「事例Ⅳ」第2問が3年連続CVPでなく、簿記1級意思決定会計論点から出題された理由。それにオヤ?と訝るあなたは上位5%の目があり、そうでないノロマは隣の2割ガチャで万年ループの刑です。
この計算問題は簿記2級以上~1級未満の範囲で作問され、ここのサイト主のような簿記1級ホルダーには朝飯前でしかない。そしてR6はさらに手加減し、ここで+10~15点の差をつけてきた狙いを、私なら簿記2級の実質義務化と読み解きます。
「事例Ⅳ」出題の変化 | それが促す学習行動 | |
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「事例Ⅳ」で簿記1級意思決定会計の論点が連続出題され、簿記学習が実質的に必須となる傾向がここ3年で明確化しました。 | ①出題傾向変化で簿記学習の実質義務化 | 受験者はまず簿記3級の仕訳記録から学び、帳簿構造の理解を深める必要があります。 |
商業簿記の仕訳や工業簿記の原価計算など、簿記2級レベルの基礎的知識が前提条件として問われています。 | ②3級仕訳と2級原価計算 | 簿記2級レベルの原価計算を習得し、製品別コスト計算や損益分岐点分析の基礎を学ぶことが求められます。 |
さらに高度な内容として、簿記1級レベルの固変分解や変動損益計算書の作成能力が試験で重視され、意思決定会計の知識が問われる問題が増加しています。 | ③1級固変分解と変動損益計算書 | 簿記1級に準じた固変分解や変動損益計算書作成スキルを磨き、試験問題を解くだけでなく、実務で活用できる意思決定能力を備えることが重要となります。 |
【マンガでわかる③】固定と変動、どう分解? / D社が知らない変動損益計算書(直接原ケー)
隣のおベテやふぞが「事例Ⅳ」低得点で万年ループするのは、経営分析→CVP→NPV→ポエムと知識がぶつ切りで、連続してツナがっていないため。そして会計強者とおっきく差がつくのが、今日の固変分解と変動損益計算書です。
【前提】中小企業の決算PLは「全部原価計算」
前回の損益分岐点計算で、原価や販売費を変動⇔固定で分解することでCVP分析ができると覚えたヒロイン。ところが古田経理部長が渡してくれた決算PLはそこが区別されていない・・。どうする桃子!
【前提】固変分解の手段は2通り(高低点法、最小二乗法(エクセル関数))
簿記や診断士「Ⅳ」対策としての固変分解は、R5第2問レベルの高低点法でOK。そして実務ではより正確な最小二乗法を用い、具体的にはエクセル関数(slope, intercept)を使います。
【設例①】★超重要★ 決算書PL→変動損益計算書への組み換え(P.89)
後ろ指さされ役の経理部長からもらった決算PLを、意思決定に役立つ「変動損益計算書」に組み替える。ここの出来る出来ないが、会計強者⇔隣の同業D社の一生超えられない壁な。
簿記の基本に対応していない診断士向け計算問題集を何度も解くより、実務で実際に変動損益計算書を1回つくればここはバッチリ。この現実をつゆとも知らないのが偏った試験ノウハウに専門特化した隣の同業D社です。
【設例②】変動損益計算書でコストダウン検討(P,96)
そういえば近年、ホワイトカラーの生成AI代替を見据えてどの大企業もAI非対応のおじオバをどうリストラするかに夢中。その考え方のベースになるのも変動損益計算書です。
成長目覚ましいスタートアップやベンチャー、高齢化社会に欠かせない現場人材のエッセンシャルワーカーと異なり、どうみてもこれからダブつくホワイトカラーにしのびよるリストラの影。それはこれからの収益UPには固定費カットが最短だからです。
今日のまとめ
おぉよくぞそこまで気づいた。するとそこそこ大企業のホワイトカラーおじオバが主な受験者である診断士試験で、これほどしつこく簿記1級意思決定を出題する狙い。それが受験2年目は簿記2級からやりなさい、だと意思決定できるはずです。