GWにもし1日2h時間を取れるなら、間違いなく「Ⅳ」計算問題を解くのが良い。そこでまず全問解説エクセルをDLします。

簿記知識抜きで解く1級計算問題

難化・変化する「Ⅳ」対策として挑戦したい1級計算問題集は、当然簿記2知識を前提とする上、1問解くのに60分かかることもザラ。そこでどんな難問でも「最も正しい1つの解き方」に決まるエクセル解説を用意しました。

C経営

【最小字数で正文化:経営①】重要論点は年1マーク / ドメイン・PPM・VRIO・企業間連携

「2次」の国語対策には年30万円のベテ課金より、「1次」の嘘つき4択を最小字数で正文化すると良い。その優位性が賢く合理的に説明されるのも、生成AI時代の特徴です。

Q
超絶ベテ専E社や過去マスD社が生涯知らない、意外なミクロを得意にするのも上位5%。「2次」ベテ勉のループにハマる前に、重要論点を年1マークずつ出題し、かつ最小字数で正文化できる「1次」を重視するのが常識以前。
A

隣のE社やD社に入信すると生涯2割コロコロと、試験委員が総出で苦笑いする。それは「1次」4択マークを最適に使うと、極端には「2次」勉ゼロでも「2次」を高確率で受かるため。

①正解選択肢の一部を変えて誤答に①試験委員視点で「覚えやすい」③受験者視点で「正しい国語」
誤答選択肢は、正しい知識の一部を意図的に誤りに変えて作られます。そのため、正解と誤答の違いはごくわずかであり、どの部分が本質的な誤りであるかを見極める力が求められます。試験委員は、誤答選択肢を最小限の字数で正答に直すことで、正しい知識の本質を明確化し、受験者が覚えやすくなる期待を持っています。受験者は、このドリルを通じて正確な語彙や論理構造への理解を深めます。誤答を最小字数で正文化することで適切な表現や要点を短く的確に伝える力が磨かれます。
このプロセスで、文章全体の意味や構造を正確に理解する力が養われ、基礎的な国語力が向上します。最小限の修正によって要点が際立ち、無駄な情報を削ぎ落として核心部分に集中することで、知識の定着と国語力の向上に直結します。結果として、試験委員が意図する正解を導き出すスキルを身に付け、国語力向上とともに2次試験で求められる表現力や論理力にもつながります。

【最小字数で正文化:経営①】重要論点は年1マーク / ドメイン・PPM・VRIO・企業間連携

当試験が「合格時短」「平均年齢時短」を掲げる以上、「2次」に書くべき知識を「1次」出題範囲内に限定するのは、ベテ専E社を除いてごく当然。さらに「重要論点は年1マーク出題」の法則を適用すると、「2次」をどの論点で答えるべきかも一目でわかります。

ドメイン(多角化)

企業が活動する市場や事業領域を指し、経営資源を集中させる対象を明確にする概念です。競争優位を築く基盤として、戦略立案の出発点となります。(生成AIによる説明。以下同じ)

Q
「経営」R6第3問 ドメイン(多角化) Aランク
R.ルメルトの多角化の分類に基づいたこの企業の多角化の程度として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
A

ここは例年「企業ドメイン」⇔「事業ドメイン」をあべこべにする出題が定番ですが、R6は多角化の計算問題に捻ってきました。ここを別論点と捉える同業D社と、同じ論点と捉える上位5%では、論点の把握力がレベチになります。

誤答選択肢とその訂正

以下では問題文の定義より、専門化率=青、垂直比率=緑、関連比率=黄色で計算しました。計算問題は一度納得すると忘れにくいので、大事に使える設問です。

ある企業では4 つの事業を展開している。以下は、各事業(①~④)の事業内容とある年度における売上高である。製品Aと製品B、部品Cは技術的に関連しているものとする。
① 製品A事業:960億円
② 製品B事業:10億円
③ 部品C(製品Aの原材料の1 つ)事業:20億円
④ 不動産事業:10億円
 R.ルメルトの多角化の分類に基づいたこの企業の多角化の程度として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
 なお、この多角化の分類では、多角化企業は以下の基準で分類されるものとする。
・専門化率が95 %以上のものは単一事業企業
・専門化率が95 %未満で垂直率が70%以上のものは垂直的主力事業企業
・専門化率と垂直率が70%未満で関連率が70%以上のものは関連事業企業
・専門化率と垂直率、関連率のいずれもが70%未満のものは非関連事業企業
×ア 関連事業企業
×イ 垂直的主力事業企業
○ウ 単一事業企業
×エ 非関連事業企業
R3第1問 ドメイン(多角化) Aランク

第1問はドメイン出題が定番ですが、R3は多角化でした。

多角化に関する記述として、最も適切なものはどれか。
×ア 企業における多角化の程度と収益性の関係は、その企業が保有する経営資源にかかわらず、外部環境によって決定される。(→○と)
×イ 情報的経営資源は、複数の事業で共有するとその価値が低下するため、多角化の推進力にはならない(→○しない、になる)
〇ウ 多角化の動機の 1 つとして、社内に存在する未利用資源の活用があげられる。
×エ 多角化は規模の経済を利用するために行われる。(→○範囲)
R4第1問 ドメイン(多角化) Bランク

学説に触れているので難ですが、×イウは下線部があべこべ、×エは相乗⇔相補の定番入れ替えです。

×→○
×ア多角化の程度が一貫して上昇している(難)1970年代頃まで多角化が人気であった
×イウ上昇低下(イウをまたいで下線部あべこべ)
×エ相乗効果相補効果
企業の多角化に関する記述として、最も適切なものはどれか。
×ア C.マルキデスによると、第二次世界大戦後の米国企業では、多角化の程度が一貫して上昇しているとされる。(→○1970年代頃まで多角化が人気であった)
×イ R.ルメルトや吉原英樹らの研究によると、多角化の程度が高くなるほど、全社的な収益性(利益率)が上昇する関係があるとされる。(→○低下)
×ウ R.ルメルトや吉原英樹らの研究によると、多角化の程度が高くなるほど、全社的な成長性が低下する関係があるとされる。(→○上昇)
×エ 伊丹敬之によると、 1 つの企業で複数の事業を営むことで生じる「合成の効果」には、相補効果と(狭義の)相乗効果の 2 種類があるとされる。そのうち、物理的な経営資源の利用効率を高めるものは、(狭義の)相乗効果と呼ばれる。(→○相補効果)
〇オ 関連多角化を集約型(constrained)と拡散型(linked)に分類した場合、R.ルメルトの研究によると、拡散型より集約型の方が全社的な収益性(利益率)が高い傾向にあるとされる。
R5第1問 ドメイン(多角化) Bランク

この定番入替だと、さすがに正答率はB以上です。

 ドメインに関する記述として、最も適切なものはどれか。
×ア PPMを用いた事業間の資源配分の決定を基に、企業ドメインが決定される。(→○事業)
×イ 企業ドメインには、多角化の広がりの程度、個別事業の競争戦略の方針、差別化の在り方および日常のオペレーションといった内容が含まれる。(→○事業)
○ウ 経営者は事業間でシナジー効果がどれくらい働くのかを考えて、企業ドメインを決定する。
×エ 事業ドメインには、部門横断的な活動や他の事業分野との関連性、将来の企業のあるべき姿や経営理念といった内容が含まれる。(→○企業)

PPM

市場成長率と市場占有率の2軸で製品や事業を分類し、資源配分や投資戦略を最適化する手法です。事業の強みや課題を把握し、経営資源を効率的に活用できます。

Q
「経営」R6第4問 PPM Bランク
以下の表は、企業Xのある年度の各事業の状況を示している。プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント(PPM)の枠組みから示唆される記述として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
A

毎年定番のPPMが、初めて計算問題として出題されました。計算をしなくても、事業D=花形さえ決めれば、○イ一択にできます。

誤答選択肢とその訂正
×ア 事業B(→○事業C(負け犬))は、成長余地がないので、できるだけ速やかに事業清算を行う。
○イ 事業Dは、市場シェアや競争力の維持のために、事業からの収益を自事業に再投資する。
×ウ 最も売上高の大きい事業Bから資金を投じ、事業C(→○事業A(問題児))を育成する。
×エ 最も市場シェアの高い事業Dから技術シナジーを生むための(→※PPMでは事業間シナジーを考慮しない)技術供与を行い、事業Aを育成する。
×オ 最も市場シェアの高い事業D(→○事業B(金のなる木)から資金を投じ、事業C(→○事業A(問題児))を育成する。
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R3第2問 PPM Aランク

PPMからド定番。市場シェア×成長率とその資金流出入を考慮するので、×エの断定を避けます。

ボストン・コンサルティング・グループ(BCG)が開発した「プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント」(以下「PPM」という)と、その分析ツールである「プロダクト・ポートフォリオ・マトリックス(BCG 成長-シェア・マトリックス)」に関する記述として、最も適切なものはどれか。
×ア PPM の分析単位である戦略事業単位(SBU)は、製品市場の特性によって客観的に(→○その企業の戦略に沿って主観的に)規定される。
×イ 「プロダクト・ポートフォリオ・マトリックス」では、縦軸に市場成長率、横軸に戦略事業単位(SBU)の売上高(→○市場シェア)をとり、その2 次元の座標軸の中に各事業が位置付けられる。
○ウ 「プロダクト・ポートフォリオ・マトリックス」において「金のなる木」に分類された事業は、将来の成長に必要な資金を供給する。
×エ 「プロダクト・ポートフォリオ・マトリックス」において「花形」に分類された事業は、生産量も大きく、マージンは高く、安定性も安全性も高い(→○高い傾向がある)
×オ 「プロダクト・ポートフォリオ・マトリックス」において「問題児(→○負け犬)に分類された事業からは撤退すべきである。
R4第2問 PPM Eランク

PPMの誤文訂正は毎年1マークのド定番。×ウがひっかけで、「カネに関してはシナジー(互いのやりとり)を考慮」に。間違えて次に気を付ければOK。

ボストン・コンサルティング・グループ(BCG)が開発した「プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント」(以下「PPM」という)と、その分析ツールである「プロダクト・ポートフォリオ・マトリックス(または「成長-シェア・マトリックス」)」に関する記述として、最も適切なものはどれか。
×ア PPM では、「金のなる木」で創出した資金を「花形(→○問題児)に投資して、次世代を担う事業を育成することが、最適な企業成長を図る上での中核的なシナリオとして想定されている。
○イ PPM では、「負け犬」に位置づけられる事業は「収穫(harvest)」ないし「撤退(withdraw)」の対象とすることが、望ましいとされる。
×ウ PPM は企業における事業のポートフォリオを検討する手段であることから、そこでは、ヒト、モノ、カネ(→○ヒト、モノ ※カネは考慮する)といった経営資源に関する事業間のシナジーは、考慮されない。
×エ プロダクト・ポートフォリオ・マトリックスの縦軸は、当該企業の各事業(→○市場)の成長率で構成される。
×オ プロダクト・ポートフォリオ・マトリックスの横軸は、各事業(戦略事業単位(SBU))が属する業界の集中度を示すエントロピー指数(→○相対シェア ※R4第4問参照)で構成される。
R5再試験第2問 PPM

頻出のPPMでは、負け犬→問題児→花形→金のなる木の用語入れ替えが主ですが、時々×イのような細かいひっかけがあります。

プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント(PPM)に関する記述として、最も適切なものはどれか。
×ア PPM では、成長市場に位置づけられキャッシュ・フローを最も生み出す「問題児(→○花形)事業よりも、「負け犬」事業を削減する方が重要である。
×イ PPM では、縦軸に自社の事業(→○市場)の成長率、横軸に相対的な市場シェアをとり、その中での各事業のポジションに応じて、キャッシュの分配が決定される。
×ウ PPM では、「花形(→○金のなる木)事業は、他の事業へ資金供給することが最も重要な役割である。
○エ PPM では、「問題児」事業から撤退するか否かは、成長率、収益性に加え、自社のドメインとの適合性の観点からも判断される。
×オ PPM では、ライバルである他社を買収し生産規模を拡大すれば、「金のなる木(→○問題児)事業を「花形」事業にすることができる。
R3第5問 成長率 Cランク

「財務」で学ぶ複利現価係数の計算です。

次の文章の空欄に入る数値として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
業界全体の成長率は、当該業界における競争状況や収益性に影響を与えることから、競争戦略を考える上で重要な要因の1 つである。
X業界における2018 年度の販売金額は1,000 億円で、2020 年度の販売金額は1,440 億円であった。この間のX業界の年平均成長率(CAGR)は、【 】%である。
×ア 14.7
○イ 20.0
×ウ 22.0
×エ 29.3
×オ 44.0

VRIO

価値、希少性、模倣困難性、組織力の観点から企業資源を分析し、持続可能な競争優位を評価する枠組みです。これにより、自社の強みを明確化し戦略に活かします。

Q
「経営」R6第2問 VRIO Aランク
伊丹敬之の提唱する「見えざる資産」に関する記述として、最も適切なものはどれか。
A

伊丹教授が何を述べたかに関係なく、無形資産が大事な時代。×アイウオは全てあべこべで、すぐ覚えやすくなっています。

誤答選択肢とその訂正
 伊丹敬之の提唱する「見えざる資産」に関する記述として、最も適切なものはどれか。
×ア 見えざる資産とは、「ヒト・モノ・カネ・情報」以外で(→○を含む)企業の有する資産を総称した概念である。
×イ 見えざる資産とは、具体的には技術やノウハウ、組織風土を指し、目に見える価値であるブランドは含まれない(→○も含む)
×ウ 見えざる資産は、いったん出来上がるとさまざまな形で多重に利用されることはない(→○される)
○エ 見えざる資産は、企業と外部との間の情報の流れだけではなく、企業内部の情報の流れからも生じる。
×オ 見えざる資産は、競争上の差別化の源泉にはなりにくい(→○なりやすい)性質を有する。
R2第1問 VRIO Dランク

選択肢で一々悩まず、さっさと上の表を見て誤文訂正すれば、知識&国語力がWで上がります。

×→○
×ア一時的な競争優位競争均衡(暗記不要)
×イ一時的持続的
×エ持続的一時的
VRIO フレームワークにおける競争優位に関する記述として、最も適切なものはどれか。
×ア ある経営資源が数多くの企業に保有されていても、外部環境の機会を適切にとらえ脅威を無力化するものであれば、この経営資源は一時的な競争優位(→○競争均衡 ※暗記不要)の源泉となる。
×イ 経営陣のチームワークや従業員同士の人間関係などの組織属性が経済価値を生み、希少性があり、かつ他の企業による模倣が困難な場合、この組織属性は企業の一時的(→持続的)な競争優位の源泉となる。
○ウ 組織内のオペレーションを他の企業に比べて効率的に行うことができる技術やノウハウが、業界内で希少である場合、模倣困難性を伴わなくても企業の一時的な競争優位の源泉となる。
×エ 他の企業が獲得できない経営資源が経済価値を持ち、業界内で希少である場合、その経営資源を活かす組織の方針や体制が整っていなくても、持続的(→一時的)な競争優位の源泉となる。
R3第4問 VRIO Aランク

断定表現は丸めて言い換えます。

G.ハメル(G. Hamel)とC.K.プラハラード(C. K. Prahalad)によると、コア製品とは、コア・コンピタンスによって生み出された製品であり、最終製品の一部を形成するものである。
このコア製品に関する記述として、最も適切なものはどれか。
×ア コア製品で獲得したマーケットシェアが、最終製品で獲得したマーケットシェアを上回ることはない(→○もある)
○イ コア製品のマーケットシェアを拡大することは、コア製品への投資機会の増加につながり、コア・コンピタンスを強化する機会になる。
×ウ コア製品は、特定の製品や業界につながっているものであり、複数の製品や業界に展開することはない(→○もできる)
×エ コア製品を同業他社に販売すると、コア製品を販売した企業の最終製品の競争力は低下する(→○することもある)
R4第3問 VRIO Bランク

○ア PEST分析(コトラー)は本来マーケの出題領域なので、今後の「事例Ⅰ」出題可能性に注目します。

組織内外の環境を分析するための枠組み(フレームワーク)に関する記述として、最も適切なものはどれか。
○ア 「PEST フレームワーク」では、企業を取り巻く外部環境を、政治、経済、社会、技術の観点から分析する。
×イ 「VRIO フレームワーク」によると、経営資源について、経済的価値が認められるか、希少性が高いか、模倣が困難であるか、その経営資源を活用できる組織能力があるか、という条件のうち、1 つでも満たされていれば(→○4つとも満たすことで)持続的競争優位に資する経営資源と判断される。
×ウ 「戦略分析の3 C」はマーケティング環境を分析するための枠組みであり、資本(→○自社)、顧客、競合に着眼して分析を行う。
×エ M.ポーターが提示した「価値連鎖(Value Chain)」は、価値がどの機能で生み出されるかを可視化する分析枠組みであり、購入物流、製造、出荷物流、○販売・マーケティング、サービスなどの主要活動と、技術開発、人事・労務管理、調達活動、販売・マーケティング(→削除。主要活動に移す)などの支援活動から構成される。
×オ M.ポーターによる「5 つの競争要因(Five Forces)」は、当該業界の成長性(→○競争状況)を決定する諸要因である。
×エについては下図参照。

R5第2問 VRIO Aランク

VRIO→持続的な競争優位を探す一択になる。上の表を使い×アイウを正しい文に直して納得です。

 J. B.バーニーが提唱した「VRIOフレームワーク」に則った記述として、最も適切なものはどれか。
×ア 外部環境の機会を適切に捉えた価値がある経営資源であれば、業界内において希少でなくても(→○希少、模倣困難、組織化の3つが揃うことで)、持続的な競争優位の源泉となる。
×イ 価値があり、業界内において希少で、別の経営資源で代替される可能性が少ない経営資源を保有していても、それが組織体制とコンフリクトを起こすようであれば、組織体制を変更せずに経営資源を見直さなければならない(→○を変更して持続的な競争優位を図ると良い)
×ウ 価値が高く、業界内で希少な経営資源では、一時的な競争優位を得ることはできない(→○できる)
○エ 業界内で模倣困難かつ希少で価値ある経営資源を有していても、競争優位性を持続的に確立できないことがある。
R5再試験第3問 コア・コンピタンス

頻出のコア・コンピタンスは意外とふんわり覚えてしまっているので、当問を使ってVRIOとセットで覚え直します。

コア・コンピタンス⇔ケイパビリティの違い

コア・コンピタンスケイパビリティ(VRIO)
技術に焦点組織に焦点
語呂合わせ:代替も利いた?(模倣・希少・移転・耐久)V→R→I→Oの順で持続的競争優位
 G. ハメルとC. K. プラハラードによるコア・コンピタンスに関する記述として、最も適切なものはどれか。
○ア コア・コンピタンスは、顧客が認知する価値を高めるスキルや技術の集合体であるが、その価値をもたらす個々のスキルや技術を顧客が必ずしも理解している必要はない。
×イ コア・コンピタンスは、個々のスキルや技術を束ねたもの(→○顧客に特定の利益を与える一連のスキルや技術)であり、ユニークな競争能力であるためには、企業が独占的に個々のスキルや技術を所有している(→○模倣困難性など5つの視点を満たす)ことが必要である。
×ウ コア・コンピタンスは、特定の製品や業界と深く結びついているものであり(→○つくものではなく)、複数の製品や業界に展開すると(→○しても)、その有効性や価値は減少する(→○しにくい)
×エ コア・コンピタンスは、他の競争優位の源泉となり得る生産設備や特許権のような会計用語上の「資産」であり(→○ではなく)、貸借対照表上の1 科目として計上される(→○されることはない)
×オ コア・コンピタンスを活用し、製品や市場での競争を有利に進めていくためには、垂直統合によって一貫した製造・販売を手がけ、顧客価値を最大化することが必要である(→○は求められない)

企業間連携

企業同士が協力し、それぞれの強みを活かして共通の目標を追求する戦略です。資源の共有や新規事業開発などで、単独では得られない競争力を実現します。

Q
「経営」R6第5問 企業間連携 Bランク
他社からの買収に対応する企業Aの行動に関する記述として、最も適切なものはどれか。
A

正解○エで一択できますが、他の4つがどうボケているかを調べると、買収防衛策に詳しくなります

誤答選択肢とその訂正
他社からの買収に対応する企業Aの行動に関する記述として、最も適切なものはどれか。
×ア 「ゴールデンパラシュート(→○MBO)を導入し、経営陣が既存株主から自社の株式を直接購入して上場を廃止しようとする。
×イ 自社の重要な資産をあらかじめ売却する「サメ除け(→○クラウンジュエル(焦土作戦))を行う。
×ウ 買収企業が保有する企業Aの株式を、市場価格よりも高い価格で全て買い取ろうとする「パックマン戦法(→○ホワイトナイト)を行う。
○エ 買収企業による企業Aの株式の大量買付に備えて、買収企業以外の既存株主が新株を市場価格より安く取得できるなどの権利を事前に与える「ポイズンピル」を導入する。
×オ 買収企業を逆に買収しようとする「ホワイトナイト(→○パックマン戦法)を探す。
R2第5問 企業間連携 Aランク

下線部を2か所直すタイプは、文章因→果力UPに役立ちます。

多角化とM&A に関する記述として、最も不適切なものはどれか
○ア 異業種、同業種を問わず、M&A の統合段階における機能統合では、準備段階でのデューデリジェンス(due diligence)による、研究開発、生産、販売などの重複部分や補完関係の明確化が重要である。
○イ 異業種のM&A のメリットは、基本的には、範囲の経済とリスクの分散の実現であるが、自社の必要としない資源までも獲得してしまうリスクもある。
○ウ 多角化では、企業の主要な市場での需要の低下という脅威は、外的な成長誘引(external inducement)となる。
○エ 多角化には、特定の事業の組み合わせで追加的に発生する相乗効果と、複数の製品市場分野での事業が互いに足りない部分を補い合う相補効果がある。
×オ 同業種のM&A のメリットは、基本的には、規模の経済と経験効果の実現であるが、同業種間であるため(→○であっても)各々の組織文化の調整と統合にはコストがかからない(→○生じる)
R2第12問 企業間連携 Cランク

国語の語感で当たればOK。暗記不要です。

abcd
×アインターナショナルマルチナショナルグローバルトランスナショナル
○イグローバルインターナショナルトランスナショナルマルチナショナル
×ウグローバルトランスナショナルマルチナショナルインターナショナル
×エトランスナショナルグローバルインターナショナルマルチナショナル
×オマルチナショナルグローバルインターナショナルトランスナショナル
C.A.バートレットとS.ゴシャールは、本国の本社と海外拠点間との分業関係や各拠点間の統合のあり方を基軸として、国際的に展開する企業の経営スタイルを、インターナショナル、グローバル、トランスナショナル、マルチナショナルの4 つに分類している。
これら 4 つの類型の基本的な特性は、それぞれ次のようにまとめられる。
a 資産や能力は本国に集中して、その成果は世界規模で活用される。海外拠点は本国の本社の戦略を忠実に実行する。知識は本国で開発・保有される。
b コア・コンピタンスの源泉は本国に集中するが、その他は分散される。海外拠点は本社の能力を適用し、活用する。知識は本国で開発され、海外拠点に移転される。
c 資産や能力は各国の拠点に分散されるとともに、本社を含む各国の拠点は相互依存的であり、専門化されている。知識は各国の拠点で共同で開発され、世界中で共有される。
d 資産や能力は各国の拠点に分散され、それぞれ自己充足的に活動する。海外拠点は現地の機会を感知して、活用する。知識は各国の拠点で開発・保有される。
上述のa、b、c、dは、それぞれインターナショナル、グローバル、トランスナショナル、マルチナショナルのいずれに該当するか。それらの組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
R3第3問 企業間連携 Cランク

どこでボケるか、探してウケます。

M&A(企業の合併・買収)に関する記述として、最も適切なものはどれか。
×ア M&A に当たって企業価値を算定する際には、複数の方法が用いられている。そのうち、マーケット(→○インカム)・アプローチとは、M&A の対象となる企業の収益力をベースに、企業価値を算定する方法である。
×イ M&A において、買収価格が買収対象企業の純資産の時価評価額を上回る場合、その差額は「負ののれん(→○のれん)」と呼ばれる。
○ウ M&A の手法として事業譲渡をとる場合には、譲渡・承継の対象となる資産や負債を個別に選択することができる。
×エ MBO(Management Buyout)とは、M&A の(→○M&Aとは)対象となる企業や事業の経営陣が、投資ファンドなどの第三者に、主体的にその企業を売却して、経営から退くことである。MBO(→○M&A)が成立すると、経営陣は退任の見返りとして、金銭的報酬を受け取る。
R4第5問 企業間連携 Bランク

こちらも良くある出題パターン。×アウは主語入れ替えとすぐわかりますが、×エ コントロール・プレミアムはテキスト外なのでネットで調べる。

M&A(企業の合併・買収)に関する記述として、最も適切なものはどれか。
×ア TOB(→○LBO)とは、買収コストを充足するために、買収する企業の資産や買収後のキャッシュフローを担保として借入金を調達し、企業買収を行う手法である。
○イ 黄金株とは、会社の合併などの重要な決議事項について、株主総会で拒否権を行使できる株式であり、敵対的買収に対する防衛策となる。
×ウ カーブアウト(→○クラウンジュエル(焦土作戦))とは、敵対的買収の対象となる企業の経営者が、買収される前に会社の魅力的な資産を売却して、敵対的買収の意欲を削ぐ買収防衛策である。
×エ コントロール・プレミアムとは、企業の経営陣(→○買収者)が企業の所有者から株式などを買い取り、経営権を取得することで生じる1 株当たりの価値の上昇分を指す。
R5第7問 企業間連携 Bランク

正解○ウは選びにくいので消去法で。×アエの下線部入れ替えは瞬殺。×イは戦略的提携→M&Aにしてもマル。×オをもし正解に選んだ方は注意不足です。

M&Aや戦略的提携に関する記述として、最も適切なものはどれか。
×ア 異業種間のM&Aでは、自社の必要としない資源までも獲得することがあり非効率が生じやすいが、規模(→○範囲)の経済のメリットを享受できる。
×イ 戦略的提携では、パートナーが裏切る可能性があり、それを抑制するために事前にデューデリジェンスを行うことが必須である(→○非効率である
○ウ 戦略的提携では、パートナーに開示する情報を選択することを通じて、パートナーの学習速度に影響を与えることができる。
×エ 同業種間のM&Aは、範囲(→○規模)の経済と習熟効果の実現というメリットがあることから、異業種間のM&Aに比べて統合コストは低い。
×オ 買収者以外の株主にオプションを与えるなどして買収コストを引き下げ(→○引き上げ)ようとすることを、ポイズンピルと呼ぶ。

今日のまとめ

Q
こうやってAI試験委員に解説させると、「2次で使う重要論点は必ず年1マーク出題され」「かつ最小字数で正文化すると忘れない」。4択のうち正解だけを覚えるのが精一杯な隣のD社と、1記事でこれだけ差がついて草。
A

今日の冒頭でAI試験委員が解説した通り、ホンモノ試験委員はどう最小字数で誤答を正文化するかを競わせている可能性が高い。これが同時に「2次」に通じる「正しい国語力」になることが、このシリーズを続ける期待効果です。

■■ここからテンプレ■■

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