時短と地頭を求める試験でありながら、ウチの試験委員は「手抜き」が嫌いで「ひたむき」大好き。「そこで答案を加減点する」仮説に立つと、試験がガラリと違って見えます。

事例を初めて解いた感想が「何この無理ゲー……」
これは従来の“知識で埋める”答案ではなく、“設問の意図を読み解き、因果関係で組み立てる”という難度の高いタスクへのシフトを示す。
とある超絶校の事例を解き、必要以上の微細ディティール与件と、その与件と全く無関係な超絶知識解答のギャップに驚く主人公。
※どこのE○Aを指すかは秘密。
そこでAIに助言を仰ぐと、SNSでバラ撒かれる「覚えた知識の再現」より、「与件を再構成する」試験の方向変化を示唆される。
設問には「情報整理」「期待効果」「助言」の3タイプがあり、うち「助言」は正解を当てることより、「結論を導くプロセスに加点」と仲間に教わる。
「題意を捉える」までを一旦AIに任せ、ヒトの役割を「正しい根拠を因果でつなぐ」と再定義。主人公の眼が輝き、自信に溢れる。
【はじめての当確②】AIが選ぶ不合格パターン5選
「今年のA答案はどう書くの?」とプロンプトしてもAIは一般論しか返さない。そこで「あなたは試験委員として」「望ましくないと感じる答案を5つ挙げて」と頼むと、ありったけを教えてくれます。

診断士「2次」をノウハウで解こうとし、再現答案集への過度な依存や、与件と離れた一般論を書いてしまう問題行動が散見されます。本章では、その代表的な5つの課題を具体例とともに深掘りし、生成AIの活用によってどう改善できるかを検討します。
不合格答案①:題意の読み違え(見落とし)
問われている内容を正確に読み取れず、一部の要素しか答えていない答案が多く見られます。設問文の主語・動詞・条件といった構造を正確に捉え損ねると、設問が求める複数の論点のうち一部しか拾えない「部分回答」になってしまい、配点を落とします。
R1Ⅰ第1問では「ビジネスとして成功しなかった最大の理由」を100字以内で問われました。このとき多くの受験者は「最大の理由」という表現に引きずられ、需要減による売上減少といった一点のみを書いてしまいがちでした。
しかし設問文には「ビジネスとして成功しなかった」という結果も含意されており、実際には売上減少と費用増大の両面から理由を述べる必要がありました。一要素だけに集中した答案は設問の後半部分をないがしろにしており、減点の原因となっています。
この課題の根本には、設問文の構造把握の甘さがあります。限られた試験時間の中で問題文を早合点し、「~の理由」「~の要因」などキーワードだけで解答を組み立ててしまうと、本来問われている複数の視点を見落としがちです。
また、「最大の理由」とあれば一つだけ書けばよいと短絡的に考え、設問の文脈が求める複合的な要素(ここではビジネス不成功の結果要因)に気づかないケースもあります。これは設問読解力の不足による典型的なミスと言えます。
生成AIを活用して設問解析を行うことで、こうした見落としを減らせます。具体的には、設問解析支援として AI に設問文を入力し、主語・述語・条件句を抽出させることで重要なキーワードと要求を洗い出します。
AIの読解支援によって「成功しなかった理由=売上減少+費用増大」のように問われている複数要因を事前に指摘させれば、答案作成者は一面的な回答ではなくバランスの取れた記述を心がけることが可能になります。結果として、設問の要求に「素直に」丁寧に答える答案が書けるようになり、部分回答の減少につながるでしょう。
過去問(特に事例Ⅰ)ではヒトが80分で解けない作問が連続し、今になってAIで振り返ると「当時の解説は誤解ばかり」と気づくことがある。SNSや動画を信用せず「自分で再構成」する工夫で、最初の一歩を抜け出します。
不合格答案②:訊かれていない一般知識解答
与件に即していない一般論の答案も、大きな問題点です。これは、どの企業にも当てはまるような汎用的理論や知識を書いてしまい、事例企業ならではの状況やキーワードを踏まえていない答案を指します。
与件に「寄り添わない」答案は内容が抽象的・表面的になりがちで、採点者から見ると事例企業の課題解決に必要な具体性が欠け、高得点に結びつきません。
R4Ⅰ第3問では「大手業者とどのような取引関係を築くべきか」を問われました。与件にはA社は取引先に振り回され新品種開発ができていないといった具体課題が書かれていたにもかかわらず、凡庸な答案では「大手とパートナー関係を築きウィンウィンの関係を構築する」など抽象的な表現だけで終わるケースが見られました。
これではA社の強みである新品種開発力を協業で強化する、といった与件固有の話に触れておらず、点数が伸び悩みます。実際には、「新品種開発力を強化し農業部門を成長させる」といった事例企業ならではの具体策まで織り込む答案が求められていました。
一般論答案が生じる要因には、知識の過信や、与件文の読み取り不足が挙げられます。一次試験で学んだ理論を使えばどんなケースにも対応できると思い込み、与件企業の特殊事情を読み取る努力を怠ると、結果として「誰の企業にも書ける内容」を並べただけの解答になってしまいます。
また、過去問演習で合格答案と似た答案を書こうとするあまり(合格者の答案を真似るあまり)、具体性よりも文面の体裁を優先してしまう学習癖も背景にあります。これでは試験委員が求めるアドリブ能力のアピールにならず、採点上不利です。
この課題に対しては、AIによる与件文の要約・キーワード抽出が有効です。与件文を段落ごとにAIに要約させ、各段落の課題原因と強みなどを洗い出すことで、解答に入れるべき具体要素が見えてきます。
例えば、与件文から「新品種開発力が強みだが取引先対応に忙殺」という因果関係をAIが抽出してくれれば、それを踏まえた解答を書けるようになります。実際、生成AIでの与件要約・因果抽出を行うと、与件文中の企業固有の情報が整理されるため、自ずと理論と事例を結びつけた記述が可能になります。
AIから提示されたキーワードを散りばめつつ、自身の言葉で肉付けすれば、どの企業にも当てはまる一般論ではなく「その企業ならではの解答」に近づけるでしょう。
80分の応用力=地頭(大量情報を同時並行に処理する力)によるため、ムダ勉重ねておベテになるほど与件を無視した決めつけ知識解答に。そこで過去問は80分の自力で解く前に、AIアシスト(=下拵え)させて書き始めます。
不合格答案③:パターン依存でアドリブ不足
予備校の解答パターンや過去問の再現答案に頼りすぎ、出題趣旨の変化に対応できない答案も深刻な問題です。診断士試験の事例問題は毎年作問の傾向を微妙に変化させ、答案の変革を促しています。
にもかかわらず、受験生が前年までの型どおりに解答を書いてしまうと、出題者の意図に合わないズレた答案になる危険があります。「とりあえず○○と書けば点が来る」といった安易なパターン暗記は通用しなくなってきています。
R4Ⅰでは出題パターンが一変し、第2問以降がすべて将来への助言問題になりました。それ以前の令和3年までは事例Ⅰでは助言型設問が少なく、過去の改善結果の説明を問う設問が多かったため、従来型の解答パターンに慣れていた受験者の中には対応に戸惑う者もいました。
またR3Ⅰ第3問では「事業ドメイン拡大の利点と欠点」を問われましたが、従来「事例Ⅰ=助言少なめ」という固定観念から十分な練習をしておらず、利点のみを書いて欠点を落とす答案も散見されました。年度ごとの設問構成の変化に追随できない答案は、出題者の意図(解答プロセスの適応力を見たい)に反したものとなり、結果として低評価に終わります。
パターン依存の背景には、学習者のメタ認知の弱さがあります。自分の解答プロセスが「型にはまりすぎていないか」「新しい問いに対して柔軟に考えているか」を客観視できず、過去に覚えたテンプレートで安心してしまうのです。さらに、再現答案を思考の証明と誤解し、安易に丸暗記してしまう風潮も一因です。
実際、「解答に必要な要素は設問文・与件文・書き方・フレームワーク・一次知識の5つだけ」であり、それ以外(自分の経験や過去問記憶)を持ち込むのが事故の素との意見があります。過去問の記憶に引っ張られたり与件に無いことを思い込んだりするテンプレ思考は、試験委員に見透かされ減点されるリスクが高いのです。
生成AIは多様な答案の生成を通じて、受験生の発想の硬直をほぐすツールになりえます。具体的には、一つの設問に対してAIに複数の解答案を作らせてみる手法が考えられます。このようにAIから異なる視点の答案を提案してもらい、それらを自分でルーブリック<rubric>評価基準表に照らして評価することで、「一つの型」に固執せず柔軟に思考できるようになります。
生成AIは網羅的な知識とパターンを持つため、自分では思いつかない切り口の答案も提示します。その中から与件と設問に最も合致するものを選び取る訓練を積めば、出題形式が変わっても対応できる適応力が養われます。
この先万一おベテと出会っても「決して仲間に入れない」理由は、自分の答こそ正と主張するから。そうでなく過去問はAIに解かせてベストを取捨選択し、応用自在なアドリブ力を高めます。
不合格答案④:思考停止で因果が不足
解答要素の論理的な繋がりが弱い答案も散見されます。具体的には、設問が「原因と対策」「施策と効果」を問うているのに、原因と結果が対応していなかったり、単に箇条書きでキーワードを羅列するだけで因果関係が示されていなかったりする答案です。これでは説得力がなく、採点者に「結局何が言いたいのか」が伝わりません。
過去問を分析すると、「100字以内で○○を述べよ」という設問に対し、①~⑤と5つも項目を並べただけの答案が散見されます。しかし100字で5点も要素を羅列すると、一つひとつの要素の因果説明が薄くなり、全体として要点がぼやけてしまいます。
具体的にはR2Ⅰ第2問「情報システム化の手順」を問われた際、箇条書きで「①要件定義、②設計、③開発、④導入、⑤教育」と並べただけの答案があったと仮定します。このような答えでは一見手順を網羅しているようですが、「なぜその手順が必要か」「各段階で何を達成するか」の説明が皆無で、論理の繋がりが感じられません。結果として採点者には伝わりにくく、減点要因となります。
論理構成が甘い背景には、時間制約からくる焦りと文章構成力の不足があります。試験時間内にとにかく解答欄を埋めようとしてキーワードを詰め込むだけになり、因果関係や筋道を示す余裕がなくなっているのです。
特に近年は解答字数の指定が減少傾向にあり、1文字あたりの重要度が増しています。そのため、量より質――すなわち少ない文字で密度の濃い論述が求められます。にもかかわらず旧来型の「キーワード詰め込み」解答から脱却できないと、論点が散漫になるばかりか、要素間の因果も示せずに終わってしまいます。
生成AIは答案の論理構造チェックにも活用できます。具体的には、自分の書いた答案をAIに入力し、主張(原因)- 根拠(施策)- 効果の構成要素がきちんと繋がっているかを確認するのです。擬似的な関数で表現すれば check_structure(claim, measure, effect) のように、答案中にそれぞれ該当箇所が含まれているか、対応関係が妥当かを点検する機能が考えられます。
AIは与件文と照合しながら「原因Aに対する施策Bが書かれているか」「施策Bの結果として効果Cが述べられているか」を検証できます。仮に答案に「①~⑤」と箇条書きがある場合でも、AIに「各項目の関係性を説明せよ」と指示すれば、答案から読み取れる因果関係を推測してくれます。それによって自分の答案の論理の飛躍や抜け漏れに気づくことができます。
ふぞろい=与件根拠のサーチが生命線で、全て調べ上げる頃には80分が時間切れして因果に意識が回らない。その末路=ふぞ答案と思って眺めると一目で納得です。
不合格答案⑤:おベテのヘタクソ答案は論外
最後に、文章表現力の問題です。せっかく内容面で正しいことを書いていても、表現が拙かったり冗長だったりして採点者に伝わらない答案も多々あります。100字という制約下で適切な日本語表現をし、かつ読みやすい構成で書くのは容易ではありません。しかし、表現が悪いと減点や失点につながる可能性があります。
例えば、接続詞の多用で一文がだらだら続く答案や、主語述語のねじれで意味が取りにくい答案が実際に見受けられます。また、「〜である。」の連続で単調になり、何が重要なのか強調がない文章も減点の対象になりえます
R6Ⅰ第2問では答案字数95字程度で3つの施策と効果を述べた好答案が見られました。そこでは「①〜②〜③〜。これにより…で狙った。」という形で、ややふぞろい構文的でも多面要素をシンプルに書き連ね、論点が明確でした
一方で冗長な答案では、「〜を行った結果、〜が向上し、また〜も改善し、それに伴い〜が…」といった具合に並列要素を一文詰め込みすぎて100字近くになり、読み手にとって非常に読みづらい構成になっていました。冗長・不明瞭な表現は、せっかくの内容を減点に変えてしまう要因です。
表現面の不備は、文章力の訓練不足と時間的余裕の欠如から生じます。普段から冗長な100字を避け、短いは正義の60字でビジネスチャットにする習慣がないと、いざ本番で字数制限内に簡潔に書くことが難しくなります。
また、試験本番では推敲する時間もほとんど取れないため、初稿の文章のクセや冗長さがそのまま残ってしまいます。結果、接続詞だらけの冗長文や曖昧な指示語(「それ」「この」などで指す内容が不明)の多用といった問題が起こりがちです。文章表現のまずさは内容以前に読み手の負担を増やし、減点対象となりえます。
文章表現力の向上にも生成AIが役立ちます。AIは人間が書いた文章に対し、リライト提案や要約による簡潔化支援が可能です。例えば自分の答案を入力し、「冗長な表現を簡潔な100字以内の文に改めて」とプロンプトを出せば、AIは不要な部分を削ぎ落とし、キーワードが引き立つ簡潔な文章案を提示してくれます。
また、生成AIは文法チェックや用語の統一も行えるため、「です・ます」と「である」が混在している、同じ事を別の言い回しで重複して書いている、などの表現ゆれも整えてくれます。仕上げにAIに「第三者の視点で読みにくい箇所はないか?」と問いかければ、疑似採点者としてのフィードバックも得られます。
これらを踏まえて推敲することで、簡潔で明瞭、採点者にストレスを与えない答案表現に磨きをかけることができます。
調べるとわかるが、生成AIは「クセと感情がない文章を書く」のが得意。これが「2次」対策にピタリとすぐ気づくのが上位5%で、早くて数年後か一生気が付かないのが隣のふぞろいです。
今日のまとめ
生成AIは与えられた文章を構造的に分解し、質問の意図を捉えて論理的に再構成するよう設計されている。これにより選んだ与件根拠を因果で並べることで、論点が明快でズレのない100字答案を短期間で書けるようになる。(100字。生成AIで作成)