A経済学

【はじめての経済③】マクロは結論暗記から / グラフ問題46マーク(GDP、IS-LM他)

過去に超難化したことが2回あり、本気を出せば診断士の歯が立たない「経済学」。しかしウチの本物試験委員には、それを過去問の暗記で簡単に理解させる特技があります。

Q
本気を出すと難しいのに、近年「易化」「時短」をミッションとするため、うっかりスクール講義や古い10年分の過去問でタイムロスするとスコアが伸びない「経済学」。まず過去問の答を覚えてスコアを伸ばし、興味が出たら本格的に学ぶと良い?
A

「ミクロ」は消費者行動・行動経済学を説明し、「マクロ」は一国の経済政策を左右するので、ムキになって診断士に学ばせる必要はない。そんな余裕が出題側に生まれると、試験はこれだけ易しくなります。

①マクロは先に結論暗記②論点別過去問で要点定着③模試やR7本試験で相補相乗に
マクロ経済学の理論は抽象的で、テキストだけでは頭に入りづらいものです。そこで、まず過去問を手に取り、「問題を解く過程で必要なポイントを学ぶ」アプローチをとります。診断士試験のマクロ経済学では、重要論点が毎年ほぼ同じテーマで出題されますが、設問の切り口や数値などが少しずつ変わります。1)まず過去5年分を論点ごとにまとめて一度解く。
2)次に模試やR7の最新本試験問題にチャレンジする。
この方法なら、理論を逐一暗記する手間を省きつつ、実際の出題形式に即した理解が深まります。これを「同じテーマを何度も解く」ことで、要点が繰り返しインプットされ、自然に暗記される仕組みです。この順序を踏むことで、最新問題の設問意図がつかみやすくなるうえ、過去問で見た知識が「なぜこう問われたか」の背景理解につながります。
分からない箇所は解説を確認し、その都度テキストへ立ち戻ることで、理論と演習が自然に結びつきます。異なる文脈で繰り返すことで、応用力も同時に養われ、本試験で見慣れない出し方になっても対応しやすくなります。新旧の問題を行き来する相補的な学習サイクルが、記憶の定着と応用力アップに大きな相乗効果を生み、短期間での知識習得を可能にします。

【はじめての経済③】マクロは結論暗記から / グラフ問題46マーク(GDP、IS-LM他)

さすが因果の「経済学」だけあり、全てが①→②→③の因果で構成されてわかりやすい。そして以下の順で過去問の答を見て結論を覚えると、「マクロ」は最速超短時間で合格ラインです。

国民経済計算GDP

一定期間内に国内で生産された付加価値の総和で、最終消費支出・政府支出・総資本形成・純輸出の合計としても表現される。生産側・分配側・支出側の三面等価が成立し、経済規模や成長率を測る基礎統計である。

こうすると10点満点
名目・実質GDPが速報値・確報値とも高精度に一致し、三面統合の整合性がとれ、政策判断に遅滞なく活用できる。

定義

R2第3問 GDP Dランク

ついアを選ばせる意地悪ひっかけ。アは×産出額→○付加価値、ウは下線部の名目⇔実質があべこべ、エは×加算→○減算。GDP⇔GNPの違いはこちらで。

国民経済計算の概念として、最も適切なものはどれか。
×ア 国内総生産は、各生産段階で生み出される産出額(→○付加価値額)の経済全体における総額である。
○イ 中間投入には、減価償却費や人件費を含まない。
×ウ 名目国内総生産は、実質(→下線部あべこべ)国内総生産をGDP デフレーターで除したものに等しい。
×エ 名目国内総生産は、名目国民総所得に海外からの所得の純受取を加算(→○減算)したものに等しい。
R3第3問 GDP Aランク

仮にも国家試験を名乗るなら、出してはいけないレベルの易問。

国内総生産(GDP)に含まれるものとして、最も適切な組み合わせを下記の解答
群から選べ。
×a 家族総出の大掃除
〇b 家族で温泉旅行
〇c 子供への誕生日プレゼントの購入
×d 孫へのお小遣い
abcd
×ア×
×イ×
〇ウ
×エ×
×オ×
R4第3問 GDP Bランク

GDPの定義は何問も解き直して覚える。誤答にされた下線部のひっかけ場所が大事です。

国民経済計算の考え方に関する記述として、最も適切なものはどれか。
×ア 生き物である乳牛や果樹などの動植物の価値は、GDP の計算に算入されない(→○される)
×イ 国民経済計算における国民の概念は、当該国の居住者を対象とする概念であり、GDP の計算上は国籍(→○居住国)によって判断される。
×ウ 山林の土地の価値は、土地に定着するものとして、民有林の立木の評価額を含む(→○含まない)
×エ 消費者としての家計が住宅や自動車(→下線部削除)を購入すると、耐久消費財の最終消費支出となり、総固定資本形成に計上される。
〇オ 持ち家の帰属家賃や農家の自家消費は、市場において対価の支払いを伴う取引が実際に行われているわけではないが、家計最終消費支出に含まれる。
R5第4問 GDP Bランク

テキストレベルの定義そのもの。×d政府の移転支出とは生活保護等のことで、GDPに算入しません。

国民経済計算においてGDPに含まれる要素として、最も適切な組み合わせを下記の解答群から選べ。
○a 農家の自家消費
○b 持ち家の帰属家賃
×c 家庭内の家事労働
×d 政府の移転支出
abcd
○ア
×イ×
×ウ×
×エ×
×オ×
R5再試験第3問 GDP

GDP計算の考え方です。GDPは主に付加価値方式で求めることができ、中間生産物は控除されます。

次の仮設例①~③に基づく記述として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
① 果実農家が中間投入を行わずに500 万円の果実を収穫した。そのうち、100 万円分を消費者に販売し、残り400 万円分を飲料メーカーに販売した。
② 飲料メーカーは仕入れた400 万円の果実のみを使って600 万円のジュースを生産し、そのすべてを流通業者に販売した。
③ 流通業者は仕入れたジュースすべてを800 万円で消費者に販売した。
×ア 最終生産物の合計は800(→○900) 万円になる。
×イ 投入された中間生産物の合計は900(→○1,000) 万円になる。
○ウ 付加価値の合計は900 万円になる。
×エ 流通業者が生み出した付加価値は800 (→○200)万円になる。
R6第4問GDP Aランク

○エ一択に出来ますが、R5再試験第3問を解いておけば×アを正しく直せます。

 国民経済計算の考え方に関する記述として、最も適切なものはどれか。
×ア GDPは、中間(→○最終)生産物の生産額の合計である。
×イ GDPは、分配面から、要素所得、移転支払による所得、キャピタルゲイン(→○雇用者報酬、企業の利潤、政府の税収)に区分される。 ※表現をわかりやすくしている。
×ウ 高等学校の授業料を無償化すると、無償化された授業料の分だけGDPが減少する(→○は政府支出としてGDPにカウントされる)
○エ 子どもが家庭内で家事を担ったとしても、GDPには計上されない。

×イはGDPの定義と無関係なので、なんとなく落ち着かない方は以下の三面等価を覚えます。

景気と物価

R4第8問 GDP(景気) Aランク

どうみても〇エ一択なので、×アイウを丁寧にバツにして知識を増やします。

景気循環に関する記述として、最も適切なものはどれか。
×ア 景気循環の1 周期は、景気の谷から(→○谷)までである。
×イ 景気循環の転換点は、名目GDP(→○景気動向指数)の変化によって判断する。
×ウ 景気循環の最も短い周期は、設備投資(→○在庫)の変動が主な要因であると考えられている。
〇エ 景気の谷から山にかけての期間は、景気の拡張期である。

R5第6問 GDP(景気) Cランク

景気動向指数の先行・一致・遅行は、つべこべ言わず一個ずつ間違えながら覚えます。

内閣府の景気動向指数における一致系列の経済指標として、最も適切なものはどれか。
×ア 家計消費支出(勤労者世帯、名目)
×イ 消費者物価指数(生鮮食品を除く総合)
×ウ 東証株価指数
×エ 法人税収入
○オ 有効求人倍率(除学卒)
R5再試験第4問 GDP(景気)

R5第6問の表で覚えれば当たる、サービス問題です。

内閣府の景気動向指数における先行系列の経済指標として、最も適切な組み合わせを下記の解答群から選べ。
×a 営業利益(全産業)
×b 完全失業率
○c 新規求人数(除学卒)
○d マネーストック(M2)
abcd
×ア
○イ
×ウ
×エ
×オ
R5第5問 GDP(物価) Cランク

GDP計算における物価の考慮は重要論点。物価指数ラスパイレス→パーシェはいろいろ解説されますが、「ラッパ」の語呂合わせとエクセル入力で解決します。

ある経済には、商品Aと商品Bの2 つがあり、それぞれの価格と数量は下表のとおりとする。2020年を基準年とするとき、この設例に関する記述の正誤の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
○a 2022年の名目GDPは、2,400円である。
○b 2022年の実質GDPは、2,400円である。
×c 2022年の物価指数(パーシェ型)は、102(→○94.1)である。
×d 2020年から2022年にかけての実質GDPの成長率は、マイナス5%(→○マイナス4%)である。

財市場(IS)・45度線分析

横軸に国民所得、縦軸に総支出(消費+投資+政府支出+純輸出)を取り、45度線上で支出=生産の均衡を示すモデル。特に45度線分析では限界消費性向と乗数効果とに注目し、財政政策の効果を直感的に把握する。

こうすると10点満点
消費性向や投資・政府支出パラメータが実証データと一致し、均衡所得の変化と乗数効果を定量的に説明できる。

乗数効果

R3第5問 乗数効果 (1)(2)Bランク

乗数効果は基本式の定義を覚える。5年で何問も出るので、グラフを併用すれば暗記できます。

生産物市場の均衡条件は、総需要=総供給である。総需要AD と総供給AS が以下のように表されるとき、下記の設問に答えよ。
ここで、C は消費、I は投資、G は政府支出、C0 は基礎消費、c は限界消費性向(0 <c <1)、Y は所得、T は租税である。
(設問1 )
乗数に関する記述として、最も適切な組み合わせを下記の解答群から選べ。
×a 均衡予算乗数は、1/(1-c)(→○1)である。
〇b 政府支出乗数は、1/(1-c)である。
×c 租税乗数は、1/(1-c)(→○c/(1-c))である。
〇d 投資乗数は、1/(1-c)である。
abcd
×ア××
×イ×
×ウ×
○エ

理論・文章問題での応用もやっておく。

景気の落ち込みを回避するための財政政策の効果に関する記述として、最も適切な組み合わせを下記の解答群から選べ。
〇a 政府支出の増加額と減税額が同じ規模のとき、景気拡大の効果は政府支出の増加の方が大きい。
×b 政府支出の増加額と減税額が同じ規模のとき、両者の景気拡大の効果は等しい(→○政府支出の増加の方が大きい)
〇c 政府支出の増加に必要な財源を増税によってまかなったとしても、政府支出の増加による総需要の拡大効果は増税による総需要の減少分を上回るので、増加させた政府支出の分だけ景気拡大の効果がある。
d 政府支出の増加に必要な財源を増税によってまかなうと、政府支出の増加による総需要の拡大効果は増税による総需要の減少によって相殺されてしまい(→○はなくなってしまう
されても)
、景気拡大の効果はなくなってしまう(→○がある)
abcd
〇ア
×イ×
×ウ×
×エ××
R4第5問 乗数効果 Aランク

当問は政府支出乗数を聞いているので、テキスト掲載の式の「c」に0.8と0.75を代入すれば〇エ一択に。本来はその理屈や応用を聞きますが、一旦これでOKです。

生産物市場の均衡条件が、次のように表されるとする。
生産物市場の均衡条件Y=C+ I +G
消費関数 C=10 +0.8 Y
投資支出 I =30
政府支出 G =60
ただし、Y は所得、C は消費支出、I は投資支出、G は政府支出である。
いま、貯蓄意欲が高まって、消費関数がC=10+0.75 Y になったとする。このときの政府支出乗数の変化に関する記述として、最も適切なものはどれか。
×ア 貯蓄意欲が高まったとしても、政府支出乗数は4 のままであり、変化しない。
×イ 貯蓄意欲が高まったとしても、政府支出乗数は5 のままであり、変化しない。
×ウ 貯蓄意欲の高まりによって、政府支出乗数は4 から5 へと上昇する。
〇エ 貯蓄意欲の高まりによって、政府支出乗数は5 から4 へと低下する。
R5第7問 乗数効果 Dランク

正答率Dですが、頻出知識についての良問です。×bの答は、R1第5問の設問文にそっくり書いてあります。

下図は、45 度線図である。この図において、総需要はAD=C+I(ただし、ADは総需要、Cは消費支出、Iは投資支出)、消費関数はC=C0+cY(ただし、C0は基礎消費、cは限界消費性向(0<c<1)、YはGDP)によって表されるとする。
この図に関する記述の正誤の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
×a 投資支出が増えると、AD線の傾きは急になる(→○上方にシフトする)
×b 投資支出がLMだけ増加するとき、投資支出乗数の大きさは LM/KM (→○KM/LM)である。
○c 投資支出がLMだけ増加するとき、GDPはY0からY1に増え、消費支出はLKだけ増加する。
○d AD線の傾きが緩やかになると、投資支出乗数は小さくなる。

デフレギャップ

R2第5問 デフレギャップ Bランク

○イ一択の易問です。

下図は、45 度線図である。AD は総需要、Y0 は完全雇用GDP、Y1 は現在の均衡GDP である。この経済では、完全雇用GDP を実現するための総需要が不足している。この総需要の不足分は「デフレ・ギャップ」と呼ばれる。
下図において「デフレ・ギャップ」の大きさとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
×ア AE
○イ BC
×ウ BE
×エ CE
R4第6問 デフレギャップ (1)B (2)Dランク

当問は非常に良く出来ていて、上図のAD曲線は「デフレギャップの状態」→「政府支出を〇エで増加」した後の完全雇用GDPを達成した状態を描いています。
といっても意味がわからないはずなので、過去問集の解説参照でお願いします。

下図は、45 度線図である。この図において、総需要はAD=C+I +G(ただし、AD は総需要、C は消費支出、I は投資支出、G は政府支出)、消費関数はC= C0 +cY(ただし、C0 は基礎消費、c は限界消費性向(0<c <1)、Y はGDP)によって表されるとする。図中におけるYF は完全雇用GDP、Y0 は現実のGDP である。
この図に基づいて、下記の設問に答えよ。
(設問1 )
この図に関する記述の正誤の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
〇a 総需要線AD の傾きは、c に等しい。
×b 投資支出1 単位の増加によるGDP の増加は、政府支出1 単位の増加によるGDP の増加より大きい(→○と同じ)
×c 総需要線AD の縦軸の切片の大きさは、C0(→○I+G+C0)である。
abc
×ア
×イ
〇ウ
×エ
×オ
(設問2 )
GDP の決定に関する記述として、最も適切なものはどれか。
×ア ADF - AD0 の大きさだけの政府支出の増加によって、完全雇用GDP を実現できる。
×イ ADF - AD1 の大きさだけの政府支出の増加によって、完全雇用GDP を実現できる。
×ウ ADF - AD2 の大きさだけの政府支出の増加によって、完全雇用GDP を実現できる。
〇エ AD0 - AD1 の大きさだけの政府支出の増加によって、完全雇用GDP を実現できる。
×オ AD0 - AD2 の大きさだけの政府支出の増加によって、完全雇用GDP を実現できる。

消費関数(やや難)

R2第4問 消費関数(貯蓄-投資図) (1)B (2)Aランク

貯蓄・投資関数とGDPなる上級論点かつ、下線部を入れ替え×イウエオを全て誤りにした設問。Bランクですが、捨ててOK。

下図は、均衡GDP の決定を説明する貯蓄・投資図である。
消費C は次のようなケインズ型の消費関数によって表されるとする。
C=C0+cY
(Y:所得、C:消費、C0:基礎消費、c:限界消費性向(0 1c 11))
また、I は投資、S は貯蓄であり、S =Y-C である。
この図に基づいて、下記の設問に答えよ。
(設問1 )
この図に関する記述として、最も適切なものはどれか。
○ア GDP がY0 にあるとき、総需要=総供給、投資=貯蓄である。
×イ GDP がY1 にあるとき、総需要(→○<)総供給、投資>貯蓄である。
×ウ GDP がY1 にあるとき、総需要>総供給、投資(→○>)貯蓄である。
×エ GDP がY2 にあるとき、総需要<総供給、投資(→○<)貯蓄である。
×オ GDP がY2 にあるとき、総需要(→○<)総供給、投資<貯蓄である。

消費↓ならGDP↓に。こちらは○ア一択です。

(設問2 )
人々の節約志向が高まって、貯蓄意欲が上昇したとする。このときの消費とGDP の変化に関する記述として、最も適切なものはどれか。
○ア 消費が減少し、GDP も減少する。
×イ 消費が減少し、GDP が減少(→○減少)する。
×ウ 消費が減少(→○減少)し、GDP が減少する。
×エ 消費が減少(→○減少)し、GDP も減少(→○減少)する。
R5再試験第7問 消費関数(貯蓄-投資図) (1)(2)

(設問1)が問う「貯蓄-投資図」はR2第4問からの再出題ですが、考え出すと難しいのでパスしましょう。○acは貯蓄性向なので図から当たりますが、×bd超過供給は図からすぐには読み取れません。また×dはケインズ有効需要=価格一定の前提の知識が要るので、初見では無理。

ケインズの有効需要の原理を考える。
 いま、総需要AD が
  AD = C + I
で与えられるとする。
 このうち、消費支出C は
  C = C0 + cY
であり、C0:独立消費、c:限界消費性向( 0 < c < 1 )、Y:GDP(所得)とする。
 また、投資支出I は
  I = I0 - ir
で示され、I0:独立投資、i:投資の利子感応度、r:利子率とする。
 さらに、所得の処分式は
  Y = C + S
で表され、S:貯蓄とする。
 ここから、貯蓄-投資図を用いて均衡GDP の決定を描くと、下図のようになる。
なお、Y0 が均衡GDP に当たる。
 この図に基づき、下記の設問に答えよ。
(設問1 )
 貯蓄-投資図の見方や均衡GDP の決定に関する記述の正誤の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
○a 平均貯蓄性向は所得の増加に応じて上昇する。
×b GDP がY1 の水準にあるとき、生産物市場は超過需要(→○超過供給)の状態にある。
○c S 線の傾きは限界貯蓄性向に等しい。
×d 生産物市場に超過供給が生じた場合、価格の下落(→○需要の増加)を通じて均衡GDP(Y0)(→○完全雇用GDP(Y1))に到達する。
abcd
×ア
×イ
○ウ
×エ
×オ

投資線Iの上下シフト、貯蓄線Sの上下シフトと傾き変化を同時に訊く良問です。○adは簡単でSの傾き。×bがやや難で、独立消費増ならその分貯蓄線Sの切片を下げるので逆。×cはグラフを見ただけでは解けず、利子率iが↓なら投資Iは増↑(上方シフト)の知識を使います。

(設問2 )
 GDP の変動に関する記述の正誤の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
○a 人々の貯蓄意欲が高まると、S 線がより急な形状に変化し、GDP が減少して「倹約のパラドックス」と呼ばれる現象が生じる。
×b 独立消費が増加(→○減少)すると、S 線が上方にシフトし、GDP は減少する。
×c 利子率が低下(→○上昇)すると、I 線が下方にシフトし、GDP は減少する。
○d 限界消費性向が上昇すると、S 線がより緩やかに描かれ、GDP は増加する。
abcd
×ア
○イ
×ウ
×エ
×オ
R6第7問 消費関数 Aランク

当問はグラフがなく文章題になっていますが、前年過去問の知識で解けるサービス問題です。

 生産物市場の均衡条件が以下のように表されるとき、減税の乗数効果を大きくするものとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
生産物市場の均衡条件 Y=C+I+G
消費関数 C=C0+c(Y-T)
投資支出 I=I0
政府支出 G=G0
 ただし、Yは所得、Cは消費支出、C0は基礎消費、c(0<c<1)は限界消費性向、Tは租税、Iは投資支出、Gは政府支出である。
×ア 基礎消費の増加
○イ 限界消費性向の上昇
×ウ 限界貯蓄性向の上昇
×エ 政府支出の増加
×オ 投資支出の増加
R6第5問 消費関数 Bランク

消費関数はもっと難しい論点の出題でしたが、これも企業の生産関数の平均・限界の考え方で解ける易問です。

下図は、ケインズ型消費関数を直線ABによって描いている。この図に関する記述の正誤の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
×a 可処分所得が大きいほど限界(→○平均)消費性向が小さくなるので、高所得者ほど所得に占める消費額の割合が小さくなる。
○b 可処分所得が増加するとき、限界消費性向は一定であるが、平均消費性向は小さくなる。
×c この消費関数の傾きは、1よりも大きい(→○小さい)
R6第21問 消費関数 Cランク

負の所得税? と言われると一旦悩みますが、45度線分析の消費関数Cと同じとわかると正解できます。

下図は、課税と給付を組み合わせた負の所得税の効果を考えるため、縦軸に可処分所得、横軸に当初所得を測り、45 度線の直線ODを描いている。また、可処分所得(Yd)を示した直線ACは、
 Yd=Y(1-t)+A
で定義され、Yは当初所得、tは比例税率、Aは定額給付を表している。
 この図に関する記述として、最も適切な組み合わせを下記の解答群から選べ。
×a 当初所得がOからY2に増大するに従って、個人の純給付額は増加する(→○定額給付Aは変化しない)
○b 当初所得がOからY1に増大すると、個人の可処分所得は増加する。
×c 当初所得がY1(→○Y2)のとき、当初所得と可処分所得の金額は等しくなる。
○d 当初所得がY3のとき、追加的な所得に対して税が課されている。

財+貨幣市場(IS-LM分析)

IS曲線(投資=貯蓄の均衡)とLM曲線(貨幣需要=供給の均衡)を同時に描き、その交点で所得と利子率の短期均衡を求めるモデル。財政・金融政策の効果やクラウディングアウトを分析するケインズ派基礎理論である。

こうすると10点満点
IS・LM両曲線の傾きが実証値と一致し、財政・金融政策による所得・利子率変動を精度高く説明できる。

R2第6問 IS-LM分析 (1)A (2)Bランク

LMの難問のあとにISを訊かれると、ホッとするほど簡単です。

下図は、IS 曲線とLM 曲線を描いたものである。この図に基づいて、下記の設問に答えよ。
(設問1 )
IS 曲線が垂直になる例として、最も適切なものはどれか。
×ア 貨幣需要(→○投資需要)の利子弾力性がゼロである。
×イ 貨幣需要(→○投資需要)の利子弾力性が無限大(→○)である。
○ウ 投資需要の利子弾力性がゼロである。
×エ 投資需要の利子弾力性が無限大(→○ゼロ)である。

こちらはクラウディング・アウトの知識で解きます。

(設問2 )
IS 曲線が垂直であるときの財政政策と金融政策の効果に関する記述として、最も適切なものの組み合わせを下記の解答群から選べ。
○a 金融緩和政策は、LM 曲線を右方にシフトさせる。これによって利子率が低下するが、投資が増加しないため、GDP は増加しない。
×b 金融緩和政策は、LM 曲線を右方にシフトさせる。これによって利子率が低下し、投資が増加する(→○しない)ため、GDP は増加する(→○しない)
○c 政府支出の増加は、IS 曲線を右方にシフトさせる。このとき、利子率は上昇するが、クラウディング・アウトは発生せず、GDP は増加する。
×d 政府支出の増加は、IS 曲線を右方にシフトさせる。このとき、利子率が上昇し、投資が減少するが(→○クラウディング・アウトは発生せず)、GDP は増加する。
abcd
○ア
×イ×
×ウ×
×エ××
R3第6問 IS-LM分析 (1)A (2)Bランク

R2第6問(設問1)とセットの問題です。簡単。

下図は、IS 曲線とLM 曲線を描いている。この図に基づいて、下記の設問に答えよ。
(設問1 )
LM 曲線が垂直になる例として、最も適切なものはどれか。
〇ア 貨幣需要の利子弾力性がゼロである。
×イ 貨幣需要の利子弾力性が無限大(→○ゼロ)である。
×ウ 投資需要(→○貨幣需要)の利子弾力性がゼロである。
×エ 投資需要(→○貨幣需要)の利子弾力性が無限大(→○ゼロ)である。

LMが垂直=R1第8問流動性のわなの真逆なので、金融政策=有効、財政政策=無効で解答します。

(設問2)
LM 曲線が垂直であるときの財政政策と金融政策の効果に関する記述として、最も適切な組み合わせを下記の解答群から選べ。なお、ここでは物価水準が一定の短期的な効果を考えるものとする。
〇a 政府支出を増加させると、完全なクラウディング・アウトが発生する。
×b 政府支出(→○貨幣供給)を増加させると、利子率の上昇を通じた投資支出の減少が生じるが、GDP は増加する。
×c 貨幣供給(→○政府支出)を増加させると、利子率の低下を通じた投資支出の増加が生じるが、GDP は不変である。
〇d 貨幣供給を増加させると、利子率の低下を通じた投資支出の増加によって、GDP は増加する。
abcd
×ア×
〇イ
×ウ××
×エ×
R5第8問 IS-LM分析 (1)(2)Bランク

(設問1)は選択肢がまぎらわしい分、シフト・傾き要因の暗記にぴったり。×アエは傾きを緩くしてGDPを伸ばす要因の暗記、×ウオは政府支出G↑I投資↑なら右シフトの暗記で解けます。

下図は、IS曲線とLM曲線を描いている。この図に基づいて、下記の設問に答えよ。
(設問1 )
 IS曲線に関する記述として、最も適切なものはどれか。
×ア 貨幣需要の利子感応度が大きいほど、IS(→○右方)曲線の傾きはより緩やかになる。
○イ 限界消費性向が大きいほど、IS曲線の傾きはより緩やかになる。
×ウ 政府支出の増加は、IS曲線を左方(→○右方)にシフトさせる。
×エ 投資の利子感応度が小さい(→○大きい)ほど、IS曲線の傾きはより緩やかになる。
×オ 独立消費の減少は、IS曲線を右方(→○左方)にシフトさせる。

○イは選べますが、×アウが難関。それぞれまぎらわしいので、余裕のある方のみ結論暗記を。×エのLM→IS、×オの左方→右方の訂正はテキストレベルです。

(設問2 )
 LM曲線に関する記述として、最も適切なものはどれか。
×ア 貨幣需要の所得感応度が大きい(→○小さい)ほど、LM曲線の傾きはより緩やかになる。
○イ 貨幣需要の利子感応度が大きいほど、LM曲線の傾きはより緩やかになる。
×ウ 資産効果に伴う貨幣需要の増加は、LM曲線を右方(→○上方)にシフトさせる。
×エ 投資の利子感応度が大きいほど、LM(→○IS)曲線の傾きはより緩やかになる。
×オ 名目貨幣供給の増加は、LM曲線を左方(→○右方)にシフトさせる。
R6第11問 IS-LM分析 (1)(2)Eランク

当問は基本論点以外の意地悪問題で、テキストで学ぶIS-LMが「短期的効果」であるのに対し、「長期的効果」を聞いています。ここでは財政支出で増加したGDPが元のレベルに調整されますが、これを覚えると混乱するので、後回しにします。

 下図のようにIS曲線とLM曲線が描かれるとする。ただし、Y0は、完全雇用GDPであるとする。
 この図に基づき、下記の設問に答えよ。
(設問1 )
 政府支出増加の長期的な効果に関する記述の正誤の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
×a 実質GDPを増加させる(→○は元のY0に戻る)
○b 物価を上昇させる。
○c 利子率を上昇させる。

これも長期的な効果の時はGDP増加しませんが、こちらは利子率iも元の水準に調整されます。これも混乱するので暗記不要で。

(設問2 )
 名目貨幣供給量増加の長期的な効果に関する記述の正誤の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
×a 実質GDPを増加させる(→○は元のY0に戻る)
○b 物価を上昇させる。
×c 利子率を低下させる(→○は元の水準に戻る)

労働市場(AD-AS)

IS-LMを拡張し、財市場・貨幣市場均衡(AD)と物価水準と産出量の供給曲線(AS)を組み合わせるモデル。短期は物価固定下の産出量決定、長期は潜在GDPと自然失業率への調整過程を説明する。

こうすると10点満点
短期AD-AS均衡点と物価・産出ギャップが実証データと一致し、長期的に潜在供給曲線への調整過程も再現できる。

R3第22問 失業 Eランク

○cを選びにくいのですが、dが×になるので消去法で選びます。

下図のような労働市場について考える。この図に関する記述として、最も適切な組み合わせを下記の解答群から選べ。
○a 最低賃金をW0 より高い水準に設定すると、労働市場は超過供給の状態となり、失業が生じる。
×b 労働市場を開放し、海外から労働移民を受け入れると、労働需要曲線(→○労働供給曲線)が右方にシフトする。
○c 資本投入量が増加すると、賃金は上昇する。
×d 最低賃金をW0 より低い水準に設定すると、人手不足の状態となる(→○労働市場の均衡には影響しない)
abcd
×ア×
○イ
×ウ×
×エ×
×オ×
R4第7問 AS曲線 (1)(2)Cランク

直す箇所が多いですが、丁寧に直すと自然に覚えます。

下図には、右下がりの総需要曲線AD と垂直な総供給曲線AS が描かれている。YF は完全雇用GDP である。
この図に基づいて、下記の設問に答えよ。
(設問1 )
古典派モデルにおける総需要曲線AD と総供給曲線AS に関する記述として、最も適切なものはどれか。
×ア 利子率の低下は貨幣需要を増加させる。したがって、物価水準の上昇は、実質利子率の低下(→○上昇)による実質投資支出の増加(→○減少)をもたらし、総需要を増加(→○減少)させる。
×イ 利子率は貨幣需要に影響を与えない(→○を増加させる)。したがって、物価水準の上昇は、実質利子率の低下(→○上昇)による実質投資支出の増加(→○減少)を通じて、総需要を増加(→○減少)させる。
×ウ 利子率は貨幣需要に影響を与えない(→○を増加させる)。したがって、物価水準の上昇は、実質利子率を低下(→○上昇)させるが、実質投資支出に影響を与えず(→○の減少を通じて)、総需要も変化しない(→○を減少させる)
×エ 労働市場においては実質賃金率の調整によって完全雇用が実現する。したがって、物価水準が上昇すると(→○しても)、実質賃金率の下落による(→○は調整されて)労働需要の増加を通じて(→○)も総供給が増加する(→○も変化しない)
〇オ 労働市場は完全雇用水準で均衡している。したがって、物価水準が変化しても、名目賃金率が同率で変化するので、雇用量が変化することはなく、生産量も完全雇用水準で維持されたままであり、総供給も変化しない。

古典派の垂直なAS曲線では、結局何が起きても実質GDPは変化しません。

(設問2 )
財政・金融政策の効果に関する記述として、最も適切なものはどれか。
×ア 政府支出の増加は、総需要を変化させないが、総供給を増加させる(→○も増加しない)
×イ 政府支出の増加は、物価水準の下落(→○上昇)を通じて、実質 GDP を増加させる(→○短期的に増加させるが、長期的には増加しない)
○ウ 名目貨幣供給の増加は、物価と名目賃金率を同率で引き上げ、実質 GDP には影響を与えない。
×エ 名目貨幣供給の増加は、実質貨幣供給を一定に保つように物価を引き上げるとともに、実質 GDP を増加させる(→○短期的に増加させるが、長期的には増加しない)
R5再試験第10問 AD-AS分析 (1)(2)

AD曲線は良くて右シフト要因までで、傾きまで訊かれると難しい。(設問1)は一旦正解に従います。

下図は、総需要曲線AD と総供給曲線AS を描いている。この図に基づいて、下記の設問に答えよ。
(設問1 )
 AD 曲線の傾きに関する記述の正誤の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
○a 貨幣需要の利子弾力性が大きいほど、AD 曲線の傾きはより急になる。
×b 貨幣需要の所得弾力性が小さい(→○大きい)ほど、AD 曲線の傾きはより緩やかになる。
×c 投資の利子弾力性が大きいほど、AD 曲線の傾きはより(→○緩やか)になる。
abc
×ア
×イ
× ウ
○エ
×オ

○abは古典派のAS曲線についての正しい説明。×cは資本ストック=投資のことなのでAS曲線は右シフトします。

(設問2 )
 AS 曲線に関する記述の正誤の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
○a 名目賃金率が下方硬直的であるとき、物価の上昇に伴う実質賃金率の低下は、労働需要の増加による生産量の増加を通じて総供給を増加させる。このとき、AS 曲線の傾きは右上がりになる。
○b 完全雇用水準では、物価が上昇したとしても実質賃金率は変わらず、労働投入の水準は変わらない。したがって、生産量も増えず、AS 曲線は垂直である。
×c 資本ストックが増えると、AS 曲線は(→○右)にシフトする。
abc
×ア
○イ
× ウ
×エ
×オ

国際収支(マンデル=フレミング)

IS-LMモデルを小国の開放経済(完全資本移動)に拡張し、固定相場制では為替介入による貨幣供給調整、変動相場制では為替レート変動を通じた乗数効果の違いを分析するモデルである。

こうすると10点満点
IS-LM-BP三曲線が国際資本フロー・為替変動データと整合し、相場制度変更の政策効果を精緻に説明できる。

R2第11問 国際収支 Bランク

理解しようとムキになると混乱するので、下図リンク先の結論を覚えればOk。

グローバル化の進展には、資本移動と為替レート制度が重要である。ここでは、マンデル=フレミング・モデルの完全資本移動かつ小国のケースを考える。
変動為替レート制下での財政政策と金融政策の効果に関する記述として、最も適切なものの組み合わせを下記の解答群から選べ。
○a 財政拡大政策は、完全なクラウディング・アウトを引き起こし、所得は不変である。
×b 金融(→○財政)緩和政策は、自国通貨高による純輸出の減少を引き起こす。
×c 財政(→○金融)拡大政策は、自国通貨安による純輸出の増加を引き起こす。
○d 金融緩和政策は、純輸出の増加を通じて、GDP を押し上げる。
abcd
×ア×
○イ
×ウ××
×エ×
R3第9問 国際収支 Cランク

正解○ウが示す通り、貿易収支×外国貿易乗数=自国GDPの変動額です。暗記不要。

生産物市場における輸出入の変化がGDP や貿易収支に与える影響に関する記述として、最も適切なものはどれか。
×ア 輸出と輸入が同規模で増加するとき、外国貿易乗数は1 (→○ゼロ)になる。
×イ 輸出の増加は、輸出の増加分に外国貿易乗数を乗じた大きさだけ貿易収支(→○自国のGDP)を改善させる。
○ウ 輸入の増加は、輸入の増加分に外国貿易乗数を乗じた大きさだけ自国のGDPを減少させる。
×エ 輸入の増加は、輸入の増加分に外国貿易乗数を乗じた大きさだけ貿易収支(→○自国のGDP)を悪化させる。
R3第10問 国際収支 Bランク

財政政策無効、金融政策有効の結論暗記で解けます。

完全資本移動の場合のマンデル=フレミング・モデルについて考える。下図において、IS 曲線は生産物市場の均衡、LM 曲線は貨幣市場の均衡、BP 曲線は国際収支の均衡を表す。この経済は小国であるとする。変動相場制のケースでの経済政策に関する記述として、最も適切な組み合わせを下記の解答群から選べ。
×a 金融(→○財政)緩和政策は、資本が海外から自国に流入することにより、自国通貨高を生じさせる。
〇b 財政拡大政策は、資本が海外から自国に流入することにより、自国通貨高を生じさせる。
〇c 金融緩和政策は、輸出を増加させることを通じて、自国のGDP を増加させる効果を持つ。
×d 財政(→○金融)拡大政策は、輸出を増加させることを通じて、自国のGDP を増加させる効果を持つ。
abcd
×ア×
×イ××
〇ウ
×エ×
R4第19問 国際収支 Cランク

こちらは難なので、解説は後日作成

下図によって、資本移動の自由化の効果を考える。最も単純なケースを想定して、世界にはⅠ国とⅡ国があり、両国とも生産要素として資本と労働を利用して同一財を生産しており、労働投入量は一定であるとする。下図で、MPKⅠとMPKⅡは、Ⅰ国とⅡ国の資本の限界生産物曲線であり、いずれも資本の限界生産物は逓減すると仮定している(財の国内価格は、いずれも1 とする)。資本市場を開放しない場合、Ⅰ国とⅡ国の保有する資本量はそれぞれOⅠC とOⅡC であり、このときの資本のレンタル料はそれぞれrⅠとrⅡである。
資本移動の自由化の効果に関する記述として、最も適切な組み合わせを下記の解答群から選べ。
〇a 資本移動の自由化によって、Ⅰ国からⅡ国への資本移動が生じ、資本のレンタル料はⅠ国がr*Ⅰ、Ⅱ国がr*Ⅱになる。
×b 資本移動の結果、労働者の賃金所得は、Ⅰ国では四角形OⅠr*ⅠHC に増加し、Ⅱ国では四角形OⅡr*ⅡHC に減少する。
×c 資本移動の結果、資本所有者のレンタル所得は、Ⅰ国では三角形AEr*Ⅰ(→○四角形O1DEr*I)に減少し、Ⅱ国では三角形BEr*Ⅱ(→○四角形O2DEr*Ⅱ)に増加する。
○d 資本移動の自由化によって、世界全体で三角形EFG の所得が増加する。
abcd
×ア×
×イ×
〇ウ
×エ×
×オ×
R5第10問 国際収支 (1)D (2)Bランク

○abはそのまま正解知識として覚える。×cは利子率上昇なので当然上方シフトです。

 下図は、開放経済下における小国のマクロ経済モデルを描いている。この図に基づいて、下記の設問に答えよ。
(設問1 )
 この図に関する記述の正誤の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
○a 水平なBP曲線は、国際的な資本移動が利子率に対して完全に弾力的であることを意味している。
○b 開放経済下のIS曲線の傾きは、閉鎖経済下のIS曲線に比べて、より急な形状になる。
×c 外国利子率が上昇すると、BP曲線は下方(→○上方)にシフトする。
abc
×ア
○イ
× ウ
×エ
×オ

変動相場制下における、財政政策無効、金融政策有効の良い説明です。こちらの資料とセットでどうぞ。

(設問2 )
 この国が変動為替レート制を採用しているとき、GDPの変化に関する記述の正誤の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
○a 政府支出の増加は、IS曲線を右方にシフトさせるが、自国通貨高による純輸出の減少によってその効果は相殺され、自国のGDPに影響しない。
×b 政府支出の増加は、自国通貨高を防ぐための名目貨幣供給の増加(→○による純輸出の減少)を伴って、自国のGDPを増加させる(→○に影響しない)
×c 名目貨幣供給の増加は、LM曲線を右方にシフトさせるが、自国通貨安を防ぐための名目貨幣供給の減少によってその効果は相殺され(→○によって貿易収支の黒字を増やし)、自国のGDPに影響しない(→○を増加させる)
○d 外国利子率の低下は、海外からの資本流入によって自国通貨高を招き、自国のGDPを減少させる。
abcd
×ア
×イ
○ ウ
×エ
×オ
R5再試験第9問 国際収支 (1)(2)

マンデルフレミングで財政政策の効果が相殺される説明です。×cdでIS曲線は右シフトしますが、○abで貿易収支が悪化します。

小国、完全資本移動、静学的な為替レート予想、資産効果の捨象を仮定したマンデル=フレミング・モデルに基づき、マクロ経済政策(財政・金融政策)の効果を考える。
 下記の設問に答えよ。
(設問1 )
 変動為替レート制下における政府支出拡大の効果に関する記述の正誤の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
○a 為替レートは増価する。
○b 純輸出は減少する。
×c 投資支出は減少(→○増加)する。
×d 消費支出は減少(→○増加)する。
abcd
×ア
×イ
○ ウ
×エ
×オ

(設問2)は財政政策が有効な説明です。○aで円安になり、×bで輸出が増えます。×c○dの解説は一旦後回しにします。

(設問2 )
 変動為替レート制下における貨幣供給拡大の効果に関する記述の正誤の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
○a 為替レートは減価する。
×b 純輸出は減少(→○増加)する。
×c 投資支出は増加する。
○d 消費支出は増加する。
R6第10問 国際収支 Bランク

マンデルフレミングでは、固定相場=財政政策有効、変動相場=金融政策有効の暗記で解く。当問はその理論の理解に役立ちますが、試験上は結論暗記で済ませます。

下図によって、完全資本移動かつ小国のマンデル=フレミング・モデルを考える。政府支出拡大の効果に関する記述として、最も適切な組み合わせを下記の解答群から選べ。
○a この国が為替レートを維持しようとするならば、政府支出の拡大は、為替レート維持のための自国通貨の売り介入に伴う貨幣供給の増加と相まって、自国のGDPを増加させることができる。
×b この国が為替レートを維持しようとするならば、政府支出を拡大させても、為替レート維持のための自国通貨の買い(→○売り)介入に伴う貨幣供給の減少(→○増加)と相まって、自国のGDPを減少させてしまう(→○の増加を促す)
○c この国が為替レートの変動を市場に任せるとき、政府支出を拡大させても、その効果は資本流入の増加による自国通貨高によって完全なクラウディング・アウトが生じ、自国のGDPは増加しない。
×d この国が為替レートの変動を市場に任せるとき、政府支出の拡大は、為替レートを減価させ(→○自国通貨高による輸出の減少を招き)、自国のGDPを増加させる(→○させる効果は薄い)

「マクロ」学習は一国や国際経済を説明するモデルであり、現にそうなっている「結論」の暗記で入ると早い。その上で前提条件を一つ変えると結論が真逆になるので、隣のD社のように「単に答を覚えるだけ」で終わらせないのがコツな。

今日のまとめ

Q
AI試験委員が言う通り、同じ論点を繰り返し出す「マクロ」はGDP→45度線分析→IS-LM→AD-ASまでの全てを通じ、過去問5年を解けば合格点になる仕組み。つまり過去問を優先して学んで欲しい?
A

特に「マクロ」の諸論点では、過去問を解けば本試験が当たり、本試験を経て前年の過去問を振り返るとその題意が分かる相補・相乗性がある。これは本試験に向けて100%仕上げるより、むしろ基本重視の粗削りで良いので、本試験を通じて成長させる親心と思われます。

■■ここからテンプレ■■

-A経済学

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