採点技術がどう進化したのか?
画像:GIZMODE
250点越えのハイスコアで卒業するには、そりゃ再現答案当日作成がマストだろう。
初年度でその仮説が実証されたのは多少想定内でも、不思議なのは、採点側がどうやってそこを見分けているのか。
- そのまた仮説が、「中抜き採点説」
- 採点側のオトウサン達にはそこそこ自由な裁量が与えられ、お気に召さない解答スタイルからバツを付けているのでは。
要するに、国語の試験はふぞが一冊あれば合格ライン。
その上に行こうとするベテやキーワード依存を狙い撃ち。
確実合格したけりゃ一皮剥けろ。そうでなければ割り切ってサイコロコロコロで。
- なぜ合格したかわからない!?
- 違うよ、寝言は寝てから言うもの。この試験は合格基準をわかりにくくして、わざとラッキーパンチを認めることで謎が謎を呼び、淡い合格期待で顧客生涯価値(CLV)を上げやがる。
そこを勘違いして合格自慢のムッキッキ―が、あのふぞ先輩だねっ。
うふふ。①国語スクールや東京・名古屋の合格率を意図的に下げ、②多様な方を合格させることで、③試験の合格価値が加速してきた。では体験記第2号は、本試験当日は自信満々の出来ながら、次々にミスが見つかり7週間クヨクヨし続けた、ハイチ様にお願いしました。
独学系「1次」527点地頭なら「2次」は何点?:「2次」合格体験記~ハイチ様
1⃣診断士に挑戦した理由・きっかけ、年齢(任意)
2⃣学習開始時の知識・保有資格、得意科目・不得意科目、「1次」科目別点数(合格年)
3⃣学習スタイルとそのメリット・デメリット
→「1次」合格体験記を参照ください
4⃣2次筆記合格までの受験回数、学習時間とその作り方
受験回数:1回
学習時間:300時間
- 学習時間の作り方:過去問の事例を制限時間内で解く+30分弱で採点&振り返りというワンセット(1.5〜2時間)を繰り返しました
- そのため、平日は仕事の後に目標2セット。平日昼間はできるだけワンセットできる時間を捻出できるようやりくりしました。土日はひたすら回せるだけ回しました。
なお、場所は、「1次」と違ってカフェでは周りの音で集中しにくかったため、時間が許せば公営の図書館を利用しました。土日はほとんど図書館にこもっていました。
5⃣2次筆記合格までの学習法
- 5月〜6月は各種ブログの「2次」情報収集+参考図書の購入も
- 「1次LEC模試」で突破手応えを感じたので「1次」対策のペースを少し落とし、AAS「2次試験事例問題の解法」の2,3回の通読と、TAC「集中特訓財務会計計算問題集」の1.5周をやりました。後者は、「1次」の「財務」対策としての効果も あります。
- 「1次」通過後の「2次」対策は、詳しそうな人に聞いてみる
- 「2次」対策のアドバイスを得るため、200%スタイルのお問い合わせフォームで相談。何度かメールのやり取りで独学を決意しました。なお、この流れでふうじんさんときゃっしいさんと座談会をさせていただき、この時の情報も「2次」学習のスタートに役立つ効果がありました。
- ①100事例解こうと最初に決めた
- 初期は、解説がブログや「ふぞろい」などでも充実している直近の2,3年分を2回転して、「まとめシート流ゼロから始める2次対策」、「まとめシート流解法実況」H25〜H28、道場ブログ(だいまつさん・きゃっしいさんの高得点答案分析記事)や「ふぞろい」のキャラクターによる対談型解説を時間をかけて読み込みました。
- ②蛍光マーカーとカラーボールペンを使った自分なりの解法プロセスを確立
- なお、当初は「1次」のようにすべてiPadとApple Pencilで学習しようとしましたが、過去問を解く際だけはできるだけ本番に近い形式で取り組んだ方がよいと感じてすべて紙で学習しました(参考書類はすべてiPadに格納)。
- ③独学者の味方が「ふぞろい採点」
- その後は、2年分くらいを最後の初見用に取っておいて、「ふぞろい10年データブック」が網羅しているH19以降の過去問を「AAS」のサイトからダウンロードして4事例満遍なく回しました。毎回必ず「ふぞろい」で採点して、手応えと点数の関係の感覚を掴むようにしました。
- ④そこそこ長丁場の11週間では、適宜メリハリを
- ・模試はLEC、TAC、MMC、AASを受験。さらに、ふうじん企画の「公開セルフ模試」にも参加しました。ただ、スクールの模試は、場慣れには良かったですが、問題の質や解説が、過去問と比べると違和感がありました。
・セミナーの類は、一発合格道場の夏セミナーと勉強会に出席しました。
・事例は無暗に数をこなすことを目的化しないようにして都度都度自身の課題抽出しながら、何を気にするか・どう思考するかという視点で慎重に復習し、自前の「思考の前提ペーパー」とでも言うものに書き足しながら徐々に作り上げていきました。
- ⑤試験直前は、自分なりの「まとめ」と取捨選択
- ・試験の1ヶ月くらい前からは、すきま時間や寝る前に「まとめシート流」の100字ドリルと、「思考の前提ペーパー」を毎日読みました。
・最終的に模試含めて解いた事例数は109となりました。また、参考書は「全知識」、「事例IVの全知識全ノウハウ」、「TBC」、「イケカコ」、TAC「日商簿記1級」のテキストも購入しましたが、時間が無くほとんど手つかずでした。
6⃣学習時・試験当日のエピソード
(1)試験当日のエピソード
- 試験本番前は有休を取り睡眠時間も数日前からコントロールして当日は冴え切ったベストコンディションで臨むことができした。
- 金町に向かう電車の中で「事例IV」を読み込む乗客が2人近くにいたのと、会場の前でどこかのスクールが「事例IV」の公式集を配っているのを見て、「事例IV」がカギになるのかなと漠然と感じていました。
- 各事例終了後の手応えは、あくまで自身が培った「ふぞろい」採点で掴んだ感覚に照らすと、「事例I」は70~80点。「事例II」は60~70点。「事例III」は55~65点。「事例IV」は計算ミスがなければ80点~90点かなという感じで気分よく会場を退出することができました。
(2)再現答案を当日作ると続々とミスを発見
- 試験終了直後はふうじんさんに誘われ、金町駅前のガストで「事例IV」の答え合わせと全事例の再現答案を作りました。
- この再現答案作った後、別途共有いただいた他の受験生の解答や各種ブログ記事を見ているうちに大事故を起こしているのではとどんどんどんどん不安になりました。また、「事例IV」で条件の解釈ミスが判明し、60~70点だろうという感じになったのもあり不安が最大化しました。
- しかし、2週間くらい経つと、結局採点基準はブラックボックスというか後付けの恣意的なものだし、もしもそれが分かったとしてもどうにもできないので今やれることは自分の気持ちを収めることしかないという心境に至りました。また、個人的には「2次」の後に別の試験が控えていたことも、強制的な気持ちの切り替えに貢献してくれました。
(3)筆記用具ネタも忘れずに
- 筆記用具は、シャープペンは0.5mmのB。消しゴムはコクヨのリサーレに加えて「事例IV」の計算過程用にmonoのペン型の細いやつも用意。蛍光マーカー(3色)とカラーボールペン(6色)、フリクションボール用の消しゴム(ペンのお尻についているやつではなく独立したもの)を3セット持ち込みました。
- 他にはシャープの電卓と問題用紙を切り離すための15cmの定規です。
7⃣これから合格を目指す方へのアドバイス
- ①知識レイヤー⇔国語読みのバランスは自分で決める
- 個人的には、設問のレイヤーを考えることは「事例III」以外ではなかなかしっくりこず、最終的には設問を国語としてどう素直かつ緻密に読み解くかに注力しました。なお、「事例III」で言うと、レイヤーに加えて、「課題」と「問題」の違いなどは慎重に対応するよう努めました。
- ②思考パターンの基本はおそろい(パクりでOK)
- 設問が求めていることをできるだけ上位の概念レベルで掴む
→そこに関連する要素を与件文から探す
→どうしても見つからなければ「1次」知識を引っ張ってくる
→与件文でマークした中でも絶対に外してはならないような要素が抜けていないかチェック。という思考パターンで解くようにしました。
- ③拾った根拠をどう盛り込むかは、知識・レイヤー・フレームワークから決める
- ・
・与件文でマークした要素を抜け漏れなく使おうと考えると概念のバラエティではなくファクトのバラエティになりがちで、詰め込み型の因果が分かりにくい解答になってしまうと思います。
・上位概念の抜け漏れのない思考方法としては、3C、4P、5F、バリューチェーン、企業が達成したいKPI、成長戦略、競争戦略、toBかtoCか。これらを常に意識するようにしていました。
- ④「Ⅳ」は計算ばかりに夢中にならない
- 「事例IV」は計算に夢中になると忘れがちな与件文や設問文のオウム返しを意識しました。
「2次」の得点感覚が掴めてきたら
設問のイシューが想起できれば60点、絞り込めれば70点、日本語として分かりやすいと80点、という感じだと思います。
- 全体としては、中小企業の社長が相談してきているのでそれに耳を傾け、その意志や価値観を絶対に外さないで答える、という意識を持とうと努めました。
- 設問を解く順番はたしかに重要だと感じました。易しめの設問や難しい設問は得てして時間をかけすぎてしまうきらいがあるため、中くらいの難易度の問題から解くようにしてとにかく全設問で大事故をゼロにするよう平均的に点を稼ぐことを意識しました。
ただ、いずにれしても採点基準は「事後的に恣意的に」決まると言われていますので、過去問のパターンや暗記にいかに頼らないように取り組むことができるかが最大の課題かと感じています。
■■ここからテンプレ■■