Q
ド苦学ブームに押され気味だが、簿記・会計士などとの相補相乗効果が見込めるのが大手スクールの強み。試験の「1次」回帰で見直されるのでは?
A
主任講師の「2次」指導があまりに時代遅れで、話題にもならないTAC。だがこの高スコアを見れば、「1次」に限るとお布施の価値アリかもな。
【1次合格体験記】スクール通学はどこまで役立つ?「1次」536点のアドバンテージ~H.Gさん
1⃣診断士に挑戦した理由・きっかけ、年齢(任意)
- 理由は、支援機関での勤務において支援先への助言の質を高め、より良い支援の実現に向けた知識とスキルを習得したかったからです。
2⃣学習開始時の知識・保有資格、得意科目・不得意科目、「1次」科目別点数(合格年)
- 学習開始前の知識等
日頃の業務で商業簿記を使うため、その点の知識はありました。 - 保有資格
全経簿記上級と社会保険労務士 - 得意科目
「財務」「中小」 - 不得意科目
「運営管理」・「経済」・「情報」
「運営管理」と「経済」は、アカデミックな論点の多さが手強かったです。
「情報」は、似たような単語が多いため、体系的に覚える必要があると思いますが、それが最後までできず苦手意識を払拭できませんでした。 - 「1次」スコア
経済 | 財務 | 経営 | 運営 | 法務 | 情報 | 中小 | 計 | |
2020 | 84 | 76 | 71 | 59 | 80 | 84 | 82 | 536 |
2021 | 72 | 84 | 60 | 72 | 60 | 64 | 66 | 478 |
3⃣学習スタイルとそのメリット・デメリット
- 2020年はTAC「1・2次ストレート本科生」で通学しました。
通学のメリット:講義や演習で周りの方が真剣に取り組んでいる光景を目の当たりにするので、緊張感をもって臨め、集中力が増す。
デメリット:移動が必ず発生するため、地理的な制約がある。 - 2021~2022年は独学でした。
メリット:模試やテキスト購入などの資源配分を自由にできる。
デメリット:メリハリをつける自制が効かないと学習を続けにくい。
4⃣1次合格までの受験回数、学習時間とその作り方
- 各回とも、受験回数は1回です。
1回目のときの学習時間は、約600時間です。 - 時間の作り方
講義からの帰りや職場から帰宅する際の移動時間を学習時間として利用しました。また、トイレ等で意図せず早起きした際も、朝食までの時間を学習に充て、隙間時間を利用して学習を継続させることに意識を向けていました。
5⃣1次合格までの学習法
- 2020年
TAC「1・2次ストレート本科生」で講義後の移動時間と数日後、次回の講義前日の3回、トレーニング問題集を解き、講義の範囲と重複する過去問も解いていました。 - 2021~2022年
「法務」と「中小」の「スピードテキスト」を買い直し、前年のテキストに書いたメモやマーカーを書き写しながら新たに掲載された論点を確認し、それ以外の科目はテキストの読み込みとTACの「公開模試」の見直しを中心としていました。
6⃣私の思う当落分岐点 ~試験合格への転機を感じた、あの瞬間~
- 1次は、過去に出題された論点が繰り返し出題される傾向にあると言われていますが、実際に過去問を解いていると、それがわかります。
- 「手間を省くために前例踏襲して出題しているんだ」とタカをくくらず、「繰り返し出題されるほど重要なことなんだ」と気を引き締めたことが転機だったと思います。
7⃣学習時・試験当日のエピソード
- 2022年は、受験者数に対してトイレが非常に少ない会場だったので、休憩時間の序盤と中盤にトイレに並ぶ手待ち時間が発生し、直前の読み込みに力を注ぎにくい事態になりました。このような会場に当たった場合、気分転換がてら、試験中にトイレに行くのも良いかもしれません。次の科目の直前の読み込みが円滑に進むことが期待されます。
8⃣これから合格を目指す方へのアドバイス
- 学習を継続して、学習を日常におけるイベントという位置づけではなく、学習を日常の一部とすることで、記憶が定着すると共にモチベが維持できると思います。
- 何番煎じかわかりませんが、短い時間であっても隙間時間を有効活用して、学習を続けていくことが実力をつける近道なので、学習を始めたらまずは継続するところから力を注いではいかがでしょうか。
「1次」536点をバックに、今年3回目の「2次」に挑んだH.Gさん。「1次」は同じ問題を繰り返し出題するが、「2次」は過去問と同じ問題は出ない。この対応でクジの吉凶が決まる予感がしてきます。