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合格体験記

【得点開示で振り返り】当日したのはこんな手順

ハンドルネーム「匿名希望」と申します。

診断協会から送付された得点開示は、衝撃的といえば衝撃的、予想通りといえば予想通りの結果でした。

この機会に改めて、2次筆記試験を受験するまでの経緯と試験当日に何を考えていたかの詳細を記しておくことも、幾ばくかは意味のある事ではと考え以下を認めてみました。

【得点開示で振り返り】当日したのはこんな手順

1⃣2次筆記試験の勉強方法

基本的に、演習はタイムマネジメント用に用い、回答の型をM〇Cのテキストなどで学習。予備校での任意の勉強会も実施し、あとは、過去問ベースの反復。

特に事例ⅠとⅡが不得手(合格点にならない)なので、個人の経験則を意識的に排除して、与件の抜き出しを原則とする練習を意識。

事例Ⅳだけは、計算ミス等のケアレスミスさえ起こさなければ確実に取れる科目であるという前提で、演習を重ねる中で確実性を重視。

事例別学習量
事例共通
通学予備校(T〇C)の直前演習      4科目*3回
M〇Cの直前通信演習                      4科目*3回
事例Ⅰ~Ⅲ
過去問(ふぞろいによる確認)       5年分*3回転
全知識の読み込み                            1回転
事例Ⅳ
M〇Cの事例Ⅳ演習                         6演習
事例Ⅳ30日間問題集                       1回転
イケカコ                                          特殊論点のところのみ
過去問                                              3年分*3回転(=9回)
予備校の演習の復習                         TとMの3回分*3回転(=18回)
予備校の模試の復習                         春・秋の2回分*3回転(=6回)

2⃣2次模試の結果と本試験得点開示結果

判定
4月
TAC模試
36 47 36 79 B
上位8.3%
9月
TAC模試
46 37 71 57 A
上位6.3%
10月
AAS直前合宿
41 27 65 75 上位26%
H29本試験 50(B) 49(C) 68(A) 82(A) 249(A)

9月の模試は事例Ⅲまで終わって、全く手応え無く、事例Ⅳ挽回するつもりが、結果計算ミスで自滅。意外と事例Ⅲが良かったが、判定結果自体が当てにならないもの、こんなところで運を使うのはもったいないな、と考えていた。

本試験点数の強弱は、ほぼ想定通り。事例Ⅲが想定より高め。模範解答からは、Ⅳはもう少し得点があると考えていた。自身の自己採点で80以上だったので、他の合格者の自己採点から判断すると、10点くらいの嵩上げは有るかもと想定していた。おそらく、平均点を55点ほどにするため、下位の方だけ嵩上げがあったと思われる。

3⃣試験前日から試験直前

前日夕方から、比較的近くのホテルに宿泊。

翌朝は7時半起きくらい、8時15分くらいにタクシーを予約していたため、急いで支度し、タクシーにて受験会場まで行く。台風という悪状況と、駅から雨の中歩くという2つの“やる気を多大に削いでしまう”原因をタクシーで解決できたのは、ヒットだったと思う。(受験に際して要らぬ外的要素は、できるだけ事前に排除しておくべきである。)

試験開始1時間くらい前に着いていたこともあり、気持ちの余裕はあった。

直前にファイナルペーパーにざっと目を通した後、①問われていることに解答、②根拠は与件分から引っ張る、③完璧でなくてもかすった解答で良い、この3つだけ再度意識して、事例Ⅰに突入した。

4⃣試験開始後の個々の対応と所感

事例Ⅰ 50点(B)

第1問、「最大の要因」と記載されているにも関わらず、「要因」しか気づかず、何個か羅列する。頭の中は、“そりゃ周りの支援が得られないと無理だな”という思いが強く、そこは厚めに記載。

第2問、コアかノンコア業務を役割に応じて分担する話と即断。

第3問、HACCPは必須、あとは、事業拡大の方向性を示し、社内一体感の醸成?

第4問、全国展開には、新商品開発とそのためのリソースが足らない!

第5問、「創業」といえば、過去の酸いも甘いも知った“戦友”について書けば半分は取れると想定。

5分ほど早めに終わったので、誤字脱字を確認して終了。終了後は、なんとか時間内に全問埋めたゾ、という安堵感があった。

事例Ⅱ 49点(C)

開始前に、ターゲット+4Pと唱えてから、問題に着手。

第1問、自社の強みが多くて字数に書ききれない印象。“井戸端会議”は外せない。競合の状況も与件該当箇所から抜粋した。

第2問、DMを使うことはすぐ考えたが、その他、井戸端会議でのコミュニケーションくらいしか思いつかず記述。

第3問、建設需要の記述は与件にあるのは気づいていたので、これに乗っかることを記載するも、B社商品の販売に係るところは全く記載せず。LTVの記述に引っ張られる。

第4問、人口動態のグラフは数年前もあったよな、と思い出し、デモジオサイコと唱えながら、丁寧にターゲットを特定する。あとは、与件に記載のイベントを参照して記載すれば、この問いの及第は貰えるハズ、と考えた。

全体として4問だったのに関わらず、時間が足らず、第4問の最後は走り書き。地域貢献のことは次期社長の思いなので、その辺を適当?に書きなぐった覚えあり。

終了後、「これは出来悪いな」と思ったが、ある程度想定内だったし、少なくとも空欄を作らなかったので、良しとして、午後に頭を切り替え。

事例Ⅲ 68点(A)

全部で4問、160字とか140字とかきついなぁ、というのが第一印象。

第1問、過去ではだいたいSWOT系なのに違うなと思って、第2問を眺めると、これはいつも通りの、ダメなところを修正するパターンと判断し、与件の該当箇所を見て、先に第2問から対処し与件分の裏返しを記述。次に戻って1問目を検討するが、与件分の箇所がわからなかったので、いったん保留。

第3問、展示会での対応時の成功したやり方を、同様の効果が出るようにホームページを工夫すればOKと考え、動画とQ&Aを主に記述。

第4問、問題文に“製品とサービスで”と記載しているので、これさえ外さなければ及第だなと思い、改良や新機種の開発と顧客対応の充実を記述。

第3問4問と記述字数多いのに、意外と早く書けたので、第1問に戻る。結局根拠は最終前の段落として、与件分を引いて記載。ただ、設計担当(最終検査兼任)が1名では、新製品拡大のボトルネックとなるのは明白と考えて、記載。

この時点で10分の時間を残していたので、誤字脱字や、問いに答えているかの確認を済ませ、

事例Ⅰ~Ⅲまでが終わったので、気分は落ち着き、あとはⅣだけなので、リラックスして臨めると思っていた。

事例Ⅳ 82点(A)

計算ミスさえしなければ大丈夫、と考えていた。

そして2回の検算と問題文の読み返しをすることに決めていた。

ざっと見渡すと、意思決定の問題があって、計算過程を書かせる問題はなさそうと、把握したうえで与件文を読み始めた。

(第1問)

  • 課題指標2個に、good指標1個、それも〇をつけなさいと、指示が細かいなと思いつつ、適切な指標を探す。
  • 収益性は売上高総利益率、これは数値的に明確。
  • 安全性は自己資本比率か負債比率だけど、負債比率なら支払金利が大きくて経常利益率とのセットでないと、一貫性が乏しいかなと考え、自己資本比率を選択。
  • 効率性でかつgood指標として、棚卸資産回転率か有形固定資産回転率の2つが候補。検討過程として、数値比率の同業他社差は、棚回転率が優勢、一方、繊維加工業ということ、有形固定資産の帳簿価額から考えると、有固回転率が優勢。最終的にはPLの注釈記載の減損が当期発生していることから、固定資産の減損という事実と有固回転率をgoodと認識するのは矛盾している(そもそも効率が良ければ減損する可能性は薄い)、と判断し、棚卸資産回転率を採用。
  • 上記の3指標をベースに与件文を考慮しながら、記述を埋める。
(第2問)

  • 細かい計算なので、慎重に検算を行う。
  • 問2の試運転費は、営業費用ではないと即断し、コストから省く(模範解答とその分だけ差が発生)。(※後日、模範解答を見てもなぜ営業費用としているのか不明。付随費用の扱いからも資産計上されるが、未だもって、理解出来ていません。)
  • 問3は、Break Evenになる単価を算出し、逆算して正しさの確認を行った。
(第3問)

  • 取替投資の意思決定なので、問題の条件を具に確認。時系列に数字を一つずつ書き、漏れの無いようにチェックした。普段の計算方法として、償却前営業利益に税額控除して、タックスシールド分を加算する形で、割引前のCFを出していた。あとは割引計算のみだなと思って解答用紙を見たら、1年度末だけ個々の項目で差額CFを書かせる形になっている。さすがに驚いたが、各項目を入れると、どうしても数字が合わなくて5分から10分ほどこの箇所だけでロス。最後は納得いく形で数字を埋め、NPVの計算も3回ほど検算し万全を期す。
  • 投資時の安全性は早期のキャッシュ回収=回収期間法と即断。
  • この時点で、残り15分ほど。いつもより10分遅く、少々焦る。
(第4問)

  • 連結のことが書いてあるが、診断士試験に深いテクニカルな問いを記述問題で課すことはないと考え、余り意識せずに解答を記述。
  • 問1は、ここも減損という注釈を活用し、減損損失の額から、親会社は赤字と判断。非支配株主利益に関しては言及せず(試験後は、こちらがベターだとは思ったが自身の解答にも自信があった。)
  • 問2は、子会社化=資産負債丸抱え、与件文での多額の借入金の記載を根拠に解答。
  • 問3は、自身の経験から、子会社管理の難しさは社風などの違いからコンフリクトが発生しやすいことで、加えて子会社が収益性が高いと猶更であることを念頭に解答。

全部の解答を書き終えたとき、7から8分残っており、もう一度、指標の検算とNPV・回収期間の検算を行ったところで、時間終了となった。

5⃣試験終了後

友人と階下で待ち合わせしていたが、皆、事例Ⅳで暗い顔になっていたのが印象。確かに手間のかかる記載だったけれど、とびきり難しかったとは思えなかったし、むしろ午前のⅠとⅡの出来の不明感が大きすぎて、コメントする気も失せていた。

台風の雨風の中、帰りは徒歩で駅まで戻る。途中で会場(大学)の道案内板が目に留まって、また来年来てね、と言っているようであった。

再現答案は、翌日月曜から金曜まで事例ⅠからⅢまでを書き上げ、Ⅳはメモもあったので作成せず(合否結果分ったあとに作成)。

【得点開示後】当日の手順まとめ

いま、改めて試験当日の現場での対応を記述してみると、それまで多く重ねて勉強してきた知識的な内容が、少ししか活かせていないというのが正直な感想。

各事例80分で解くという制約の中、たくさん覚えてくるのが是ではなくて、「試験現場での即断」がこれまで重ねた練習という経験から、できるだけ多く適切に発揮できたかに掛かっていると思われる。

「現場での即断」を意識して鍛えるということは、過去の事例問題解答のパターンを記憶習得するというよりは、練習の中で判断のプロセスを明確に意識して、経験値として積んでいくことに他ならない。

これは、普段のビジネスの場でも同様、というのが今更ながらの感覚でもある。

  当サイト(ふうじん)注

当記事については、「匿名希望」様にお寄せいただいた開示得点と当日の手順につき、当サイトより無理を言って公開をお願いしました。
※文章が長いとのことで、当サイトで多少の編集を加えています。

  • 事例Ⅲ、Ⅳ以外は60点以上がないぞ。
  • やはりスト合格は「たまたま」なんだよ。
  • 上から目線の「体言止め」はムカつく。

でもこの合格スタイルも、出題側が認めた最新828通りの一つ。当サイトは初学スト生の「Ⅳ荒稼ぎ合格」を是とするものではありませんが。

採点基準を恣意的に変えてまで、
H29合否を「Ⅳ」有利に振った理由は何かな?

そこをじっくり考えるか、目を瞑って避けて通るか。これはミライを変える大事な一石になりそうです。

■■ここからテンプレ■■

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