2年目の「2次」挑戦がアウトになったとき、3年目受験をするかしないか。参考になる体験記をいただいたので、急遽UPいたします。
1⃣診断士に挑戦した理由・きっかけ
- 30代の九州男児(熊本在住)。現職は障がい者と企業の雇用の橋渡しをする就労支援員です
- 営業力、福祉についての知識、人材育成力など多彩なスキルが必要なのに、福祉の仕事は学生のバイト並みの低給与です。そこで辞めていく同僚を見ながら将来に悩んでいたところ、コンサルティングで福祉施設の売上を向上させた中小企業診断士の記事をネットで読んで関心を持ちました。
コンサルタントなる仕事を初めて知ったほか、平均年収を調べるとびっくりするほど高い。現職の福祉に携わりつつ、給料を稼げるコンサルタント(診断士)に憧れたことがきっかけです。
2⃣学習開始時の知識・保有資格、得意科目・不得意科目、「1次」科目別点数
関連資格 簿記2級
得意科目 経営、財務
不得意科目 情報、法務
2017年 | 2019年 | |
経済 | 84 | 68 |
財務 | 76 | 88 |
経営 | 68 | 50 |
運営 | 65 | 57 |
法務 | 72 | 52 |
情報 | 72 | 80 |
中小 | 63 | 45 |
計 | 500 | 440 |
3⃣学習スタイルとそのメリット・デメリット
- 1年目 本試験500点
TAC熊本校DVD - ※時々福岡校でリアル講義
メリット
・自分のペースで勉強ができる
・選抜された講師が分かりやすく教えてくれる上、わからないところは巻き戻せる
デメリット
・モチベーションの維持が大変
・合格までの進め方が自分で考えなくてはいけない
- 3年目 独学 本試験440点
- メリット
・自分のペースで勉強ができる
・お金がかからない
デメリット
・モチベーションの維持が大変
・合格までの進め方が自分で考えなくてはいけない
・テキストなど必要なものを自分でそろえなくてはいけない
4⃣受験回数、学習時間とその作り方
- 1年目、3年目それぞれストレート
- 1年目は約700時間
3年目は約150時間
常に問題集や過去問を持ち歩き、とにかく隙間時間ができたら1問でも解くように意識して日々過ごしていました。また受験を通じて喫茶店巡りが趣味になり、休みの日は新しい喫茶店を探しながらおいしいコーヒーやスイーツをご褒美にして勉強しました。
5⃣1次試験挑戦までの勉強方法
地方受験のデメリット対策を2つ挙げます。
- 月に1度はライブ講義(福岡校)に
- TAC(熊本校DVD)に通い始めた頃、福岡校で有名講師が来る無料セミナーがあると聞いて参加しました。
セミナー後の懇親会で周囲の声を聞くと、①受験者層やその動機 ②知識の定着度がよく分かり、さらに③振替受講制度や講師主催の自主勉強会があると知り、月1回の福岡校受講+勉強会への参加を決めました。
- 一発合格道場が仮想ライバル
- 一発合格道場は、特に初学や地方の方の参考になるブログですが、その中にTAC養成答練80点→完成答練70点→模試60点がストレート合格の目安とする記事がありました。
実際にその点数には届きませんでしたが、地方のハンデを跳ね除け、全国レベルで戦える、良いペースメーカーになったと思います。
具体的には以下の順番で、トレーニング、答練、過去問を理解できるまで解き直します。
- 授業後にトレーニング
→すべての問題のどこが間違っているのか、全選択肢理解できるまで何回も解き直す(→養成答練80点を目指す)。 - 養成答練の解き直し
→トレーニング同様に、全選択肢を理解するレベルまで - 過去問は正答率A~Cランクを
→DEを除いて全選択肢を理解する(→完成答練70点を目指す)
ただ、過去問回転にウェイトを置くと、「情報」「法務」などの暗記科目に苦手意識を持ちやすいので、別途対策が必要です。
- 3年目の「1次」再受験について
- 「1次」対策のやり直しには正直モチベーションが上がりませんが、4月頃に学習再開すると、「過去問の内容は意外と覚えているもの」と気が付き、実際に2ヵ月ほどで思い出せました。
ただ暗記系の3科目は過去問だけでは合格点に届かないと考え、TAC問題集を何度も解き直しました。
6⃣学習時・試験当日のエピソード
- 1年目~7月TAC模試で目標に届かず絶望君
- TAC模試は上記の通り420点を目指したのに、なんと350点止まりに。その上一緒に受けた友人が420点を楽々超えて、その後は女の子とデートに。その何とも言えない感情は本番の時の心境よりも鮮明に覚えています。別の友人が慰めてくれて、福岡校のそばにあるピエトロの絶望パスタを食べたのは今では笑える思い出ですが、当時は文字通り絶望君でした。
バスで熊本に帰る途中、「模試 350点 診断士 合格」と検索して少しでも自分の気持ちを楽にさせたかったです。ただ家に帰り、現実を受け止め絶対に受かろうと思い直し、暗記系の3科目に絞って勉強しなおしました。
すると不合格どころか本番は500点を超えてびっくり。女の子とのデートに出かけた友人を上回って自信がつきましたが、逆にその自信が仇になり、その年の「2次」は不合格に。その自信は過信だったと気づいたのは、2年後の今年でした。
- 3年目~舐めてかかるとヒヤヒヤ合格
- 「1次」500点だから大丈夫と舐めてかかると、今年2019年の「1次」は「経営」「運営」が2年前より難化しており、ランダム難度試験の手強さを知りました。
1日目終了後に速報ベースの自己採点をすると+20点の貯金があったので、「法務」さえクリアすればと思うと、2日目は「中小」が難化する地雷科目に。本試験中は足切りの恐怖を覚えながら、なんとか440点の苦笑い合格の切符を手に入れました。
「中小」の足切りだけは避けたいと、正解の公表を待ちわび、40点クリアでほっとしたことが強く印象に残っています。
7⃣これから1次合格を目指す人へのアドバイス
- 勉強そのものを楽しもう
隙間時間を活用して勉強をしたのは努力とか精神論で行ったのではなく、勉強する内容が単純に楽しかったからです。
私は戦国時代が好きなのですが、診断士は軍師のようなポジションだと思っており、何かを学ぶたびに新たな戦略を学んでいる気になり、苦手意識のある情報や法務ですらも楽しく学ぶことができました。楽しんでやっている人間に勝てる人間はいません。まずは勉強そのものを楽しむ余裕を持つことが大切だと思います。 - 「1次」は一度受かると、2回目の合格は難しくないこれは今年で2回目の2次試験を受けている人に向けて言うのですが、私は去年もう1度1次試験をやり直さなければいけないプレッシャーにつぶれてしまいました。
しかし、実際取り掛かると案ずるより産むが易しで比較的短期間で知識を取り戻すことができました。なので今度の金曜もし残念な結果になったとしてもあきらめないでください。楽に1次試験は突破できるはずですし、そこから学ぶ事がたくさんあるはずです。 - 1次は2次の前哨戦
これを意識してぜひ1次試験を勉強してもらえたらと思いますが、2次試験は1次試験より範囲が狭い代わりに知識の活用が求められます。
なので経営や財務などの2次試験に繋がる科目は覚えているだけではダメでしっかり自分の言葉で説明できるようになる必要があります。
私の場合は点は取れたものの、しっかり定着していなかったため2次試験で苦戦する羽目になりました。やはり1次試験で通るだけでは診断士にはなれません。1次試験はあくまで2次試験を受ける権利を得るための試験であるため本番は2次試験です。ぜひ2次試験を意識した勉強を行うようお願いします。
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