K事例Ⅳ

【事例Ⅳの転機】CVPが役立つ実装モードへ

R5までのベテ除け鬼畜仕様から一転し、R6は限られた方に大ボーナス、R7は正しく努力した全員がボーナスになった事例Ⅳ。4事例のトップを切り、中小企業支援に【CVPが必ず役立つ】理由の紹介です。

①経理は前月集計で手一杯・・

経理担当は税務会計ベースの全部原価計算を行い、月次損益を出す資料を全て揃えることで精いっぱい。
会議資料作成が遅れ、「今月の経営判断」が「先月の報告」で終わってしまうこともしばしば。

②在庫が増えると利益も増える理由は?

製造現場では在庫を積み上げているのに、帳簿上は利益が増えて見える。
会計上は未販売在庫の一部固定費が原価に繰り延べられるため利益が歪むと、理屈で指摘できる人は少ない。

③値上げやコストダウンの効果が不明?

固定費と変動費が混ざり限界利益の動きが掴めないため、議論も空振り。
営業が値上げ実施し、生産はコストダウンを行ったのに、全社PLでは効果が埋もれて見えにくい。

④その悩みはCVPが全て解決!

その悩みを解決するのはCVP。「売上-変動費=限界利益」「限界利益-固定費=営業利益」と二段階に整理し、利益構造を“見える化”する。

【これからの事例Ⅳ】必ず役立つCVP、実務モードで実装開始

R7第2問損益分岐点を方程式で説明しがち? でも「固定費400+目標利益80を限界利益率69.44%で割ってSBEP売上高と基数」の方が早い。

営業利益y=限界利益率a×売上高x-固定費b
このときy=0にする損益分岐点売上高SBEP=b/a

中小企業は粗利益管理大企業は当たり前に限界利益企業価値の向上効果
全部原価計算の欠点直接原価計算
①月次決算が遅れ、経営会議は前月結果報告当月売上xを決めると、営業利益y=ax-bを予想できる。前月ファクトに基づくリアルタイムなデータドリブン経営へ
②製造業では在庫増減で当月利益が動く在庫増減を度外視した予算変動費率aやその予実を把握。利益管理を単月から累計重視に移し、誤差を減らして精度UP。
③固定費⇔変動費を分ける限界利益管理が苦手固定費と変動費を明確に分離し、限界利益・損益分岐点を可視化赤字リスクを早期把握し、損益分岐点を下げる戦略的管理を
④売上数量・単価変化と利益の動きが不明確売上数量や単価変動は限界利益に直接反映され、見えやすい。営業・生産・経営が一体で“どこを伸ばせば利益が出るか”を共有
⑤固定費削減・生産性改善の効果も不明確固定費削減を部門・活動別に見せて、改善効果を数値で検証。責任会計・原価改善が機能し、利益体質の企業文化を形成

計算過程で方程式を避け「固定費b÷限界利益率a」にするのは、エクセル関数で式を作るとそっちになるから。そこがいまだに電卓パチパチ紙ベースのスクール勢と、再生実務で輝くここのサイトの格差です。

Step-1:決算遅延を解消しスピード経営へ

①月次5営業日決算する上場企業に対し、速度に劣る中小経理

中小企業では、税務申告を前提とした全部原価計算のPLが主流であり、月次決算の確定は月半ば以降にずれ込みます。

棚卸や原価配賦を経なければ利益が出せない仕組み前提で動くため、経営会議が「先月の結果報告」で終わりがち。その結果、経営判断が常に過去を追う形となり、機会損失を防げません。

②スピード決算を可能にするクラウド会計

一方で、クラウド会計(MoneyForwardやfreeeなど)が普及した今、販売・購買・銀行口座をAPI連携すれば、日次で損益速報が更新されます。

たとえば売上データがPOSから自動連携され、AIが取引を仕訳まで完了するため、経理は月末を待たずに収益と変動費を把握できます。固定費を月次で集計し、当月の利益見通しy=ax−bを日々リアルタイムに予測するのが、現在一番進んだ中小経理です。

③月次経営会議が前月報告→当月予測に

この結果、経営会議の議題は「前月の報告」から「当月の意思決定」へと変わり、スピード経営での数字はゴールの結果でなく、判断の出発点になる。

AIに強い診断士がクラウドを駆使して自動更新するPLを前提に、試験で学んだCVP分析をそのまま現場判断に生かす時代が到来します。

デジマやCRMがクラウドで爆速普及する時代に、中小のリアルタイム経営のボトルネックになり足を引っ張る「税務主体の伝統的経理」。中小実務の世界で税理士⇔診断士の仲が悪い理由を理解し、そこに遠慮なく土足で踏み入る人材が求められています。

Step-2:不必要な在庫増加を防ぐ会計視点

①在庫を増やすと利益が上がる闇の真相

製造業では「在庫が増えると利益も増える」という現象が起こるのは、全部原価計算では売れ残った在庫に固定費が繰り延べられるため、販売していなくても帳簿上の利益が上がる仕組みだからです。

結果として、利益は黒字でも現金は減り続けるという矛盾が生じます。

②会計の世界でもAIやクラウド普及が進む

そこで会計システムを伝統レガシー系からクラウド会計(マネーフォワードやFreee)に置き換えると、API連携により銀行口座の入出金と会計仕訳が連動するため、「在庫が増えると入金時期が遅れる」ことにリアルタイムで気づきます。

そこで原価1,000万円のうち固定費200万円を繰り延べず、当月費用として認識する限界利益管理(変動損益計算書)の出番に。売上に対応した限界利益構造が明確になり、資金実態に即した損益把握が可能です。

③経営会議を変える経理の進化

中小企業の経営会議に「限界利益概念」を導入すると、その月が本当に黒字か赤字かを正しく判断できる。ここで事例ⅣのCVPが問いかけているのは、「損益分岐点を把握しましょう」に加えて「売れていないのに利益が出る構造」を指摘することです。

税務主体で月末にしか出てこない損益計算書に依存せず、クラウド会計を使って決算早期化を進めることで経営者は数字に惑わされず、資金と利益の両立を前提に戦略を描けます。

税務申告主体な中小経理の最大の弱点は、「法人税を払う位ならそこそこ利益」なゆでガエル経営にある。そうでなくしっかり値上げして、従業員の処遇改善&設備投資に回せと説くのが、中小企業政策です。

Step-3:CVPで損益分岐点を下げて単月黒字化

①損益分岐点は感覚的にわかるが、可視化しないと定着しない

多くの中小企業は、損益分岐点を「感覚」でしか捉えていません。全部原価計算では固定費と変動費が混在し、どの費用が売上と連動して動くのかが見えないからです。

売上が減っても費用がどこまで下がるか不明なため、経営判断が後手に回ります。

②クラウドやAIに加え、BIツールが登場

電子帳簿保存法をきっかけに普及した各種の会計クラウドはOCRやAIに強く、請求書や領収書をスキャンして読み取らせと、仕訳を自動で作成します。その作業はAIに任せ、ヒトは材料費や外注費を変動費、給与や減価償却費を固定費に分類すれば、限界利益と固定費の差が可視化されます。

さらにBIツールを使ってこのデータから損益分岐点売上高を算出し、安全余裕率や営業レバレッジを自動更新します。たとえば限界利益率40%・固定費4,000万円なら、損益分岐点売上は1億円と瞬時に表示されます。

③月初に経営判断することで連続単月黒字を実現

こうして経営者は「どの売上水準で黒字を維持できるか」を把握できます。

従来のように配賦結果を待つ必要はなく、AIが常に更新する損益分岐点を基準にリスクを予防的に管理できます。感覚ではなく数値で意思決定することが、AI時代の経営会計の基本姿勢です。

中小経営の多くは「年間でそこそこ黒字になればヨシ」の丼勘定経理をするため、次の成長投資に回すキャッシュが足りない。そこで「毎月単月黒字を重ねれば、もっと利益が増えなくね?」がこれからの管理会計のスタートです。

Step-4:営業・生産・経営一体で利益を生み出す

①次の経営意思決定に役立つ感度分析

CVP分析の本質は、利益を「数量・単価・変動費率・固定費」の4要素に分解して因果で捉えることにあります。事例Ⅳでも問われるこの構造を、AIやBIツールを使ってリアルタイムで可視化しましょう。

具体的には販売単価を5%上げた場合の営業利益、変動費率を2ポイント下げた場合の利益改善など、CVP分析で問われる感度分析をBIツールで自動化する。それを経営会議でプレゼンすれば全員が頷き、あなたの給与・報酬UPは確実です。

②経営者の感覚を現実にするデータドリブン経営

たとえば、売上10,000万円・限界利益率40%の会社が値上げで売上を5%伸ばせば、限界利益は500万円増加します。

一方、同水準の固定費削減では500万円の利益改善が必要であり、どちらに注力すべきかが一目で判断できます。数値で示される利益感度は、施策の優先順位づけを明確にします。

③PLを作ることを目的にせず、全社の橋渡し役の手段に

この仕組みを導入すれば、営業・生産・経営が同じ構造で利益を語れます。限界利益を共通言語にすれば、「どの施策が利益を押し上げるか」を全員が共有でき、議論の方向が揃います。

CVP分析は単なる計算問題ではなく、組織の意思決定を同期させるフレームワークとして実務に生きます。

売上は営業の、原価は製造の、経費を払うのは経理の責任・・。AI時代に自分の仕事だけは守ろうとする、そのサイロ化タコツボ化が中小特有の低利益率な下請け体質の原因で、その全てを逆流させるのがまさに普及が進む経理DXです。

今日のまとめ

Q
試験に無事合格し事業承継/再生/M&Aの第一線に立つと、最初に感謝されて一番役立つ知識がCVP。理由は法人税申告用の全部原価計算(売上高総利益)で管理する限り、損益分岐点が特定できず、丼勘定の域を脱しないため。
A

売上高総利益で見ている限りは「結果の経営」で、限界利益に直して初めて「意思決定会計」になる。


また診断士受験者の多くが勤める大企業JTCでは社内システムが最初から限界利益表示になっているので、法人税申告用決算書しかない中小企業に出会ったときが、あなたの診断ライフの第一歩です。

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