H29「事例〇」が、なんとD判定。
「2次」A~D公式フィードバックや得点開示が進むにつれ、受験校講師にはそんな報告が届くそう。そして、
「2次」筆記の合否は努力・実力順には決まらない。
その有力根拠が、このD判定です。
Ⅰ | Ⅱ | Ⅲ | Ⅳ | 合否 | |
甲さん | 70 | 70 | 39 | 70 | 249→不合格 |
乙さん | 55 | 55 | 55 | 80 | 245→合格 |
このケースでは、「2次」筆記における努力・実力は、甲さんの方が上と考えるのが自然です。
そして再現答案+得点開示が普及し、D判定を下手に乱発すると、出題側への批判は不可避。その覚悟のうえでD判定を出す以上は、こう考えるのが良さそうです。
- 出題側は、そのD判定を出す根拠に自信がある。
- そのD判定を通じ、試験の品質を管理したい。
そこで受験側も、「D判定の原因」を正しく知ると、試験の「これから」を管理できる。その筈ですが、ご存じの通り出題側に一方的にやられっ放し。ここで少し考えます。
1⃣「2次」D判定の原因
第2次試験の合格基準は、
①筆記試験における総点数の60%以上であって、
②かつ1科目でも満点の40%未満がなく、
③口述試験における評定が60%以上であることを基準とします。
※第2次試験案内より。箇条書きは当サイトの加筆
また不合格時に送付されるA~D評価とは、A=60点以上、B=50点以上、C=40点以上、D=40点未満。得点開示結果の裏付けがあり、これは確実です。
1)明らかに合格基準に満たない答案 ・見当外れや空欄など ・聞かれたことに答えていない ・一般的に「アイデア答案」「残念答案」 |
2)合格基準を超えた答案 ・制約条件違反 ・聞いてないことが書いてある ・一般的に「出来すぎ答案」 |
さて、「2次」対策に3年以上かけた時、「明らかに合格基準に満たない答案」を作る可能性は低そう。そこで、「合格基準を超えたD判定」説が有力になります。
2⃣「2次」D判定への対応とこれから
努力・実力なら十分なのに、またまた今年も不合格。そんなD判定リスクを避けるため、受験側がこう考え始めるのは自然でしょう。
①人並みの答案を書く ・「周囲より良い答案・提案を書く」ことは下策(高リスク)。 ・5,000人が1年かけて備える試験で、「当日ふと浮かんだナイスアイデア」でボクだけ高得点? ・いやいや、それナイから。回答内容は人並みに。 ・でも「人並みの答えが浮かばない」トラップに要注意。 ・最後の2択で困った時は、周囲も選ぶ安全回答を。 |
②当たり前に書く ・当たり前に書く=事前想定通りに書ければベスト。 ・80分では解けない試験。外段取り化で納期短縮。 ・「当たり前に書けない」=トラップ問題には現場対応。 ・再現答案が大事!でなく、答案の再現性が大事。 ・具体的には、同じことを2回聞かれたら、同じことを2回答えるレベル。 ・聞かれるたびに答えがバラつく様では、試験の品質管理の視点上、D判定もやむなし。 |
ふぅん、なるほど。「とても素敵なナイスアイデアながら」「出題側が用意した根拠を使わず」「次に同じコト聞いたら、まったく別なコトを書きそうな奴は」「D判定で一発退場」。そうか、それならD判定でも文句は言えないや。
D判定答案を集め、分析+対応すれば合格が近づく。
そう考えるのは自然。そして「完全無料のオープンイノベーション」を旗印に、試験にまつわる嘘や疑問をバッサリ。そんな当サイトへの期待感も感じるのですが、そこは残念、非対応なのです。
理由:D判定答案の、再現性が不確かだから。
知られた通り、D判定の最大原因は「その場限りの思い付き回答」+「出来すぎ回答」です。再現性の不確かなもの、また「なぜこの素晴らしい答案がD?」を集めて調べても、(現状で想像する限り)導く結果はブレブレに。
一つの変化や誤りを増幅するような、負のブルウィップ効果。それは自重すべきでしょう。
いえいえそこで尻尾を巻いて逃げる訳には。
素人の合格ブログが余計なコトをやると逆効果。ここは「素人でない方」に期待です。
①「2次」スクールによる分析+指導。 そこは商売、餅は餅屋に。試験傾向変化+複数年受験者減が明確ななか、どこのスクールだって生き残りに必死。 ・D答案を分析し、反面教師として指導をレベルUP。 ・その指導を受けた方が、2018年に実際に合格 ・合格体験記を通じ、出題側の意図が正しく広まる。 |
②最新合格体験記による事実の伝播。 過去にD判定の経験がある方が、H29「2次」に見事合格。すると「D判定を得た事実」「そこから合格に至る反転施策」。そこが広まる可能性があります。 |
今日のまとめ
D判定の狙いを正しく知ると、合格が近づく。
来年の受験経験者にも初学スト生にも、実は出題側からの大事なメッセージ(プレゼント)。本人には全くやり切れない話ですが、ここを受験側が総出で受け止め、正しく対応。
そんなオープンな組織学習力が試験を磨く。それもこの試験の魅力でしょう。では今日はクリスマスイブ。試験のことはしばし忘れ、楽しい夜を。
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