K事例Ⅳ

【速度も精度もネット圧勝:Ⅳ速報】下駄履かせて加点するのが例年、ミスを探して減点するのがR7

昨年Ⅳ大ボーナスの夢よもう一度! 誰もが手応えを感じた「事例Ⅳ」の実際のスコアがどうなるか、常に相対評価で後出しジャンケンな恣意的採点基準のリアルを、業界一わかりやすく私が解説します。

①第1、第4問がイージーモードに

第1問と第4問の攻略が今回も容易であったことに満足しています。手応えは上々で、高得点を確信。自信に満ちた表情が、今回のダンジョンは手加減されていると感じたプレイヤーの心理を表しています。

②例年の意地悪さが影を潜めたNPV

本来難解なNPV計算問題で点を取れたことで、どのプレイヤーも合格への期待が膨らむ。しかし相対評価で誰もが当てる問題では点差がつかない秘伝のループの発動にリーチがかかる。

③点差が開く仕掛けのCVP&組製品

簿記の準備に応じて点差がつくように設計された第2問CVP分析を、苦戦しつつも攻略し終える。難問を乗り越えた充足感で、高スコア獲得への期待が高まります。

④点差をつける・つけないは試験委員の専権事項

プレイヤー全員に公式通知されたスコア結果に驚愕する3人。簡単な問題で稼いだ点数と難しい問題での失点が相殺され、最終的に全員が「60点(基準点)」前後に収束しかねない。

【速度も精度もネット圧勝:Ⅳ速報】下駄履かせて加点するのが例年、ミスを探して減点するのがR7

試験委員はレイトマジョリティなふぞろいの動きを常に警戒するので、隣の間抜けが「今年はできた!」「予想的中!」など寝言を言い出すことが最大の懸念事項。すると試験委員はすかさず採点を変えるので、頼むから隣の同友館はもう一生黙っていて欲しい、がみんなの願いです。

難易度・配点期待得点短評
第1問 経営分析C 25点 20点例年なら満点の解答でも△5の20点に
第2問 CVPA 30点20点(設問2)の完答までで20点。(設問3)は後回し
第3問 NPVB 25点10点(設問1)完答(設問2)部分点で10点。(設問3)をピタリ当てると+10点
第4問 財務ファイナンスC 20点10点例年なら満点の解答でも△10の10点に
B 100点60点高得点を出さない前提では、第4問は全員10点。第1問の計算ミスは致命的。
「Ⅳ」過去問計算問題エクセル

R2から連続難化を続ける「事例Ⅳ」は、経営分析とポエムが易化、NPVが超難化、CVPで点差が付く傾向が年々明確に。計算の手間を全面カットしたエクセルを使い、その進化を確認します。

おベテとふぞが毎年Ⅳで右往左往・一喜一憂するのは、スクールのヘタクソ解説を見て電卓パチパチで解こうとするから。そうでなくエクセル関数式で計算過程を追うのが有利は当然な。

第1問経営分析:3指標がピタリと決まるイージーモードで、80字記述も大きな差をつけない

期待得点20点 ・・3指標をピタリ一致させ、80字をピタリ埋めても△5点くらい下げてくる

(1)経営分析:良い点1つ、悪い点2つはスムーズに決まる(別解可)。指標選択よりも、計算ミスをしていないこと。
(2)財政状態及び経営成績の分析:80字あるので、収益性・効率性指標2つの数字を使って因果で書く。ただしR7は第2~3問の計算が当てやすいため例年のような全員満点の下駄履かせがなく、15~20点満点程度で採点するのでは。

原則点差をつけない経営分析では、特に計算問題難化年では下駄を履かせて配点25点→35点に傾斜配点することもある。しかしR7はその逆で、配点25点→満点20点程度に下げてくることも。もちろん指標値の計算ミスは致命傷です。

第2問CVP:組製品→2制約条件線形計画法は1級論点。(設問3)は後回し

業務的意思決定(簿記1級組製品CVPと2条件セールスミックス線形計画法)

(設問1)セールスミックスの組み合わせを問うのでなく、予め組み合わせを指定してCVPさせる簿記の問題。組製品の売価@2,880、限界利益@2,000が決まると、値がピタリ一致の10点満点に。
(設問2)変動費固定費の値を変える感度分析をさせ、目標利益を与えてY製品の販売数947個までを逆算で求める。計算問題が当てやすいため、947個を当てても計算過程が不備だと△5点程度の減点がありそう。
(設問3)簿記1級線形計画法は、R4・R6に続き3回目の出題。冷静に解きなおすと例年よりは優しく計算を当てて+10点もあるが、第3問NPVの方が解きやすく、ここは後回しにして計算過程の白紙だけ避ければOK。

(設問1)組製品のセールスミックスは必ず当てるが、(設問2)で点差が開き、(設問3)は当てさせないための事実上没問なので後回し。ここで大事なのは(設問3)を舐めプEBAのように決して白紙にせず、計算過程だけは最低何か書きこむ慎み深さです。

第3問NPV:例年より当てやすいが、計算過程記述次第で減点も

NPV (~R5までに比べ解きやすいが、計算ミスを誘う箇所があるので、点数は抑えめになる)

(設問1)売却収入6,000千円に逆タックスシールド30%を引いて4,200千円で答えるサービス問題。配点5点。
(設問2)例年同様タイムテーブルを描いて各年末の税引後CIFを求めるが、変動する箇所が例年より少なく、「機会原価2,400を入れる」「運転資本支出△9,000をY0・Y1どちらにするか」しか差がつかない。10点満点だが値が合っても計算過程次第で△5点。
(設問3)設問2までで15点取れてしまうので、「採用する」に○だけしても加点はなく、値がピタリ一致した場合はやむなく10点。運転資本をY0・Y1どちらにするかの別解以外は、部分点なしの全員0点もある。

設問文の複雑さは変わらずながら、エクセルで整理すると「機会原価2,400の扱い」「運転資本増をY0・Y1どちらにするか」でしか差がつかない。(設問3)採用するにマルだけしても部分点はなく、NPVの値をピタリ当てた方に+10点する以外は、全員10点程度に下げるでしょう。

第4問財務ファイナンス:簡単すぎて差がつかない

特に事前準備しなくても、1次「財務」の知識で書ける問題。

原則として差をつけたくないので、Max10点にするように、辛目に採点してくると予想。(いくらピタリ的中の答を書いても20点でなく、10点しかくれない状態)

(設問1) ・・加点狙いの時は第1問で計算した自己資本比率の数字を書くと良いが、万一値をミスると減点するしかないので、リスクを避けて値を書かない方が賢明。
D社は、設備資金として長期借入を行う。理由は、自己資本比率が極めて高く、負債比率を高めることで財務レバレッジを効かせてROEを向上し、資本効率を改善するため。(77字)

(設問2)
為替変動リスクに直面し、特に円高に振れた場合の為替差損が大きくなるため、為替予約または外貨建てプットオプションを購入する。(60字)

第2~3問が難しい年は、ここを原則全員20点にして下駄を履かせる。しかし計算問題をみんなが当ててくる年は、同じ答えを書いても全員10点に下げてくるのが、会計試験に特有の傾斜配点です。

今日のまとめ

Q
事例Ⅰ~Ⅳ全てを通じ相対評価であり、事例のマイ手応えと実際のスコアは連動しない。昨年R6のような大ボーナスはなく、NPVの数値をよほどピタリ的中させた方以外は全員60点前後にすると見るのが妥当。
A

簿記1級・US-CPA・現職経理部長のこのサイトのⅣは業界最強だから、できればⅣの点差が欲しい。しかし「みんなができた」年は同額原価で合否に影響しないため、Ⅳにヤマなど張らず事例Ⅰ~Ⅲを準備万端にする。それが私の慎み深さです。

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