今から秋の「2次」を想定するとき、昨年「事例Ⅲ」が荒れたから、今年は「Ⅰ」か「Ⅱ」の番だろう。そして時流が一変した人事・組織論点は、一目見て泣き出すような難事例だろう。そう身構えたあなたはきっと正解です。

それを一言で言えば、生成AI未満のローパフォーマ―は仕事を奪われ、AIを使い倒すハイエンド人材を軸に組織が作られる。そこで私の「事例Ⅰ」予想をご覧ください。
①働き手の不足 | ②人的資本経営の推進 | ③労働生産性の向上 |
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例題:中小製造業A-1社は、近年の深刻な働き手不足に直面しています。特に技術職の人材確保が難しく、生産性が低下しています。この状況を打開するために、組織全体の生産性向上を目指した組織改革を検討しています。 | 中小ITサービス業A-2社は、人的資本経営の重要性を認識し、従業員のスキルアップとキャリア開発を企業成長の柱としています。しかし、具体的な施策が不足しており、従業員の離職率が高まっています。 | 中小小売業A-3社では、生成AIを活用して業務の生産性向上を図っています。特に、顧客対応や在庫管理に生成AIを導入し、効率化を進めていますが、その効果を最大限に引き出すための組織体制の見直しが必要とされています。 |
予想設問:①A社が直面する働き手不足の原因を分析し、具体的な対策を提案しなさい。 ②働き手不足を解消するための組織改革として、フレキシブルな労働環境の構築やリモートワークの導入について、その効果と課題を論じなさい。 ③技術職の人材確保のための戦略として、社内教育プログラムの再設計や他社との連携強化について具体的な施策を示しなさい。 | ①B社における人的資本経営の現状を評価し、改善が必要なポイントを明らかにしなさい。 ②従業員のスキルアップとキャリア開発を推進するための教育訓練プログラムを設計し、その効果を予測しなさい。 ③人的資本経営を推進するための人事評価制度の見直しについて、具体的な変更点を示し、その導入に伴う課題を論じなさい。 | ①C社における生成AI導入の現状と、その効果を分析しなさい。 ②生成AIの活用を最大限に引き出すために必要な組織体制の再構築について具体的な施策を提案しなさい。 ③生成AI導入による業務効率化のメリットと、それに伴う従業員の役割変化に対する対策を論じなさい。 |
【事例Ⅰは大荒れ確実】組織構造論・行動論 / 当たる論点当てる論点
上記のような【初見の謎問題】とは、危機に直面させて「普段の地」を出させるのが狙い。ここで①マイ経験則を書く→ベテ、②10年分のフレーズ集を持ちだす→ふぞ、③直近5年の「1次」知識を使う→上位5%認定の差になる程度は、知っておこうな。

Step-1:組織論で「当たる」論点5選
それでは私が作った以下の例文を参考にしてください。これらの基本ルールを無視して組織をころころ変えたり、逆に放置を続けると、思い付きのワンマン経営に呆れた社内のモラールが下がり、士気向上どころか離職が相次ぎ、人手不足倒産の末路になること間違いなしです。
【生成AIが作った例文】
A社は、業務効率化とメンバーのモチベーション向上を目指して組織設計を見直すにあたり、バーナードの組織3要素(共通目的、貢献、コミュニケーション)を最重視し、次にアンゾフの階層別意思決定に基づき権限移譲を進めました。中堅幹部が発揮するリーダーシップ次第で士気が高まると、速やかな業績改善が見込まれます。
バーナードの組織3要素 | 共通目的:組織全体が共有する目標。 協働意欲:組織メンバーが共同で働く意欲。 コミュニケーション:情報を伝達する仕組み。 |
アンゾフの階層別意思決定 | 戦略的意思決定:長期的な方向性を決定する。 管理的意思決定:中期的な運営や資源配分を行う。 業務的意思決定:日常業務の具体的な判断を行う。 |
組織設計 | 組織の構造や役割を計画し、効果的な業務遂行を可能にするための設計。部門構成や権限分配、コミュニケーション経路などを定める。 |
モチベ―ション | 従業員が自発的に仕事に取り組む意欲や動機付けのこと。高いモチベーションは生産性や満足度の向上につながる。 |
リーダーシップ | 組織の目標達成に向けてメンバーを導く能力や行動。方向性を示し、メンバーを鼓舞し、目標達成に向けて行動を促す。 |
Step-2:組織論で「当てる」論点5選
では、まさかそんなことが起きる筈がない・・。そんな意外な例文であるほど、まさかの頭真っ白タイムの助け舟になるでしょう。
【生成AIが作った例文】
B社が着手した組織変革は、同調圧力が強い社内勢力の抵抗に遭うほか、部門間調整に失敗し軋轢コンフリクトを生む結果になりました。そこで組織学習を促し、まず柔軟な組織文化を育むことを決めたのです。
同調圧力 | 個人が集団の意見や行動に合わせるように感じる圧力。組織内で異なる意見が出しにくくなる原因となる。 |
軋轢コンフリクト | 組織内で意見や利害の対立が生じること。部門間や個人間で衝突が発生し、業務に支障をきたすことがある。 |
部門間調整 | 異なる部門同士の連携や協力を円滑にするための調整。情報共有や役割分担を明確にして、組織全体の効率を高める。 |
組織学習 | 組織が経験から学び、知識を共有して、全体の能力向上を図るプロセス。イノベーションや適応力の向上につながる。 |
組織文化・変革 | 組織の価値観や行動基準を変えるために、環境変化に適応するための大規模な構造や運営方法の変更を行うこと。 |
Step-3:その他論点
全体に文章が小難しい「組織論」の中でも、ふぞろい先輩の国語力では理解できない論点として「環境不確実性」があります。意味がわからないのに背伸びして使ったり、「組織論」を苦手化しないために、私の説明を参考にしてください。
環境不確実性は、外部環境の変化や予測不可能性を指しますが、その具体的な内容が抽象的で捉えにくいことが多いです。例えば、技術の進歩、競争の激化、政策変更などの多様な要因が絡み合うため、一概に理解するのが難しいです。
環境不確実性は多くの要因に影響されるため、その範囲が広く、すべてを網羅するのが困難です。政治、経済、社会、技術(PEST分析)など、多様な視点からの分析が求められます。
環境不確実性の過去問は日本語としての意味が不明なほど難しいことがあり、どうせ大して役立たない知識になにもそこまで・・という声があります。しかし試験合格程度で余計なノウハウをすぐ舐めプする合格先輩が後を絶たない中で、その余計な自慢を牽制する上では大いに役立っているのです。
今日のまとめ
そこで安心するのはまだ早く、他人が作った例文を覚える内はお子ちゃま。生成AIに自分で指示し、自分オリジナルの例文を作れば、誰にも勝手にパクられない貴重なお守りになるでしょう。