同友館の「Ⅳ」対策がまるでわかってない、ひどいひどいとはよく聞く。しかしふぞろい17の「Ⅳ」のひどさは、猫が腹を抱えて笑うレベルな。
DX・電帳法・ペーパーレスが猛加速するリアル会計界の課題は、既に役立たず化した既存経理パーソンをどうリスキリング(配置転換)するか。計算しかできない馬鹿は全面的に不要です。
常に後追いフォロワー戦略の同友館が一生知らないネタとして、実業界が会計に求めるニーズは結果の集計(制度会計)から、データドリブンな業績予測(管理会計)に急速にシフト。それみたことかと、「Ⅳ」試験委員の鼻高々ぶりが目に浮かびます。
これまでの変化 | これから起きる変化 | |
---|---|---|
現在の経理実務では将来の経営判断に役立つ会計情報の重要性が改めて認識され、従来の結果を集計する制度会計から、データを基にした予測を行う管理会計へのシフトが急速に求められています。 | ①結果の集計(制度会計)から業績予測(管理会計)にシフト | 今後の「Ⅳ」ではデータドリブンな予測を行う、より管理会計的な出題へとシフトするでしょう。例えば資金の結果を集計するCF計算書の代わりに、「資金繰り表」の出題があり得ます。 |
現在の経理実務では計算を機械に任せ、人間はビジネスデータをモデリングする能力が求められています。これにより、データに基づいた戦略的な意思決定が可能となり、経営の効率化が進んでいます。 | ②計算力より、計算式に落とし込む力 | これまでの簿記系出題に限らず、よりデータモデリングや戦略的意思決定に関する問題が増えるでしょう。これにより、受験者はデータを活用したビジネス分析能力を求められるようになります。 |
旧来の計算に偏重した誤った学習方法を排除し、理論や実践的なスキルを重視した正しい学習方法が求められています。これにより、実務で役立つ能力が重視されるようになっています。 | ③計算偏重の誤ったノウハウの排除 | 理論的背景や実践的スキルを重視し、旧来の計算偏重の学習方法では対応できないような問題が増えるでしょう。これにより、正しい学習方法を促進する方向にシフトします。 |
【事実上のⅣ免除】エクセル使って「TACの解き方」 / 無駄ノウハウを全面カット
前年の計算過程欄縮小で狙い撃たれた反省一つなく、理論シフトの時流に気づく気配すらなく、ひたすら試験合格を目的化した計算偏重で大はしゃぎのふぞろい17。その出来の悪さに感心したら、8月に手に取るべきは、こっちの計算問題集です。
2022/7月発売の「Ⅳの解き方」が大幅改訂され、2024/4月に第2版として発売。第2版から買えばそれが最新で、第1版をお持ちなら比較してどこが最新かが一目でわかる。それをエクセルで納得するのが最新で先端の「最も正しい解き方」です。
会計実務ニーズの変化を踏まえ、「Ⅳの解き方」をエクセル解説
①企業から会計への期待は、データドリブンな業績予測へ
②難しいことを小難しくせず、わかりやすく簡単にして欲しい
③なぜそうなるかの説明と、ではどうするかのヒントを知りたい
普通に世間のニーズをわかっていれば、クソベテスクールや同友館のような計算馬鹿には普通ならない。そこで以下の解き方を眺めると「Ⅳ」のタイパコスパがダダ上がりし、実質免除科目になります。
あの超難問にTACが本気? R5第3問超絶NPVの正しい解き方
Step-1:CIFの算定
耐用年数が異なる2つの減価償却費を出し、(設問1)の販売数大小と(設問2)の3通りの税引後CIFを求める(←難)。
Step-2:タイムテーブルを描いてPVに割引計算
(設問1)&販売量大のPV・NPVを一度出してみる。
ところが鬼畜なR5第3問では、この後に「在庫投資」「設備売却収入(タックスシールドあり)」「期待値計算」「リアルオプション」と、地雷が続きます。
Step-3:時間価値を初年度期首に揃えてNPV
「TACの解き方」解説P.123 を参考にタイムテーブルを描き、販売量大小のNPVを2つ求めて発生確率で加重計算するとNPV=99万円(←難)
参考:TAC「事例Ⅳの解き方」第1→2版改正点
「事例Ⅰ~Ⅲ」と異なり、正解が一つに決まる簿記・会計試験では、正しい解き方はいつもひとつに決まる。「TACの解き方」第2版に興味を持ったあなたのために、第1→2版の改訂内容を紹介します。
テーマ1:経営分析
発売初年度のR4に「労働生産性」を出題され、赤っ恥をかいたTAC。しかしそこはあえて収録せず、過去問偏重&崇拝主義の同業D社と差別化しました。
BS・PLの数値を変更しただけ。当サイトはエクセルで解くので、第1版エクセルの値を上書きして完了です。
テーマ2:CVP分析
応用問題と過去問を1問ずつ大幅に入れ替え。R4第3問(設問1)は見事なひっかけで正答率を下げ、60点A評価の分岐点になりました。
こちらも同じ設問の個数と変動費額を変えただけ。第1版をお持ちの方はぜひ見比べて納得を。
過去問R3第3問お魚CVPの解説は見飽きたので、オリジナルの作問に改めたTAC。解き方が複数ある分、本番対応の幅が広がります。
※注)図は模式的にイメージしたもので、実際の固定費は階段状に上がっていきます。
どうみても簿記の問題を出し、これで10点差がついてしまう。受験2年目には簿記2級の流れが固まりました。
テーマ4:業務的意思決定
近年目立って増えた簿記出題は、自己流で誤って覚えると一生取り返しがつかない。「Ⅳ」はド苦学禁止です。
計算重視ではなく、事実上の理論問題です。
テーマ5:設備投資の経済性計算
NPVは連続出題されており、超難問R5第3問は見開き2ページで丁寧に正しい時を解説済。その他は小幅な改訂です。
投資案①の方が②より難しい、難易度が逆転した珍しいパターンです。
テーマ6:企業価値他
経済構造のソフト化・デジタル化が進み、設備投資よりM&A・事業売却・組織再編で成長を図る企業が目立って増えた。これからはNPVより企業価値出題に注目します。
数値を入れ替えただけですが、第1版と見比べると頭の整理になります。
インフレ&利上げ賃上げの時代には、定額より定率成長モデルが出題される。先に定額モデル設問を使って、正しい解き方を身に付けます。
テーマ3(後回し):キャッシュフロー計算書
H28を最後に7年間出題のないキャッシュフロー計算書は穴論点となり、最低限を学んで難問は捨てる。難問で喜ぶのはベテだけですが、ベテが「Ⅳ」70点を取っても、合格ライン240点には届きません。
ここは完全な簿記論点で、簿記系有利になり過ぎるのでまず出ません。苦手な方はスルーします。
今日のまとめ
Ⅳ対策でお布施が集まり、本が売れるからと、8割落ちる「受験生のニーズに寄り添う」姿勢は感心しない。もし商売を続けたいなら、今のビジネスで起きている変化に向き合い、ミライを描いて示す会計ニーズに寄り添うことです。