地方・通信・科目受験からの診断士挑戦
合格者の言い分だけが試験の全てではない。今回の「受験体験記急募」に最初に応えていただいたのは、北海道在住のファーマー様です。
通信クラス1.5年本科生の初年度4科目挑戦は、残念ながら1勝3敗に。しかしこの体験が来年の「1次」合格につながるか、また地方・独学での受験者増を促すか。では体験記を早速どうぞ。
【1次受験体験記】1年目の科目受験は1勝3敗~ファーマー様
1⃣診断士に挑戦した理由・きっかけ、年齢
北海道のど田舎で農業を営むのバブル世代のオッサンです。5年前に法人化し自身が経営者(代表取締役)ですが、3年前に労基署から急な査察が入り、ちょっとした精神的ダメージを受けました(是正勧告程度でしたが、、、)。
それをきっかけに、自分自身が経営に携わっていながらも経営のことを何もわかっていないと反省し、数々のビジネスセミナーなどに通うなかで中小企業診断士の資格を持つ人に出会い、なんてすばらしい資格なんだ!と開眼。
もしも自分が「現役農業法人経営者の中小企業診断士」というスタイルを確立したならばそれは強烈なケイパビリティ&模倣困難性となり、自分の経営の理想像にハマっていく!と思い込んだことがきっかけです。
2⃣学習開始時の知識・保有資格、得意科目・不得意科目、「1次」科目別点数
出身大学は地方私立4大の経済・経営学部でしたが、アドバンデージと言えるレベルではなく、関連資格などは一切なしです。得意=経済、不得意=法務
30年度「1次」4科目受験 「経済」=72、「法務」=44、「情報」=52、「中小」=59
3⃣学習スタイルとそのメリット・デメリット
29年11月より独学で「企業経営理論」の学習を始めるも、コレは無理だと早々に「TAC」通信講座1,5年PLUSコースを30年1月より開始。「情報」「法務」「中小」に加え、早期申し込み特典で「経済」からスタート。基本的にはTACのカリキュラム通りに学習を進め、アウトプットには付属教材に加え、各科目の「スピテキ」を併用してきました。
春頃にこちらのサイトで紹介された「まとめシート」を入手し、同著書おまけの「PDFページ」が隙間時間の学習に大いに役立ちました。
通信クラスのメリットは、講座の中身は通学と変わらないので(むしろ講師陣は優秀な講師が多い)通学時間のロスがないことと、通学であれば「〇曜日の〇時から」と決められた講義の日程・時間の制約がありますが、通信は受講時間を自分で自由に決められるので。突然の用事などで休んでしまうと取り返しがつかないといったことが無いのは安心です。また、講義内容の音声DLもできるので、畑仕事をしながらでも耳からの講義のインプットをしていました。
反面自己管理ができなければどんどん遅れてしまうリスクもありますが、学習ペースがつかめていない初学の場合は動画配信日程をしっかり受け止めることにより、適切な学習ペースを維持できます。学習仲間がいないので孤独感もありますが、デメリットというほどのことではありません。
4⃣1次挑戦までの受験回数、学習時間とその作り方
初学で初チャレンジ。受験を決意したのが29年12月だったので30年合格は厳しいと判断し、当初から1,5年計画での挑戦です。冬は仕事が忙しくないのでTACの基本講義(4科目)はじっくりと取り組むことが出来たのですが(週25時間ペース)、春以降は畑仕事が忙しくなり学習時間がぐんぐん減り、6月のTAC公開模試では受験予定4科目すべて30点以下という散々な結果に(涙)。
余談ですが5月中旬のとある日、「中小」の学習を通じて「事業承継補助金」の存在を知ってしまい、「この補助金は自社で今まで温めていた新事業を実現できる絶好のチャンス」と思い立ち、新事業の立ち上げ準備と補助金申請書の作成に多大な時間を費やしてしまい、暗記科目復習の大切な時期に3週間ほど棒に振ってしまいました。
やはりGW~「公開模試」あたりの時期は各科目の基本講義の振り返りと苦手論点の再確認、執拗なまでのアウトプットの繰り返しによって記憶の長期化ができるのでは?と思います。この時期に全く学習ができなかったことが6月の公開模試で受験科目オール30点以下という散々な結果となり、本番の「あと1マーク」、「あと2マーク」を逃した最大の敗因だと思っています。
7月にガッツリと詰め込んである程度の挽回はできましたが、結局最後の勝負所「あれ?この設問のこの用語、知っているし見たこともある。でも、正解はどっちだ?」となったとき、やはり短期に詰め込んだ記憶では引き出しの中身を引っ張り出す底力が足りないのだ、ということを痛感しました。
先に記述した補助金については「中小」の学習を突っ込み過ぎた副作用となり、試験としては皮肉な結果となりましたが補助金は採択となりました。 助成金申請書の作成作業はまさに「リアル診断士」の実務を先取りした気分でしたし、「どういった文章を書いたら助成金審査委員の加点要素になるのだろう?」という思考は2次試験に通じるものもあるはず、、、なんて思いながら事業計画書を作成したことは、試験の合格に向けて長期的には無駄ではなかったと思うようにしています。
5⃣1次挑戦までの学習法
基本的にはTACのカリキュラムを素直に受け入れ、各科目共に基本講義→即アウトプットで1コマの講義間に「スピ問」と付属問題集「トレーニング」の各2回転を忠実にこなしていました。それに加えて200%サイト推奨の「過去問インプット」も取り入れ、「何を言っているかわかりづらい国家試験独特の日本語」の対策に大いに役立ちました。過去問インプットは現場対応力には最適な学習だと思います。
しかし、GW以降にも過去問A/B/Cランクは間違え選択肢までも寝言レベルまでしゃぶりつくす位読み込んで損はないかと思いました。(それがやりこなせなかったからあと1マーク、2マークが取れなかった)。法務については何も言えないですが、ここまで難化すると科目合格は無理かな?と思ってしまいます。
31年度に向けての対策として、法務はせめて自力40点を維持して足切り回避し、科目合格という概念と捨てて一からやり直しでリベンジしたいです。
6⃣2次挑戦までの学習予定
31年度合格に向けて、TACの「1次カリキュラム」は9月から「企業経営理論」がスタートしますが、それまでに今からできることとして既に「2次」過去問読み込みを始めています。「ふぞろい」等の2次関連書籍も入手してありますが、まずは真っ白な状態で過去10年分の読み込みで何となくイメージを掴み、問題文に慣れる訓練をしていきます。
7⃣学習時・試験当日のエピソード
学習中は家族の理解・応援と受験関連サイトがモチベーション維持に役立ちました。当日は何かと段取りが大切で、昼食や試験会場のトイレ事情も侮れないです。前日までに持ち物や時間のシミュレーションが出来ていたので、これと言ってトラブルなどはありませんでした。
8⃣これから「1次」合格を目指す方へのアドバイス
受かってない人間が何を言っても負け犬の遠吠えですが、「ココが足りなかったから点が取れなかった」ということは先に書いた通りです。逆に言えば、これから先の学習はそれをやれば合格できるに違いないという確信でもあります。来年は一発で抜け駆けしたいところです。
■■ここからテンプレ■■