7月開始の「最後の2択」シリーズでは、「1次」過去問を解けば解くほどスコアが上がる仕組みを解説。2回解いても効果半減する「2次」との違いに納得です。

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【当たる論点当てる論点】「運営」計算問題 / データモデリングスキル5選

同じ計算問題1マークでも、解き方が1つに決まる「財務」に比べ、「運営管理」は中学入試算数のようにその場のアドリブで解く。そして今の生成AIなら、その狙いをわかりやすく教えてくれます。

Q
何でも数値に定量化するこのサイトによると、「1次」直近5年+沖縄再試験で出題された計算問題は、「財務」78、「運営」60、「情報」15とその他(経済、法務)で5マークの計158マーク。そもそも出題マーク数が多いとはいえ、「運営」が「財務」に肉薄する2位と知って驚きです。
A

その程度で驚いては世間知らずのふぞろい認定確定に。もっと驚くべきは、決まった一つの解き方になる「財務」より、「運営」計算問題の方が【頭を賢くする効果】が高いことです。

①多様化社会はデータドリブン②ITコストが低下しスピード経営③定性を定量化するdata modeling
価値観の多様化が進む中、企業が顧客の多様なニーズに対応し、マーケティングや製品開発の精度を高めるためにデータドリブンなアプローチが欠かせなくなりました。顧客の購買履歴やフィードバックを数値化して分析することで、より個別化されたサービスや商品を提供した企業が勝ち残るのです。クラウドやAI技術の進化により、データ処理や分析のコストが大幅に低下しました。この結果、企業は低コストで高度なデータ分析を利用できるようになり、リアルタイムで市場や顧客の動向を把握し、迅速に対応するスピード経営を実現しています。診断士試験が問う計算とは、単に筆算や電卓をパチパチするのではなく、複雑で多様なビジネス環境をデータに落としこむ定量化スキルにシフトします。これはデータモデリング能力と呼ばれ、データにする力とそのデータを使う力の双方が問われます。
データドリブンなアプローチはさらに進化し、より高度な予測分析やリアルタイムの意思決定が可能になることで、企業間の競争はより激化します。企業は顧客の行動をより精密に予測し、パーソナライズされた体験を提供することが求められるでしょう。今後はさらに高度なAI技術や自動化により、データ処理の速度と精度がますます向上するでしょう。企業はより短時間で戦略的な意思決定が可能になり、競争優位性を高めるビジネスインテリジェンスの普及が進みます。今後の診断士試験では、時流のニーズのさらに一歩先を行く高度なデータ解析技術の出題が考られます。これにより診断士の役割として、企業のデータドリブンな意思決定を支える専門家としての期待が高まるでしょう。

【データモデリングスキル5選】「運営管理」計算問題 / 当たる論点当てる論点

つまりAIやデータ技術の進歩により、これまで定性や主観的にふわっと自慢されていたことが、デジタルに解像度高く議論されるようになった。そこで重要なのが予め何かを習うことなく、その場のアドリブで解くdata modeling能力です。

Step-1:「自然と当たる」計算問題5選

Q
同じ試験の計算問題でも、「簿記」=その状態を示すもの=正解が必ず1つに決まる。対して「運営管理」=どうすれば効率的か=いろいろ試行錯誤の余地があるのが違い?
A

こらこら、そんな試験委員が泣いて喜びそうなことを書いたら、私の活躍の場がありません。そして解き方が必ずしも1つでなく、工夫の余地のある「運営」計算問題は、data modeling力のUPに直結します。

【生成AIが作った例文】
C社は新製品の開発において部品表を作成し、経済的発注量を用いてコスト削減を図った。開発プロジェクト管理にPERTを用い、ターゲット地域決定のために商圏分析を行い。リフト値を用いるデジタルマーケティングを展開した。

PERTPERTはプロジェクト管理に使われ、タスクの依存関係と順序を明確にし、最も時間がかかる経路(クリティカルパス)を特定してプロジェクトの最短完了時間を計算します。楽観的時間、悲観的時間、最も可能性の高い時間を基に不確実性も考慮します。
部品表部品表は製品の構成部品やサブアセンブリのリストを示し、必要な部品の数量や種類を把握して適切な在庫管理や調達計画を立てます。これにより各部品のコストを集計し、製品全体の製造コストを算出します。
経済的発注量経済的発注量は在庫の注文量とタイミングを最適化し、在庫コストと発注コストを最小化します。一定の需要と供給を前提に、年間総コスト(発注コスト+在庫保持コスト)を最小化する発注量を計算します。
商圏分析ライリーコンバースの法則では人口に基づく商圏境界を決定し、修正ハフモデルでは距離と店舗の魅力度から顧客の店舗選択確率を計算します。これにより、想定される商圏をある程度定量的に決定できます。
リフト値リフト値はマーケットバスケット分析において特に重要な指標です。顧客が既存の商品を購入する際に、どの商品を優先的に購入する傾向があるかを調べるために使用されます。

Step-2:「狙って当てる」計算問題5選

Q
言われてみれば、「運営」計算問題の中でも、PERT・部品表・経済的発注量は考慮する要素が少なく当たりやすい。でもそれ以外の「計算に時間がかかったり」「試行錯誤しないと答がでない」問題が、どうにも気持ち悪いです。
A

はい、例えばR5第17問「追加投資の割引回収期間」はどう見ても筆算で答が出るはずもなく、「なんとなくこうかな・・」と考える力を育む。本番中は鉛筆転がしでも、ある程度時間をかけてウンウン試行錯誤で検討することで、試験委員が泣いて喜ぶでしょう。

【生成AIが作った例文】
C社は生産性向上のために、ラインバランシングで作業負荷を均等化し、ジョブショップフローショップスケジューリングで最短作業時間を計画しました。そしてKPIには時間研究で決めた標準時間に基づく労務費差異の削減や、設備総合効率の向上を掲げました。

これら5つの計算問題は、試行錯誤で解いたり手間がかかるので、復習を怠りやすい。そこで時間のある今のうちにここでウンウン唸っておくと思考の無駄が削れ、2次80分の効率よい標準時間が決まる。これはあのノロマなD社に教えたくない所です。

ラインバランシング製造工程において各作業工程の負荷を均等にすることで、生産ライン全体の効率を向上させる手法です。
ジョブショップスケジューリング受注生産型工場での製造ジョブのスケジューリングを行い、製造リソースを最適に配置して納期を満たす計画を立てます。
フローショップスケジューリング連続生産型工場での生産ラインのスケジューリングを行い、生産工程の順序や作業時間を最適化して効率を向上させます。
設備総合効率製造設備の稼働率を最大化し、生産能力を向上させる指標であり、機械の停止時間を最小化します。
時間研究(標準時間)標準原価計算に用いる標準時間を決めるために、作業やプロセスの作業時間を測定し、標準時間を決める手順を定めます。

Step-3:その他「運営」計算問題

Q
「運営」計算問題の14論点から、「当たる5つ」「当てる・当てたい5つ」を先に決めると4つが残る。これらを定性的でなく、定量的に決める基準を教えて?
A

そうですね、「ボクの好きな論点」や「ボクが考えた自慢のノウハウ」なら同業D社でもできる。そうでなく難度×重要度で絞りこむことで、【当てにくく】【2次出題可能性もまずない】と定量的に判断できます。

【生成AIが作った例文】
C社は線形計画法を用いて生産計画を立て、輸配送管理で物流コストを削減します。販売先には、難しすぎる検定を使うことなく、粗利予算を用いた収益向上を提案しました。

線形計画法目的関数と複数の制約条件を最適化する数学的手法で、生産計画や資源配分を効率的に行います。
検定統計的な意味の有無を確かめるために、標本データを使って仮説を検証します。
粗利計画(相乗積)部門・商品群ごとの粗利構成比を表す数値で、店舗内における各商品の利益貢献度を数値化したものです。
輸配送管理物流コストを最適化するために、適切なルートと輸送手段を選択し、効率的な輸配送システムを構築します。

今日のまとめ

Q
「運営管理」の計算問題は「簿記」と異なり、計算ルールが1つとは限らず、その場のアドリブで解くのでつい復習を怠りやすい。そこで「楽に当たるかも?」「2次に出るかも?」と定量的に意味を持たせ、ストーリー化するとは、目の付け所がさすがです。
A

特に今日のStep-2「狙って当てる」は試行錯誤が必要であり、うっかりお皿回しちゃんでは手が出ない。そこをあえて狙って鍛えることで、Ⅳの難問NPVを当てる定量化スキルがUPすることも、ノロマなD社に教えたくない所です。

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