99%のムダを捨てて1%の本質を捉え、周囲が驚く高パフォーマンスを叩き出す「エッセンシャル思考」。年明けの合格発表待ちのあなたも、これから試験対策を始める方も、ドッキドキで見逃せない大型連載(全5回)のスタートです。

H事例Ⅰ

【好感される自己採点】R5蕎麦屋の事例Ⅰ / 与件の引用でなぜ加点?

ふぞ解法&ノウハウが狙い撃ちで外されるのは、採点基準を無断で詐称するうえ読みにくく採点しづらいため。その真逆で好感されるのが、自己採点をさっさと済ませて試験卒業です。

Q
全てがノロマなD社を除き、全ての世間はスピード重視へ。マシマシ根拠の引用で答案を埋める時代は、カスリもしないスクール採点などに頼らずさっさと自己採点だ。
A

デジタル時代にふさわしいそのスピード感は、主催側に大いに歓迎される。そして【与件根拠を答案に引用】する時代の試験では、自己採点でスピード感を加速させます。

①デジタル時代は最新知識を持つより外注化

デジタル時代において、情報は容易にアクセス可能であり、必要な知識を抱え込むことよりも外部情報へのアクセスや外部リソースの利用が容易になりました。診断士が試験で必要とする情報や知識を全て暗記する必要性が低下し、代わりに外部情報を活用し、それを適切に解釈して因果関係を構築するスキルが求められるようになりました。

②ダミー根拠・段落を掴むと誤答へ誘導

診断士試験の難易度を高めるために、解答に使われないダミー根拠や情報を用意し、誤答をした候補者を減点するアプローチが採用されています。このようなアプローチにより、情報処理スキルや情報の取捨選択能力が強調され、診断士が与条件文から正確な情報を抜き出し、因果関係を適切に構築する能力が評価されています。

③同じ根拠で書かせて記述&情報発信力を判定

デジタル時代において情報発信が容易になり、情報の共有が一般的になりました。診断士は忙しい企業経営者に助言をする際、情報を効果的に短く簡潔に伝える必要があります。したがって、同じ根拠からより正確な記述をする情報発信力の高い候補者を合格させることが、今後も試験の採点基準のベースになるでしょう。

【好感される自己採点】R5蕎麦屋の事例Ⅰ / 与件の引用でなぜ加点?

生成AIを惜しみなく使う卑怯なチートで、試験当日14:00に公開した当サイトの解答例。同日14:30公開のKEC解答の力も借りて、【解答速報も再現答案も早いほど正確】である証明に挑みます。

第1問(20点) 全社戦略 情報整理

Q
統合前のA社における①強みと②弱みについて、それぞれ30字以内で述べよ。
A
KEC模範解答AI解答
①高品質な商品・サービス②自主的な問題解決が可能な組織風土蕎麦に集中した高いサービスに加え、自ら問題解決できる組織風土。(30字)
①常連客の高齢化②原材料業者の高齢化で仕入体制が不安定原材料高騰で収益が圧迫され、顧客高齢化が進み新規開拓が必要。(30字)
AI解答の強みは明らかに誤答で、組織風土を指摘するKECが正解。一方で30字で①②の列挙より、自然な一文のAIの方が好感されるので、ここは1勝1敗です。

【強み】各2~5点×2=Max10点
・商品やサービスの言及
・組織風土の言及
【弱み】各2~5点×2=Max10点
・原材料業者の高齢化・原材料高騰
・顧客の高齢化

第2問(20点) 全社戦略 期待効果

Q
A社の現経営者は、先代経営者と比べてどのような戦略上の差別化を行ってきたか、かつその狙いは何か。100字以内で述べよ。
A
KEC模範解答AI解答
ターゲット客層を地元のファミリー層に絞り、ニーズに合わせた店舗改装、厳選材料によるオリジナルメニューの開発等で商品・サービスの質を高めた。狙いは、競合との価格競争を避け高付加価値化による安定経営である。現経営者は、①出前をやめ来店に絞る他に負担の大きい宴会対応も見直し、②客層を地元ファミリーに絞り厳選材料のオリジナルメニューで競合と差別化し、③経営資源を蕎麦に集中させ商品とサービスの質の向上を狙った。(100字)
同じ根拠を使って書くと答は似て来る。そして単に「理由は、①②③」にさせないよう捻った設問に、どう対応するかの国語力が点差になります。

事例Ⅰの全社戦略であるが、事例Ⅱのダナドコで解答する設問
【誰に】
・地元のファミリー層:5点。それ以外0点
【何を・どのように】各3点×3=8点まで
・厳選材料のオリジナルメニュー
・出前をやめる
・商品とサービスの質の向上
【狙い・効果】
・競合との差別化:4点。その他別解も可
【文章のキレイさ】3点まで加点

第3問(20点) 組織構造/行動 助言

Q
A社経営者は、経営統合に先立って、X社のどのような点に留意するべきか。100字以内で助言せよ。
A
KEC模範解答AI解答
経営戦略面で、X社はターゲットが一見客や通勤客であり、低価格で接客やサービスを省力化している。組織面で、①社内の意思疎通が悪い②離職率が高く従業員が不安を抱えていること等、A社との違いに留意する。A社は、①駅付近での競争激化によりX社の客数や売上が減少し、②店内の担当を横断する意思疎通をX社経営者が担って横のつながりが少なく、③日々のルーティンにとどまる仕事のきつさから離職率が高い点に留意する。(100字)
100字20点のときは、「1文3センテンス」になる3要素を浮かべる。KEC・AI答案ともに、全社・組織・人事の各レイヤーでバランス良く解答しています。

A社⇔X社の違いを与件から拾うことで、幅広く加点されます
【全社レイヤー(競争戦略)】各3点×2=6点まで
・ターゲットの差
・価格やサービスの差
・競争激化で売上減少
【組織レイヤー】3点×2=6点まで
・社内意思疎通がX社長に依存
・組織内のコミュニケーションが悪い
【人事レイヤー】各3点×2=6点まで
・日々の仕事がルーティン
・離職率の高さ
・経営統合への不安
【文のキレイさ】2点

第4問(40点) 組織人事/全社戦略 助言

Q
A社とX社の経営統合過程のマネジメントについて、以下の設問に答えよ。
(設問1)
どのように組織の統合を進めていくべきか。80字以内で助言せよ。
A
KEC模範解答AI解答
トップ主導で、オペレーション等の具体的改善に加え、X社従業員との意思疎通を図り、目指す方向性や目的意識を共有し、時間をかけて組織風土の改善を図るように進める。A社は、①X社を含む全社が目指す方向を示し、②A社接客リーダーを通じ自主的な問題提起や解決を図るよう促し、③X社従業員の退職への不安を和らげつつ統合を進めるべき。(80字)
当問は設問構成でも意地悪されていて、本来は第3問(設問1)→経営統合上の問題、(設問2)→経営統合後のマネジメント(PMI)と気づけば好得点へ。一般論にしてしまったKECより、根拠を使って解像度の高い答を書けます。

【組織の3要素】
・目指す方向(ビジョン):3~6点で加点
【組織風土の改善】各2点×3=6点まで
・A社接客リーダーを起用
・自主的な問題提起や解決
・A社⇔X社間の人事交流
【期待効果】各3点×2=6点まで
・退職への不安を和らげる
・急がずに組織風土を改善して融合
【文のキレイさ】2点

Q
(設問2)
今後、どのような事業を展開していくべきか。競争戦略や成長戦略の観点から100字以内で助言せよ。
A
KEC模範解答AI解答
①X社の仕入先である食品卸売業者から高品質な材料を仕入れA社の商品・サービス力の一層強化を図る②地域住民に加えてX社の立地を活かし、増え始めている食べ歩き目的の外国人観光客・若者等の来訪者を取り込む。A社は、①競争上はX社の競合との価格競争を避けて商品やサービスの差別化をし、②成長上はX社の仕入先を通じて地元産の高品質な原材料を確保し、③地域の食べ歩きを目的とする来訪者を取り込む事業展開をするべき。(100字)
第2問がどうみても事例Ⅱダナドコ解答になるうえ、ラス問は第1問のSWを活かすか克服する事業展開の事例Ⅲ王道パターンに。もう何がなにやらわかりません。

競争・成長戦略と明記されており、第3問、第4問(1)より根拠を使って答えやすい設問です。KEC答案は、実力者平野先生から権限移譲で代替わり?と怪しむほどのヘタクソさです。
【競争戦略】各3点×2=6点まで
・X社は競争回避(差別化)
・商品やサービス力の強化
【成長戦略】各3点×2=6点まで
・X社仕入先から調達
・地元産の高品質な原材料
【ターゲット×期待効果】各3点×2=6点まで
・食べ歩き目的
・立地を活かして来訪者を取り込む
【文のキレイさ】2点

事例Ⅰ自己採点基準まとめ

Q
与件を忠実に引用すれば加点される事例で、蕎麦屋を出して誤答誘導する作問姿勢は、どこから見てもベテいじめ。万年おベテの真逆を常に選ぶのが、やはり今年の正解だった?
A

R5Ⅰは蕎麦屋で驚かせる一方、まともな良問
①やたらマーケに誘導する事例に目を疑うが、②続く事例Ⅱの超難問やⅢの初見パターンと比べると十分まともで、③全面的な与件引用で加点される今後の標準と言える良事例に。

R5Ⅰは与件根拠の引用でスコアが伸びる、ふぞろい優遇型事例。すると答案集め狙いな間抜けスクールの採点サービスに一喜一憂するノロマより、さっさと自己採点を済ませるスピード感が世間で好まれます。

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