99%のムダを捨てて1%の本質を捉え、周囲が驚く高パフォーマンスを叩き出す「エッセンシャル思考」。年明けの合格発表待ちのあなたも、これから試験対策を始める方も、ドッキドキで見逃せない大型連載(全5回)のスタートです。

合格体験記

【事例Ⅰ~ⅢオールA(67,69,65)】2次5回目での得点急上昇~たなち様

多年度ループを抜ける鍵はどこ?

今日の体験記は、以前にも寄稿をいただいたたなち様。ただしH30結果は「合格」ではなく、AAAD(67,69,65,31=232)の不合格でした。

AAAD不合格? とはいえ①事例Ⅰ~ⅢでのトリプルAは快挙では ②その開示得点つき再現答案は誰もが見たいのでは。

当サイトらしい図々しい体験記寄稿のお願いを、たなち様にご快諾いただきました。全スクール・サークル注目の「開示得点付きオールA再現答案」を皮切りに、ぜひどうぞ。

【事例Ⅰ~ⅢオールA(67,69,65)】2次5回目での得点急上昇~たなち様

開示得点付き再現答案

事例Ⅰ(67点)
第1問
理由は、研究開発力で生き残りを図ろうとしているが、小規模で地方にある為、今後も規模の拡大は望めず、大企業や競合他社の参入が少ない小さな市場で技術力を集中的に投入し、差別化する為。
第2問
(設問1)
理由は、技術者の採用をUターン組やIターン組に絞っているため、急な人員増は難しく、最終消費者向けの大きな市場には対応できないから。また、需要の変動によるリスクが大きいから。
(設問2)
国内大手電子メーカー向けの特注電子機器等では、受身の製品開発で売切り型の事業であったが、複写機関連製品は市場の変化を予測し、独自に製品開発を行い、消耗品の為継続した売上を確保できる。
第3問
目的は、①事業チーム内で他の専門技術者から刺激を受け、新しい発想を生む事。②事業チーム毎の競争意識を生む事。③各部門を統括する部門長の役員に経営者教育を行う事、④技術を効率的に活用する事。である。
第4問
取組は、①新技術やプロジェクトを提案する制度を設け提案を評価したり、事業化の際に担当に任命する。②他の研究機関や他社との交流の自由裁量を与え、能力アップの機会を設ける。③社内表彰制度を設ける。である。

第1問は、差別化集中戦略とだけメモして、第2問、第3問を与件文からまとめ、第4問は知識で答え、第1問はよくわからないまま書き殴りました。

事例Ⅱ(69点)

第1問
顧客は、ビジネス客8割、インバウンド客2割であるが、ビジネス客は高齢化が進み減少傾向にあり、インバウンド需要は取り込めていない。競合は、駅前にチェーン系ビジネスホテルが2軒あるが、X市中心部にはB社以外に宿泊施設はない。自社は古いが日本らしさと文化の香りがあり、美術品も所有している。交通の便もよい。
第2問
ビジネス客向けに、最寄り駅から公共バスが便利で立地が良いことを伝える。インバウンド客向けに、古風な和室や和の風情がある庭、所有する美術品を伝える。空港から便利な事を伝える。
第3問
インバウンド客向けに、英語が堪能な従業員が観光案内を行う。古刹・名刹の説明、料理店の案内、銭湯の説明を行い、X市観光を体験してもらう。和の風情がある食べ物、風景を紹介し、写真を楽しんでもらう。
第4問
大都市圏の観光客に、夜通し続く地域の祭りを紹介し、B社に宿泊してもらう。夜は、X市の料理店や銭湯を楽しんでもらい、翌日B社で朝食を食べくつろいで帰るプランとする。

第1問、第2問、第3問は与件文から拾いましたが、第4問はよくわからず時間切れでだらだら書きました。

事例Ⅲ(65点)

第1問
理由は、金型設計と金型製作を社内で対応できる体制を構築し、従業員の技術力向上を図ったことで材料歩留まりの向上や形成速度の改善、顧客企業のコスト削減のノウハウの蓄積ができたから。
第2問
問題点は、作業順が非効率な点である。改善策は、①成形機1と成形機2の作業順を入れ替える、②製品Dの金型と材料の段取りを午前中に行う、③製品Bの金型と材料の段取りを午前中に行い、製品Bの金型の取付、材料供給、スタート後に製品Aの金型を片づける。
第3問
問題点は、X社への納品計画を基に生産計画が作成されている点と段取り時間を基準にロットサイズが決められている点である。改善策は、全製品にわたる生産計画を策定する、受注状況に基づきロットサイズを決める、段取り替えは効率化する。である。
第4問
事前整備内容は、金型と材料の現品管理の方法である。具体的には、金型は社内で統一した識別コードを設け、決められた場所に整頓する。材料は、発注方針を決め、決められた場所に整頓する。計画の進捗と在庫の状況を照らし合わせ在庫管理を行う、である。
第5問
電気電子部品に関連する中小企業が多く立地する工業団地という立地を生かし、他の企業と協力して国内大手電機電子部品メーカー向けに高付加価値モジュール品を生産する。金型設計・金型製作の技術を提供し、短納期・低コストを実現する。

第2問のマンマシンチャートの読み取りに時間を使ってしまいました。

1⃣診断士に挑戦した理由・きっかけ、年齢(任意)

40歳になった時、聞いたら知っているという知識は増えていたけど、まともに自分で説明できない事に気づいてちゃんと勉強しようと思った事、尊敬する渡邉美樹の「夢に日付を」を読んで、計画的に何かに取組みたいと思った事。計画は延長され続け、46歳になった今も継続中です。

というわけで、毎度、たなちです。5回も落ち続けている多年度生のくどい体験記と言われないようスッキリを心がけます。去年も体験記を書かせてもらったので、お正月のシリーズものにならないよう今年がんばります。

2⃣学習開始時の知識・保有資格、得意科目・不得意科目、「1次」科目別点数(合格年)

  • 銀行員で決算書は見慣れているものの、保有資格、得意科目なし
  • 一次は2年目で合格し、その後も保険受験は続けています。
  • H30年度 経済88、財務52、企業経営59、運営75、情報56、法務48、中小68、合計446(4回目の合格) 
  • 石川の速習経済学のおかげで2年目から経済は稼ぎ頭になってくれています。

3⃣学習スタイルとそのメリット・デメリット

地方なので主に通信。
→ユーキャン、AAS名古屋、TAC二次通学等

メリット
資格試験は初めての挑戦で、大学受験もたいして勉強してこなかった私には教材や試験情報はとても参考になりました。
デメリット
お金がかかる事。でも自分一人では一定のレベル以上の試験対策を続けられないと思うので必要経費と思います。ゴルフや飲みに行くのをやめればいくらか捻出できます。勉強の為、自然と晩酌をしなくなったので健康診断がよくなりました。

4⃣2次筆記の受験回数、学習時間とその作り方

5回。今年6回目。通勤電車で片道1時間あるので、診断士ブログやテキスト、過去問を読んでいます。また、昨年はタキプロweb勉強会に欠かさず投稿し、いただいたコメントや他の人の解答を読んだりしていました。

5⃣2次筆記の勉強方法

「2次」スコアの推移

H26年度202点
H27年度230点
H28年度217点
H29年度188点
お金も時間も使って188点とは!!

不合格というだけですべてを否定されたような気になるのに、どんどん悪くなるのはショックでした。診断士ブログを毎日4つ読みノウハウも知っているはずなのに。

H29年度の結果の後は、「これ以上新しくテキストやスクールを使っても違うノウハウを教えられるだけ」と何をしていいか分からなくなりました。そして、「今年は『俺の診断』で行く」と決めたのでした。

今年の回答(診断)手順の確立

『俺の診断』とは、読み方とか書き方とかキーワードとか知った事か!と逆ギレした私が、実際にコンサルするならこうする、と考える手順の事です。

その手順は、まず外部環境と内部環境を分析する、次に分析を基に大きな方向性を決める、次にその方向性を実現するための具体的な取組を決める、です。その手順で、事例Ⅰなら組織人事、事例Ⅱならマーケ、事例Ⅲなら生産で解答を作ろうと決めました。

そして、それぞれの事例っぽく解答を作る為に、組織の事を訊かれたらポケットブックの組織構造論と組織行動論のページから答えないといけないな、人事の事を訊かれたら人的資源管理のページから答えないといけないなと考え、他の事例でも設問に合わせた答えを準備するつもりで参考書を読むようになりました。

自分の手順と周囲の手法の共通性

やり始めてしばらくすると、皆さんもとっくにお気づきでしょうが、「これってノウハウやん」と思い至りました。『俺の診断』もごく当たり前の事だし、それぞれの科目に合わせて解答するというのも、試験案内にそう書いてあるのだから当然です。本試験の設問も診断に必要な事が訊かれているのだなと見えるようになってきました。これまでいろんな人がブログに書いていた内容がようやく理解できました。スクールの指導も言っていることは大体同じと思えようになりました。

地方受験者にも役立つネット記事+Web通信講座

そして昨年一番参考になったのは、こちらのサイトでも紹介していた一発合格道場のだいまつさんの記事でした。それと10月にやっと見たEBAのGW2万円講座(イコール道場のきゃっしいさんの実況中継シリーズ。自分のものにしているきゃっしいさんはやはり凄い)で答案の書き方は決まりました。

あたかも合格したかのような書きぶりですが、H30年度は67、69、65、31で不合格。とほほ。5年に1度のたまたま大当たりを使ってしまいました。次の5年に1度が来年出る事を祈っています。

6⃣学習時・試験当日のエピソード

H29年度に続き、昨年も事例Ⅳが足切り。H29年度は私の好き嫌いで、中小企業が別会社を持つ事と売電事業は応援したくない気持ちがあり否定的な解答を書いて39点。

昨年は、難しかった事と中小企業が現地で人を集めて全国展開することに反対する気持ちがいっぱいで31点。経営分析はEBAと同じ指標を選択していましたが。銀行員だけにそこまで財務ができないつもりはないのですが、出してはいけない実務経験が出てしまったと思います。

7⃣これから合格を目指す方へのアドバイス

ナシ。いまだに受験生なので。

今年は、去年と同じ方向性で解答作成を目指します。去年の得点感覚に近い、というか、はるかに先をいく先生を見つけて通信講座もスタートしました。東京の人はこういう先生にすぐたどりつけるんですねえ。うらやましい。私にとっては地獄に垂れ下がってきたクモの糸です。1人で幸せになろうと思います。

では、また来年。来年は不合格体験記シーズン6ではない事を切に祈りつつ終わります。

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