答選択肢 R5第5問×イ
企業Bは、製品単価が最も高く市場拡大の利益が大きいため、市場全体の拡大(→○ニッチ市場の獲得)を第一に目指す。

コトラーの競争地位別戦略は、多くの中小企業が参考にするモデル。地位ごとに戦う土俵と目標を変えるこの構造こそ、ドメイン定義から競争優位まで一貫する成長・競争戦略のラスボス問題にぴったりです。

今日のまとめ

Q
6月に入り7科目ある「1次」勉を効率的に進めるには、過去問をぶつ切りにせず、論点別に古い年から並べてそのひっかけの進化を眺め、解き方のコツを覚えてスラスラ時短すると良い。さらにAIの力を借り「次論点とどうつながるか」を書き出すと、一筆書き上にストーリー記憶化されて「2次」の大事な時に浮かびやすい。
A

「1次」対策に生成AIを併用すると、今日のように38マークある知識の全てが1つに「つながる」。すると知識が思い出しやすくなるため、後に続く「1次」暗記もスラスラ時短が進みます。

■■ここからテンプレ■■

-C経営

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