ヘタクソ勉強時間をうっかり増やすベテほどループの沼にハマる診断士試験では、いつまでに・どれだけ学習するかは自分次第。そしてデパートやamazonより幅広いとされる当サイトの学習コンテンツは、GWにやってみたい所がよりどりみどりです。

H事例Ⅰ

【HAKS流】狙い撃たれる解答スタイル(事例Ⅰ)

【有為転変】
答案の書き方は、10月直前に変えて良い。

古典系なスクール・サークルが聞くと顔を真っ赤に怒り出しそうなことを書くと、 ①ふぞ ②MMC ③まとめシートといった答案の書き方の流派は、10月直前に変えてもOKです。その理由は、

今年どんな答案を落とすかは、出題側が決めるため。
例えば特定スクール・サークルの悪目立ちする答案の書き方は、加点チャンスの反面、どうぞ狙い撃ってくださいと宣言するのと同じ。
悪目立ち答案①~ふぞろい流
ふぞ流といえば、加点主義の妄信のもと、拾ったキーワードをマス目にツッコむ自称多数派のマスゲーム。
【採点側の見分け方】
①余計なキーワードが入っている ②キーワードの入れすぎで文脈が破綻する。

採点基準は作問者が毎年変えて良い。「読みにくさで減点」のリスクだってあることを、想像すらしてないねっ。

悪目立ち答案②~MMCの多面解答
MMCといえば、金型主義の多面解答を謳い、とにかく何となくそれっぽい答案を書ける解答技術がウリ。
【採点側の見分け方
①常に○○面では~と書くため、一目でわかる ②時間がない殴り書きなのに、何となくそれらしい答案になる

多面解答はもっともらしいが、可愛げがなく睨まれやすい。いつ狙い撃たれてもおかしくない、ロシアンルーレットを覚悟の上なら。

そこで 、最後に変わる可能性がある「手順系」ではなく、 事例を研究して自分なりのセオリーや勝ちパターンに持ち込む「分析系」を。今日はその進め方をHAKS氏に教わります。

狙い撃たれる解答スタイル~【HAKS流・事例Ⅰ】

【HAKS氏】
さて、引き続いて事例解法の「私の勝ちパターン」を紹介いたします。今日は【事例Ⅰ】です!

HAKS個人の意見として、「事例Ⅰを制したものが診断士試験を制する」と言っても過言ではないと思います。さて、以前の投稿での昨年の事例Ⅰの予備校の解答速報編でも多少触れましたが。

HAKSの過去問研究の成果としては下記のセオリーが鉄板です。
・コアコンピタンスを探せ→維持・強化・多元活用
・成功体験ワードを探せ → コア資源の獲得=経路依存性や模倣困難性の高い何かの発生源
・失敗体験ワードを探せ → 同じ轍は繰り返さない
【典型事例】
・次期社長が経営改善に取り組む→先代社長の経営のダメなところの改善
・診断士に助言を求める
Aパターン:事例企業を訪問して、A社のこれまでの歴史から成功
Bパターン:失敗両体験をヒアリングし、良かったことは「またやる」悪かったことは「二度とやらない」と言うロジックを組む

事例Ⅰはもはや大きくはこの3点に絞って考えてもいいくらいだ。特に「成功体験の活用」と「失敗体験の改善」という2つの視点は過去10年を見ても繰り返し出題されている範囲であり、ふぞろいなどの答案分析でも上記のポイントを押さえたものが大体高得点である。

ここ3年分のストーリーのあらすじからエビデンスを抽出

H29H28H27
【成功体験】
・X社時代から、現在の主力商品の認知度が地元で高かったから
・不安を抱えながらも、周囲の後押しを受けてA社社長が過半数を出資し、X社で共に働いていた仲間7名もわずかな手持ち資金を出資して事業再建の道をスタート
・主力商品だけに絞って、商品名を冠にした新会社設立の準備を急ピッチで進めた
・資金の不足分については、県の支援で低利融資で賄った
・人手による作業であった製造工程を大幅に変更し、自動化によって効率性を高められる
・当時のA社の成長を支えてきた要因の一つは、今日でも経営理念として引き継がれている人材力の強化、すなわち社員教育の成果
・他社に先駆けてオフセット印刷機を導入したのを契機にして、独自で技術開発に取り組んで印刷精度を向上させた。それによって学校アルバム事業を拡大させ、高い印刷精度が求められる美術印刷事業にも参入している
・社員教育に力を注ぎ、企画力やデザイン力を強化・向上させたことで、他社と差別化を図ることもできるようになった・・・研修施設を建設し、新入社員研修や従業員の体験学習、小集団活動を積極的に促してきた
・自社企画のカレンダーやメモ帳、レターセットなどの印刷関連のオリジナル製品を開発し、商品見本市などでの販売を開始した
・そうした時代に、いち早く流行の兆しをとらえた創業者が、当時新素材として注目されていたプラスチックを用いたバドミントン用シャトルコックの開発・製造に取り組んだことで、同社は誕生した
・当時バドミントン用品の製造・販売の陰で細々と続けていた、自動車部品の受注生産やレジャー用品の製造などで採用していたブロー成形技術(ペットボトルなど、中空の製品を作るのに用いられるプラスチックの加工法)があったから
・A社の事業を託されたA社社長は、ブロー成形技術の高度化に取り組むと同時に、それを活かすことのできる注文を求めて全国を行脚・・・楽器収納用ケースの製造依頼を取りつけることができた
・自動車部品事業拡大を追い風にして進めてきた成形技術の高度化や工場増築などの投資が功を奏し、バスタブなどの大型成形製品の注文を受けることができる体制も整って、A社グループの経営は比較的順調
・地元自治体や大学との連携によって福祉施設向けレクリエーションゲームや認知症予防のための製品を開発
【失敗体験】
・販路拡大・生産力増強のための過剰投資によって巨額の負債を抱え、事業の継続を断念
・自社での社員教育の成功体験や施設を活かすことを目的とした企業研修事業や、工芸教室などの教育関連事業にも参入
・コンサルティング事業や自らの顧客である写真館の店舗デザインを助言するといった事業を手掛けるようになった。さらに、漫画雑誌やタウン誌を編集し発行する出版事業
→、1980年代後半に立ち上げたそれら事業ではなく、同社が学校アルバム事業を核に蓄積してきた高度な印刷技術を活用した、一般印刷や美術印刷など印刷事業の拡大にあったことがわかる
・1970年代初めの第一次オイルショックと前後して、台湾製や中国製の廉価なシャトルコックが輸入されるようになると、A社の売上は激減した。時を同じくして、木製ラケットが金属フレームに代替
【解答要素・次世代社長のやったこと】
・高い認知度を活用した販売戦略
・高い生産効率による少人数生産体制
・7名の「戦友」の後継候補の検討、経営陣に出資させることによる団結力
・主力商品に絞ることによるブランドイメージや生産効率の集中
・協力を得ることによる公的機関の融資
・A社社長は、経営改革を決意した。まず着手したのは、多角化した事業に分散していた経営資源を主力製品であるアルバムに集中し強化
・美術館や企業、そして一般消費者のアルバム需要を掘り起こすことに力を入れる体制作りを
スタートさせた。少量印刷・高品質印刷が可能な最先端のデジタル印刷機を導入して、得意としてきた美術印刷事業のさらなる強化
・社員教育や女性の活用の必要性
・再起をかけてこのビジネスをスタートさせたA社社長は、当初社内で行っていた新規事業を、関連会社として独立
・A社社長が注目した事業のひとつは、同社の祖業ともいうべきスポーツ用品事業での事業拡大
・本事例のビジネスの成功のカギは時代を読む力
・事業の成功には分社化するなどして事業に対する責任と権限を与えることが重要。また、分社した中から新たな技術を産み、グループ全体の利益にしていく

ちょっと、そのまま抜き出したので長くなってしまったが、実際にはコアになる言葉に「成功体験」「失敗体験」とわかるようにマークする。

例年の事例Ⅰでのストーリーラインは決まっている。
①先代もしくは先々代社長が事業を興し、何らかの強みが時流に乗って事業を成功に導く
②先代社長が本来大切にしてきた何かを破って業績が悪化する
③現在の社長が引き継いで何らかの改革をして、改善する
④現在の社長の改善活動も空しく、一部にまだ課題が残っており、次のステップに踏み出せずにいる

まずはこのストーリー以外にないという事と、昨日の投稿で申し上げた通り私たちは「社長から相談を受けて診断書を書く」つもりでやらなくてはいけない。そうした着眼点で見たとき、皆さんが助言をするならばどうするだろうか?

過去の歴史から学んだ教訓を未来に生かすより他ないのだ。

H29年で申し上げれば。

【第1問】A社が再び人気商品にさせた最大の要因は?
過去の成功体験で、販路開拓ができたのは「認知度の高い主力商品」があったためだ。これを活用してA社は復活を遂げたので、この内容を核にして、A社社長の今後の経営の展開に対するアドバイスとして、まずは「社長!昔はこういう事で人気を取り戻しましたよね?」と思い出せてあげて、そのことが今後も重要で再利用できる事を教えてあげるのだ。
【第2問】少人数の正規社員での運営を可能にしているA社の経営体制
これもA社社長が就任してから、過去の経営不振への反省として、効率的な生産設備を敷いたことと多くのステークホルダーや社長以外の株主が経営に参画していることによる透明かつ迅速・公平な意思決定がこの会社の強みであることを伝えることになる。
【第3問】工業団地に移転し操業したことによって、どのような戦略的メリット・・・
ここは賛否両論あろうことかと思うが、絶対にHACCPが取れたことが解答要素ではない。過去の成功体験に基づけば、外部者や県などの協力によってA社は復活したのだ。すると、A社社長は戦略的か?偶然か?は別として、協力を乞えるところと共に仕事をした方がいいというのが経営ポリシーの様である。ここで、難易度の高い本問も「成功体験を再利用する」事に基づいて、何らかの補助金や団地内の協力者に「堂々と」言及した解答をする。(何と言われようが合計で77点だったんだから、この問題だけ0点という事はないであろうとすると、この思考パターンは間違ってないと確信する)それに、将来に対するA社社長の想いが絡んでいるはずだ。
【第4問】障害となるリスクの可能性
リスク系の問題となれば「これまで培った強みをぶち壊しにする何か」「過去の経営における失敗体験の再現」となる。最終問題は決まって未来志向の問題なので、現在の環境に合わせて過去に起こった問題点を二度と起こさないためにはどうするか?強みを毀損しないためにはどうするか?それを考えて「組織・人事」について言及すればいいのだ。

各論を言えば他にもたくさんあり、このノートももう数ページずつノウハウがあるのだが、大変なのでこれくらいにしたときに、「このストーリーラインは永久に不滅だ」と思って、解答していけば「さすが2年目受験は分析力が違うぜ~」と他の受験生に抜け駆けして高得点を狙えるはずだ。

そして、まずは2年目受験の方はまずはこういった「与件文を比較しながら読む能力」をつけていただきたい。そして、電車の中でもいいので過去10年分をそのつもりで読んでみてほしい。すると、「事例Ⅰなんてこんなにワンパターンな問題しかないのか!」と思ってもらえるはずだ。

そして、予備校の演習をする際に「ソムリエ」になるためには、こうした本試験との傾向の違いに気づいて、前回投稿の様にそれぞれの学校の演習問題の活用法を残りの2か月と言う短い時間ながらも、自分なりにまとめていただきたいと思います。次は事例Ⅱにいきましょう。

■■ここからテンプレ■■

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