99%のムダを捨てて1%の本質を捉え、周囲が驚く高パフォーマンスを叩き出す「エッセンシャル思考」。年明けの合格発表待ちのあなたも、これから試験対策を始める方も、ドッキドキで見逃せない大型連載(全5回)のスタートです。

合格体験記

【2017合格体験記】週10h学習×3年を積み重ね~すくすく様

診断士合格には週20hがMUST?

はい、週20hはMUSTです。特に受験校通学を選んだ場合、週20h学習を前提に講義が進み、週15hでは問題演習量が足りず、ほぼOUT。

でもそれ、「1次」(暗記学習)に限った話。

  • 「2次」ならやり方次第で週10hでもイケるのでは?
  • 短期合格ばかりなく、慌てず複数年合格狙いもアリでは?

合格スタイルは多様なほど価値がでるんです。ではどうぞ。

合格体験記:週10h学習×3年を積み重ね~すくすく様

1. 診断士に挑戦した理由・きっかけ

すくすくと申します。製造業と農業が盛んな地方の在住(30代前半)で、普段はメーカーで製造企画を行っており、これまでに製造現場や品質管理での職務経験があります。診断士に挑戦した理由は、製造現場で活躍するコンサルタントに憧れ、地に足の着いたコンサルティング技術を身に付けたいとの気持ちが高まったためです。また、地域の企業様に少しでも貢献できる知恵と技術を身に付けたいとの思いが強まったためです。

2. 学習開始時の知識・保有資格、得意科目・不得意科目、「1次」科目別点数(合格年)

保有資格:日商簿記2級、英語検定準2級ほか。
得意科目:「1次」財務・経営 「2次」事例Ⅰ・Ⅲ
不得意科目:「1次」情報・中小 「2次」事例Ⅱ

「1次」科目別点数 合格年(2015年)

経済68
財務80
経営75
運営68
法務68
情報52
中小52
計463

3. 学習スタイルとそのメリット・デメリット

TAC通信(合格年)

メリット
・都市部の予備校まで毎週通う必要がない。
・自分のペースで無理なく学習できる。
・講義映像の早回しができ、少ない時間での効率的な学習ができる。
デメリット
・講師やほかの学習者に直接相談できる機会が少ない。
・本番のような緊張感のある雰囲気での答練ができない。
→上記2点のデメリットを考慮し、月1回程度のペースで都市部でのスクーリングに行き、本試験の雰囲気を模擬的に体験するとともに、情報の収集に努めました。

4. 2次合格までの受験回数、学習時間とその作り方

  • 受験回数
    1次試験 3回(2014、2015、2016年)うち2015、2016年合格
    2次試験 3回(2015、2016、2017年)うち2017年合格
  • 学習時間
    「1次」 約700時間
    「2次」 約900時間
  • 学習時間とその作り方
    GWやお盆に長期休暇が取れない上、常にそれなりの業務量があるので無理な学習を行わず、繁忙期以外の時期の休日を中心に、週当たり約10時間の学習を継続的に積み重ねる短時間型の学習スタイルを取りました。

5. 2次合格までの学習法

「1次」

2014年は「スピードテキスト」「スピード問題集」で運営と中小のみ学習し、科目合格しました。これがきっかけで、診断士試験の本格的な学習を開始しました。2015年は1・2次試験向けの通信講座を聴講し、カリキュラムに従った学習で試験を通過しました。

「2次」

2015、2016年は主に通信の答練などのカリキュラムをこなす学習のみを行ってきましたが、2017年は方針を転換し、答練をプロセス検証の場として用い、時間配分や要求具体化を試行錯誤しました。また、過去問を単に解くだけでなく、「ふぞろいな合格答案」「事例Ⅳの全知識」等を活用した問題解釈の研究に力を入れました。

通信のスクーリング制度を活用した都市部での授業聴講や、受験生支援団体でのグループ学習イベントに参加することで、多面的な考え方の醸成に努めました。

とりわけ、事例ⅡとⅣの記述系問題については、加点要素の記述をどう抽出し記載するかに注力しました。さらに学習内容の仕事や実生活への活用に努めました。

6. 学習時・受験時のエピソード

  • 2017年の「2次」筆記試験では、試験中の食事摂取を工夫し、全粒粉クラッカーと100%ジュースを各事例の合間の休憩に摂取することで、栄養を補給していました。
  • 口述試験が業務の繁忙期に重なり、口述試験の通知が届いた12月9日(土)と、11日(月)から16日(土)は仕事だったので、10日(日)を利用して対策をしました。試験当日は朝から新鮮な野菜の入ったハンバーガーで、栄養をしっかり補給して臨みました。

7. これから合格を目指す方へのアドバイス

  1. 健康管理と、モチベーションの維持強化に努めましょう。
    →仕事と診断士試験との両立を担保できる健康状態を保つため、毎週日帰り温泉に入り、また、質量ともに十分な食事をとり続けました。また、学習を止めないため、モチベーションの維持強化は何にもまして重要です。診断士として何をしたいかを思い描き、学びを日々積み重ねていきましょう。
  2. 長時間の効率的な学習を行い一気に短期合格する選択肢だけでなく、短時間の学習を積み上げて、複数年をかけて無理せず合格するという選択肢もあります。
    →これまでの合格戦略の多くが、長時間の学習で短期合格を狙う戦略に則っておりましたが、こちらは短時間の学習で長期的に合格を狙う戦略を取りました。結果的に、無理のない学習ができ、撤退せずにここまで来たのだと考えます。
  3. 目の前の課題に対して、自己の思考・行動を柔軟に修正する能力を持ちましょう。
    →これまでのやり方が通用しないケースは、診断士試験だけでなく、実際の仕事の現場でもたくさん存在します。自己の足りない点を常に意識させられる「2次」試験を通じて、思考や行動をどう修正していくかをテーマとし、修正能力の向上に努めました。

8.「2次」筆記の年2回化案について (任意記入)

賛成です。

→半年おきの試験にすることで、①応募者側の短期的なモチベーション維持が図られるだけでなく、②実務補習の開始月が分散され混雑の緩和につながり、経験回数の多様な受講者が同時に受講することで教育効果を高める、③出題側も常に時流に即した問題の出題ができる、等のメリットがあると考えます。

合格体験記 ~すくすく様 まとめ

複数年合格狙いは、なぜ「受かりにくい」とされるのか?

それは「1次」科目難易度がルーレット状に変化し、「7科目一発合格」しないといろいろ面倒だから。でも「1次」に合格する前提であれば、

「2次」は短時間の学習で長期的に合格を狙うのもアリ。

特に地方×独学・通信の方に参考になる内容です。すくすく様、この度の体験記ご寄稿ありがとうございました。

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