はじめまして、 Xレイ と申します。
まずは、ふうじんさん、新ブログ開設おめでとうございます。
当初より注目されているようで何よりです。
私も日々拝見しておりますが、さすがの内容と思います。
ただ、時折少々刺激的といいますか過激といいますか、その点変わらずでして、「ちょっと一息オアシスタイム」もございませんので、どうぞお手柔らかにと。
さて、そんな私は何者かと申しますと、こちらのブログでふうじんさんとは先輩、後輩の間柄。
その後はこちらでご一緒させて頂きました。
先日はこのようなまとめ記事まで書いて頂いた Xレイ というのが私でございます。
このところブログはすっかりとご無沙汰しておりましたが、いやしかし、お世話になったふうじんさんが新ブログを開設とあっては、応援せずにはいられません。
ということで久々に登場したわけですけども、まあ、早速いってみましょうか。
さあ始まりました、久しぶりのエコノミクスアワー。
やっと週末金曜日、今日のお酒は2割増し。
改めまして、 Xレイ です。
こちら札幌はこのところ暖かい。
日中はプラスの気温でして、歩道の雪も随分解けて参りました。
いやしかし、ここは北の地北海道、まだまだ油断は禁物です。
夜は冷え込み氷点下、歩道も再びアイスバーン。
滑って転んでコーレス骨折、良くある話でございます。
まあまあそうはいいますが、生まれも育ちも北海道、注意深くしていれば、そうそう転びは致しません。
されどそんな私の油断を誘い滑らせる、そんなスポットもございます。
それはどこかといいますと「横断歩道の白いとこ」。
条件次第でよく滑る。分からないけどよく滑る。
こちらの方へお越しの際は、十分お気を付け下さい。
「横断歩道の白いとこ」。
と、久しぶりにどうでもいい北国トークから入りまして、本題と参りましょう。
経済学。
ふうじんさんは、今年度難化するとおっしゃっています。
まあそこで、昨年度の問題から少々難しいかなというところをみておきましょう。
第12問。
ミクロ経済学、消費者行動の理論に関する問題。
これ、いってみましょうか。
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第12問
いま、正常財と考えられる医療に対する需要曲線が下図のように描けるものとする。現状は実線で描かれている需要曲線上の点Aであり、同一の需要曲線上には点Cもある。また、破線の需要曲線上には点Bが描かれている。この図を用いて需要の変化の仕方を考察した記述として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
〔解答群〕
ア 医療の価格を引き上げたとき、医療に対する需要は、点Aから点Bまで移動すると考えられる。
イ 医療費の抑制が必要であることを需要者に説得できたとすれば、たとえ価格が変化しなくとも、医療に対する需要は、点Aから点Bまで移動すると考えられる。
ウ 需要者の所得が増加すれば、医療に対する需要は、点Aから点Cまで移動すると考えられる。
エ 需要者の所得が増加すれば、たとえ価格が変化しなくとも、医療に対する需要は、点Aから点B まで移動すると考えられる。
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私も昨年の一次試験後、経済学を解いてみたのですけども、この問題は即答できませんでした。
結論から言いますと、選択肢イの解釈が難しい。
さて、この問題は、
各選択肢の事象によって
①需要を示す点が同一需要曲線上を移動するのか
➁需要曲線自体がシフトするのか
といったことを、まずは聞かれています。
そして、➁であるならシフトする方向は?
と、さらに聞いているんです。
ひとまず重要なのは、①と➁どちらなのかといったところ。
まあ、選択肢を順番にみていきましょう。
まずは、選択肢ア。
【ア 医療の価格を引き上げたとき、医療に対する需要は、点Aから点Bまで移動すると考えられる】
言い換えて
【ア 医療の価格を引き上げたとき、需要曲線は左にシフトすると考えられる】
これは簡単です。
需要曲線とは、独立変数の価格に対して従属変数の需要量が決まるというグラフ。
要するに、価格が決まるとそれに伴って需要量が決まるという曲線なのですから、この場合、需要量を示す点は同一需要曲線上を移動します。
よって、選択肢アは間違い ×。
次に、選択肢イ。
【イ 医療費の抑制が必要であることを需要者に説得できたとすれば、たとえ価格が変化しなくとも、医療に対する需要は、点Aから点Bまで移動すると考えられる】
言い換えて
【イ 医療費の抑制が必要であることを需要者に説得できたとすれば、需要曲線は左にシフトすると考えられる】
さらに言い換えて
【イ 需要者が、受けられる医療が今より少なくなっても納得できるなら、需要曲線は左にシフトすると考えられる】
さらにさらに
【イ 需要者が、今より少ない医療の消費量でも同じ効用を得られるのなら、需要曲線は左にシフトすると考えられる】
ここまできたらどうでしょう。
要するにこの選択肢の事象によって起こることは、需要者の「効用関数の変化」です。
効用関数が変化すると、需要曲線はシフトする。
よって、まず「シフトする」というところは正しい、となるんです。
あとは、その方向。
「今より少ない医療の消費量でも同じ効用を得られる」
ということは、他の条件が変化しなくとも医療の需要量が減るということです。
つまり、価格が変化しなくとも需要量が減少する。
グラフでいうと、需要を示す点は左にシフトする。
当然、その点の集合体である需要曲線も「左にシフト」します。
ということで、この選択肢イは正しい ○。
ちなみに「効用関数の変化→需要曲線のシフト」。
これは、需要曲線導出過程から考えれば分かるでしょうか。
他に需要曲線のシフト要因として
・需要者の所得の変化
・需要者の数の変化
・代替材の価格の変化
・補完財の価格の変化
などがあります。
そして、選択肢ウ。
【ウ 需要者の所得が増加すれば、医療に対する需要は、点Aから点Cまで移動すると考えられる】
言い換えて
【ウ 需要者の所得が増加すれば、医療に対する需要を示す点は、同一需要曲線上を移動すると考えられる】
上で挙げたように、需要者の所得の変化は需要曲線をシフトさせます。
よって、選択肢ウは間違い ×。
最後に、選択肢エ。
【エ 需要者の所得が増加すれば、たとえ価格が変化しなくとも、医療に対する需要は、点Aから点B まで移動すると考えられる】
言い換えると
【エ 需要者の所得が増加すれば、需要曲線は左にシフトすると考えられる】
繰り返し、需要者の所得の変化は需要曲線をシフトさせます。
よって、まず「シフトする」というところは正しい。
あとは、その方向です。
所得の増加は、左シフトか、右シフトか。
これは、正常財か劣等財かによってきます。
正常財であれば、他の条件が変化しなくとも、所得が増加すると需要量も増加する。
つまり、価格が変化しなくとも需要量が増加するので、需要曲線は右にシフトする。
劣等財であれば、その逆。
価格が変化しなくとも需要量が減少し、需要曲線は左にシフトする。
本問題の冒頭で「正常財」と条件づけているのは、このようなシフトの方向を定めるためです。
さておき、このように本問題では所得の増加によって需要曲線は「右にシフト」する。
よって、選択肢エは間違い ×。
以上のように、本問題の正解は イ です。
やはり、選択肢イの解釈が難しい。
消去法で正解することは十分可能なのですが、この問題を通じて需要曲線のシフト要因など押さえておくのはいかがでしょうか。
本年度も似たような出題をしてくるのなら、「劣等財は所得増加で左シフト」そこをついてくるでしょうか。
と、今日はここで終わる予定だったのですけども、なんだか調子が出て参りました。
次の第13問も同じく消費者行動の理論からの出題なので、ついでにみておきましょう。
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第13問
下図では、需要の価格弾力性が1より小さい農産物の需要曲線Dが実線で描かれている。また、当該農産物の供給曲線は破線で描かれており、好天に恵まれるなどの外生的な理由によって、供給曲線が当初のS0からS1へシフトしたものとする。この図に関する説明として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
〔解答群〕
ア 供給曲線の右へのシフトは、価格の低下による需要量の増加はあるものの、生産者の総収入を減少させる。
イ 供給曲線の右へのシフトは、価格の低下による需要量の増加を通じて、生産者の総収入を増加させる。
ウ 供給曲線の右へのシフトは、価格を低下させるものの、需要量には影響を与えない。
エ 供給曲線の右へのシフトは、価格を低下させるものの、生産者の総収入には影響を与えない。
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さて、本問題は、
「与えられた条件の下、供給曲線のシフトによって〝需要量”と〝生産者の総収入”はどうなるか?」
と聞いています。
これは数式を使いましょう。
まず、シフトする前の価格をP、需要量をQ、そのときの生産者の総収入をIとすると
I=PQ
そして、供給曲線がS0からS1へ右へシフトしたとき
このときの価格をP'、価格の変化率をa とすると
P'=P(1-a)
一方の需要量をQ'、需要量の変化率をb とすると
Q'=Q(1+b)
そして、生産者の総収入をI'とすると
I'=P'Q'=PQ(1-a)(1+b)=I(1-a)(1+b) ・・・①
となります。
さてここで、問題文冒頭の「需要の価格弾力性が1より小さい」という条件を式で表して
b/a<1
変形して
b<a
また、
P'=P(1-a)>0 ですから、
0<a<1 となりまして、
b<a より
0<b<1 であることが分かります。
まとめると
b<a かつ 0<a<1、0<b<1
この条件から、①の (1-a)(1+b) の部分が1より小さいことが分かりまして
I>I' となるわけです。
つまり、「供給曲線の右へのシフトは、生産者の総収入を減少させる」ので、選択肢ア が正解です。
まともに解くと、こんな感じでしょうか。
まあ、消去法でア、イの2択まではいくでしょうから、そこまで正答率は低くなかったと思います。
といったところで今回は以上です。
ふうじんさんの承諾を得まして、またこの場でお会いできればと。
いつになるかは分かりませんが、次回は生産者行動の理論から費用最小化問題。
いつか書こうと思っていた題材です。
それでは、また Xレイ
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