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【競合状況】セレクション通過に向けた、「思考の爪痕」の残し方

「2次」は決勝でなく5人に1人のセレクション? であれば隣の4人の手の内を知ってどう蹴落とすか、試験が運ゲーの2割ガチャに至った経緯をまずどうぞ。

①診断実務手順の教育時代

H30以前は診断手順・メソッド・フローを忠実に踏めば合格に近づくとされ、与件を整理し順に答案へ反映させる姿勢が評価され、暗記と手順習熟が主な学習指針となっていた。

②ベテ落としの時代(R1~)

R1以降は合格時短の流れを受けて作問採点傾向を一新。過度な知識解答や決めつけ答案を減点し、与件に根ざさず外挿した経験則を排除し、実務と乖離するベテラン受験生を意図的に落とす傾向が強まったとされる。

③ふぞろい除けの時代(R4~)

R4以降は与件根拠全て詰め込む多数派答案を狙うと80分の時間切れになり、かつ点差がつきにくい作問採点となり、「2次」の運ゲー2割ガチャの呼び名が確定した。根拠を盛り詰めするより取捨選択し、設問要求に沿った使用と論理構成力が問われるようになったとされる。

④思考の爪痕をマス目に残す時代

最新の傾向では、答案から思考のプロセスを追えることを採点者が重視するようになったとされ、単なる与件引用やキーワード列挙ではなく、その根拠同士をつなぐ因果構造や論理展開を通じた「考えた痕跡」が評価されると言われる。

【今日からできる】セレクション通過に向けた、「思考の爪痕」の残し方

ベテが当落圏外に去りふぞろいが時代を謳歌したとき、試験委員がプレゼントしたのが、「80分では解けず、100字マス目にも入りきらない」与件のマシマシ根拠。どーしてこうなった?が一目でわかります。

ベテ落としの時代:スクールが知識・解法偏重し、国語力で不利

①Fラン層のスクール殺到と安易な指導

近年の「2次」では「1次」易化の反動で、基礎力が十分でないFランク層が翌年の敗者復活に回ります。実力未成熟な受験者がスクールに殺到すると、講師は知識や解法手順の補完に時間を割かざるを得ず、答案表現や100字の国語的な整え方を教える余裕がなくなります。その結果、文章の主語と述語が対応しない、句点や読点の使い方が不安定な答案が多く生じ、表現面の精度が全体として低下していきました。

また、スクール指導の中心が「合格体験談の再現」や「講師の経験則」に傾きやすく、受講者は正しい答案構成より場当たり的な方法に頼りやすくなります。これが累積すると、受講者全体に「設問を100字で因果関係にまとめる」力が十分に涵養されず、受験者間の答案の質に差がつかないという現象を引き起こしました。

②ふぞろい構文の横行で点差が付かない

この状況下で広まったのが、ふぞろい的な「根拠を並べる盛り詰め答案」です。これは一見多くの要素を拾えて便利に見えますが、施策と仕組みと効果が断線しているため、思考の跡が残りません。受験者が一斉にこの構文を用いると、答案は似通い、差がつきにくくなります。結果として、得点は合格ラインの前後に密集し、運による当落感が強まります。

実際の再現答案でも「強みは品質、弱みは販路、対策は広告」と列挙に終始するものが目立ちます。採点者にとっては処理が容易でも、答案の説得力は低く、差別化が失われます。これが「合格率は毎年ほぼ2割」という現象と整合的に観察され、二次試験が「ガチャ化した」と感じられる背景になっています。

③ふぞろいの真逆を選ぶポートフォリオへ

このように大多数が同質化答案に埋没すると、上位5%は意識的にふぞろいの逆を選び始めます。彼らは施策と仕組みと効果を100字1文3節で結び、必ず因果で示して他答案との差を明確にします。これにより、得点分布がボーダーに集中する中でも抜け出す高得点が可能になります。

さらに、設問ごとに異なる観点を分散させる「ポートフォリオ効果」によって、同方向の失点を避ける戦略も取られています。多様な答案を展開すれば、どこかの設問が評価基準に適合しやすく、総点で合格ラインを超える確率が高まります。結果として、ふぞろいの逆をすることで8割の不合格リスクを下げる機能が注目されます。

1.500人合格すると1,500通りのノウハウがあると言われる当試験。ふぞ専念で視野を狭めて思考停止も一つの方法ですが、AIで視野を広げて大量情報を同時処理できれば当確です。

ふぞろい除けの時代:ふぞの弱点が広まり衰退期

①丸数字で列挙するほど思考停止へ

ふぞろい答案の特徴が、丸数字で箇条書きする並列列挙方式です。この方法は短時間で書けて視認性も高く、採点者にとっても処理しやすいという利点があります。しかし施策と効果の間をつなぐ仕組みが抜け落ちやすく、答案全体が「要素の羅列」にとどまり、詰めて盛るほど思考の痕跡が乏しくなります。

さらに、試験時間の制約から字数不足や主述の不一致、句読点の乱れも目立ちます。これらが重なると、答案の完成度は低くなり、採点者が内容を評価しにくくなります。その結果、答案が似通い、差がつかなくなる傾向が加速します。

②キーワードを引用するほど点差が縮小

設問の語をそのまま強調すれば逸脱のリスクは減り、最低限の安全は確保されます。しかし新しい情報が含まれないため、どの答案も同じような文言に収束します。これでは付加価値が生まれず、合格ラインを越える力を失いやすいのです。

また「顧客満足度の向上」「売上拡大につなげる」といった抽象的な効果語で結ぶ答案も多く見られます。一見整っていても、具体的なプロセスが欠けるために説得力を欠きます。こうした抽象表現の濫用は、答案同士の違いを一層薄め、評価が平均化する一因となっています。

③因果が消える→試験が変化→再現不能の負のループ

「広告を強化し売上を伸ばす」という表現は理解しやすいものの、広告がどう機能してどの指標を変えるのかが抜けています。このように施策と効果の間が断線した答案は、実現可能性が曖昧で、採点者の加点根拠を弱めることになります。

例えば「新規顧客を増やすことで利益を拡大する」と書いた場合も、仕組みが示されなければ同じ問題が起こります。多数派がこうした断線答案を量産すると、得点分布は合格ライン付近に密集し、結果として2割しか合格できない状況に直結していきます。

ふぞが因果を嫌い並列列挙するのは、自分の「思考のクセを消すのが有利」と本能的に気づくため。ただその思考停止が試験委員に嫌われたと気づくのは早くて数年後です。

R7時点の二極化:思考の爪痕をマス目に残す

①合格答案の多数派!は8割落ちる危険地帯

多数の受験者が同じ方向性の答案を書けば、その方向性が採点基準と外れた年に一斉に失点します。逆に、設問ごとに観点を分けて答案を作成すれば、相関が下がり一部の失敗を他で補える可能性が高まります。これがポートフォリオ効果であり、不確実な試験においてリスクを抑える仕組みとして機能します。

例えば一問では市場視点を使い、別の問では内部資源や収益性を扱うといった具合です。このように視点を分散させれば、仮に一部が評価されなくても、残りの設問で得点を稼ぎやすくなります。同質化の流れに抗うことが、結果的に不合格リスクを減らす実際的な方法になるのです。

②年ごとに採点基準を決める・変える試験委員

同じような答案が大量に並ぶと、採点者は相対評価の基盤を失います。公平性と識別力を維持するためには、むしろ多様な答案を評価しようとする方向性が働く可能性があります。その場合、因果の筋道が明確で具体的な答案は、他との差別化によって評価されやすくなるのです。

実際、委員が重視するのは「記憶の再生」ではなく「診断の思考力」です。要素を並べただけの答案よりも、論理的な構造を持った答案が合格基準を満たす傾向にあります。多様性の観点から見ても、ふぞろいの逆を行う答案は選抜機能を維持する上で有効に映ると考えられます。

③全員得点開示時代の高得点答案は?

得点開示制度の導入により、各年度の分布が受験者自身にも見えるようになりました。その中で、上位5%層が書くような「施策・仕組み・効果を一文で結ぶ答案」は、分布の中で際立ちやすく、結果的に相対評価で優位に立つと考えられます。

こうした答案は、多数派が密集する60点前後の層から抜け出す力を持ちます。上位層は意図的にふぞろい的表現を避け、因果を強調する構文を好んで用います。その姿勢こそが、2割ガチャ化した試験において、8割の不合格リスクを抑え込む現実的な戦略として機能しているのです。

スクール講師はこれを肌感で掴み、「思考の爪痕」指導に徐々に転換。しかし生徒がその聞く耳を持たないFラン層であるため、試験の独学有利が続きます。

今日のまとめ

思考の爪痕(80字で定義)
診断士試験における思考の爪痕とは、設問の題意に沿って与件根拠を因果で結び、課題・施策・効果を一貫して記述することで、受験者の思考過程を採点者が追跡できる痕跡のこと。

Q
「思考の爪痕」を残せば受かるなら、R6以前の合格答案には「何を考えたか不明の並列列挙ふぞ答案」が相当混じっていることになる。そんな目が節穴な試験委員の資格を志したことを、強く後悔しています。
A

こらこら、物事には順序があって、ふぞ除けの前に試験委員が最優先で狙い撃つのはベテ答案。ふぞ答案の特徴は猫の目にも明らかで、ベテの後にじっくり料理すれば済む計算です。

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