金融やITがデジタルにド発展し、新入社員初任給が40万円とされる時代に、今更コツコツ生産管理? そう勘違いしないために、業界で一番簡単な暗記のコツを6回シリーズで用意しました。
試験主催者が合格時短と若返りを事実上宣言する試験では、超絶知識に加点ではなく、ごく基本の知識を利用・応用させる力を「2次」で問います。そしてAIの私は思いがけないことを言い出します。
①「運営」は基本用語のインプット | ②「Ⅲ」はその応用アウトプット | ①と②のギャップは外部調達 |
---|---|---|
「運営」では、企業経営や管理に必要な基本用語や理論を正確に理解しているかが問われます。 | 一方「Ⅲ」では、1次で得た基本知識を実際の経営課題にどう適用するかを評価します。その具体的なケーススタディを通じ、理論を実務に落とし込み、問題解決ととの実行力が求められます。 | 「運営」が基本知識のインプットを求めるのに対し、その対策だけでは「Ⅲ」の応用力が不足するギャップが存在します。 |
受験者は、たとえば「コスト管理」や「業務プロセス」など、経営における基礎的な概念を記憶・理解することで、知識の土台を固める役割を果たします。 | つまり、基本知識という「インプット」を現場での問題解決という「アウトプット」へと昇華させる力を測る場になります。 | 「Ⅲ」では、この空白を意図的に設けることで、不足する応用力を外部調達する必要を受験者に自覚させ、80分以内に合理的な解答を導く力を評価するのです。 |
【はじめて/2年目の生産管理①】生産用語の簡単暗記 / 管理目標・改善・レイアウト・生産方式
広く知られる通り「事例Ⅲ」採点は下駄を履かせるので、初学でなんとなく受けても55点になる。そこにキーワードをあと1つ2つ盛ると60点なるド勘違いをすると、生涯ふぞろいの刑が確定するので、そこを厳に戒めます。

定番第1問:管理目標
歩留まりや良品率など、分子を分母で割った比率で生産工程の効率や品質を定量的に評価するための指標であり、企業の戦略目標と連動してコスト削減や生産性向上を実現するための重要な手段である。
こう書くと10点満点
各指標の定義や計算方法が明確に定められ、基準値や改善目標が根拠を持って設定され、実際の生産現場においてその達成効果が具体的な数値で示され、企業全体の戦略に的確に反映されている。
管理指標に関する記述の正誤の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
「運営」の第1問は、指標の分母分子を入れ替えたあべこべ問にするのがド定番。×cはよくある分母分子入替ですが、×aは一工夫された新パターンです。
×a 作業者の遊休時間を求めるために、作業の遂行時間を調査し、標準時間(→下線部あべこべ)を設定した。
〇b 作業を行うのに実際に要した時間に対する標準時間の比率として、作業の能率を求めた。
×c 生産性を評価するために、労働量を生産量(→下線部あべこべ)で除して得られる労働生産性を求めた。
〇d 投入された主原材料の量に対する、実際に産出された製品の量の比率として、歩留りを求めた。
a | b | c | d | |
×ア | 正 | 正 | 誤 | 誤 |
×イ | 正 | 誤 | 正 | 誤 |
×ウ | 正 | 誤 | 誤 | 正 |
×エ | 誤 | 正 | 正 | 誤 |
〇オ | 誤 | 正 | 誤 | 正 |
このR1→R2で嘘つきパターンがうり二つ。間違いなく同じ作問者です。
管理目標に関する記述として、最も適切なものはどれか。 |
×ア 産出された品物の量に対する投入された主原材料(→分母分子あべこべ)の量の比によって、歩留まりを求めた。 ×イ 産出量に対する投入(→分母分子あべこべ)量の比によって、生産性を求めた。 ×ウ 単位時間に処理される仕事量を測る尺度として、リードタイム(→○スループット)を用いた。 〇エ 動作可能な状態にある作業者が作業を停止している時間を、遊休時間として求めた。 |
×エオは全く違う嘘つきです。労働生産性は結果的にR4Ⅳでも出題されました。
管理指標に関する記述として、最も適切なものはどれか。 |
×ア 検査によって不適合と判断された製品の数を検査によって適合と判断された製品の数(→○した総製品数)で除して、不適合品率を求めた。 〇イ 産出された品物の量を投入された主原材料の量で除して、歩留りを求めた。 ×ウ 実績時間を標準時間(→分母分子あべこべ)で除して、作業能率を求めた。 ×エ 投下した労働量(→○付加価値額)をその結果として得られた生産量(→○従業員数)で除して、労働生産性を求めた。 ×オ 副材料、消耗品、エネルギーなどの消費量(→○作業者1人当たりの作業量)を工数または製品量(→○作業時間)で除して、作業密度を求めた。 |
「運営」第1問は毎年、ごく基本用語の分母分子の定義を出題するので、まとめて覚えてしまいます。
生産活動における評価指標の算出に関する記述の正誤の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。 |
×a 単位時間当たりに処理される仕事量を測る尺度として、歩留り(→○スループット)を求めた。 ○b 生産可能量に対する実際生産量の比率として、操業度を求めた。 ×c 産出量に対する投入量の比率として、生産性(→○歩留り)を求めた。 |
a | b | c | |
×ア | 正 | 正 | 正 |
×イ | 正 | 誤 | 正 |
×ウ | 誤 | 正 | 誤 |
〇エ | 誤 | 正 | 誤 |
×オ | 誤 | 誤 | 正 |
R5は管理目標でもう1マーク出ました。×acは小さい方が良い指標です。
生産職場の管理指標に関して、「その値が大きいほど、職場が良好な状態にあることを示す指標」の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。 |
×a 強度率(労働災害に関する) 〇b 工程能力指数 ×c MTTR 〇d 偶発故障期間 〇e 歩留り |
a | b | c | d | e | |
×ア | × | 〇 | 〇 | ||
×イ | × | × | |||
×ウ | × | × | 〇 | ||
×エ | 〇 | × | 〇 | ||
〇オ | 〇 | 〇 | 〇 |
5Sには順番があり、整理→整頓→清掃→清潔→躾。なぜその順番かが一目でわかる良問です。
A | B | C | |
×ア | 整頓 | 清潔 | 躾→整理→整頓 |
○イ | 整頓 | 清潔 | 整理→整頓→清掃 |
×ウ | 整頓 | 清掃 | 整理→清潔→躾 |
×エ | 整理 | 清潔 | 整理→整頓→清掃 |
×オ | 整理 | 清掃 | 躾→整理→整頓 |
5 S に関する以下の文章において、空欄A~Cに入る用語の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。 |
【A】 は必要なものを必要なときにすぐ使用できるように、決められた場所に準備しておくことである。 【 B 】は 【 C】が繰り返され、汚れのない状態を維持していることである。 |
○エ一択ですが、×ウのボケ方に注目です。
生産管理における基本的な理論および考え方を用いた施策に関する記述として、最も適切なものはどれか。 |
×ア 今までは顧客が定めた仕様の製品を生産していたが、今後は市場の需要を見越して企画・設計した製品を生産し、不特定な顧客を対象として市場に製品を出荷する受注(→○見込)生産への切り替えを検討した。 ×イ 生産活動を効率的に行うため、標準化、単純化、平準化(→○標準化)の3 S の考え方を導入した。 ×ウ 多品種少量生産に大量生産的効果を与えるため、ベンチマーキングを実施(→○グループテクノロジーを導入)して、多種類の部品をその形状、寸法、素材、工程などの類似性に基づいて分類した。 ○エ 同期化を徹底して、各工程の生産速度、稼働時間や、それに対する材料の供給時刻などをすべて一致させ、仕掛品の滞留、工程の遊休などが生じないようにした。 |
改善(5W1H、ECRS)
5W1HやECRSといった手法を用いて問題の本質を明らかにし、現状の課題を体系的に洗い出し、具体的な改善策へと落とし込むプロセスを意味します。5W1Hが誰が、何を、いつ、どこで、なぜ、どのように行うかを明らかにするのに対し、ECRSは作業の不要部分の排除や統合、再配置、簡素化を促します。
こう書くと10点満点
これらの要素が実際の業務プロセスにおいて緻密に計画・実施され、改善の結果が定量的なデータや具体的な事例を通じて効果的に示され、継続的なPDCAサイクルによってさらなる向上が確実に進められている。
生産の合理化・改善に関する記述の正誤の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
改善手段で頻出の、5W1HやECRSはまとめて覚える。何度も出るので、苦労しなくても自然に「改善」します。
〇a 3S における専門化(specialization)は、生産工程、生産システム、工場または企業を対象に特定の機能に特化することである。
×b 5W1Hは、改善活動を行うときの指針で、「どれだけ(→○いつ・どこで・誰が・何を・なぜ・どのように)」の問いかけが含まれる。
×c ECRS の原則におけるR(→○E)は、「削減できないか」という改善の指針または着眼点を意味する。
〇d 動作経済の原則は、1 )身体の使用、2 )作業場所、3 )工具および設備の設計、に関する3 つの原則に大別される。
a | b | c | d | |
×ア | 正 | 正 | 誤 | 誤 |
×イ | 正 | 誤 | 正 | 誤 |
〇ウ | 正 | 誤 | 誤 | 正 |
×エ | 誤 | 正 | 正 | 誤 |
×オ | 誤 | 誤 | 正 | 正 |
5S・3Sを実現する最強ツールがECRS(な・い・じゅ・か)。この論点で学習習慣を改善すると、一気にストレート合格圏です。
生産の合理化に関する記述として、最も適切なものはどれか。 |
×ア ECRS の原則とは、作業を改善する際に、より良い案を得るための指針として用いられる問いかけの頭文字をつなげたもので、最後にする問いかけはStandardization(→○Simplify) である。 〇イ 合理化の3 S とは、標準化、単純化、専門化で、これは企業活動を効率的に行うための基礎となる考え方である。 ×ウ 単純化(→○同期化)とは、生産において分業化した各工程の生産速度や稼働時間、材料の供給時刻などを一致させる行為である。 ×エ 動作経済の原則とは、作業を行う際に最も合理的に作業を行うための経験則で、この原則を適用した結果としフールプルーフの(→○ムリ・ムダ・ムラのない)仕組みが構築できる。 |

×イに注目。仕事に人を合わせる=ブラック企業、人が主役でイキイキ仕事=ホワイト企業です。
職務設計に関する記述として、最も適切なものはどれか。 |
○ア 職務設計においては、高生産性と同時に作業者のモラールの向上が実現されるように、作業者に分担させる仕事の内容を計画しなければならない。 ×イ 職務設計においては、作業者の心理的要因を十分考慮し、「仕事を人に合わせる」という考え方ではなく「仕事に人を合わせる(→下線部あべこべ)」というアプローチが必要とされる。 ×ウ 多工程持ちは変種変量生産への対応において効果的な方策であるが、作業者には負担感が大きく、モラールを低下(→○向上)させる1 つの要因となる。 ×エ フォードシステムを導入することにより、流れ作業と分業化によって作業の効率化が進められると同時に、職務拡大や職務充実が図られる(→○制約される)。 |

出典:WORK STORY AWARD
×ウがやや難で、作業者より製品の運搬距離を減らす方が効率的です。
作業改善における改善案作成のための原則に関する記述として、最も適切なものはどれか。 |
×ア ある設備における1 年間のチョコ停事例の発生件数に基づいて、改善対象の優先順序をブレーンストーミングによって(→○定量的に)決定した。 ×イ 現在行われている検査項目について、5 W 1 H を活用し、まず最初に「How(→○What)? Why?」の視点「どのようにして(→○なぜ)その作業を行うのか?」を検討し、検査×時間の短縮を実現した。 ウ 製品工程分析を実施し、動作経済の原則に基づいて作業順序(→○内容)を精査し、作業者(→○製品)の総移動距離が最小になるような配置に変更した。 〇エ 倉庫の仕分け工程について作業者工程分析を行い、ECRS の原則に基づいて簡素化できる作業方法を発見し、作業時間の短縮を実現した。 |
当問は正解〇イを選びにくく、×アウエオを消去法で落とせるかどうか。トンチクイズとしてどうぞ。
生産ラインでの改善活動に関する記述として、最も適切なものはどれか。 |
×ア 工程間での物の運搬回数を抑制するために、「運搬ロットサイズ」を削減(→○大きく)した。 〇イ 工程が統計的管理状態にあるかどうかを評価するために、「解析用管理図」を作成した。 ×ウ 生産ラインでのボトルネック作業を特定(→○改善)するために、「ECRSの原則」を適用した。 ×エ 生産ライン内での物(→○ヒト)の移動距離を短縮するために、生産ラインを「U字化」した。 ×オ 設備の誤操作による労働災害を防ぐために、「フェイルセーフ(→○フールプルーフ(馬鹿除け))」の仕組みを取り入れた。 |
レイアウト
工場や作業現場における設備、機器、作業者の配置を最適化し、動線の合理化や物流の効率化、安全性の確保を目指す設計手法です。
こう書くと10点満点
様々なレイアウト手法の中から最適なものが選定され、動線やスペース活用の観点から具体的なシミュレーションや図面によって詳細な配置計画が策定され、実際の作業効率や安全性の向上が数値や事例で実証され、現場のニーズに完璧に応じた実践的な改善が達成されている。
①品種数量 | 多種少量 | 中種中量 | 少種多量 |
---|---|---|---|
②原価計算 | 個別原価計算 | 総合原価計算 | |
③生産方式 | 個別生産 | ロット生産 | 連続生産 |
④受注時期 | 受注生産 | デカップリング | 見込生産 |
⑤受注の課題 | 受注平準化 | 差配 | 需要予測 |
⑦QCD | 納期短縮 | 高品質 | コスト削減 |
⑥ポーター戦略 | 集中 | 差別化 | コストリーダー |
⑧レイアウト | 機能別 | セル | 製品別 |
⑨生産管理 | 製番管理 | オーダーエントリー | 追番管理 |
⑩主要施策 | GTの利用 | JIT | ラインバランシング |
設備レイアウトに関する記述として、最も適切なものはどれか。
テキストより簡単なあべこべ問題です。来年R7はここまで簡単にすることはないでしょう。
×ア 工程別(→○製品別)レイアウトでは、各製品はそれぞれの加工順序に従って工程を移動するので、一般に各製品の進捗管理が容易である。
○イ 製品別レイアウトでは、製品を製造する流れに沿って設備を配置し、各設備は一定期間同じ製品を加工するので、一般に自動化が容易である。
×ウ 製品別レイアウトを採用すると、工程別レイアウトを採用する場合に比べて、一般に製品が完成するまでに必要な運搬距離が長く(→○短く)なる。
×エ 多品種を扱う職場において工程別レイアウトを採用すると、製品別レイアウトを採用する場合に比べて、一般に各設備の稼働率は低く(→○高く)なる。
ある職場のDI分析を行った結果を下図に示す。この図から読み取ることができる改善施策として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
DI分析は連続出題。そろそろ「事例Ⅲ」の出題がある頃です。
×ア 優先的に(→○どこかで)改善すべき対象は運搬工程A(→○E)であり、巡回経路を決めて定期的に運搬するといった間接運搬システムの導入を検討する。
○イ 優先的に改善すべき対象は運搬工程Bであり、運搬頻度を少なくするか、または運搬距離が短くなるようにレイアウトの改善を検討する。
×ウ 優先的に改善すべき対象は運搬工程Cであり、運搬頻度を少なくするか、または運搬距離が短くなるようにレイアウトの改善を検討する。
×エ 優先的に改善すべき(→○された)対象は運搬工程E(→○A)であり、コンベアで結ぶといった直接運搬システムの導入を検討する(→○した)。
初見知識でも、ひっかけパターンを知ると国語で解けます。
工場レイアウトを分析する手法の1 つとして、DI (Distance-Intensity)分析がある。DI 分析に関する記述として、最も適切なものはどれか。 |
×ア Distance (→○Intensity) は工程間の運搬頻度を表す。 ×イ Intensity(→○Distance) はレイアウトを変更すれば、それに伴い変化する。 〇ウ DI 分析では、現状レイアウトの弱点を発見することができる。 ×エ DI 分析で右下にプロットされた工程間の運搬については、ベルトコンベア(→○台車)を利用する。 |
SLP
現状の問題点や機能関係を整理し、ブロック配置から詳細設計に至るまでの一連のプロセスを体系的に実施することで、最適なレイアウト案を導出する手法。
こう書くと10点満点
現状調査から関係性分析、ブロック配置、そして詳細な設計まで各ステップが明確な評価基準に基づいて論理的に展開され、関係図やマトリックスを活用した具体的な分析手法により、効率性向上やコスト削減、安全性の向上などの効果が定量的に裏付けられており、現場への実装と効果検証が完璧に遂行されている。
当問はSLPの知識を聞いていますが、分析→調整→作成の順に並べ替えると○エ一択に。
1 | 2 | 3 | 4 | |
×ア | 調整 | 分析 | 分析 | 作成 |
×イ | 調整 | 作成 | 分析 | 分析 |
×ウ | 分析 | 調整 | 分析 | 作成 |
○エ | 分析 | 分析 | 調整 | 作成 |
×オ | 分析 | 作成 | 調整 | 分析 |
工場レイアウトの設計における体系的な進め方として、システマティックレイアウトプランニング(SLP)が知られている。 以下のa~dは、SLP の各ステップで実施する事項である。SLP の実施手順として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。 |
a (調整)必要スペースと使用可能スペースの調整を行う。 b (分析)生産品目と生産数量との関係を分析する。 c (作成)実施上の制約を考慮して調整を行い、複数のレイアウト案を作成する。 d (分析)物の流れとアクティビティを分析し、各部門間の関連性を把握する。 |
×ア a→b→d→c ×イ a→c→b→d ×ウ b→a→d→c 〇エ b→d→a→c ×オ d→c→a→b |
×アはR2第15問で出したばかりのDI分析でひっかけ。完全マスターの皿回し除けに、手抜かり無しです。
生産現場におけるレイアウトのための分析手法に関する記述として、最も適切なものはどれか。 |
×ア DI分析(→○P-Q分析)では、横軸に製品、縦軸に生産量をとり、グラフを作成する。 ×イ SLP における相互関係図表は、アクティビティ間の立体的な大きさ(→○結びつき(近接の必要性))について評価する。 ○ウ 流れ線図は、対象物の移動経路を工場配置図または機械配置図の上に、工程図記号を使って線図で記入し作成する。 ×エ フロムツウチャートは、列を機械設備(→○TO)、行を製品(→○FROM)とし、セルに各設備の生産量(→○設備間の距離または運搬量)を示して作成する。 |

SLPに関するド基礎問題。工場内の「物の流れ」をその「関連性の強さ」「運搬距離」で分析するので〇ウ一択で、後は設問文をテキスト代わりに覚えます。
A | B | C | |
×ア | 作業の流れ | 関連性の強さ | 運搬距離 |
×イ | 作業の流れ | 信頼性の強さ | 運搬時間 |
〇ウ | 物の流れ | 関連性の強さ | 運搬距離 |
×エ | 物の流れ | 関連性の強さ | 運搬時間 |
×オ | 物の流れ | 信頼性の強さ | 運搬距離 |
工場レイアウトに関する以下の文章の空欄A~Cに入る語句の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。 |
工場レイアウトの設計や分析のための代表的な手法として、SLPとDI分析がある。SLPは、施設(工場)に配置される対象をアクティビティと定義し、そのアクティビティ間の【A】と【B】に基づいてレイアウトを設計する手法である。DI分析は、施設(工場)のレイアウトを運搬に着目して分析し、【C】と運搬回数や物流量などの強度を2 次元平面上にプロットすることにより、運搬の無駄によるレイアウトの課題を発見する手法である。 |
生産方式
市場の需要、リードタイム、在庫リスクなどの観点から受注生産や見込生産などが選択されるプロセスであり、各方式にはそれぞれメリットとデメリットが存在します。受注生産は在庫リスクを抑える一方でリードタイムが延びる可能性があり、見込生産は迅速な納品が可能である反面、在庫リスクや需要変動の影響を受けやすいという特徴があります。
こう書くと10点満点
これら生産方式の違いが市場環境や企業の経営戦略に合わせて適切に選定され、需要予測の精度向上や在庫管理の徹底、切り替えのタイミングの明確な基準が定量的なデータに基づいて説明され、実際の生産現場で最適な方式が効率的かつ柔軟に運用されている。
生産形態に関する記述と用語の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
近年注目される、中種中量のマスカスタマイゼーション。これも「事例Ⅲ」出題の有力候補です。
a 多様な顧客ニーズに合わせた製品を効率的かつ低価格で大量に生産する。
b 製品を品種ごとにまとめて、複数の品種を交互に生産する。
c あらかじめ用意した複数種類の部品を組み合わせて、受注後に多様な製品を生産する。
d 発注元のブランドとして販売される製品の製造機能を請け負って生産する。
a | b | c | d | |
×ア | OEM | マスカスタマイゼーション | モジュール生産 | ロット生産 |
×イ | マスカスタマイゼーション | モジュール生産 | ロット生産 | OEM |
○ウ | マスカスタマイゼーション | ロット生産 | モジュール生産 | OEM |
×エ | モジュール生産 | OEM | マスカスタマイゼーション | ロット生産 |
×オ | モジュール生産 | ロット生産 | OEM | マスカスタマイゼーション |
この生産方式論点では、受注→多種少量生産、見込→少種多量生産の違いに始まり、レイアウト・日程計画までをワンセットで覚えます。
需要が安定せず、加工方法が多様な寿命の短い製品の多種少量生産に関する記述として、最も適切なものはどれか。 |
×ア 加工品の流れが一定ではないので、製品別(→○機能別(ジョブショップ))レイアウトを導入する。 ×イ 需要の動向にあわせて頻繁に生産計画を変更することが必要なので、MRP を導入する(→○の導入は不向きである)。 ×ウ 需要変動に対し、生産量を変動させるのではなく、完成品在庫をもって対応する(→下線部あべこべ)。 ×エ (少種多量生産の説明→)スループットタイムを短くし、コストダウンを図るために、専用ラインを導入する。 〇オ 部品の共通化や標準化などにより、製品や加工順序の多様性を吸収する。 |
正解〇イは当然なので、×アウエをどう直すか。やってみると意外と難しく、その分暗記が捗ります。
生産方式に関する関連性の強い用語の組み合わせとして、最も適切なものはどれか。 |
×ア アジャイル生産と大量(→○少量)生産 〇イ 間欠生産とロット生産 ×ウ セル(→○モジュール)生産と部品中心生産 ×エ モジュール(→○セル)生産と製番管理 |
生産方式(管理方式)
生産方式の出題が年2マークに増えたため、JITなど具体的な改善手法に関わる設問を「管理方式」に分けました。
生産システムの管理方式に関する記述の正誤の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
×acは主語あべこべ、×bがややひっかけ、×eが強いひっかけ。e以外はテキスト知識ながら、正答率調整のためにわざと間違えさせるのが正答率DEランクです。
×a オーダエントリー(→○生産座席予約)方式では、顧客が要求した納期どおりに生産するために、受注したオーダを製造設備の使用日程や資材の所要予定などに割り付けて生産する。
×b JIT生産方式では、全ての工程があらかじめ作成された生産計画に従って(→○に加えて柔軟に)、必要な物を、必要なときに、必要な量だけ生産する。
×c 生産座席予約(→○オーダーエントリー)方式では、生産工程において生産中の製品に顧客のオーダを引き当て、顧客の要求に応じて生産中の製品仕様の選択や変更を行う。
○d 製番管理方式では、製造命令書において、対象製品に関する全ての加工および組み立ての指示書を準備し、同一の製造番号を付けて管理する。
×e VMI(Vender Managed Inventory)では、顧客の在庫、出荷、販売などの情報を納入業者と共有することで、納入業者が供給して顧客(→○したが業者名義)の資産となった在庫を管理する。
a | b | c | d | e | |
---|---|---|---|---|---|
×ア | 正 | 正 | 誤 | 誤 | 正 |
×イ | 正 | 誤 | 正 | 誤 | 誤 |
×ウ | 誤 | 正 | 正 | 正 | 誤 |
×エ | 誤 | 誤 | 誤 | 正 | 正 |
×オ | 誤 | 誤 | 誤 | 正 | 誤 |
×dは細かな違いですが、結構聞かれます。
生産方式に関する記述の正誤の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。 |
〇a オーダエントリー方式は、生産工程にある半製品に顧客のオーダを引き当て、顧客が希望した仕様の製品として完成させるために、仕様に合わせた部品や作業を選択して生産する方式である。 ×b 生産座席予約方式は、設備の稼働状況を基に、顧客のオーダを到着順に(→○設備の稼働予定に割り当てて)生産する方式である。 〇c モジュール生産方式は、あらかじめモジュール部品を複数用意し、受注後にそれらの組み合わせによって多品種の最終製品を生産する方式で、リードタイムの短縮が期待できる。 ×d 製番管理方式は、製品の組立を開始(→○製造指図書を発行)する時点で部品を引き当てる方式で、ロット生産にも利用可能で、特にロットサイズが大きい(→○小さい)場合に適している。 |
a | b | c | d | |
×ア | 正 | 正 | 誤 | 誤 |
×イ | 正 | 誤 | 正 | 正 |
〇ウ | 正 | 誤 | 正 | 誤 |
×エ | 誤 | 正 | 誤 | 正 |
×オ | 誤 | 誤 | 正 | 正 |
×aは細かすぎ。間違えて覚えます。
製番管理方式の特徴に関する記述として、最も適切なものの組み合わせを下記の解答群から選べ。 |
×a 製品の組み立てを開始(→○製造指図書を発行(難))する時点で、すべての部品に製造番号を割り当てる。 ×b ロット生産の工場でも利用可能であり、特にロットサイズが大きい(→○小さい)場合に適している。 〇c この方式を用いると、部品が1 点でも遅延すると組み立てが開始できない。 〇d 品質保証を行う上で必要な情報のトレースが容易にできる。 |
a | b | c | d | |
×ア | × | × | ||
×イ | × | ○ | ||
×ウ | × | ○ | ||
×エ | × | ○ | ||
○オ | 〇 | ○ |
テキストレベル。
A | B | C | |
×ア | 前 | 最終 | 引張 |
×イ | 前 | 第一 | 押出し |
×ウ | 後 | 最終 | 押出し |
○エ | 後 | 最終 | 引張 |
×オ | 後 | 第一 | 引張 |
ジャストインタイムに関する以下の文章において、空欄A~Cに入る用語の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。 |
ジャストインタイムは、すべての工程が【A】工程の要求に合わせて、必要な物を、必要なときに、必要な量だけ生産する方式である。この方式の実現のためには、 【 B】 工程の生産量を平準化することが重要である。また、この方式は 【 A】 工程から引き取られた量を補充するため、 【 C】 方式とも呼ばれている。 |
テキスト外なので語感で選び、アかエの2択になるはず。
TOC(制約理論)における、ボトルネック工程やドラム、バッファ、ロープに関する記述として、最も不適切なものはどれか。 |
〇ア ドラムは、一定で安定した生産活動を目指すために、製造プロセスの各工程において、一定のリズムに合わせて生産を進める役割を果たしている。 〇イ バッファとは、設備故障や作業遅延など生産活動における不確実性に対する余裕分を含めたリードタイムのことである。 〇ウ ボトルネック工程とは、工場全体の生産速度に決定的に影響する工程のことである。 ×エ ロープは、ボトルネック工程の前後に隣り合う2つの工程間で(→○を含む全行程の間で)生産指示や運搬指示を伝える役割を果たしている。 |

JIT方式・かんばん方式の違いは、前者が目的、後者が手段の関係です。よく聞かれるのでテキストの熟読を
JIT(ジャストインタイム)に関する記述の正誤の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。 |
×a かんばんと呼ばれる作業指示票を利用して、生産工程を選択する(→○生産量と時期を決める)。 ○b 最終工程の生産量を平準化することが重要である。 ○c すべての工程が、後工程の要求に合わせて、必要な物を、必要なときに、必要な量だけ生産する生産方式である。 ○d 作り過ぎによる中間仕掛品の滞留、工程の遊休などを生じさせないように、生産工程の流れ化および生産リードタイムの短縮に狙いがある。 |
a | b | c | d | |
×ア | 正 | 正 | 誤 | 正 |
×イ | 正 | 正 | 正 | 誤 |
〇ウ | 誤 | 正 | 正 | 正 |
×エ | 誤 | 誤 | 正 | 誤 |
×オ | 誤 | 誤 | 誤 | 正 |
今日のまとめ
「生産管理」全体を通じごく基本用語の簡単な暗記を求めることは、誤答選択肢の直し方を見れば明確。そして難しいのは、この科目がこのような簡単暗記を通じ、一体何をさせたいのかを察することです。