難しすぎる「事例Ⅲ」に直面した時、次の「Ⅳ」を盤石に備えておけばなんとか乗り切れる? 「事例Ⅳ」ガチ勢有利を、また別の視点から検証します。
1. 診断士に挑戦した理由・きっかけ、年齢(任意)
中小企業診断士の資格の存在は漠然と知っていましたが、約3年前の夏ごろーコロナ禍で時間ができたときにTACの「中小企業診断士 はじめの一歩」を購入して自分にもできそうだな・・と思ってしまったのが長い勉強生活の始まりです。現在は会社人生が終わったあとのセカンドキャリアに思いを馳せ、まずは資格を活かして副業をしてみたいと一念発起して取り組んでおります。今年で50歳になりますが、50歳になるまでに何か形にしたいと思っていたので、ぎりぎりで滑り込めそうです。
2. 学習開始時の知識・保有資格、得意科目・不得意科目、「1次」科目別点数(合格年)
学習開始 | 2020年8月 |
学習開始時保有資格 | 学生時代にとった簿記2級のみ(この時点ではほぼ忘却の彼方) |
得意科目 | 「財務」「経営」 |
不得意科目 | 「運営」「情報」 |
経営情報がとくに苦手で、少しでも克服するため「ITパスポート」、および「統計検定2級」を平行して取得しました。資格をとってこの科目には多少の自信がつきました。とくに統計検定は3級でも科目横断的にカバーできる部分があり十分におすすめです。(「経済」や「運営管理」にもプラス)
なお、「運営管理」は自分としては苦手ではなかったのですが、テストの時間までに気力体力が続かず、通常のパフォーマンスが発揮できませんでした。
1次科目別点数(2023年)
経済 | 財務 | 経営 | 運営 | 法務 | 情報 | 中小 | 計 |
76 | 80 | 62 | 59 | 60 | 64 | 72 | 473点 |
3. 学習スタイルとそのメリット・デメリット
1次 | 通信 |
2次 | 通信 |
○メリット | ×デメリット | |
---|---|---|
「1次」「2次」共通 | スマホで答案練習ができる(一次) | 講義の内容がつまらないため眠くなるのと、理解が進まない →結果、youtube等で発信されているチャンネルを手当たり次第視聴 |
クレアールの通信教育を2年間受講しておりました。入手した過去問の冊子、およびオリジナルの答案練習が定期的に配られ、とくに一次対策としては手ごたえがあったように思います。結局、過去問を繰り返し解いて、忘却曲線にのっからないようにするのが一番の対策だったように思います。
4. 筆記合格までの受験回数、学習時間とその作り方
回数 | 1回 |
学習時間 | 平日1~2時間、休日4~5時間(一次試験以降) |
作り方 | 会社のテレワーク時は自己啓発(=診断士の勉強)にいそしみました 平日は基本的に事例Ⅳを集中して解いておりました。TACの「事例Ⅳの解き方」を教えていただいたおかげで開眼し、「全知全能」も苦ではなくなりました。 |
5. 筆記合格までの学習法(1次・2次)
「1次」
ひたすら過去問を回して忘れないようにする(すぐ忘れるので)。苦手の経営情報対策として、別の資格で補強。
「2次」
「事例Ⅳ」を得意科目化するため毎日何かしら手を動かす。「事例Ⅰ~Ⅲ」は時間のある週末やテレワーク時を活用。
実際には、「事例Ⅰ~Ⅲ」は、ふぞろい・クレアール・たかぴーチャンネルのいいとこどりを心がけたものの、最後まで自分のスタイルや解き方が固まらないまま本番を迎えました。
6. 私の思う当落分岐点 ~試験合格への転機を感じた、あの瞬間~
1次 | 「経営情報」は試験当日も全く手ごたえがなかったのですが、試験終了後の自己採点でようやく一息できました。振り返ると統計検定2級を勉強したことで、科目横断的に知識が深まったのが良かったのかなと思います(ただ統計検定2級は大変難しかったので、3級の内容でも十分です) |
2次 | 「事例Ⅳ」は得意科目化していたので、気負いなく試験に入ることができ、試験終了後も「事例Ⅳ」はそこそこできたかなという自信はあった。終わり良ければ総て良し、試験当日はとても充実していて、もしかしたら受かったかもと思いあがっていました。・・その後の再現答案の提出で、自己肯定感はダダ下がりしましたので、今は筆記を通過してほっとしている状況です。 |
7. 学習時・試験当日のエピソード
試験当日のエピソードです。
「事例Ⅰ」開始30分たって、第2問でつまってしまい、まったく見当がつかなくなり、答案用紙が空白のまま何も仕上げられていないことで、これまでの人生でもそうそう無かった冷や汗を久方ぶりにかいてしまいました。正直、終わった・・と思いました。(ちなみに第1問は最後にやる、というのはこちらのご指導をいただいておりましたのでこの時点では着手していません)
その後、第2問をいったん脇において、第3問から解き始めてなんとか形になっていく中で、アドレナリン全開になり、最終的にはすべての答案を仕上げることができて、その興奮が冷めやらぬまま「事例Ⅱ」に突入。引き続きアドレナリンが出続けたおかげで、サブスクも天から降ってきました。
昼食後、「事例Ⅲ」を迎えるわけですが、正直試験開始前までは「事例Ⅲ」は過去問で同じような形式が続いていたので少し自信をもっていました。それが実際にテストをはじめると、見たこともないような内容で初読はまったく文章が頭に入ってこず、アドレナリンも午前中で切れていて、ふわふわした状態で手ごたえも何もなく試験が終了。気をとりなおして「事例Ⅳ」は前述のとおり得意科目だったので平常心で受けられましたが、今考えると「事例Ⅳ」の得意化は大きかったと思います。
8. これから合格を目指す方へのアドバイス
事例Ⅳを得意科目化すると、精神的にも安定感が得られるので、得意な方は磨きをかけ苦手な方もなんとか克服してほしいです。二次試験後、簿記2級を改めて勉強し資格を再取得しましたが、「財務」や「事例Ⅳ」でよくわかっていなかったところがクリアになり、もっと早く取り組んでおけばよかったと思いました。ですので、ぜひ時間のある方は簿記2級も頑張って取り組んでいただければと思います。