当シリーズの前提は、【ふぞろいだけを使えば合格】。ところがそこにセットでついてくる余計ノウハウが、同業D社の悩みの種だった。意外な盲点の発見に業界がどよめきます。
【ふぞろいだけを使えば合格】が真であるとき、「余計ノウハウ」「ムダ勉」するから落ちやすい。この発見に大喜びするのが試験の主催者です。
ガチャと言われる「2次」筆記には、自分の目指す合格のスタイルをはっきりさせて臨むべきです。初学ワンチャンでの合格に賭けるか、それとも入念な準備をして確実に合格を目指すかを自分なりに決めることで、目指すべき学習の方向性は真逆になります。
試験主催者の意図や考え方を理解し、その視点で問題を分析することが重要です。試験主催者が好ましくないと判断する「余計なノウハウ」を取り入れると、今年の試験でそこが狙い撃たれるリスクがあります。そして「余計ノウハウ」を見掛けた時は、主催者視点でどこが誤っているかを練習するチャンスです。
学習方法や教材を選択する際に、自分の学習スタイルや目的に合ったものを選ぶことが重要です。昨年までは評判が良かったとされる学習法や教材でも、作問採点傾向が毎年変わる試験では逆効果になることがあるでしょう。今年の試験に合った学習方法を見つけるために、いくつかの選択肢を検討したうえで、ムダな勉強法を排除することが有効になるのです。
【2次開幕準備⑧】ノウハウ公式と3種のトリック / 初歩の基本・個人の感想・ムダ勉
そこで同業D社自慢のノウハウを改めて眺めると、「初歩の基本」「個人の感想」「ムダ勉」の3つに分類できた。今日の議論はここがスタートです。
全員採用:初歩の基本
読み手全員が頷く初歩の基本を説明してほしい? それなら誰もが頷くことを、中立かつクールに説明する私が適任でしょう。
与えられた与件や問題文から、本質的なポイントを抽出し、無駄な情報に惑わされずに的確な答えを導く能力が求められます。
与えられた情報や条件を元に、論理的かつ整合性のある解答を構築する能力が必要とされます。
80分の制限時間内に100字で答えるため、情報を端的にまとめ、明確な言葉で答えるスキルが問われます。
D社自慢のG格ノウハウ=「個人の感想」
そんなコミカルな会話が事実だったら興味深いですが、どうみてもフェイクです。そこで「個人の感想」と取られる理由をどうぞ。
試験委員は客観的な視点から試験内容や合格基準を見極める必要があります。個人の感想や主観的な意見は客観性を欠いているため、試験委員にとって信頼性の低い情報として捉え、好感しなくなります。
絶叫されるノウハウが根拠や裏付けを欠いている場合、試験委員はそれを単なる主観的な意見と見なす傾向があります。客観的なデータや事実に基づいていない情報は信憑性が低く、共感しにくくなります。
ネットやSNS上で情報が拡散される際、誤解や誤った解釈が含まれることがあります。試験委員はそうした情報に対して慎重な姿勢を取り、客観的な判断の元に作問採点傾向を変えるでしょう。
要注意!:ヒマつぶしのムダ勉は逆効果
試験合格ばかりを願ってムダ勉を重ねると、答を覚えてしまい、そもそも小さなオツムが固くなるだけ。ベテとして人生を終えるのが嫌なら、以下3つのムダ勉を避けましょう。
この手法は、1次試験の知識と2次試験の文章練習を同時に行うというアプローチで注目されました。しかし、問題解決の根拠となる与件文と無関係の超絶知識を書きなぐってしまうリスクが顕在化し、一気に盛り上がった分、急速に見向きもされなくなりました。
与件文を無視して解答することは、試験主催者の意図する問題解決のアプローチとは異なります。与件文が持つ根拠や情報を活用せずに解答すると、正確な判断や論理的な解決が行われず、試験の趣旨に反することになるので、試験委員に嫌われたくなければこの勉強法は避けるべきです。
この問題集は一時的に注目されましたが、試験の性質や要求に合致せず、適切な問題解決能力の育成には繋がりません。そもそも診断士で多浪する受験者に会計上の意思決定を任せて良いのかとの批判の声も年々強まり、「事例Ⅳ」の安定60点に一番遠い勉強法として、試験委員の苦笑いが止まりません。
今日のまとめ
ふぞろいーノウハウ=上位5%の公式が正とする・・①
すると、上位5%+ノウハウ=ふぞろいの式が成り立つ・・②
そしてふぞろいーノウハウ=上位5%の公式(①)が恐ろしいのはここから。たとえ実力が上位5%でも、ノウハウを騙った瞬間にふぞろい認定(②)されるのです。