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合格体験記

【2次座談会】これまでの過去問より、ミライのこれから

フルカバレッジより、少し身軽なセミフルカバレッジ。

画像:チャーリーon twitter に一部加筆

一年待たされた全員がフルカバレッジに走る時、一歩距離を置くのがセミフルカバレッジ。

つまり、従来型の合格スタイルを狙い撃って8割落とすなら、そこと一歩距離を置く「差別化」が有効に。そこで「2次」の学習時間は増やさず、計画的に減らしてみるのはいかがでしょう。

いわゆる「ちょっと弱者の戦略」が意外な効果? だって「中小企業」診断士なのだから。では最速合格のびっくり座談会は、「2次」に進みます。

【2次座談会】これまでの過去問より、ミライのこれから

日時:2019年4月21日(日)18:30~20:30
場所:TV会議
パネラー: そーや氏 、kskn(きしけん)氏 司会:ふうじん

3⃣最速「2次」対策の狙いと実際

「2次」筆記試験のイメージと学習計画

「2次」学習の入り方は、「合格するイメージ」を最初に知る。

F:前半の「1次」座談会では効率的なテストの点の取り方を教わりました。後半は誰もが知りたい、効率的な「2次」合格スタイルを教えてください。

S:「1次」終了まで「2次」は無着手でしたので、試験のイメージが全く湧きません。しかし「やり方のツボを押さえるのが先だろう」と、9月上旬までは情報収集と学習方法の模索に専念しました。どちらかといえば、△どうやって受かるかより、〇どうすると落ちるかを念頭に置きました。

K:「2次」学習のスタートは4月末のTACチェック模試で、「Ⅰ~Ⅲ」は国語の試験、「Ⅳ」は練習で稼げる試験とのイメージを持ちました。

イマドキの「Ⅳ」でイケカコ。

F:「Ⅳ」ではどんな練習をされたのですか?

K:賛否がある分、その計算力をつければリードになるだろう。そう考えてイケカコの回転学習を進めました。

F:診断士対策にイケカコを使うと、①解説が無愛想なあまり、②計算練習に偏重し ③解き方ばかり覚えて ④本試験でイケカコ掲載済の問題が出る訳がないのでドボン。通説上はイイコトが一つもありませんが、「計算力UP」と割り切れる方なら、まだ使い道がありそうです。

確率2割のコロコロ試験

S:「2次」対策は30hのみですので、「合格する手応え」は試験当日までありませんでした。ですが、ネットやSNSで「上位2割でなく確率2割なら誰でも受かる」という噂を聞いたので、下位4割が落ちる理由を知って上位6割の中に入れば、確率3割ぐらいで受かるだろう。そう思って本番に挑みました。

F:3割で受かる予定なら、7割の不合格への備えが要ります。結果が凶の時はどうする予定でしたか。

S:「2次」の性格上、独学で進めるより周囲のやり方を参考にするのが良いと思います。スクール通学を選び、「2次」は3回までなら受けて良い、と決めていました。

F:Sさんの様に最速合格スタイルの方には、「2次」で一年なんて耐えがたいのでは?

S:もちろんやるなら通年でなく一休みして、6月位から再開できるスクールを選びます。

4⃣「事例Ⅰ~Ⅲ」は国語の試験?

そもそも記述試験の採点基準は、どうしても国語がベース。

F:最近合格された方に必ずお聞きしているのですが、「Ⅰ~Ⅲ」は国語の試験でしょうか。

K:診断やビジネス実務上の会話を紙上で行えば済む訳で、良く言われる「聞かれたことに答える」。つまりピントが外れたことを書かなければ合格点に届く国語の試験だ。ふぞろいを読んでそう感じた時、60点ならいける手応えを感じました。

S:国語の試験らしいあいまいさの例として、「本試験の解答は1つではない」ことがあります。具体的には、スクールの2次模試は必ず正解を用意しますが、その正解を「当てに行く」ような練習ばかりすると、「聞かれたことからズレる」答案になって落ちる印象です。

ネットの時代が国語化を加速

F:同じコトを答えても、表現や言い回し一つで相手の印象が変わる。これはビジネスも事例も一緒ですね。

S:ネットで良く紹介され独学系の支持が高いTBC速修「2次」テキストでは、事例問題の作り方(推定)を紹介していますね。モデル企業と事例の間には「ギャップ」があり、そこが出題者が教えたい採点ポイントになる、との主張には納得できます。わかりやすく言えば、キーワードを選んだりマス目に押し込む方の国語力でなく、「この企業を良くしよう」と採点者に伝わるような文章の書き方に加点する、国語の試験なのでしょう。

トラップは国語で仕掛け、国語で避ける

K:与件にないこと、聞かれていないことを勝手に妄想して書かない。ここも国語の試験の要素になります。

F:これは良く聞く話ですが、具体的にはどうでしょう。

K:合格者主催の勉強会に、教える側として参加する機会がありました。H27「Ⅲ」第4問をテーマにした時、聞かれていない「海外製品との競争が厳しい理由」を延々と書いて大きく失点するのは、設問要求を解釈する「国語力の不足」だろうと、話題になりました。

第4問(配点 20 点)
①海外製品との競争が厳しい時代のなかで、今後も② C 社は国内生産を維持する考えである。そのために ③C 社が強化すべき点は何か、その理由とともに 140 字以内で述べよ。

F:H27はここ3年で急変する前の古典的事例で、第4問(最終戦略問題)では③C社の強みや経営資源を拾って機会にぶつける。今ならダナドコパターンで解けてしまいますが、さすがにここで①外部環境分析を書くのはOUTでしょう。

K:この時は仲間内で、こんなまとめにしました。

聞かれたことに答えよう。
書かれたことで判断しよう。

おぅ、この国語はわかりやすいな。

5⃣事例別の対応

「Ⅰ」は上手な方⇔平均的合格者の得手不得手が分かれる。

F:「2次」が国語の試験と揶揄されるのは、特に「Ⅱ」が大きく易化し、「80分で手書き」の制約をなくすと誰でも同じ答えになってしまう。だから「国語の試験じゃね」と飽きられている背景があります。他の事例ではどうでしょうか。

S:「Ⅰ」は与件に直接根拠が書かれることが少ない上、採点側の期待外のコトを書くと大きく失点するリスクを強く感じました。ここは過去の高得点者が説くような、知識のフレームワークが欠かせないと感じます。

K:同じく与件から根拠を拾いづらいです。第4~5問は何か書いて埋めることで精一杯でした。

「Ⅰ」では国語テクより、知識のフレームワークを。

難問のH30「Ⅲ」は、周囲も点が低く思ったほどの差がつかない?

S:「事例Ⅲ」がやや異色に感じます。解答の方向性はなんとなく浮かんでも、それを言葉にすることが難しい。さらに「Ⅱ」と違い、出題者が想定した「1次」知識を使わないと解答のピントがボケる。これは短期間では対応が難しく、49点のC評価でした。

K:事例ハイスコアの方は「Ⅰ~Ⅲ」の違いに詳しくなりますが、そこには及ばないと考え、「Ⅰ~Ⅲの違い」を出さず、与件の根拠を丁寧に探す方針にしました。「Ⅲ」については、生産現場に普段から見慣れていることがプラスに働き、「金型置き場が散らかっているような現場は、放置できない」と解答方向性を選べました。難しいとされる「Ⅲ」ですが、58点を確保しています。

「Ⅲ」は力作過ぎて誰も追いつけない。過去問を覚えても良いが、今年の出題はまた変わる。

計算重視から記述重視にシフトした「Ⅳ」は、それでも計算を当てると+10点。

F:計算問題が大きく難化した「Ⅳ」ですが、Sさんは67点、Kさんは74点と稼いでいます。本番で実際にどう対応したかを教えてください。

S:計算が合わなければそこでやめるルールにしていました。第1問経営分析を最初に解いたあと、第3問や第4問の文章題は100字を2分あれば書ける。すると第2問企業価値と第3問CVPのどちらかの計算問題を解く時間を増やせます。

K:同じく、計算が合わなければ飛ばす、難問と感じたら無理に当てに行きません。しかし第3問の爆益CVPは、設問文を丁寧に読むと「外注費が総額7%増ではおかしい」と気づくので正答できました。

F:ここで+10点ですね。ただこの+10点を取るような注意深い方は「Ⅰ~Ⅲ」で平均60点は確実に取ってくるので、ここで+10点ボーナスしても当落線には影響しない。以前の記事でそう書きましたが、Kさんのようにホントにそうだと知って、出題側も自信を深めるでしょう。

S:私もCVPを完答しましたが、Kさんと異なり、想定される複数パターンを実際に計算してから、正しいものを選ぶ手順です。

F:電卓手計算なのに? 「Ⅳ」は80分では時間が足りない筈なので、そんなやり方があるとは驚きです。

S:80分の試験時間は余らせることができます。具体的には前述の第1問・第4問を先に解けば、第2問と第3問が残ります。第2問より第3問CVPの方が当てやすいと判断したので、丁寧に解く時間がありました。

計算ばっかり、理論がお留守の奴が多いぞ。

6⃣学習アドバイス

F:本日は「2次」の具体的対応まで教えていただき、ありがとうございました。では後半のまとめとして、「試験はこれからどう変化して、どう対応するか」。お二人の意見をお聞かせください。

K:診断士試験や過去問の狭い枠にとらわれず、新しいことや知らないことに敏感になることを意識するのはいかがでしょうか。「時流の先読み」を出題側も意識するのか、研究開発やインバウンドなど、経営や政策の潮流を知っておくとプラスになる出題は、今後も増えていくはずです。

S:H25年までは与件文コピペの回答でも十分だったのが、受験生レベルが上がったためかコピペ+国語力が必要になってきています。読みやすい回答は今後も必要でしょうが、今後は与件文の難しい表現を簡単な言い回しに変えることを競う試験になる可能性もある。その場合はより国語の力とそれに紐つく一次の知識が重要になってくると思います。

座談会後半まとめ

これまでの過去問より、ミライのこれから。

過去問の5~10年分を写経して暗記するような滞留スタイル? 違うよ、写経とは心を無にしてするものであって、邪念があるとむしろ邪魔だよ。出題側はそんなコトを考えたのか、覚えた過去問が先入観になってミスリードするような作問を次々と。

採点者:
でも最近は、わかりやすい・わかってる答案がヤケに増えたな。

①カコ問の答えを覚えて暇つぶしをやめ、②難解な国語を読んでわかりやすい文章にするのがイマ。③ではミライはこれからどうなるの? 診断士本来の役割に、試験がやっと追いついた。そこに気づくと、こいつは今年の試験でイタダキです。

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ベテやふぞが過去問の答を必死に覚えてその小さなオツムを固くする隣で、柔軟な話題にさっと答えてタイムマネジメント力をダダ上げする【過去問RTA】。世間の誰も気づかぬ内に、今年R6の「2次」対策は既に春爛漫の満開モードです。

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