過去問の答を必死に覚える過去マス勉をからかうように、毎年違う所を出すのが「経営法務」。そこで賢いあなたは表を描いて知財を覚えます。
はい。本試験出題範囲は限られるので、【以下の表を見ながら】過去問をまず解いて、もしテキストで気になった知識があれば描き足します。
特許権 | 実用新案権 | 意匠権 | 商標権 | |
---|---|---|---|---|
定義 | 高度な技術的創作 | 技術的創作 形状・構造・組合せ | 形状・模様・色彩・結合 | 文字図形記号や結合 |
❶登録 | 産業上利用可能 | → | 工業上利用可能 | 自己の商品役務 |
類似意匠 | 類似商標 | |||
新規性 | → | → | × | |
進歩性 | → | 創作性 | × | |
△図面任意 | 〇図面必須 | 〇図面必須 | △図面任意 | |
新規性喪失の例外 | → | → | × | |
方式・実態審査 | 方式のみ・無審査 | 方式・実態審査 | 方式・実態審査 | |
審査請求制度 | × | × | × | |
出願公開制度 | × | × | 出願公開制度 | |
国内優先権制度 | → | × | × | |
❷実施 | 実施を専有 | → | → | 他者の使用禁止 |
物・方法 ・物を生産する方法 | 考案した物 | 意匠した物 | 商標の使用 | |
共同・職務発明 | 共同・職務考案 | 共同・職務創作 | × | |
先使用権 | → | → | → | |
専用・通常実施権 | → | → | → | |
仮専用・通常実施権 | 仮通常実施権 | → | × | |
❸侵害 | 無効審判 | → | → | → |
異議申立(6か月) | × | × | 異議申立(2か月) | |
実用新案技術評価書 | 部分意匠 | 地域団体商標他 |
【法務③】産業財産権は登録→実施→侵害の順 / 知財の解き方を新発明
過去問の答を覚えるしかノウがない信者と異なり、普通の人類なら知財は表を描いて覚える。さらに登録→実施→侵害の順に分け、過去問でどこが出たかをプロットすれば完璧です。
①登録 | ②実施 | ③侵害 |
---|---|---|
概要:産業財産権の登録は、特許、商標、意匠などの権利を法的に確立する手続きです。権利者は、登録に必要な要件を満たし、審査を経て登録を取得します。登録されることで、その権利を保護する法的な地位が得られます。 | 産業財産権の実施は、登録された権利を実際に活用することです。これには、特許を製品やサービスに活かすことや、商標を商品に表示することなどが含まれます。また、権利者は他者に使用権を許諾することもできます。 | 産業財産権の侵害は、他者が登録された権利を無断で使用することです。権利者は侵害行為に対して法的な措置を取ることができ、損害賠償や差止め命令などの救済を求めることがあります。 |
試験に出るポイント: ・登録に必要な要件(例: 特許の新規性、意匠の創作性など) ・登録手続きの流れや手数料など ・登録された権利の範囲と有効期 | ・実施の方法や範囲 ・使用権の許諾に関する条件や手続き ・実施に関する契約やライセンスの内容 | ・侵害行為の判定基準や訴訟手続き ・侵害行為の種類 ・侵害に対する救済措置(損害賠償、差止めなど) |
①登録~保護されるには
知財として保護されるには、まず登録しないと始まらない。各権利の登録制度、保護対象、出願手続の順に面白おかしく聞かれます。
登録制度(特許法)
ここから6問は、登録時他に付随する制度の〇×クイズ。×イウエはいずれも、主語を特許法にすればマル。なお正確には、出願公開制度は特許法&商標法、新規性喪失の例外は特許法&実用新案法&意匠法で定めています。
× | →○ | |
×イ | 実用新案法 | 特許法 |
×ウ | 意匠法 | 特許法と商標法 |
×エ | 商標法 | 商標法以外(特許法・実用新案法・意匠法) |
産業財産権法に関する記述として、最も適切なものはどれか。 |
〇ア 特許法には、特許異議申立制度が規定されている。 ×イ 実用新案法には、審査請求制度が規定されている。 ×ウ 意匠法には、出願公開制度が規定されている。 ×エ 商標法には、新規性喪失の例外規定が規定されている。 |
前問の表を見ながらバツ→マルに直すと2か所の下線部を入れ替えただけになり、過去問解説より表形式で覚えれば済むとわかります。
× | →○ | |
×ア | 意匠法 | 実用新案法(下線部あべこべ) |
×ウ | 商標法 | 特許法および実用新案法(下線部あべこべ) |
×エ | 意匠法及び商標法 | 特許法(下線部あべこべ) |
産業財産権に関する記述として、最も適切なものはどれか。 |
×ア 国内優先権制度は、特許法及び意匠法には存在するが、実用新案法及び商標法には存在しない。 ○イ 出願公開制度は、特許法及び商標法には存在するが、実用新案法及び意匠法には存在しない。 ×ウ 存続期間の更新制度は、意匠法及び商標法には存在するが、特許法及び実用新案法には存在しない。 ×エ 訂正審判制度は、意匠法及び商標法には存在するが、特許法及び実用新案法には存在しない。 |
これも旧作過去問からコピペ出題。アイウの下線部は全て特許法。
産業財産権法に関する記述として、最も適切なものはどれか。 |
×ア 意匠法には、出願公開制度が規定されている。 ×イ 実用新案法には、出願審査請求制度が規定されている。 ×ウ 商標法には、国内優先権制度が規定されている。 ○エ 特許法には、新規性喪失の例外規定が規定されている。 |
例年通り、まず下線部を全て特許法に変える。正確には以下の通りです。
× | →〇 | |
×ア | 意匠法 | 特許法と実用新案法 |
×イ | 実用新案法 | 特許法と商標法 |
×ウ | 商標法 | 特許法 |
産業財産権法に関する記述として、最も適切なものはどれか。 |
×ア 意匠法には、国内優先権制度が規定されている。 ×イ 実用新案法には、出願公開制度が規定されている。 ×ウ 商標法には、出願審査請求制度が規定されている。 ○エ 特許法には、不実施の場合の通常実施権の設定の裁定制度が規定されている。 |
例年通り表を見て・・。ただし×ウエは「実施」の論点になり、難易度が上がっています。
× | →○ | |
×イ | 実用新案法 | 商標法 |
×ウ | には いない | にも いる |
×エ | 実用新案法上の考案のいずれにも | (削除) |
特許法及び実用新案法に関する記述として、最も適切なものはどれか。 |
〇ア 国内優先権制度は、特許法と実用新案法のいずれにも規定されている。 ×イ 出願公開制度は、特許法と実用新案法のいずれにも規定されている。 ×ウ 不実施の場合の通常実施権の設定の裁定制度は、特許法には規定されているが、実用新案法には規定されていない。 ×エ 物を生産する方法は、特許法上の発明と、実用新案法上の考案のいずれにも該当する。 |
正解〇エは選べますが、×アのように年々細かい所が訊かれます。
× | →○ | |
×ア | 特許法 | 商標法 |
×イ | 実用新案法 | 特許法 |
×ウ | 意匠法 | 特許法と実用新案法 |
産業財産権に関する法律の規定として、最も適切なものはどれか。 |
ア 特許法には、不正使用に基づく取消審判制度が規定されている。 イ 実用新案法には、出願審査請求制度が規定されている。 ウ 意匠法には、国内優先権制度が規定されている。 〇エ 商標法には、登録異議の申立て制度が規定されている。 |
この6マークで、各権利の保護にどんな制度があるかをまず暗記。ここから先は、特許法・実用新案法・・といった法律単位でなく、保護対象は?出願手続は?と論点輪切りにすると覚えやすいな。
保護対象
×ア アイスクリームの形状は、H28第6問正解○イの再出題で、正答→誤答にランクダウンするレアパターンです。
× | →○ | |
×アウ | ない | ある |
×エ | できない | できる |
意匠登録制度に関する記述として、最も適切なものはどれか。 |
×ア アイスクリームの形状は時間の経過により変化するため、意匠登録できる場合はない。 ○イ 意匠登録出願人は、意匠権の設定の登録の日から3 年以内の期間を指定して、その期間その意匠を秘密にすることを請求することができる旨が意匠法に規定されている。 ×ウ 乗用自動車の形状は意匠登録できる場合はない。 ×エ 同時に使用される一組の飲食用ナイフ、フォーク、スプーンのセットの各々に同一の模様を施したとしても、これらを一意匠として出願し登録することはできない。 |
やや細かいですが、いずれもテキスト知識なので表に書き込んで覚えます。
× | →〇 | |
×ア | いる | いない |
×イ | しない | する |
×エ | 場合はない | (削除) |
意匠法に関する記述として、最も適切なものはどれか。 |
×ア 意匠権(関連意匠の意匠権を除く。)の存続期間は、意匠登録出願の日から25 年をもって終了するが、この期間を更新する制度が意匠法には設けられている。 ×イ 意匠権者は、業として登録意匠の実施をする権利を専有するが、登録意匠に類似する意匠を業として実施する権利までは専有しない。 〇ウ 意匠登録出願前に外国で頒布された刊行物に記載された意匠に類似する意匠は、意匠登録を受けることができない旨が、意匠法に規定されている。 ×エ カーネーションの造花は、自然物の形状、模様、色彩を模したものであるため、意匠登録の対象となる場合はない。 |
下図を見ながら覚えます。
× | →○ | |
×ア | チョコレート | (例)電動アシスト自転車 |
×イ | できる | できない |
×ウ | されることはない | できる |
物の形状を保護する意匠法、商標法、不正競争防止法に関する記述として、最も適切なものはどれか。 |
×ア 自動二輪車の形状が意匠登録された場合、その意匠権は同じ形状のチョコレートにも及ぶ。 〇イ 自動二輪車の形状が不正競争防止法第2 条第1 項第1 号の商品等表示混同惹起行為として保護されるには、それが当該メーカーの商品等表示として需要者の間に広く認識されている必要がある。 ×ウ 自動二輪車の形状について意匠登録出願をした場合、所定期間内であれば立体商標の商標登録出願に出願変更することができる。 ×エ 自動二輪車の形状は商品そのものの形状なので、立体商標として登録されることはない。 |
出願手続
前問までの「4権比較クイズ」より難度は上がりますが、正答率Bランク=テキストレベルと察して覚えます。
× | →○ | |
×ア | いかなる場合も することはできない | (削除) できるケースもある |
×イ | 図面及び | (削除) ※図面は任意 |
×エ | はない | がある |
特許法の規定に関する記述として、最も適切なものはどれか。 |
×ア 2 以上の発明は、いかなる場合も1 つの願書で特許出願をすることはできない。 ×イ 願書には、明細書、特許請求の範囲、図面及び要約書をすべて必ず添付しなければならない。 ○ウ 特許請求の範囲に記載する特許を受けようとする発明は、発明の詳細な説明に記載したものであることが必要である。 ×エ 特許請求の範囲には、請求項に区分して、各請求項ごとに特許出願人が特許を受けようとする発明を特定するために必要と認める事項のすべてを記載する必要はない。 |
R3第10問の類題で、×アは同じ選択肢。×ウエもテキスト知識です。
× | →○ | |
×ア | いかなる場合にも | 一部の例外を除いて(R3第10問誤答×ア) |
×ウ | 図面を必ず添付しなければならない | 図面の添付は任意である |
×エ | いない | いる |
特許法に関する記述として、最も適切なものはどれか。 |
×ア 2 以上の発明は、いかなる場合にも1 つの願書で特許出願することはできない旨が、特許法に規定されている。 〇イ 特許出願の願書に添付する明細書には、発明の詳細な説明を記載しなければならない旨が、特許法に規定されている。 ×ウ 特許出願の願書には、図面を必ず添付しなければならない旨が、特許法に規定されている。 ×エ 特許出願の願書には、要約書を添付しなければならない旨は、特許法には規定されていない。 |
Bランクですが、やや難です。
× | →○ | |
×ウ | 審査請求を行わなくとも新規性や進歩性などを判断する実体審査が開始される | 実体審査自体が省略される |
実用新案法と特許法の比較に関する記述として、最も不適切なものはどれか。 ただし、存続期間の延長は考慮しないものとする。 |
○ア 権利侵害に基づく差止請求を行使する場合、実用新案権は特許庁による技術評価書を提示する必要があるが、特許権は不要である。 ○イ 実用新案権の存続期間は出願日から10 年、特許権の存続期間は出願日から20年である。 ×ウ 実用新案出願は審査請求を行わなくとも新規性や進歩性などを判断する実体審査が開始されるが、特許出願は出願日から3 年以内に審査請求を行わないと実体審査が開始されない。 ○エ 物品の形状に関する考案及び発明はそれぞれ実用新案法及び特許法で保護されるが、方法の考案は実用新案法では保護されず、方法の発明は特許法で保護される。 |
×ウエは、実用新案法以外の権利を説明。なお×ウの実用新案法の保護対象は、「物品の形状、構造又は組合せに係る考案」です。
× | ○ | |
×ア | 登録 | 出願 |
×ウ | 実用新案法 のみ | 意匠法 など |
×エ | 実用新案権 | 商標権 |
実用新案法に関する記述として、最も適切なものはどれか。 |
×ア 実用新案権の存続期間は、実用新案登録の日から10 年をもって終了する。 ○イ 実用新案登録出願の願書には、明細書、実用新案登録請求の範囲、図面及び要約書を添付しなければならない。 ×ウ 実用新案法は、物品の形状と模様の結合に係る考案のみを保護している。 ×エ 他人の実用新案権を侵害した者は、その侵害の行為について過失があったものと推定される。 |
正解〇エは常連知識ですが、×アイウは商標法を詳しく調べないとわからない難知識です。後回し。
× | →○ | |
×ア | 意匠登録 | 通常、団体、地域団体商標等の (商標法第67条、難) |
×ウ | までは | も(商標法第1条) |
×エ | できる | できない(商標法第12条、難) |
商標法に関する記述として、最も適切なものはどれか。 |
×ア 商標登録出願人は、商標登録出願を意匠登録出願に変更することができる旨が、商標法に規定されている。 〇イ 商標法には出願公開制度が規定されている。 ×ウ 商標法の目的を規定した商標法第1 条は、商標を保護することにより、商標の使用をする者の業務上の信用の維持を図ることを目的として規定しており、需要者の利益を保護することまでは目的として規定していない。 ×エ 防護標章登録出願人は、査定又は審決が確定した後でもその防護標章登録出願を商標登録出願に変更することができる旨が、商標法に規定されている。 |
会話問題
中小企業診断士のあなたと顧客の経営者X氏との以下の会話を読んで、下記の設問に答えよ。なお、実在するキャラクターや特産品を考慮する必要はない。 |
(設問1) 会話の中の空欄①と②に入る語句の組み合わせとして最も適切なものはどれか。 |
(設問1) | ① | ② |
×ア | 一般社団法人 | 全国 |
○イ | 商工会議所 | 近隣都道府県 |
×ウ | 中小企業団体中央会 | 近隣市町村 |
×エ | 公益社団法人 | 全国8地方区分の同一区分 |
(設問2)会話の中の空欄③〜⑥に入る語句の組み合わせとして最も適切なものはどれか。 |
(設問2) | ③ | ④ | ⑤ | ⑥ |
×ア | 商品化権 | 不正競争防止法 | 商標権 | 意匠権 |
×イ | 著作権 | 商標権 | 景品表示法 | パブリシティ権 |
○ウ | 著作権 | 商標権 | 不正競争防止法 | 意匠権 |
×エ | 意匠権 | 不正競争防止法 | 商標権 | 商標権 |
【X氏】
当社の本社はC県のAB市にあり、私は地元の経済団体の役職にも就いているのですが、最近、AB市で盛り上がっているのが、AB市内の漁港で水揚げされた海老のすり身を煎餅せんべいの生地に練り込んで焼いた特産品の『ABせんべい』をもっと全国的に売り出そうという企画なんです。確か、地域の特産品の名称を保護するような商標がありましたよね。
【あなた】
地域団体商標のことですか。正確なことは専門家に聞いた方がいいと思いますが、地域団体商標が認められるには、結構要件が厳しかったはずですよ。権利の主体は、事業協同組合等のほか、平成26年に施行された法改正で新たにNPO法人や【①】等にも広げられました。しかし、『ABせんべい』という名称を使用しているだけでは難しくて、例えば『ああ、あのAB市特産の、海老を原材料にした煎餅だな』と消費者や事業者が広く認識する程度の周知性が必要です。
地域的にどの程度まで周知ならいいのですか。
一般的には、【②】に及ぶ程度の周知性が必要とされています。
なるほど、そう簡単なわけでもなさそうですね。実は、AB市の公募で採用された『ABせん兵衛べえくん』という、いわゆるゆるキャラが『ABせんべい』の知名度向上に一役買っているのですが、最近、地元のイベントで『ABせん兵衛べえくん』の偽物が現れましてね。よく似た着ぐるみを着て、『海老みそブシューッ!』と叫びながらエビ反りになってのたうち回るなんてギャグをやったりして、子供にはうけますが、下品だと言って嫌う人もいます。こういったゆるキャラの権利を知的財産で守るような法律手段はないのでしょうか。
キャラクターのデザインや絵柄の創作を保護するなら、やはり【③】で守るというのが最も素直でしょう。広告宣伝用であれば、平面だけでなく立体的な構成も【④】、あるいは【⑤】で保護が可能ですが、広告宣伝の対象となる商品やサービスを特定する必要がありますし、【④】は登録の手続が、【⑤】は権利行使のために周知性の立証が必要です。また、ぬいぐるみの量産品であれば【⑥】で保護される可能性も出てきますが、一方でそのような物品が【③】による保護の対象になるか、という問題も出てきます。結局、場面に応じた個別的な法的保護の組み合わせでキャラクターの利益を守るしかないのが現状です。
実用新案出願から3年以内なら、特許出願に移行できるルールの出題。この手の再出題はないので、忘れて良いです。
A | B | |
×ア | 特許権の設定登録の日 | 18ヵ月 |
×イ | 特許出願が出願効果された日 | 18ヵ月 |
×ウ | 特許出願の日 | 1年 |
〇エ | 特許出願の日 | 3年 |
以下の会話は、衣服メーカーの社長である甲氏と、中小企業診断士であるあなたとの間で行われたものである。 この会話の中の空欄AとBに入る語句の組み合わせとして、最も適切なものを次ページの解答群から選べ。 |
甲 氏:「当社開発部が今までにない毛玉取り器の開発に成功したため、半年前に実用新案登録出願をして、実質的に無審査なのですぐに実用新案登録されました。 最近、この毛玉取り器が結構、話題になって、当社の主力商品になりつつあります。実用新案権は存続期間が短いので、特許を取りたいのですが、何かよい方法はありませんか。」 あなた:「確かに、特許権の存続期間は、原則として、特許法上【A】から20年と権利が長いですから、特許を取った方がベターですよね。自己の実用新案登録に基づいて特許出願をすることができる、と聞いたことがあります。いろいろと要件はあるようですが、1 つの要件として、その実用新案登録に係る実用新案登録出願の日から原則として、【B】を経過していると、実用新案登録に基づく特許出願はできません。その手続きをされる場合には、知り合いの弁理士さんを紹介できますよ。」 甲 氏:「よろしくお願いします。」 |
「新規性の喪失」とは展示会で発表するなど、周囲が知ってしまうこと。「その例外」とは、1年以内に所定の手続きを踏めば出願できることです。
× | →○ | |
×イ | 18か月以内 限られます | 1年以内 限られません |
×ウ | 18か月以内 | 1年以内 |
×エ | 2年以内 | 1年以内 限られません |
以下の会話は、発明家である甲氏と、中小企業診断士であるあなたとの間で行われたものである。この会話の中の空欄に入る記述として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。 |
甲 氏:「私は便利な掃除用具を発明しました。われながらとても良いアイデアであり、特許を取ってみたいと考えています。そこで質問があります。 実はこの発明を1 か月前に発明展に展示してしまいました。そのときはまだ特許を取るなんて全然考えていなかったので、発明展に自発的に応募して出品しました。しかし、先週になって特許を取りたいと思うようになりました。 新規性がないということで、この発明の特許を取得することは無理でしょうか。この発明展は1 週間にわたり開催されました。一般に開放したので、老若男女問わず多くの来場者がありました。新規性を喪失しても救済される制度が特許法にあると聞きました。この制度について教えていただけないでしょうか。」 あなた:「発明の新規性喪失の例外規定ですね。【 】。知り合いの弁理士をご紹介しましょうか。」 |
○ア 新規性を喪失した日から1 年以内に特許出願をする必要があります。そして、特許を受ける権利を有する者の行為に起因して発明が新規性を喪失した場合にも、所定の手続的要件を充足することで、この適用を受けられます ×イ 新規性を喪失した日から18 か月以内に特許出願すればこの適用を受けられます。しかし、この適用を受けられるのは、特許を受ける権利を有する者の意に反して発明が新規性を喪失した場合に限られます ×ウ 新規性を喪失した日から18 か月以内に特許出願をする必要があります。そして、特許を受ける権利を有する者の行為に起因して発明が新規性を喪失した場合にも、所定の手続的要件を充足することで、この適用を受けられます ×エ 新規性を喪失した日から2 年以内に特許出願すればこの適用を受けられます。しかし、この適用を受けられるのは、特許を受ける権利を有する者の意に反して発明が新規性を喪失した場合に限られます |
語感でウエの2択に。Bは改正論点で、2018年に6か月→1年に延長されたので、知らなきゃ当たりません。
A | B | |
×ア | 国内優先権 | 6 か月 |
×イ | 国内優先権 | 1 年 |
×ウ | 新規性喪失の例外 | 6 か月 |
〇エ | 新規性喪失の例外 | 1 年 |
以下の会話は、中小企業診断士であるあなたと、玩具メーカーのX株式会社の代表取締役甲氏との間で本年8 月に行われたものである。会話の中の空欄AとBに入る語句の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。 |
あなた:「先月の業界誌で、御社の新製品が好評との記事を読みました。」 甲 氏:「はい、6 月に大規模展示施設の展示会で発表したのですが、おかげさまで、クリスマス商戦に向けて引き合いがたくさん来ています。」 あなた:「この製品、外観がとてもユニークですが、意匠登録出願はされましたか。」 甲 氏:「実をいうと、こんなに売れるとは思っていなかったので、意匠登録出願に費用をかけなかったんです。こんなに好評なら、模倣品対策のため、発表前に出願しておけばよかったです。」 あなた:「【A】 の規定を用いれば、意匠登録出願することができる場合があ りますよ。」 甲 氏:「本当ですか。どのくらいの期間認められているのでしょう。」 あなた:「今回の場合は、展示会に出品した日が起算日になると思いますが、その日から【B】間です。」 甲 氏:「よかった、まだ間に合いそうです。急いで特許事務所に相談してみます。」 |
商標を複数の役務に同時に出願はできる。一方、複数の商標を同時にまとめて出願はできず、1つ1つ出願します。
A | B | |
×ア | 商標が同じであっても、複数の役務を1 つの出願に含めることはできません | 音からなる商標を登録することは、制度上認められています |
×イ | 商標が同じであっても、複数の役務を1 つの出願に含めることはできません | 音からなる商標を登録することは、制度上認められません |
〇ウ | 商標が同じであれば、複数の役務を1 つの出願に含めることができます | 音からなる商標を登録することは、制度上認められています |
×エ | 商標が同じであれば、複数の役務を1 つの出願に含めることができます | 音からなる商標を登録することは、制度上認められません |
以下の会話は、英会話スクールを立ち上げる予定の甲氏と、中小企業診断士であるあなたとの間で行われたものである。 この会話の中の空欄AとBに入る記述の組み合わせとして、最も適切なものを次ページの解答群から選べ。 |
甲 氏:「英会話スクールの名前である「〇〇〇〇〇」という文字商標を、「語学の教授」という役務を指定して商標登録出願する予定です。この他に「翻訳、通訳」の業務も行う予定なので、スクール名と同じ「〇〇〇〇〇」の商標を「翻訳、通訳」の役務を指定して商標登録出願したいと思います。 これらの役務を1 つの商標登録出願に含めることは可能ですか。」 あなた:「【A】。」 ・・・中略・・・ 甲 氏:「この他、うちのスクールの宣伝として流すオリジナルのメロディーを、私が作曲しました。これも商標として登録することは認められますか。」 あなた:「【B】。」 ・・・中略・・・ あなた:「いずれにしても弁理士をご紹介しますので、詳しくはその方にお尋ねになってください。」 |
民法では弁護士、知財では弁理士を紹介します。
以下の会話は、地方都市であるA市の経済団体の理事であるX氏と、中小企業診断士であるあなたとの間で行われたものである。この会話の中の空欄①と②に入る記述の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。なお、実在する特産品を考慮する必要はない。 |
X 氏:「私が住むA市内のA漁港で水揚げされるマグロは、身がぷりぷりしていて、脂ものっていてとてもおいしいです。地元の旅館や飲食店でお客さんに大好評で、地元のスーパーでもこの刺身のコーナーが設けられているほどです。ここ10 年くらいは隣接他県でも知られており、わざわざ隣の県から買いに来る人もいます。 しかしそれでも地方都市なものですから、全国的に知られているということはなく、リサーチして遠隔地の消費者に聞いてみたのですが、このマグロを知らないという回答がほとんどでした。地域活性化のためにも、『Aまぐろ』というブランドで全国的に知らしめて売り出したいです。地域ブランドを商標登録する方法があると聞いたのですが、詳しく教えていただけませんか。」 あなた:「地域団体商標のことですね。登録が認められるには要件がいろいろとあるようですが。」 X 氏:「『名産』の文字を付して、『A名産まぐろ』という文字からなる地域団体商標は登録可能ですか。」 あなた:「① 。」 ・・・ 中略 ・・・ X 氏:「実は、A市には、マグロの他にもわかめ、魚の缶詰、漬物など特産物がたくさんあり、今後、様々な商品に『A』の名前を付けて売り出していくつもりです。まだ、どのような商品に付するか未定です。『A』の文字からなる商標を地域団体商標として登録することは可能ですか。」 あなた:「② 。」 ・・・ 中略 ・・・ あなた:「近いうちに地元の弁理士さんをご紹介しますよ。」 |
① | ② | |
×ア | いいえ、『名産』の文字を付すると、地域団体商標としての登録は認められなくなります。『Aまぐろ』という文字からなる地域団体商標であれば登録可能です | いいえ、地域の名称のみからなる商標は、地域団体商標として登録を受けることができません |
×イ | いいえ、『名産』の文字を付すると、地域団体商標としての登録は認められなくなります。『Aまぐろ』という文字からなる地域団体商標であれば登録可能です | はい、地域の名称のみからなる商標も、地域団体商標として登録を受けることができます |
〇ウ | はい、制度的には登録可能です | いいえ、地域の名称のみからなる商標は、地域団体商標として登録を受けることができません |
×エ | はい、制度的には登録可能です | はい、地域の名称のみからなる商標も、地域団体商標として登録を受けることができます |
地域団体商標に地名のみは当然バツとして、○○温泉がOKかどうか。やや意外ですが、熱海温泉、保津川下りなど役務でも良いそうです。
A | B | |
×ア | いいえ、地域の名称のみからなる商標は、地域団体商標として登録を受けることはできません。 | いいえ、地域団体商標は商品について登録を受けることができ、役務については登録を受けることはできません。 |
〇イ | いいえ、地域の名称のみからなる商標は、地域団体商標として登録を受けることはできません。 | はい、地域団体商標は、役務についても登録を受けることができます。 |
×ウ | はい、地域の名称のみからなる商標は、地域団体商標として登録を受けることができます。 | いいえ、地域団体商標は商品について登録を受けることができ、役務については登録を受けることはできません。 |
×エ | はい、地域の名称のみからなる商標は、地域団体商標として登録を受けることができます。 | はい、地域団体商標は、役務についても登録を受けることができます。 |
以下の会話は、X県Y市の協同組合の理事である甲氏と、中小企業診断士であるあなたとの間で行われたものである。この会話の空欄AとBに入る記述の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。 なお、実在する施設や特産品を考慮する必要はない。 |
甲 氏:「うちの市の『Y温泉』には、毎年多くの湯治客が全国から訪れます。薬効のある温泉としてうちの県が誇る地域ブランドです。『Y温泉』もさることながら、『Yようかん』も全国的に有名です。」 あなた:「ええ、もちろん、『Y温泉』、『Yようかん』は、私もよく知っていて、大ファンです。」 甲 氏:「そこでこの地域ブランドを商標登録したいのですが、何かよい方法はありますか。」 あなた:「地域団体商標の登録という制度があります。」 ・・・中略・・・ 甲 氏:「Y市にはいろいろな名産がありますが、『Y』の文字のみからなる商標を地域団体商標として登録を受けられますか。」 あなた:「A 」 ・・・中略・・・ 甲 氏:「『Yようかん』のような商品名ではなく、『Y温泉』という名称を、この市(X県Y市)の『温泉浴場施設の提供』というような役務について、地域団体商標として登録を受けられますか。」 あなた:「B 」 |
②実施するには
実施について各権利ごとの差は少ない。ほぼ特許法と割り切って覚えます。
× | →○ | |
×ア | されない | される |
×イ | できない | できる |
×エ | 登録の日 | 出願の日 |
特許権に関する記述として、最も適切なものはどれか。 |
×ア 他人の特許権又は専用実施権を侵害しても、その侵害の行為について過失があったものと推定されない。 ×イ 特許権が共有に係るときは、各共有者は、契約で別段の定めをした場合を除き、他の共有者の同意を得なければ、特許発明の実施をすることができない。 〇ウ 特許権について専用実施権を設定した場合には、特許権者は専用実施権者が専有する範囲について業として特許発明の実施をすることができない。 ×エ 特許権の存続期間は、登録の日から20 年をもって終了する。 |
×アの特許権の侵害→過失の推定は覚えておきたい知識。×イウのする⇔しないあべこべは国語で解けます。
× | →○ | |
×ア | されない | される |
×イ | する | しない |
×ウ | しない | する |
特許権等の侵害や発明の実施に関する記述として、最も適切なものはどれか。 |
×ア 他人の専用実施権を侵害しても、その侵害の行為について過失があったものと推定されない。 ×イ 物を生産する機械の発明において、その機械により生産した物を輸入する行為は、当該発明の実施行為に該当する。 ×ウ 物を生産する方法の発明において、その方法により生産した物を輸出する行為は、当該発明の実施行為には該当しない。 ○エ 物を生産する方法の発明について特許がされている場合において、その物が特許出願前に日本国内において公然知られた物でないときは、その物と同一の物は、その方法により生産したものと推定される。 |
専用実施権は登録必要で、ライセンサーであっても実施には許諾が必要。
以下の会話は、X株式会社の代表取締役甲氏と、中小企業診断士であるあなたとの間で行われたものである。この会話を読んで、下記の設問に答えよ。 |
(設問1 ) 会話の中の空欄AとBに入る記述の組み合わせとして、最も適切なものはどれか。 |
A | B | |
×ア | 御社とY社との契約 | Y社の許諾なくして実施することができます |
×イ | 御社とY社との契約 | Y社の許諾なくして実施することはできません |
×ウ | 御社とY社との契約及びそれに基づく専用実施権設定登録 | Y社の許諾なくして実施することができます |
○エ | 御社とY社との契約及びそれに基づく専用実施権設定登録 | Y社の許諾なくして実施することはできません |
通常実施権はいちいち登録は不要だが、差止請求は不可です。
(設問2 ) 会話の中の空欄CとDに入る記述の組み合わせとして、最も適切なものはどれか。 |
C | D | |
○ア | 契約以外の手続は必要ありません | 認められない |
×イ | 契約以外の手続は必要ありません | 認められる |
×ウ | 契約に加えて、通常実施権の登録も必要です | 認められない |
×エ | 契約に加えて、通常実施権の登録も必要です | 認められる |
【甲氏】
弊社が特許を取得した包丁の発明について、Y社から、その包丁を製造させて欲しいという申し出がありました。弊社としては、弊社の工場の生産能力にも限界があるので、ライセンス契約を締結しようと考えていますが、ライセンス契約には様々な種類があると聞きました。どのようなライセンス契約が適切でしょうか。
【あなた】
特許権のライセンスとしては、大きく分けて、専用実施権と通常実施権というものがあります。専用実施権は、【A】 により、効力を生じることになります。その場合、設定行為で定めた専用の範囲内については、御社は、【B】 。また、Y社は、その範囲内で、侵害行為者に対して、差止めや損害賠償請求ができるようになります
なるほど。では、通常実施権はどういうものでしょうか。
通常実施権は、御社とY社との契約により効力を生じ、Y社は契約で定めた範囲内で、その発明を実施することができるようになります。
実は、Y社からは、Y社以外の第三者との間ではライセンス契約を締結しないで欲しい、その旨を弊社との間のライセンス契約で定めて欲しいと言われており、弊社としても、検討中なのですが、通常実施権につき、そもそもそのような契約は可能なのでしょうか。
可能です。そして、【C】 。
「そのような契約をした場合、Y社は、侵害行為者に対して、独断で、差止めや損害賠償請求ができるようになるのでしょうか。
独占以外の特約がない場合、特許権者である御社の有する権利の代位行使は除き、固有の権利としては、差止請求は【D】とされており、損害賠償請求は認められるとされています。私の知り合いの弁護士を紹介しますので、相談されてはいかがでしょうか。
ありがとうございます。ぜひよろしくお願いします。
×ウは、専用実施権を与えた場合は特許権者本人も実施NG。×エは細かいですが、法定代理人を立てれば出願可能です。
× | →○ | |
×ア | できない | できる |
×ウ | 特許権者と 共有 | (削除) 占有 |
×エ | の権利主体となること | を単独で出願手続きをする |
特許法に関する記述として、最も適切なものはどれか。 |
×ア 専用実施権者は、自己の専用実施権を侵害する者又は侵害するおそれがある者に対して、その侵害の停止又は予防を請求することができない。 ○イ 特許権が共有に係るときは、各共有者は、契約で別段の定をした場合を除き、他の共有者の同意を得ないでその特許発明の実施をすることができる。 ×ウ 特許権者がその特許権について、専用実施権を設定し、その専用実施権の登録がなされた場合、当該設定行為で定めた範囲内において、特許権者と専用実施権者とは、業としてその特許発明の実施をする権利を共有する。 ×エ 未成年者は特許を受ける権利の権利主体となることができない。 |
特許権の通常実施に関する出題。×しない→〇するに直します。
× | →〇 | |
×アイエ | しない | する |
特許法に関する記述として、最も適切なものはどれか。 |
×ア 物の発明において、その物を輸出する行為は、その発明の実施行為に該当しない。 ×イ 物の発明において、その物を輸入する行為は、その発明の実施行為に該当しない。 〇ウ 物を生産する装置の発明において、その装置により生産した物を譲渡する行為は、その発明の実施行為に該当しない。 エ 物を生産する方法の発明において、その方法を使用する行為は、その発明の実施行為に該当しない。 |
特許権/著作権の共有は頻出で、できる⇔できないを判定します。文章だとわかりにくいと気づき、表にまとめることが正解です。
× | →○ | |
×ア | できる できる | できない できない |
×イ | よらないで | よって |
×エ | 得なければ できない | 得なくても できる |
特許権及び著作権の共有に関する記述として、最も適切なものはどれか。なお、共有者間の契約で別段の定めはないものとする。 |
特許権 | 著作権 | |
×ア | 各共有者は、他の共有者の同意を得ないで、その持分を譲渡することができる。 | 各共有者は、他の共有者の同意を得ないで、その持分を譲渡することができる。 |
×イ | 各共有者は、他の共有者の同意を得ないで、自らその特許発明の実施をすることができる。 | 各共有者は、その共有者全員の合意によらないで、自ら複製等の著作権の利用をすることができる。 |
○ウ | 各共有者は、他の共有者の同意を得なければ、その特許権について、他人に通常実施権を許諾することができない。 | 各共有者は、その共有者全員の合意によらなければ、他人に複製等の著作権の利用を許諾することができない。 |
×エ | 各共有者は、他の共有者の同意を得なければ、自らその特許発明の実施をすることができない。 | 各共有者は、その共有者全員の合意によらなければ、自ら複製等の著作権の利用をすることができない。 |
特許の共有を考える時は、大企業⇔下請けの共同開発をイメージする。勝手に使われないよう、ほとんどのケースで同意が必要です。
× | →○ | |
×ア | できる | できない |
×ウ | でなくとも | でなくては |
×エ | 得なくても できる | 得なくては できない |
特許法に関する記述として、最も適切なものはどれか。 |
×ア 特許権が共有に係るときは、各共有者は、他の共有者の同意を得なくても、その持分を譲渡することができる。 〇イ 特許権が共有に係るときは、各共有者は、他の共有者の同意を得なければ、その特許権について他人に通常実施権を許諾することができない。 ×ウ 特許を受ける権利が共有に係るときは、各共有者は、特許法第38条の規定により、他の共有者と共同でなくとも、特許出願をすることができる。 ×エ 特許を受ける権利が共有に係るときは、各共有者は、他の共有者の同意を得なくても、その特許を受ける権利に基づいて取得すべき特許権について、仮専用実施権を設定することができる。 |
③侵害~したり・されたら
侵害も各権利の差がほぼないものの、商標法が出やすくなっています。
特許は登録まで時間がかかるのでまずアイ(出願時点)の2択に。語感で○アを選べば上出来。
A | B | |
○ア | 特許の出願 | 公然の実施に当たる |
×イ | 特許の出願 | 多数に対する実施に当たる |
×ウ | 特許の登録 | 公然の実施に当たる |
×エ | 特許の登録 | 多数に対する実施に当たる |
以下の会話は、中小企業診断士であるあなたと、E株式会社の代表取締役甲氏との間で行われたものである。 会話の中の空欄AとBに入る記述の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。 |
【あなた】
御社の紙製ストローの販売が好調のようですね。
【甲氏】
おかげさまで、タピオカミルクティー用の紙製ストローが、プラスチック製ストローの代替製品として好評です。しかし、好事魔多しです。おととい、同業者であるF社からこの紙製ストローが同社の最近登録された特許権を侵害するとの警告書が来ました。どうしたらよいでしょうか。
一般的には、①特許発明の技術的範囲に属していないと反論する、②相手の特許権に対抗する正当権限を主張する、③相手の特許権自体を無効にする、④対抗することが難しい場合はライセンス交渉や設計変更を考える、といった選択肢があります。
正当権限とはどのようなものですか。
最も一般的なのは先使用権です。この権利を主張するためには、【A】 の際、現に、日本国内においてその発明の実施である事業をしている者又はその事業の準備をしている者である必要があるので、しっかりした証拠を集めないといけません。
「当社は、ずいぶん前から、大口顧客に試作品を提供して意見を聞いていましたから、証拠はそろえられると思います。ああ、そうだ、このように当社の試作品が早いのですから、相手方の特許発明はすでに新規性がなかったとして特許権を無効とすることはできませんか。
その顧客が店頭で試験的に使用していた可能性もありますね。いずれにしろ、新規性を喪失しているかどうかは、御社試作品の実施の事実が【B】 かどうかが問題となります。
なるほど。
いずれにしろ、警告書に対する回答書を出さなければならないでしょう。よろしければ、特許紛争に強い弁護士を紹介します。
ぜひ、よろしくお願いします。
〇ウ一択なので、×アイエの下線部をあべこべにしてサクッと覚えます。
× | →〇 | |
×ア | しない | する |
×イ | はない | がある |
×エ | 実用新案登録出願人又は実用新案権者のみ | いつでも誰でも可能 |
実用新案法に関する記述として、最も適切なものはどれか。 |
ア 考案に係る物品の譲渡のための展示は、考案の実施には該当しない旨が、実用新案法に規定されている。 イ 実用新案権者が自己の実用新案権を侵害していると考える相手方に対し損害賠償を請求する場合、相手方の故意又は過失を立証する必要はない。 〇ウ 実用新案権者は、その登録実用新案に係る実用新案技術評価書を提示して警告をした後でなければ、自己の実用新案権の侵害者に対し、その権利を行使することができない。 エ 特許庁長官に対して実用新案技術評価を請求できるのは、実用新案登録出願人又は実用新案権者のみである。 |
○イが正解と知って、×アウエの間違い探しを。先使用権を一発で覚える良問です。
条件1 | 条件2 | |
×ア | 乙株式会社の商標登録出願前から、御社がどら焼きについて御社商標を使用し、 | または使用する準備をしているときは |
○イ | 乙株式会社の商標登録出願前から、御社がどら焼きについて御社商標を使用していた結果、 | 乙株式会社の商標登録出願の際、現に御社商標が御社の業務に係るどら焼きを表示するものとして、需要者の間に広く認識されているときは |
×ウ | 乙株式会社の商標登録前から、御社がどら焼きについて御社商標を使用し、 | または使用する準備をしているときは |
×エ | 乙株式会社の商標登録前から、御社がどら焼きについて御社商標を使用していた結果、 | 乙株式会社の商標登録の際、現に御社商標が御社の業務に係るどら焼きを表示するものとして、需要者の間に広く認識されているときは |
以下の会話は、中小企業診断士であるあなたと、県内で複数の和菓子店を展開する甲株式会社の代表取締役A氏との間で行われたものである。会話の中の空欄に入る記述として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。 |
A 氏:「おととい、東京にある乙株式会社から警告書が送られてきて驚いています。」 あなた:「どのような内容ですか。」 A 氏:「うちで販売するどら焼きの名前が、昨年、乙株式会社が「菓子・パン」について登録した商標と類似するそうで、直ちに販売を中止しなさい、という内容です。どうしたらいいでしょう。」 あなた:「確か、御社のどら焼きは昭和の時代から販売している名物商品ですよね。それであれば、先使用権を主張できるかもしれませんよ。」 A 氏:「その先使用権とはどういうものですか。」 あなた:「不正競争の目的でなく、、継続してその商標の使用をする権 利を有する、という商標法上の規定です。」 A 氏:「ということは、うちのどら焼きの販売を中止する必要はないのですね。」 あなた:「そうです。知的財産権に詳しい弁護士さんを紹介しますので、相談されてはいかがですか。」 A 氏:「よろしくお願いします。」 |
A | B | |
×ア | 御社商標が需要者の間に広く認識されていること、及び御社商標と同一若しくは類似の商標を付した相手商品が御社商品と混同を生じさせること | 需要者に混同を生じさせる |
○イ | 御社商標が需要者の間に広く認識されていること、及び御社商標と同一若しくは類似の商標を付した相手商品が御社商品と混同を生じさせること | 類似する |
×ウ | 御社商標が著名であること | 需要者に混同を生じさせる |
×エ | 御社商標が著名であること | 類似する |
以下の会話は、D株式会社の代表取締役甲氏と、中小企業診断士であるあなたとの間で行われたものである。 会話の中の空欄AとBに入る記述の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。 |
【甲氏】
今年も暑く、ファン付き作業服が好調です。特に、この春に発売した新商品『トルネード』が大ヒットしています。
【あなた】
強力に冷却される感じがして、良いネーミングですね。
困ったことに、ライバルメーカーが早くも『トーネード』なる名前を付けて同種の作業服を売り始めています。なにか対策を考えないといけないと思っています。
まずは商標登録出願すること、そして不正競争防止法2 条1 項1 号に規定する商品等表示の不正競争行為として警告することが考えられますね。
商標登録は登録まで時間がかかりますよね。のんびり待っていられないので、不正競争防止法だけで対策したいと思いますが、どうですか。
今回主張できると考えられる不正競争防止法2 条1 項1 号は、【A】 を自ら立証しなければなりませんから、その労力がとても大きいのです。今回、相手の作業服と御社の作業服は商標法上、同一商品といえるでしょう。そのため、商標権の行使であれば、御社商標「トルネード」と相手商標「トーネード」が【B】 と認められれば侵害になりますから、商標登録して商標権を取得することが賢明だと思います。使用している商標が模倣された場合、商標登録の早期審査を請求できる場合があるようです。
そうなのですか。登録に時間がかからないなら、商標登録も考えてみます。
もしよろしければ、商標を得意とする特許事務所を紹介します。
先使用権のテキスト知識。会話文よりも、選択肢の長さで悩ませるタイプの設問です。
× | →○ | |
×アイ | 商標が登録される前から | 商標登録出願前から |
×イエ | さえいれば いない | していた結果 いる |
次の文章を読んで、問題に答えよ。 |
株式会社甲(以下「甲社」という。)は、商標「〇〇〇」を付した洋菓子Aを製造販売している。 ところが、甲社は昨日、株式会社乙(以下「乙社」という。)から、次の趣旨の警告書を受け取った。 |
************************************* 貴社の製造販売する洋菓子Aの商標「〇〇〇」は、弊社が指定商品「洋菓子」について商標登録を受けた商標と類似である。直ちに商標「〇〇〇」を付した洋菓子の製造販売を中止するように。 ************************************* |
この警告書を受けて甲社から、中小企業診断士のあなたは相談を受けた。 あなたは、甲社が商標「〇〇〇」について先使用権を主張できる可能性があると考え、この旨を甲社に告げた。 先使用権に関する以下のあなたの説明の空欄に入る記述として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。 |
あなた:日本国内において不正競争の目的でなく、【 】、御社は継続して洋菓子Aについて御社商標「〇〇〇」の使用をする権利を有します。この権利は先使用権と呼ばれ、商標法に規定されています。 |
×ア 乙社の商標登録出願後であってもその商標が登録される前から、御社が洋菓子Aについて御社商標「〇〇〇」を使用していた結果、乙社の商標登録の際、現に御社商標「〇〇〇」が御社の業務に係る洋菓子Aを表示するものとして、需要者の間に広く認識されているときは ×イ 乙社の商標登録出願後であってもその商標が登録される前から、御社が洋菓子Aについて御社商標「〇〇〇」を使用してさえいれば、乙社の商標登録の際、現に御社商標「〇〇〇」が御社の業務に係る洋菓子Aを表示するものとして、需要者の間に広く認識されていないときでも ○ウ 乙社の商標登録出願前から、御社が洋菓子Aについて御社商標「〇〇〇」を使用していた結果、乙社の商標登録出願の際、現に御社商標「〇〇〇」が御社の業務に係る洋菓子Aを表示するものとして、需要者の間に広く認識されているときは ×エ 乙社の商標登録出願前から、御社が洋菓子Aについて御社商標「〇〇〇」を使用してさえいれば、乙社の商標登録出願の際、現に御社商標「〇〇〇」が御社の業務に係る洋菓子Aを表示するものとして、需要者の間に広く認識されていないときでも |
④国際出願
ここは定番論点なので、過去問を解いて覚えればOKレベルです。
× | →○ | |
×ア ×イ ×エ | 特許及び実用新案(12ヵ月) 意匠及び商標(6ヵ月) |
工業所有権の保護に関するパリ条約に規定する優先権の期間についての記述として、最も適切なものはどれか。 |
×ア 特許、実用新案及び意匠に認められる優先権は12 か月であり、商標に認められる優先権は6 か月である。 ×イ 特許及び意匠に認められる優先権は12 か月であり、実用新案及び商標に認められる優先権は6 か月である。 ○ウ 特許及び実用新案に認められる優先権は12 か月であり、意匠及び商標に認められる優先権は6 か月である。 ×エ 特許及び商標に認められる優先権は12 か月であり、実用新案及び意匠に認められる優先権は6 か月である。 |
マドプロは頻出ですが、当問はパリ条約の優先期間が6か月(意匠、商標)⇔12か月(特許、実用新案)との細かい違いを聞いています。再出題に備え、念のため覚えます。
A | B | |
○ア | 6 か月 | 日本の商標登録出願を基礎として、マドプロ出願ができます |
×イ | 6 か月 | 日本で商標登録出願をしただけでは、マドプロ出願をすることはできません。基礎となる商標が登録されるまで待つ必要があります |
×ウ | 12か月 | 日本の商標登録出願を基礎として、マドプロ出願ができます |
×エ | 12か月 | 日本で商標登録出願をしただけでは、マドプロ出願をすることはできません。基礎となる商標が登録されるまで待つ必要があります |
以下の会話は、X株式会社を経営する甲氏と、中小企業診断士であるあなたとの間で行われたものである。この会話の中の空欄AとBに入る期間と記述の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。 なお、会話の中で「マドプロ出願」とは「マドリッド協定議定書(マドリッドプロトコル)に基づく国際登録出願」を指すものとする。 |
甲 氏:「うちの会社の文房具は外国の方にも好まれるようで、海外でも販売していくことを計画しています。この文房具の名前を日本で商標登録出願したばかりであり、同じ商標を海外でも商標登録しておきたいのですが、どのような方法がありますか。」 あなた:「その日本の商標登録出願を基礎として、優先期間内にパリ条約による優先権を主張して外国に出願する方法があります。商標の場合、優先期間は【A】 です。優先権を主張した出願は、日本の出願時に出願されたものとして登録要件を判断される、という利点があります。しかし、パリ条約による優先権を主張して出願するには、国ごとの出願手続が必要です。」 甲 氏:「うちの会社が出願したいのは、1 か国や2 か国ではなく、より多くの国々です。」 あなた:「多数の国に一括して出願できるマドプロ出願という制度があります。これは日本の特許庁に出願できます。」 甲 氏:「日本での商標登録出願をしたばかりなのですが、この登録を待ってからマドプロ出願をすることになりますか。」 あなた:「【B】 。」 |
長い文章を読まされる時は、知識より常識で当てる。例えば中国で登録された特許が全て日本で適用されたらどんだけ大変なトラブルになるか、そこに気づけば少なくともアウの2択に。
A | B | |
○ア | 所定の翻訳文を提出する等の「国内移行手続」を行う必要がある | それぞれの特許法に基づいて特許権を付与するか否かを判断する |
×イ | 所定の翻訳文を提出する等の「国内移行手続」を行う必要がある | それぞれの特許法に基づいて特許権を付与するか否かを判断することはできず、国際調査の結果と同じ判断を下す必要がある |
×ウ | 何ら手続きを行う必要はない。国際出願された書類がそのまま受理官庁から各国に送付され、審査が開始されるからである | それぞれの特許法に基づいて特許権を付与するか否かを判断する |
×エ | 何ら手続きを行う必要はない。国際出願された書類がそのまま受理官庁から各国に送付され、審査が開始されるからである | それぞれの特許法に基づいて特許権を付与するか否かを判断することはできず、国際調査の結果と同じ判断を下す必要がある |
特許協力条約(PCT)に基づく国際出願制度に関する以下の文章において、空欄AとBに入る記述の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。 |
先願主義の下、出願人は一日も早い出願日を確保することを望むため、PCT による国際出願は有用な制度である。国際的に統一された出願書類を加盟国である自国の特許庁に提出することにより、その国際出願はすべての加盟国において国内出願したのと同様の効果が得られる。例えば、日本の特許庁に対しては日本語又は英語で作成した国際出願願書を1 通提出すればよい。 国際出願がされた国内官庁を受理官庁という。受理官庁は一定の要件が受理の時に満たされていることを確認することを条件として、国際出願の受理の日を国際出願日として認める。 各国際出願は国際調査の対象となり、出願人の請求により国際予備審査も行われる。出願人はこれらの結果を利用して、自身の発明の特許性を判断できる。国際出願人は、各国で審査を受けるに際し、【A】 。 各国の特許庁は、【B】 。 |
この際なので、パリ条約⇔特許協力条約の違いを。数か国に個別で手早く申請するのが前者、手間はかかるが複数国に一括出願するのが後者です。
A | B | C | |
×ア | 特許協力条約 | パリ条約 | 6ヵ月 |
×イ | 特許協力条約 | パリ条約 | 12ヵ月 |
×ウ | パリ条約 | 特許協力条約 | 6ヵ月 |
〇エ | パリ条約 | 特許協力条約 | 12ヵ月 |
以下は、海外に特許出願する際の説明文である。この文章の空欄A~Cに入る語句の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。 |
海外に特許出願するには、利用可能な制度として【A】 による優先権の主張、【B】 による国際出願制度がある。 【B】 による国際出願制度を利用すると、複数の国に一括して国際出願することができる。日本はこの条約に加盟しており、例えば日本人は、日本の特許庁に対して日本語又は英語で作成した国際出願の願書を提出すれば、その国際出願はすべての加盟国において国内出願したのと同様の効果が得られる。ただし、各国において各国の特許法により特許権を付与するか否かが審査される。 これに対し、【A】 による優先権を主張して出願するには、国ごとの出願手続が必要である。この場合、優先権主張の優先期間は特許についてはC である。 |
今日のまとめ
そこで冒頭のマトリクス表を自作し、過去問を解く度にどこが出たかを記入する。すると表の暗記が進む他、今年出そうな所を予想できるオマケがつきます。