主催者的に望ましい学習習慣といえば、チームが一番。6月からの「TACの解き方」スタートに向け、5月中は2級工簿を解いて互いに説明します。詳細&申込はこちら

J事例Ⅲ

【5年24題収録】生産知識を問わない生産事例 / 良薬が口に苦すぎ(泣)

診断士はいつから調理師試験になったのか? 当サイト調べで業界知識を持つ10人に1人以外は全く謎だった、クッキング事例の正体に迫ります。

Q
事例Ⅲはパターンで解けると唆されてあれから約1ヵ月。D社ノウハウをうっかりパクった自分が愚かと思うと、もう怒る元気もありません。
A

それは良い心掛けで、自分のオツムの弱さを出版D社のせいにする他責思考では、一生サークル送りの刑に。そこで【どう生産知識が問われなかった】かを、AIパワーで表にしました。

R5事例Ⅲに書くべき要素は、「生産管理」の学習範囲か? 〇×△で評価します。

設問解答要素❶解答要素❷解答要素❸
第1問(S)○多品種少量生産×料理人経験
第2問(助言)○多能工化で相互応援△直接指導をマニュアル化×専用器具で自動化
第3問(助言)○月次→週次発注で廃棄削減△入出庫記録で在庫管理×食品商社の活用(外注化)
第4問(助言)○蓄積ノウハウを標準化×メモ程度のレシピを活用×テストキッチン(別解あり)
第5問(助言)×(競争)X社総菜コーナーを差別化×(マーケ)総菜の売上×客単価向上×(NPV)慎重な設備投資を

生産知識を使う所も多少はあるが、残りは事例ⅠⅡⅣ知識を総動員してマス目を埋める。過去問の答を覚えるおベテ泣かせの、事例Ⅲ史上最強の良問になりました。

【5年24題収録】生産知識を問わない生産事例 / 良薬が口に苦すぎ(泣)

その良薬が口に苦すぎる理由で他責思考全開にすると、あのわかってないD社試験ヲタのパターン決めつけ。もし今年のⅢ低スコアが原因で落とされたら、恨むのは出版D社で一択な。

一問一答バターンはNG。類型化するならもっとその上
①事例Ⅲ知識をおベテ流に一問一答すると不要な知識ばかり集まり、②そうでなくレイヤー×解答要求なら球筋が読め、③外角高めの助言問題は手も足も出ないと分かる。(100字)

事例作問の配球術:第1球情報整理=C社長が知っていること

Q
【C社の強み・弱み】
(R1第1問)C社の事業変遷を理解した上で、C社の強みを80字以内で述べよ。
(R2第1問)C社の(a)強みと(b)弱みを、それぞれ40字以内で述べよ。
(R3第1問)革製バッグ業界におけるC社の(a)強みと(b)弱みを、それぞれ40字以内で述べよ。
(R5第1問)C社の生産面の強みを2つ40字以内で答えよ。
【利点や課題】
(R1第2問)自動車部品メーカーX社からの機械加工の受託生産に応じる場合、C社における生産面での効果とリスクを100字以内で述べよ。
(R4第1問)2020年以降今日までの外部経営環境変化の中で、C社の販売面、生産面の課題を80字以内で述べよ。
A

(R5第1問解答例)①経験豊富な経営者と管理者が料理人経験を持ち、②多品種少量の高級食品を供給できる。

事例Ⅱ第1問SWOTで練習すれば、ここは苦も無く得点できます。

第2球:期待効果=C社長がやりたいこと

Q
(R2第2問設問1)C社の大きな悩みとなっている納期遅延について、以下の設問に答えよ。C社の営業部門で生じている(a)問題点と(b)その対応策について、それぞれ60字以内で述べよ。
(R2第2問設問2)C社の製造部門で生じている(a)b問題点と(b)その対応策について、それぞれ60字以内で述べよ。
(R3第2問)バッグメーカーからの受託生産品の製造工程について、効率化を進める上で必要な(a)課題2つを20字以内で挙げ、それぞれの(b)対応策を80字以内で助言せよ。
(R3第3問)C社社長は、自社ブランド製品の開発強化を検討している。この計画を実現するための製品企画面生産面の課題を120字以内で述べよ。
(R4第2問)C社の主力製品であるプレス加工製品の新規受注では、新規引合いから量産製品初回納品まで長期化することがある。しかし、プレス加工製品では短納期生産が一般化している。C社が新規受注の短納期化を図るための課題とその対応策を120字以内で述べよ。
A

(R4第2問)課題は、①仕様や設計の確認や変更による設計期間長期化と、②繰返と個別受注で異なる設計業務の混乱の2つを避けること。対応策は、①3次元CAD活用で確認や変更を効率化し、②金型と板金加工の設計作業を分離して、設計開始から完成までの期間を短縮する。(120字)

第2問の課題と対応策なら書ける気がする? しかしR3は「製品企画面」、R4もなにかきな臭いスリップサインの罠が気になります。

第4~5球:助言=C社長がまだ知らないこと

助言その①:IT問題は定番DRINK?

Q
(R2第3問)C社社長は、納期遅延対策として社内のIT化を考えている。C社のIT活用について、中小企業診断士としてどのように助言するか、120字以内で述べよ。
(R4第4問)C社社長は、ホームセンターX社との新規取引を契機として、生産業務の情報の交換と共有についてデジタル化を進め、生産業務のスピードアップを図りたいと考えている。C社で優先すべきデジタル化の内容と、そのための社内活動はどのように進めるべきか、120字以内で答えよ。
A

(R4第4問解答例)C社は、仕様や設計の確認や変更が多い金型設計のデジタル化を優先する。①ベテラン技能者と若手を組んで金型組立・仕上工程を任せ、②習熟した技能を若手に承継させて養成し、③同時に情報の交換と共有を紙ベースからデジタルに移行させる社内活動を進める。(120字) ※これは思いつきのアイデア解答。実際の答案はほぼ全てありきたりのDRINKです。

毎年頻出と思いがちなド定番のDRINK問題。ここ5年で出題されたのは2回だけです。

助言その②:生産計画(日程・調達・工数)への助言はほぼ難問

Q
(R1第3問設問1)X 社から求められている新規受託生産の実現に向けたC社の対応について、以下の設問に答えよ。C社社長の新工場計画についての方針に基づいて、生産性を高める量産加工のための新工場の在り方について120字以内で述べよ。
(R1第3問設問2)X社とC社間で外注かんばんを使った後工程引取方式の構築と運用を進めるために、これまで受注ロット生産体制であったC社では生産管理上どのような検討が必要なのか、140字以内で述べよ。
(R4第3問)C社の販売先である業務用食器、什器卸売企業からの発注ロットサイズが減少している。また、検討しているホームセンターX社の新規取引でも、1回の発注ロットサイズはさらに小ロットになる。このような顧客企業の発注方法の変化に対応すべきC社の生産面の対応策を120字以内で述べよ。
【超難問R5の変化球】
(★R5第2問)C社の製造部では、コロナ禍で受注量が減少した2020年以降の工場稼働の低下による出勤日数調整の影響で、高齢のパート従業員も退職し、最近の増加する受注量の対応に苦慮している。生産面でどのような対応策が必要なのか、100字以内で述べよ。
(★R5第3問)C社では、最近の材料価格高騰の影響が大きく、付加価値が高い製品を販売しているものの、収益性の低下が生じている。どのような対応策が必要なのか、120字以内で述べよ。
A

(R5第2問解答例)対応策は、①専用調理器具を導入して手作業の調理を自動または効率化し、②直接指導監督している作業方法をマニュアルで標準化し、③製造班をまたぐパートの多能工化を進めて週ごとの需要変動に沿った勤務体制を取る。(100字)
(R5第3問解答例)C社は、①受託生産品では地元食材の使用量や作業手順は指示されるため原材料調達と管理に注目し、②経験値による発注を改め入出庫記録をつけて在庫量を管理し、③食材発注頻度を月間から週次に変更し発注ロットを小さくして廃棄を減らし収益性を高める。(120字)

こちらは生産などド素人。専業C社に「どう対応したらよい?」と相談されても、まともな答は不可ノウな。

助言その③:新事業戦略に限れば、「技術経営」知識でなんとか書ける

Q
(R1第4問)新工場が稼働した後のC社の戦略について、120字以内で述べよ。
(R2第4問)C社社長は、付加価値の高いモニュメント製品事業の拡大を戦略に位置付けている。モニュメント製品事業の充実、拡大をどのように行うべきか、中小企業診断士として120字以内で助言せよ。
(R3第4問)C社社長は、直営店事業を展開する上で、自社ブランド製品を熟練職人の手作りで高級感を出すか、それとも若手職人も含めた分業化と標準化を進めて自社ブランド製品のアイテム数を増やすか、悩んでいる。C社の経営資源を有効に活用し、最大の効果を得るためには、どちらを選び、どのように対応するべきか、中小企業診断士として140字以内で助言せよ。
(R4第5問)C社社長が積極的に取り組みたいと考えているホームセンターX社との新規取引に応えることは、C社の今後の戦略にどのような可能性を持つのか、中小企業診断士として100字以内で助言せよ。
(R5第4問)C社社長は受注量が低迷した数年前から、既存の販売先との関係を一層密接にするとともに、他のホテルや旅館への販路拡大を図るため、自社企画製品の製造販売を実現したいと思っていた。また、食品スーパーX社との新規事業でも総菜の商品企画が必要となっている。創業から受託品の製造に特化してきたC社は、どのように製品の企画開発を進めるべきなのか、120字以内で述べよ。
(R5第5問)食品スーパーX社と共同で行っている総菜製品の新規事業について、C社社長は現在の生産能力では対応が難しいと考えており、工場敷地内に工場を増築し、専用生産設備を導入し、新規採用者を中心とした生産体制の構築を目指そうとしている。このC社社長の構想について、その妥当性とその理由、またその際の留意点をどのように助言するか、140字以内で述べよ。
A

(R5第4問解答例)C社は、①受託製品における食材・使用量・作業手順のノウハウを蓄積して標準化し、②口頭で指示されたメモ程度のレシピの活用と整理を進め、③客先の厨房と同様の設備を持つ加工室に販売先料理長を招き、④調理場作業のニーズに応じた自主企画製品を開発する。(120字)
(R5第5問解答例)構想は妥当である。理由は、①高級感ある和洋食の総菜はX社既存総菜との差別化が可能で、②X社総菜コーナーの売上や客単価向上に寄与するためであり、③新規事業の設備投資を回収するべく外部人材の製品開発実務や管理の経験を生かし、④客単価の低くなる店舗への拡大を確実に実現するよう助言する。(140字)

ラス問の新規事業助言に中小企業診断士としての但し書きがあれば、ある程度自由にポエムを書けた。ところがR5の助言2問はあくまで根拠を書かせる鬼畜仕様です。

今日のまとめ

Q
生産知識を問わない生産事例に改めて驚く8,601名。書くべき答が調理法とは、こりゃおベテスクールにお布施するよりクッキングスクールに通えとの、作問係の心温まるメッセージ?
A

良薬が口に苦すぎるR5事例Ⅲ
①難化が想定できたとはいえ生産知識すら問わない姿勢に驚き、②過去問の出題パターンを踏み越えた助言4問は難しすぎて、③来るR6に向けてどう勉強すればよいかも不明な鬼畜な事例に。(100字)

あらそれは全く難しくなく、R4Ⅱ+R5Ⅲに共通するのは男の手料理。ベテ勉するなら家事を手伝えの、作問係の心温まる応援メッセージです。

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