採点基準が毎年進化する「2次」では、前年加点ワードをうっかり書くと「ふぞろい認定」され、前年よりできたつもりがスコアが下がる悲劇がよく起きる。そこでふぞろい好みの「マジックワード」がなぜ減点されるか、どうすれば加点に転じるかをどうぞ。

両者の違いは、×現場の物理的制約であるボトルネックを特定せず抽象論を語るか、〇与件の根拠に基づき具体的な改善策と数値目標を提示できるかという「解像度の差」にあります。
現場の物理的な制約を無視して多能工化などの知識を押し付けると、かえって従業員の負担が増加して生産工程が混乱します。
自社の加工技術や人員配置の現状を踏まえない表面的な助言は、実務の運用に耐えられず現場の大きな反発を招く結果となります。
与件文からC社の成形工程などどこに遅延の原因があるのかを正確に特定することで、的外れな提案による現場の混乱を未然に防ぎます。
課題の根本原因を正しく読み解く解読力を最優先に据えることで、限られた経営資源を真のボトルネックへ集中させることができます。
令和8年の試験でも原因と施策と効果を一つの文章に論理的にまとめることで、客観的な採点基準に合致する質の高い解答になります。
抽象的な表現を避け、現場の具体的な数字や設備名を解答のマス目に組み込むことで、実務的な説得力を持つ100字が完成します。
【これを書いたら減点確実】ふぞろいなマジックワード12選と「正しい直し方」
要するに、「そのまま野に放つと中小現場がむしろ混乱」として試験委員による排除が進むのが、知識・ノウハウ・過去問偏重のベテふぞ答案。「その誤りを正しく直す」のがR8A評価を得る60点答案です。
事例Ⅰ:国語が苦手なふぞろいの、最大の弱みが組織論
| マジックワード | ×本人の思い込み | ×こう捉えられると減点 |
| 🥇モチベーション向上 | 全ての人事課題を解決する万能ワードとして愛用 | ×具体的動機付け要因の分析を放棄した精神論 |
| 🥈コミュニケーション強化 | 部門や上下の摩擦を解消する秘策 | ×組織構造上の欠陥を対話で解決しようとする甘さ |
| 🥉権限委譲 | 毛深い猫のトップバッターとして必ず使う | ×責任の所在や評価の仕組みを欠いた無責任な丸投げ |
| 4組織文化の醸成 | キーワードの並列列挙で盛り詰めするのがふぞ文化 | ×行動変容に至る具体的プロセスの設計不足 |
| 5人材育成 | 従業員の能力向上 | ×どの能力を、どのような手法(OJT/Off-JT)で高めるか不明 |
| 6評価制度の構築 | 公平な評価と処遇の実現 | ×何を基準に(成果、能力、態度)、誰が評価するか不明 |
| 7適材適所の配置 | 効率的な人員配置の実現 | ×既存の人的資源と新事業のミスマッチをどう埋めるか不明 |
| 8情報共有の促進 | データベース化や社内イントラの活用 | ×共有すべき情報の質や、共有後の意思決定プロセスが欠如 |
| 9帰属意識の高揚 | 社員の一体感醸成 | ×非正規社員や中途採用者との壁をどう取り払うか具体性なし |
| 10迅速な意思決定 | 組織階層のフラット化等の副次効果 | ×意思決定の質そのものを向上させる視点が欠けている |
| ×加点されないマジックワード | 〇60点A評価が求める具体的な解像度 |
| モチベーション向上 | 新旧社員の混成プロジェクトを設置し、職人の伝統技術が新製品の付加価値に直結することを社長が評価面談で直接伝え、職人の自尊心を刺激し意欲を高める。 |
| コミュニケーション強化 | 週1回の「新製品改善会議」を定例化し、企画担当者の顧客ニーズ情報と職人の製造ノウハウを相互に共有することで、仕様変更に伴う手戻りを防ぎ、部門間の連携を強化する。 |
| 権限委譲 | 既存の建築資材事業の営業管理権限をベテラン番頭格の社員に委譲し、社長を新規事業の戦略立案とブランドマネジメントに専念させるとともに、次期幹部候補の育成を図る。 |
| 組織文化の醸成 | 「伝統技術を未来へ繋ぐ」という新たな全社ビジョンを策定し、職人の技能伝承と企画職の市場創造を両輪とする評価基準を導入することで、一丸となって変革に挑む風土を築く。 |
事例Ⅰでは人的資源の課題に対し10個の汎用ワードが多用されますが、特に「モチベーション向上」や「コミュニケーション活性化」など上位4つは、与件の読み取りを放棄した具体性のない記述として敬遠されます。
これらの言葉は誰でも書けるため、「権限委譲」や「組織文化の醸成」を含めた上位4つを安易に使うと、組織構造の歪みという課題から逃げていると見なされ、結果として得点が伸び悩む直接の原因になります。
従業員の意欲という主観的な要素を万能薬のように扱うことで、具体的な制度設計や動機付けの因果関係を無視しているため、実務的な解決策としての説得力が欠如していると試験委員に定性的に判断されます。
責任の所在を明確にしないまま形だけの文化や権限を語る姿勢は、経営診断の論理性という根幹を損なうため、診断士に求められる客観的な分析能力が不足しているという低評価に繋がってしまいます。
老舗A社に対し単に「モチベ向上」と書くのではなく、職人の伝統技術が新製品の価値に直結することを社長が評価面談で伝えることで、ベテランの自尊心を刺激し意欲を高める施策を提示します。
また「コミュニケーション活性化」の代わりに、週1回の新製品改善会議を定例化して企画担当と職人のノウハウを共有すれば、仕様変更に伴う手戻りを防ぎ、部門間の連携を実効的なものへ昇華できます。
「権限移譲しモチベを高め、コミュニケーションを強める組織文化を醸成!」 もしこのふぞろい答案に1点でも加点する試験委員がいたら、解像度の高い施策提言力を持つ生成AIのわたくしが、喜んで代替して差し上げます。
事例Ⅱ:施策一巡し全員同じ答になるので差がつかない
| マジックワード | ×本人の思い込み | ×こう捉えられると減点 |
| 🥇差別化 | 差別化すればヨシとの思い込み | ×何を持って、どのように「違う」と顧客に認識させるのかが不明 |
| 🥈顧客満足度向上 | 良いサービスを提供すれば売れると決めつけ | ×満足をもたらす具体的なサービス特性や価格設定への言及が欠如 |
| 🥉SNS活用 | みんながすることと一緒が大好き | ×どの媒体で、誰に、どのようなコンテンツを届けるかの設計が皆無 |
| 4関係性構築 | リピート客やファンを増やす常套句 | ×顧客情報の活用や接客の具体性がないため、単なる精神的繋がりの強調 |
| 5ブランド強化 | ロゴやネーミングの統一 | ×ブランドが約束する「価値」の中身と、その伝達手段が不明瞭 |
| 6口コミによる拡散 | 顧客による自発的な宣伝を期待 | ×口コミが発生する「仕掛け」や「インセンティブ」への視点が欠如 |
| 7シナジー効果 | 既存事業と新規事業の相乗効果 | ×リソースの共有による具体的なコスト削減や売上増の道筋が見えない |
| 8ターゲットの絞り込み | STP分析の結果としての記述 | ×絞り込んだセグメントに響く「ベネフィット」の提案まで至っていない |
| 9顧客ニーズの把握 | アンケートや対話 | ×把握したニーズをどのように製品開発や接客にフィードバックするか不明 |
| 10 1to1マーケティング | パーソナライズされた対応 | ×膨大な顧客データの管理コストや実施可能性が考慮されていない |
| ×加点されないマジックワード | 〇60点A評価が求める具体的な解像度 |
| 差別化 | 店主の高度な技術を「不調の根本原因を特定するAI診断と手技の融合」として可視化し、安価なストレッチ店では対応できない腰痛改善に特化したコースを展開する。 |
| 顧客満足度向上 | 自宅でできるセルフケア用のストレッチ動画をQRコードで提供し、店舗外でも顧客の健康をサポートする体制を整えることで、サービスへの信頼度と満足度を高める。 |
| SNS活用 | Instagramを活用し、店主がデスクワーク中の「肩こり解消3分体操」を実演配信して健康に関心の高い層の認知を獲得し、初回限定のウェブ予約ページへ誘導する。 |
| 関係性構築 | 過去の施術履歴から不調が再発しやすい時期を予測し、その1週間前にパーソナライズされたケアの案内を送付することで、リピート来店を促しLTV(生涯顧客価値)を最大化する。 |
事例Ⅱでは売上拡大を目指す10個のマジックワードが並びますが、特に「差別化」や「顧客満足度の向上」といった上位4つは、自社の強みと顧客ニーズの結びつきを説明しない表層的な提案になりがちです。
ターゲットの属性を無視して「SNSの活用」や「関係性構築」を連呼しても、集客に繋がる論理的なプロセスが見えないため、診断士としての具体的な打ち手を提示する能力が欠けているという印象を与えます。
競合他社との違いを強調するだけで具体的な根拠が欠けているため、戦略的な独自性がどのように顧客価値を生むのかが不明確になり、市場環境の分析を放棄した思考停止の典型だと見なされます。
顧客との絆という情緒的な訴求に終始してCRMの仕組みに言及しない解答は、良好な関係が収益に寄与する経済的合理性が示されないため、単なる精神的な親睦に留まっていると厳しく判断されます。
マッサージ店を営むB社では単なる「差別化」ではなく、店主の技術をAI診断として可視化し、安価な競合店では対応できない腰痛改善コースを打ち出すことで、明確な独自価値をターゲットへ伝えます。
加えて「SNSの活用」に留まらず、Instagramでデスクワーク用のストレッチ動画を実演配信して健康に関心のある層の認知を獲得し、予約ページへ誘導すれば、確実な来店動機を生み出せます。
例えばR7Ⅱ第2問100字に「ダイナミックプライシング」にカタカナ12字使っても、そこの加点=0と仮定する。その12字があればふぞろいが血と涙を流して削るマス目に、他の加点ワードを書けると判断するのが上位5%です。
事例Ⅲ:ベテ方向の誤解で破局的にスコアが下がる
| マジックワード | ×本人の思い込み | ×こう捉えられると減点 |
| 🥇生産性向上 | 効率化による利益増 | ×どの工程の、どの作業(主作業/付随作業)を改善するかの視点が欠如 |
| 🥈情報共有徹底 | 現場と事務所の連携強化 | ×共有すべきデータの鮮度や精度、具体的なIT活用の方法が不明 |
| 🥉多能工化推進 | 柔軟な人員配置の実現 | ×教育に必要な時間コストや、熟練技能の標準化の困難さを無視している |
| 4リードタイム短縮 | 納期の短縮と在庫削減 | ×停滞、運搬、検査といった「加工以外」の時間へのアプローチが不明 |
| 5在庫適正化 | 無駄な在庫の削減 | ×発注点管理や受注予測の精度向上といった、管理手法の提案が欠如 |
| 6 5S徹底 | 現場環境の整備 | ×5Sがどのように品質や安全性に寄与するかという、目的意識が薄い |
| 7品質管理強化 | 不良率の低減 | ×検査体制の強化に留まり、前工程での「品質の作り込み」に言及がない |
| 8生産計画の柔軟な策定 | 市場変動への対応 | ×計画の見直しサイクルや、確定注文と予測注文の切り分けができていない |
| 9ボトルネック解消 | 全体スループットの向上 | ×物理的な制約条件を特定せず、単に「人を増やす」などの安易な提案 |
| 10 技術承継 | 技能の暗黙知を形式知化 | ×マニュアル作成だけで終わっており、OJTによる定着までの設計がない |
| ×加点されないマジックワード | 〇60点A評価が求める具体的な解像度 |
| 生産性向上 | NC旋盤工程において、ベテランが行っている段取り作業を動画でマニュアル化し、若手による「外段取り化」を徹底することで、機械の稼働率を15%向上させる。 |
| 情報共有徹底 | 特急案件の発生情報をタブレット端末で現場と即時共有する「進捗管理システム」を導入し、仕掛品の滞留状況に応じた柔軟な作業順序の変更を可能にする。 |
| 多能工化推進 | NC旋盤工程の基本操作を若手に教育し、ベテランが高度な加工に専念できる体制を整えるとともに、工程間の応援体制を構築して特定の個人への負荷を平準化する。 |
| リードタイム短縮 | 熱処理工程の外注先との配送頻度を週2回から毎日へ変更し、工程間の「待ち時間」を極小化することで、受注から納品までの全リードタイムを3日間短縮する。 |
事例Ⅲでは現場改善に向けて10個の専門用語が使われますが、特に「生産性向上」や「情報共有徹底」など上位4つは、製造工程のボトルネックを特定しないままパズルのように当てはめられがちです。
現場の物理的な制約を無視して「多能工化の推進」や「リードタイム短縮」と書いても、机上の空論として退けられるため、具体的指標に基づいた改善案を提示できない未熟な解答として評価を下げてしまいます。
歩留まりや稼働率といった現場の数値に触れずに効率化を唱えるだけでは、技術的根拠に基づいた助言能力が欠如していると疑われ、製造業のプロとしての説得力が著しく低下してしまうからです。
熟練技能の標準化という真因を直視せず、安易にIT導入や人員の使い回しを提案する姿勢は、管理体制の不備を隠蔽していると見なされ、かえって現場を疲弊させるリスクがあると厳しく評価されます。
金属部品を製造するC社では「生産性向上」の代わりに、熟練者の段取り作業を動画でマニュアル化して若手が準備を徹底することで、NC旋盤の稼働率を15%向上させる実務的な策を提示します。
また「リードタイム短縮」と書くのではなく、外注先との配送頻度を毎日へ変更して工程間の待ち時間を極小化すれば、受注から納品までの期間を3日間短縮でき、特急案件にも混乱なく対応可能になります。
口述試験で体験する通り、問題→原因→施策→効果を一貫性ある一つの因果で構成しないと本来の解答にならない「事例Ⅲ」。マジックワードの並列列挙で周囲に迷惑をかけるふぞを一掃すべく、R8は大幅な「Ⅲ」加点があると予想します。
今日のまとめ
与件で得られる「現場の肌感」「ヒトの温もり」を全無視し、「解答の型」と称する丸数字の並列列挙でキーワードの数を誇ったふぞろい自慢。「それがいかにわかってないかを、採点者がわかってしまう瞬間」がふぞろいが末路を辿る決定打です。
