- 試験ブログではなぜ、根と葉が少ししかない噂を「仮説と称して」ドヤっと書いても怒られないの?
- 診断士とは、時流の先を読むビジネスだから。①試験の競争には下方硬直性があるため、②常に全員の言い分の上半分を採用するクセをつけると、③試験の競争が後から追いついてきてまるっとイタダキ。
相変わらず上からでムカつくけど、もっともらしいぞっ。
というか、噂自体の根と葉はちょっぴり。でも、知識の幹はがっしりだから。
試験ブログ10年の歴史を辿ると、得点開示前の第2期(~2015年)までは、「2次」スクールまるパクりの記事だらけ(被害者→MMCとTAC○○先生)。ところがその後の3年で、多年度国語スクールと試験サークル(一般には支援団体)の主客が逆転したのはご存知の通りです。
へぇ、このギリギリグレーまでなら怒られないのか。そんなドッキリ座談会の後半がスタートです。
得点開示の今までとこれから(後)【2次専念者向け座談会】
1⃣8月からの「2次」スクールの選び方
F;「2次」スクールの合格率が軒並み2割に落ち着くとされ、期待値だけでみれば独学と何が違うのかわからない。とはいえ選ぶならどのスクールが良いか、またその基準は。その辺りを教えてください。
P:スクール生でもふぞろい支持派が増えてきたのは、①スクール解答は80分で作るのは難しく、②ふぞろいを参考にする方が現実的だからです。講師の指導が打てば響くような地頭系、変換能力の高い方以外は、スクールの指導内容と、実用できる水準にギャップが出てきたと感じます。
K:「2次」の専門スクールは事例に長けているので、超絶理論解答を作ることができます。また模範解答や模試でそのスキルの高さを示すことが、受講者を集めるプロモーションになります。ところが超絶理論は、演習では出来てもあの本番ではそう通用しない。だからふぞろいへの支持が高まるのはもっともです。
F:他人より良い答案を書いて差別化したい多年度ニーズを見事に捉えていますね。
P:現実的に80分では解けない前提で、上手にアレンジする能力のある方には適しています。
F:歴戦のPさんから見て、スクールの選び方をイニシャルで教えていただけますか。
P:内容の是非は別として、80分で解ける手順を教えてくれるのはCR社です。「1次」知識に基づく理想的な解答を作るのがK社、また金型と外段取りのMMC社は今でも評価が高いです。一方で国語系スクールの合格率はネットで噂されている通りです。
K:私はTAC通学ストレートクラスですが、「2次」対策コースの内容はネットの噂の通りなので、TACではなく、かなり値が張りますがMMCの通信オプション事例を購入し、そちらをメインに対策しました。
F:MMCの「2次」対策は、通学クラス、通信コースともに定員があり、早めに締め切られると聞きます。
K:通学クラスは「1次」終了前に締め切られるので、実質経験者専用になります。演習事例の通信コースは、「1次」自己採点後でも例年ならギリギリ間に合います。
P:ネットの噂ではやや地味ですが、大手L社は講義コンテンツや事例演習がしっかりしていて、知識やロジカルで勝負な方にはオススメできます。
F:ネットの噂以外でスクールの質を確かめる方法はありますか。
K:順序が逆ですが、10月の「2次」本試験直後の答案分析会が参考になります。私は合格年に数社参加しましたが、解答例やその作成プロセスを聴き比べて大変参考になりました。良くないスクールの例として、主任講師の方が「俺の経験では」を語るケースが印象的でした。
F:試験が年々変わるのに、経験則で語る方が主役のスクール? 「組織学習」がテーマの試験ですから、合格率が右肩下がりになるのは納得です。
2⃣スクール演習事例のショボさを反面教師に。事例の作り方から知る対応策
F:スクールの合格率格差の原因を、「事例演習のショボさ」「時代遅れ」とするネットの声があります。この辺りはどうでしょう。
K:「2次」作問者の心理が、「1次」知識を使って回答して欲しい、と仮定します。すると読み取りにくい与件文の裏には何かの知識がある筈で、「与件文は読まなくてよい、探せばよい」と説明するようにしています。
P:「与件文を読む」ことを始めると試験を難しく感じる理由として、「段落と設問文の対応付け」の処理があります。段落ごとにおおまかに設問に対応させて解くやり方なら同時に処理する情報が少なくて済みますが、与件文全てを頭に入れて設問を解くタイプの方は、スコアを上積みできる可能性の代わりに、ミスや誤解が起きるリスクがあります。
K:同意見で、△与件全体を頭に入れるより、○設問ごとに「聞かれたことに答えていく」手順の積み上げで合格ラインに届かせます。「解答の一貫性」「全体像」を重視するスクール解法もありますが、設問構成を意識し、要求解釈時にレイヤーを割り付けていくと、自然に代替できるアプローチです。
P:「考える」作業量を減らすことは、最後に「事例Ⅳ」を解く脳の余力を残す効果もあります。逆に60点でなく70点を狙うなら、「解答の一貫性」「全体像」まで気を配れば良い訳で、誰もが自分のスキルに応じて「考える幅」を決めているのでは。
- K:私も頭を使う部分と使わない部分はメリハリをつけるようにしていました。
- ①「与件文を読む」というより「要素を選ぶ」という解き方や外段取り化をすることで、②節約した労力や時間を1点でも多く点数を取ることに振り向け、③「どの要素を引っ張るか」 「可能性のある要素をどれだけ多く盛り込んで編集するか 」 を考えることに注ぎこんでいました。
F:行動心理学上、①見覚えのある問題は定型的に時間をかけず処理するのですが、②それが思い込みのエラーになったり、③ここぞの勝負問では頭を捻って考える。画一的な受験校メソッドが通用しなくなったのは、この頭の使いどころのバランスは、結局人それぞれだから。そう割り切ると、一歩先に進めそうです。
K:定型的な問題で頭を使って疲労するロスを避けると、本来使うべき所で脳をフル回転させられるメリットがあります。
P:想像は良いが、創造はダメ。これは古くから言われていますが、「答案で差別化しようとすると」悪目立ちして、自分が合格から差別化されてしまう。この方がわかりやすそうです。
3⃣「差別化」を考える~採点基準と試験対策のこれから
F:「差別化」の話題になりましたが、①5人に1人しか合格させない試験なのに、②答案で差別化してはいけない、③周囲と同じおそろい答案を書け。ここをどう飲み込むかで、合格実力に届くまでの時間が変わると聞きます。
K:「差別化答案はこじらせの始まり」です。スクール模範解答の様な出来過ぎ答案を目指すやり方もありますが、答案で差別化したはずが、ざんねんな方向に自分が差別化されてしまいがちです。
P:国家資格として、出題側は目指すべき解答を用意し、そこに向かう様に誘導する。だから正しいゴールに近づくほど周囲の答案と似てくる。そう考える方は、答案の差別化を避け始めます。
F:シュンペーターによるイノベーションの類型でいえば、①プロダクト・イノベ ②プロセス〃 ③組織〃 ④マーケティング〃の4つがあります。事例では「プロダクトは所与」と考えれば、答案でなく80分間の解答プロセスの精度で差別化を。答えはそっちに向かいそうです。
P:情報を処理する脳の動きは人それぞれのクセがあるので、ミスの出にくいやり方への工夫は、あって良いでしょう。
K:イノベーションと例えると、一から全部自分で考えるような誤解も起きそうです。そうでなく、既存のやり方の良い所をモジュール的に取り込んで組み合わせても良い。「パクッてカスタマイズ」とは、わかりやすい例えだと思います。
P:エラーを起こさないための学習ツールとして、①ファイナルペーパー ②事例振り返りシートの作成などがありますね。
K:ミスの原因を追究し、自分なりに整理しておくことも効果があります。
F:特性要因図(フィッシュボーン図)ですね。そこまでやりこむ例はあまり耳にしませんが、今年の新作ファイナルペーパーには登場するかも知れません。
座談会後半まとめ
- 得点開示のこれから【2次専念者のイノベーション】
- 答案の作り方(メソッド)を教わるよりも、ハイスコア答案を集めてその作り方を自ら考える。
答案の作り方(メソッド)を教わる | ハイスコア答案を先に知る |
プロセスを所与として、 答案(プロダクト)を創造っ! | 答案(プロダクト)を所与として 最適な作成プロセスを想像する。 |
※一般に多年度合格ニーズ ※こじらせ答案 | ※新米診断士らしく初々しい素直さ ※おそろい答案 |
うはっ、イノベの方向が国語スクール⇔ふぞ(ネット答案勢)では真逆っ。これは上手に組み合わせると、不合格リスクがダダ下がり。
ふぅん。「!」を乱打しないとブログも書けない国語力のスクールでも、いくらかのお布施をする価値がまだありそう。ではお二人の意見をまとめます。
- ぱおーん氏(受験歴5回以上)
- ①スクール解答を目指すか、ふぞろいで割り切るかは人それぞれ。
②「2次」スクールの選び方は、ネットに書かれた噂がほぼ適切。
③答案差別化がNGと割り切ると、別の所で差別化する知恵が出てくる。
- きゃっしい氏(セカンドインパクトの張本人)
- ①事例演習の質の点では、MMCの評価が高い。
②経験者は「解答一貫性重視」のバッチ処理、初学者は設問ごとの逐次処理と、使い分けが合って良い。
③この座談会のどこかに書かれた「頭を使う部分と使わない部分のメリハリ」は、恐らくネットで初出。