H29採点基準がなぜ変化?どう変化?
「2次」カリキュラムも「1次」と同様、「講師に教えてもらう」のでなく、この試験の何がヤバいかに自ら気づく。予告通り、当ガイダンスの柱はそこでした。
そしてそれを「おう、タダでサイトに書いていいよ」。その太っ腹はどこから来るのか? ご好意に甘え、ではどうぞ。
1⃣自己紹介+はじめに
診断士に「専門能力」は不要とする考え方があります。もちろん実在企業への提案ケースでは複数の診断士がチームを組み、専門能力を活かすことがあります。ですが、診断士「に必要」な能力ではありません。
コンサルタント、ソリューション提案などの本業とセットで稼ぐのも資格の活かし方の一つです。しかし診断士に「必要な能力」とは、
限られた経営資源(リソース)をどう配分するか。
例えば最近診断士のチームで提案した事例では、経営者から「単なる挑戦でなく、具体的な策が見えた」と評価を得ました。一人の経営者が全ての具体策や案を持っている訳でなく、また社長と部長の間に理解のギャップがある。それを難解な経営用語を使わずに、誰でもわかりやすい用語で説明。
それが診断士に「必要な能力」。
そうイメージできれば試験を早く通過できます。
「試験の合格を目的(ゴール)にしない」。合格後に活躍するイメージを先に描くと、「試験合格はその手段」となり、その方が早く合格できる。当スクールの「2次」指導は、そこから始まります。
2⃣2次本科コースの特徴
①出題の趣旨から読む本試験の解答
- 過去問の「出題の趣旨」に何を学ぶか?
- 何を聞かれたかを端的に捉える。さもないと何を書いても答えがブレブレ。
第2問 A社の正規社員数は、事業規模が同じ同業他社と比し少人数である。少人数の正規社員での運営を可能にしているA社の経営体制には、どのような特徴があるのか。100字以内で答えよ。 |
出題の趣旨:同業他社に比べて少数の正規社員による効率経営を実現している①事業の仕組み及び②管理体制について、分析する能力を問う問題である。 |
第4問 A社は、全国市場に拡大することでビジョンの達成を模索しているが、それを進めていく上で障害となるリスクの可能性について、中小企業診断士の立場で助言せよ。100字以内で答えよ。 |
出題の趣旨:地域ブランドとして優位性をもつ主力商品の全国市場への展開がもたらす①問題を分析し、それに対して②適切な助言をする能力を問う問題である。 |
出題側が公表する「出題の趣旨」を、正しく読み取る方は多くない(←わずか2行で不親切)。だが「出題の趣旨」とは、「解答制約条件」「出題者が聴きたいこと」を端的に示す。新作事例を解いて好き勝手な答案を作るより、この「何を聴きたいか」を捉える訓練をする方が、合格に早く近づく。
これができると、聞かれたことにどう回答するかの「お弁当箱(フレーム)」が決まる。後はそこに根拠や要素の「おかず」を詰め込んでいく。それが当スクールの解答メソッドの柱になる。
第3問 地域内の中小建築業と連携しながら、シルバー世代の顧客生涯価値を高めるための施策について、120字以内で助言せよ。 |
地域内の需要の変化を踏まえて、中小建築業と連携しながらターゲット層の顧客生涯価値を高める施策について、助言する能力を問う問題である。 |
何が起きているかは問題本文に書いてあり、端的に正しく捉えたかが問われる。
例:寝具店の井戸端会議メンバー(現:重要な経営資源) →高齢化により今後縮小 →むしろ介護される側に回る →中小建築業と連携した介護改装ニーズ。 |
第4問:C社社長は、今後大きな設備投資や人員増をせずに、高付加価値なCNC木工加工機事業を進めたいと思っている。これを実現するためには、製品やサービスについてどのような方策が考えられるか、140字以内で述べよ。 |
出題の趣旨:経営資源の脆弱なC 社が、高付加価値な CNC 木工加工機事業を推進するための製品やサービスに関する方策について、提案する能力を問う問題である。 |
経営資源に乏しい(脆弱)なC社が実用に「漕ぎつけた」画期的な新製品。出題者のこの「強い思い入れ」を見過ごした答案は、厳しい採点結果になったと見られる。
ここ最近の「2次」出題傾向、採点基準は、この「変化した要求」に対し「正しく応える能力があるか」を見る傾向がある。これは過去問のデッドコピーである「受験校事例演習」の弊害であり、近年の「2次」は独学の方が受かりやすいことは、出題傾向変化への対応力で説明できる。
△出題傾向変化に弱いスタイル | ○〃強いスタイル |
過去問や出題の趣旨を分析することなく、誰かの「こうやって解く!」を鵜呑み | 「本当にそうか?」「ではどうするか?」を常に自ら考える |
②進化する採点基準の検証と対策 ★ここ注目★
江口仮説:H29「事例Ⅱ」の採点基準は、サンプル採点の結果により恣意的に変更された。
H29「事例Ⅱ」で、出題側は採点基準を従来から大きく変えた。この仮説に至る根拠は、大手校講師時代から独自に続けている、再現答案評価⇔協会評価のギャップ分析です。
従来はA→B、C→Bといった一段階のズレはよくある。だがH29採点結果は、A→C、C→Aと、従来の採点基準感と大きく異なるギャップが起きた。つまり、こう仮定すると説明がつく。
従来の採点基準に合わせた答案作りを嫌い、
狙い定めて採点基準を変えた。
ABCD評価の提出者36名中、「事例Ⅱ」A⇔Cズレが起きたのは10名。
再現答案の講師評価ではこれまで、「用意された根拠を使えた数」を採点基準とし、高い精度で合否を当ててきた。しかし以下10名分の「根拠を使えた数」⇔協会A~C評価では、この逆転が起きた。
協会評価とのギャップ | 根拠を使えた数 | 短評 |
A→A(6名) | 15 | 根拠の選び方が正しく、出題側が好む「言い回し」。 |
A→C(5名) | 17 | 根拠の選び方は正しいが、不適切なつなぎ方やピントずれ。 |
C→A(5名) | 11 | 根拠の拾い方は不足だが、聞かれた事に「答えようとしている」。 |
単なるキーワード採点から、「課題の捉え方」「言い回し」での採点に。
キーワード採点⇔協会評価で、A→C、C→Aの逆転がなぜ起きたか。具体例を見ておく。
A→Cの例 (事例Ⅱ第4問) A答案:顧客データベース活用により、品揃えを改善する(Product) C答案:顧客データベース活用により、好みに沿ったDMを発送する(Promotion) 従来の採点基準では「根拠が使えていれば」A評価になった。しかし受験技術発展により根拠のヒット率が上がると採点基準が変わり、「出題者が設定した課題を解決していない」と×になる。 |
C→Aの例 従来の採点基準では加点されなかった、「与件の根拠を使わないオリジナルの知識答案」。「ポエム答案」とされがちながら、「出題者が設定した課題に答える姿勢を見せる」とA答案になるケースが現れた。 |
江口先生曰く、「ここ、超大事」。
③EBA中小企業診断士講座が目指すもの
過去合格者の開示点数まで含めると、Aを4つ並べる超高得点合格者の数は限られ、「A2つB2つ」=240点前後ボーダーに並ぶ人数が多い。言い換えると、「Aは2つ取る」「Cを取らない」戦略なら、合格率は高まる。
事例Ⅳの評価について
協会評価のABCDフィードバックのうち、「事例Ⅳ」だけはAが全体の1/4を占めて高い。難易度が真逆のH28⇔29ともに1/4であることから、
事例ⅣのA評価は、絶対得点でなく相対評価 と言える。
具体的には、H29「事例Ⅳ」は、取替投資NPVや売電単価CVPの数字は当てずに、経営分析+α(粗点ベース40点)でA評価になる。「Ⅳ」は、高得点を狙うほど失点しやすい出題があることは知っておきたい。
H29「2次」で変化したコト、しなかったコト。事例別に見ていく。
事例Ⅱ ①出題の「本質」は変化しない。 ・「レイヤー想定」「経営資源活用」などの原則は変わらない。 ・グラフが消え、第1問にSW抜き出しが復活。(全体を難化させたため、底上げの点を確保) |
②出題の進化 ・出題の「本質」を変えず、どう進化して揺さぶりを掛けてくるか。 例)資源の埋め込み量を増やす 例)設問での制約条件(解答ヒント)を減らす |
事例Ⅲ ②出題の進化 ・第1問の「強み」問題が消えた。今後はどうなるか。 予想) 強みの出題は、「経営戦略レベル」の問題に吸収され、消える? ・C社の「問題点」「原因」を書かせなくなった。 予想)課題+対応策に、出題がシフト。 |
③進化への対応策 ・課題+対応策の出題は難しく、点差がつきやすい。 ・「課題」を正しく当てないと、解答がブレブレになるため。従来の「問題点の裏返しが解決策」で済んだ「事例Ⅲ」とは、別物になったと捉える方が正しい。 |
事例Ⅳ ②出題の進化 ・経営分析では、問題本文の記述根拠⇔経営分析の数字結果がピタリ一致しない傾向が出てきた。 ・高難度のCVPやNPV出題は、「点数を取らせない」ことが題意と考える。すると「取らぬ狸」で皮算用するより、経営分析+αで40点、つまり周囲が取る所から当てる判断が妥当になる。 |
「答案の書き方」「クセの是正」は個別指導になる。講義+自主勉強会のほか、予約制での個別指導(面談)を予定している。
イマ起きている変化を捉え、課題を正しく抽出することが最初。
そこに違いを置かないと、最後発の診断士スクールの説明会に満席御礼100名が集まり、2次本科255,000円のプレミアム価格に財布の紐が緩む説明がつきません。
「2次」採点基準がなぜ変わったか?どう変わったか? それを伝聞受け売りでなくライブで聴ける。そのチャンスは1/27(土)に、もう1回ある様です。
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