
結局何をやっても確率2割のガチャになる運ゲー試験では、自らの立ち位置に応じて戦略を決める。そのときの弱者戦略と、そのやりすぎ注意をAI化します。

夜空に揺れる提灯の下、ふぞろいがハチマキ一本で激しく踊り出す。自信満々に“ノウハウの裸踊り”を披露し、周囲をざわつかせる。
屋台の隅で家族連れがかき氷を片手に冷静に観察。父は子どもたちに「あの大人のようになったら人生負け」と諭し、子どもたちは真剣に頷く。
審査席に座る試験委員が無表情でスタンプを押し、「はい、8割不合格」と即断。厳格な基準が会場の熱気を一瞬で冷ます。
静まり返った会場の中央で、わずかに残った2割の受験生が必死に踊り続ける。彼らは「僕たち合格者!」と叫ぶが、傍らの者は「合格の勢い余って人生負け越しか…」とつぶやく。
【夏休みブレイク】弱者の戦略を知る~並列列挙で盛り詰め答案
ふぞノウハウとは「え、これで合格?」の、人類の下には下がいる妙な安心感を生む。それが寄り集まって傷を嘗めあい、素人相手にマウントするとふぞろい自慢の完成です。
Step-1:なぜキーワード並列列挙で盛り詰め答案?
「2次」は採点基準非公開で、特に初学者からは不透明です。この不確実性に対し、受験者は採点者に伝わりやすい可視的な手掛かり(頻出語・定型句)を増やすことでリスクを下げようとします。
採点の内部構造が非公開であるからこそ、外形上確認しやすいキーワードの存在が「入っている/いない」という二値で把握できる疑似指標として機能し、結果として実力に不安のある方ほど並列列挙で盛り込みがちです。
初学段階では、与件を読んで因果を組み立てるより、まず合格者の文章を真似る(写経)ケースが多いです。真似た表現はやがて言い回しの在庫になり、解答時に当てはめで埋める習慣がつきます。
典型的には、(1)過去の高得点答案を読み写す ⇒(2)頻出フレーズを箇条書きでメモ化する ⇒(3)練習時にそのまま貼り付ける、という流れです。ここで得られる「早く埋まる」「失点が怖くない」という短期の安心感が強く働き、考えて選ぶより持っている語を並べる方が効率的と感じるようになります。こうして覚えたフレーズを書くことに夢中になると、その場で因果を考える力が退化します。
一次試験(8月上旬)直後〜二次本番(10月下旬)までの間は時間が限られ、特にお盆期は連続学習を確保しやすい時期です。短期で「書ける形」を作るには、知識や言い回しの一括投入が手っ取り早く、在庫の積み上げ=進捗の見える化になります。
この時期には「過去○年分の頻出語○○選」「再現答案から拾った使える表現」など、視覚的に把握しやすい素材が好まれます。短期間で成果が見えるため、列挙中心の練習が加速し、強い成功体験として記憶に残ります。結果として、その後も列挙に戻りやすい流れが続きます。
8月に功を焦ると誤って掴みやすいのが「生存者バイアス」。うっかりセミナーに出かけ、「私たち全員ふぞろいで合格しました!」と連呼されるのが代表例です。
Step-2:仕事が苦手な「弱者の戦略」として有効
キーワード列挙は、テンプレを並べるだけで答案の外形を短時間で整えられます。事例あたり80分、設問ごとに100字前後といった制約下では、「とにかく全設問を埋め切る」だけでも得点差がつくもの。触れた要素が広いほど部分点の当たり所も増え、白紙や字数不足を避けやすくなります。
試験当日の緊張下で、書ける材料があることは心理的安定に直結します。結果として、列挙により「完答率が上がった」「時間超過が減った」という実感ベースの効果が報告されています。
合格が上位約2割に収れんする環境では、採点者ごとの着眼差(論点・語彙の嗜好差)に対して広く要素を投げるやり方が確率的に有利です。因果の仕上がりが未熟でも、複数要素に触れておけばボーダー帯で「どれかが当たる」こともあるでしょう。
観察上、同じ列挙でも「問われた論点に近い語が含まれているか」「与件の固有名・数値・制約条件に触れているか」で、拾われ方が変わります。ここでも下手なキーワードも数撃てば当たる、ふぞろい戦法に一理があります。
一方で、列挙には明確な限界が観察されます。
- 上位安定がしにくい:要素が散在し、優先順位や一本の筋が曖昧な答案は、総合評価で伸びにくいです。
- 出題の揺さぶりに弱い:設問の聞き方や前提をずらす年には、当てはめの命中率が落ちます。例えば「打ち手→効果」を先に問われ、後段で「根拠・制約」を逆算させる出題では、在庫語の順貼りが噛み合いません。
- 実務接続が弱い:原因→打ち手→効果の流れが薄い文章は、試験後の実務文書としての再現性に乏しいです。意思決定の場では、施策の優先度と根拠が要求されるため、語の羅列は採用可否の判断材料になりにくいという実務側の事情があります。
観察的には、列挙は**「滑り込みの一度きり」**は起こり得ても、複数年・複数事例での再現的優位は生じにくい傾向があります。
弱者が80分でギリA答案に届く、クリティカルヒット!として有効なふぞろい戦法。もしこれが学位論文として試験委員の目に留まったときにどう反応されるかは、一切考慮外です。
Step-3:そのタメ口・口語調が試験委員に嫌われた
試験後、再現答案や「よく出る言い回し」がSNSやブログで素早く共有されます。見た目に分かりやすい形式ほど拡散しやすく、列挙型が“標準”として広がります。
具体的には、「○年分でよく使われた語リスト」「設問別・使える接続語まとめ」「○○戦略・○○強化・○○活用」などのチェックリスト画像や引用テンプレが拡散し、初学者はそれを最初の正解像として受け取りやすくなります。学習初期の流れ(1-2)と強く噛み合い、列挙の土台が早期に形成されます。
同じ型が母集団で優勢になると、その翌年問われ方が転換または組み替えられるペースが速まります。
・「効果」を先に問うてから、後段で「根拠・制約条件」を求める
・二つの論点を一設問に統合し、優先順位の判断を内在的に求める
・与件の記述範囲を狭め、**固有条件(地域・資源・制約)**への適合を強く見る
などが挙げられます。似た答案が並ぶと差がつきにくく、そこに差がつくように設問を変えられると、固定化した列挙答案はハズレリスクが高まります。
採点では、与件の事実→課題(原因)→打ち手→効果の流れが読み取りやすい文章ほど、評価の説明がしやすいです。列挙は要素の存在確認は容易でも、つながりが弱いと読み取りに時間がかかります。
採点者は一日に多数の答案を処理しますので、短時間で筋が追えるかは実務上の重要点です。同点帯の比較では、因果が一読で追える文章が有利になる場面が多いという事実が積み上がっています。ここで言う「嫌われる自覚」は好悪ではなく、読み取りやすさの差が結果に出るという意味合いです。
また、発信面では、再現答案の過度な可視化や、フランクすぎる口語・高揚したトーンが、列挙中心の“正解像”をさらに固定することが観察されます。可視性の高い形式が拡散を呼び、拡散が同質化を進め、同質化に対して出題が揺さぶりで応じる、という往復運動が継続的に確認されています。
AI試験委員を味方にふぞを蹴散らすのが上位5%なら、「合格者みんなの力を合わせて試験委員を倒そう!」がふぞろいに受け継がれるDNA。どうみて倒せる相手ではないと同友館が気づくのは、早くて数年後です。
今日のまとめ
試験委員の特技は、気に入らないベテ答案を一発退場Dにする。その前提で、「え、まさかこの並列列挙で合格?」のふぞノウハウを2割許容して、受験者の裾野拡大を図るのです。