日頃活躍するあなたから見て、「寄り添う!」「伴走!」ばかり強調するオバ診断士は、どうも語彙が弱くて視野が狭い。やり方一つで登録後大暴れできるファクトを紹介します。

平成時代の試験は知識再現が中心で、用語や理論を正しく書けば得点できた。しかし差別化は難しく、現場で役立つ具体性が乏しかった。
時代が令和に変わると、経営者に寄り添う姿勢や共感を示す記述が重視された。共感姿勢は評価されたが、「伴走」「寄り添う」といった表現に答案が集中し、具体的な施策や手順が示されず実効性を欠いた。
R6以降は施策を手順化し、体制や成果指標を明示する実装力が重視される。知識と共感を踏まえつつ、具体的に現場を動かせる答案こそが評価される方向にシフトしていく。
【知識から○○力へ(後)】業界の語彙の弱さに注目し、登録後の大暴れ
金融機関でいえばメガ⇔地銀の格差の一つは、グローバルさとそこから来る「語彙」の違い。そして生成AI時代に入りその差が埋まり、やり方一つで大活躍です。
Step-1:知識から○○力10選
生成AIが入る直前まで、診断士業界や地域金融の現場では「伴走」「寄り添う」とさえ言えばOKとされていました。これらは一見すると経営者を支える前向きな姿勢を示すように見えますが、実際には支援の内容を曖昧にし、形式的な関与を正当化するだけに終わるとわかってきたのです。
例えば「毎月訪問して話を聞く」ことを伴走支援と呼んだところで、具体的な改善施策の提示が伴わなければ、経営改善につながりません。言葉だけが踊ると課題定義の精度が下がり、施策をどう実行するかが見えなくなります。
診断士に求められるのは言葉だけが踊るのでなく、実行可能なアクションです。語彙の弱さは答案に影響を及ぼし、わかりやすく言えばふぞろいワードのような、その小さなオツムで頑張って覚えた知識を答案に書けばよいとする風潮が一部で蔓延しました。
例えば「従業員に寄り添い信頼を醸成する」と書いても、今は施策や効果が示されなければ評価されません。そこで試験委員は知識や美辞麗句の多用ではなく、実際に現場を動かせる力を測る方向に転換させます。本報告書ではその流れを「知識からコミュ力、そして実装力へ」と整理し、今後の診断士に必要な基準を再定義します。
| ○○力 | 定義 | 強み | 弱み |
|---|---|---|---|
| ①実装力 | 知識を現場に落とし込み施策を手順化し成果へ結びつける力 | 包括性・現場適用性・KPIとの接続が明確 | 評価の範囲が広く解釈の差が出やすい |
| ②実力 | 知識・技能・人間性を含む総合的力量 | 幅広い概念で直感的に理解されやすい | 抽象的すぎて評価基準が曖昧 |
| ③遂行力 | 計画を期限までやり切る力 | 行動力と責任感を示せる | 成果接続や柔軟性に欠ける |
| ④推敲力 | 読みやすい文章に仕上げる力 | 新たな提案の説得力を高める | AIを使えないと格差が大きい |
| ⑤自走力 | 指示に頼らず自律的に動く力 | 主体性を高め組織の自律性を促す | 個人依存が強まり支援者の役割が薄れる |
| ⑥実務力 | 現場で即戦力として対応する力 | 経験に基づく現実的な適用が可能 | 戦略性や革新性が不足しやすい |
| ⑦助言力 | 知識を用いて企業に助言する力 | 診断士固有の役割を示す | 実行や成果への踏み込みが弱い |
| ⑧解決力 | 課題を因果で整理し打ち手を提示する力 | 論理思考力を示せる | 実行や成果検証が含まれない |
| ⑨実効力 | 提案や行動から実際に成果を出す力 | 成果直結の実効性を示す | 成果偏重で過程が軽視されやすい |
| ⑩統合力 | 知識・人材・資源を統合し活用する力 | 分野横断で全体最適を導ける | 具体的施策や成果への直結性が弱い |
診断士「2次」がこれまで求めてきたのは、大きく「情報整理力」「課題把握力」「助言/実行能力」の3つ。前2つはAI代替でもう差がつかないので、これからは実装への助言力で勝負です。
Step-2:コロナ禍で知識→コミュ力シフト
前編の歴史で示した通り、H30以降は知識暗記に依存した答案は徐々に評価されなくなり、経営者視点に共感を示す答案が評価されるようになります。
経営者の悩みに耳を傾け、信頼関係を築く姿勢は知識偏重の時代を乗り越える要素となり、例えば人材流出に悩む企業には「従業員の不安に寄り添い、評価制度を透明化して信頼を高める」とさえ書けば加点されたのです。
この変化は、知識丸暗記から脱却し、受験者が対話や人間理解を意識する契機となりました。経営者にとっては「この人なら相談できる」という信頼が生まれ、診断士にとっても実務につながる姿勢を習得する機会になりました。
共感を基盤に提案することで、経営者に受け入れられやすく、組織改革や人材定着にもつながり成果が出やすくなったのです。
しかし、コミュ力重視には強い限界があります。ふぞろいに代表される多数派答案が「伴走」「寄り添う」といった紋切り型の語彙に頼り、具体的な打ち手を欠いたのです。
具体的には「寄り添ってモチベーションを高める」と記載しても、研修制度の導入や人事評価の改善といった施策が伴わなければ経営改善には直結しません。思考の爪痕を欠くふぞろいワードの氾濫は答案を同質化させて実効性を失い、試験は言葉遊びでなく成果につながる助言を評価する方向に転換しました。
補助金ばら撒きの手段の一つとして診断士が重宝されたのがコロナ禍時代。その隙にグローバルではデジタルの巨人が市場支配し、日本ではAIやクラウドを使ったスタートアップが力をつけました。
Step-3:中小にAIやクラウドを「実装」する時代
これからの「2次」試験では、実装力が評価の中心になるでしょう。実装力とは、知識を現場に適用し、施策を手順化し、体制や優先順位を明示し、成果をKPIで測定する力です。
例えば「生産性を向上させる」と記すのは不十分で、「工程ごとの作業時間を分析し、三か月以内に標準時間を一割短縮する」と解像度を上げて具体的に書く答案が評価されます。
これからの「2次」ではさらに、因果を正確に抽出し、施策を実行可能な形に落とす必要があります。事例IIIでは生産改善の進め方、事例IIではLTV向上を狙うマーケティング施策などが典型です。
例えば「新規顧客開拓のためSNSを活用する」では抽象的ですが、「SNS広告を三か月間実施し、月次売上を一割伸ばす」と具体化することで、ふぞろいワードを1個増やすより加点が望めます。
実装力重視の時代は、抽象的表現に依存した答案を排除し、具体性と解像度を備えた答案を評価する方向に転換しました。この傾向は国際的なコンサルティング業界の潮流とも一致し、知識提供に留まらず、クラウド導入やプロセス改善まで担う人材が求められています。
診断士試験も同様に、分析から実行までを一貫して支援できる人材を選抜する場へと進化するはずです。
初期の生成AIはLLM(大規模言語モデル)に過ぎず、前の言葉に続きそうな言葉を学習しただけ。ところがネット検索やDeep Researchを実装したことで、【将来予測能力】を持ち始めます。
今日のまとめ
こらこら、女子的共感コミュ力を持つ診断士への注目度が高まったのは、R1キラキラ大量合格があったからこそ。次はリスク覚悟で外に打って出て、GAFAに負けない付加価値を実現するのが診断士のミッションです。