99%のムダを捨てて1%の本質を捉え、周囲が驚く高パフォーマンスを叩き出す「エッセンシャル思考」。年明けの合格発表待ちのあなたも、これから試験対策を始める方も、ドッキドキで見逃せない大型連載(全5回)のスタートです。

合格体験記

【2017受験体験記】「1次」514点。得意を伸ばし不得手をつぶす ~なおくん様

あれ、診断士試験ってそんなに簡単?

今日の「なおくん様」は、税理士科目合格を筆頭に複数資格を持つ、いわゆる「試験慣れ」タイプ。そんな方は、「1次」「2次」をどう解き進めるか。では早速体験記へ。

受験体験記:「1次」514点。得意を伸ばし不得手をつぶす ~なおくん様

1. 診断士に挑戦した理由・きっかけ

昨年の10月に情報系の資格を受験後、次は何かないかなと考えていた際、自身にこれといったいわゆる国家資格を有していないこともあって、手応えのある資格試験を受けてみようと思ったのが始まりです。

背景としては、既に、日常の仕事の面では一定のレベル感に達し、マネジメント層にも属していることから、日々に追われるような事態も無くなっており、(子供の学習指導以外は)時間的に逼迫するような状態では無かったことがあります。

2. 学習開始時の知識・保有資格、得意科目・不得意科目、「1次」科目別点数(合格年)

学習開始時の知識・保有資格(主なもの最新順)

情報セキュリティマネジメント、数学検定2級、個人情報保護士、FP2級、ビジネス法務2級、税理士試験簿記論、簿記検定1級、建設業経理事務1級ほか

・得意科目 「財務」、「経済」「運営」「事例Ⅳ」
・不得意科目 「経営」「事例Ⅰ」「事例Ⅱ」
・「1次」科目別点数(2017年)
「経済」 80
「財務」 96
「経営」 65
「運営」 70
「法務」 52(得点調整前)
「情報」 80
「中小」 71

(計514点)

3. 学習スタイルとそのメリット・デメリット

学習スタイル:予備校(TAC)通学、勉強会参加

メリットとしては、勉強会仲間を作ることでモチベーションが大いに高まったこと、情報のやり取りも早く、時間的なロスは無かったこと、講師のアドバイスが得易かったこと、があります。

デメリットとしては、受講費用になりますが、合格の確度を高める意味では必要投資と認識していましたし、その他受験校以外の参考書やテキスト(特に2次用)も必要品として購入していました。

4. 2次挑戦までの受験回数、学習時間とその作り方

本年初受験(学習開始は2016年11月より)。
学習時間1次試験約950時間、2次試験約350時間(1次試験前40時間含む)

帰宅後、平日21時くらいから25時くらいの間、昼の隙間も使ったりしてだいたい3時間、休日平均5時間、1週25時間で月100~110時間くらい。(集中タイプではないのでダラダラすることも多かった)

5. 2次挑戦までの学習法

「1次」

財務・経済などの計算系は、既知の内容が多かったので、演習中心に実施。不確実な知識だけをテキストなどで補充し、固定化を図りました。また、過去問の着手は講義と同時進行で行い、本番レベル感を早いうちに確認。なお、財務は過去問15年、経済は過去問10年分を3月頃までには一通り済ましていたので、不知の知識問題以外であれば解けないことはないレベルまでにはありました(経済政策はサイコロ状態)。

「経営」、「運営」は、テキストを1月ごろまでに3回転し、いわゆる「トレーニング」問題集を3月までに3回転、3月以降は過去問5年分をリピート。「経営」は5回転、「運営」は、過去10年まで延ばしたので、3回転半実施し、特に癖のある「経営」の文章構成に慣れることと、頻出論点をこぼさないところに注意しました。

暗記3科目では、「中小」は授業以外では7月超直前期に模試(他校模試含む)や答練(TAC)の繰り返しと中小政策論点テキストのみ、「法務」と「情報」はGW頃から過去問5年と答練・模試(他校含む)の繰り返し(3回転)に「ポケテキ」の繰り返し、不足分をテキスト、というところでした。結果として、暗記3科目は過去問とちょっと感じの違う問題だったようなイメージですが、他に王道ともいうべき勉強法も無いと思いますので、これで良かったのではないでしょうか。

「2次」「事例Ⅰ~Ⅲ」

1月から4月まで、予備校での任意の有志勉強会にて毎週1事例の演習(計16事例)をしておりましたが、本格開始は「1次」後になります。基本的に過去問5年分の繰り返し(3回転半)と「ふぞろい」による確認中心。予備校(TAC)の答練はタイムマネジメント感覚の演習として使い、別途、MMCの直前答練を受講し、解き方のパターンを意識して対応する練習(「解法の金型」)をしました。

模試はTACとMMC(通信だが、予備校自習室で友人と時間を計って解答)し、プラス過去問1年を使ってセルフ模試も行い、一日受験の感覚にも慣れるようにしました。

「全知識」も読んでは見たものの、実際の過去問と比して乖離しているような気もしたので、事例Ⅰ以外はあまり活用せずに、知識は、過去問5年分前提で抑えるようにしました。

「事例Ⅳ」

過去問3年分とTACとMMCの直前答練、模試3回分の12事例を3回転し、解き慣れることと凡ミスの撲滅をメインに取り組みましだ。万一の知識論点の説明問題が出た場合の抑えとして、「1次」試験対策用にメモっていたノートを参照しました(特にデリバティブ)。

過去の先達のモノを参照に、ファイナルペーパーなるものをこさえてみましたが、「結構出題されるポイントは、この程度に凝縮できるのではないか」、と思えるくらい少なくなってしまいました。

6. 学習時・受験時のエピソード

予備校に通う本当のメリットは、同じ目的で繋がった勉強仲間が出来ることだと思います。予備校通っても、これをしないのでは、単に自宅でWeb学習しているのと同等と言っても良いかと考えます。教え教えられることで切磋琢磨する感覚がありました。

あと、GW後は、私的な趣味とかは抑え、最低レベルの家族サービス以外は試験前提スケジュールを優位に置いていました。仕事の調整も早めに済ませ、特別事項以外はリスケの無いようにしました。

1次試験後は、自己採点後即時2次対策に取り掛かるつもりが、約1週手付かず状態で、今から考えると、かなり「1次」にはプレッシャーが掛かっていた(を掛けていた)ような気がします。

7. これから合格を目指す方へのアドバイス

当試験は「2次」がメインですが、「1次」の合格証を得ないと「2次」受験の切符は得られません。必然的に「1次」をギリギリで受かれば良いとか、足切り回避という言葉は、試験直前1か月前(模試終了後)に考えれば良いことで、そこまでは得意科目は思いっきり伸ばし、不得意科目は完全回避できるまで徹底的に知的刺激を与え続けることだと思います。

自身が財務系で優位だったので、対応すべき科目が「1次」も「2次」も1つ減ったような気分ではいました(凡ミスのない前提で)。そういう意味では、得意科目のある人は、徹底的に得意になったほうが心理的面でも負担が少なく、物理的面でも掛けるべき時間が少なくて済むように思います(実際の取り組み量は一番大きかったけれども、時間は最短でした)。

次に、先達でベンチマークになるような方を見つけるのも良いかと思います。良いとこ取りではないですが、ブログに載っている成功失敗事例を糧に、追っかけるのもアリかなとは思いました。

最後に、「2次」受験前に特に意識していたのですが、人事を尽くさないと運も着いてこない、と考えていました。確実に合格を得る手段は存在しないと思いますが、事前の諸所準備など含め「合格の確度を高めることは、自身にしかできない」と、いうことを理解したうえで受験に臨むべきかと思います。

受験体験記 ~なおくん様まとめ

自分の勝ちパターンがある。だから自分で選び、自分で決める。

あれれ、診断士試験とはこんなに簡単、あっさりしたものでしたっけ?

「1次」は既存知識を中心に、テキスト+問題集の回転で固める。
「2次」は過去問+ふぞろいを軸に、受験校演習やパターンを併用。

いやいやそれなら誰でもやってる。あえて違いを探すなら、「全知識」の様に広く薦められる参考書でも、不要と思えばあっさり捨てる。つまり自分の勝ちパターンを持つことで、周囲に惑わされず最速合格への道を。

これ以上はちょっと手の尽くし様がないのでは。そう思わせる最新「受験体験記」のご寄稿、大変ありがとうございました。

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