簿記シフトで意地悪する「財務」、国語で解かせる「経営」に比べ、そもそも製造業人気が低下するため出題に工夫が必要な「運営」。その答えは全体的に易化させ、詳しく学びたい方には誤答のバツをマルにさせます。
はい。一定量の難問を出して極端な高得点は防いだうえで、計算問題の易化、覚える知識の削減などが進められ、R6「事例Ⅲ」で再び知識を書かせることはなさそうです。
| ①「財務・会計」の人気化 | ②「企業経営理論」の人気化 | ③「運営管理」の不人気化 |
|---|---|---|
| デジタル経済化が進む現代では、データ分析と意思決定が重要です。企業の健全性やパフォーマンスを客観的に評価する「財務・会計」知識は、企業の戦略的意思決定に不可欠です。 | 消費者主導の市場では、マーケットトレンドを捉えた経営戦略が重要です。企業経営理論は、市場の動向や消費者のニーズを理解し、組織の柔軟な対応を可能にします。 | 「運営」は、効率的な業務プロセスや生産性向上を図るための重要な領域です。技術革新と結びつけることで、新しいビジネスチャンスやスタートアップの可能性が広がります。 |
| ・データドリブンなアプローチが重視されるため、ロジカルに企業の現状を把握できる「財務・会計」知識の需要が高いです。 ・テクノロジーの進化により、財務データの分析がより精緻に行えるようになり、そのスキルがより高く評価されます。 | ・消費者ニーズの把握とそれに基づく迅速な意思決定が求められる中。「企業経営理論」はその要求に応える基盤となります。 ・組織論の知識は、企業の成長や変革を支えるために必要不可欠な要素とされ、多くの有力企業で今まさに求められています。 | ・「運営」は他の2科目に比べて新たな知識が少なく、マンネリ化しやすく学習の動機付けが難しいです。 ・製造業人口の減少に加え、学習の効果や実用性が直接的に見えにくいことが、学習人気低下の原因となっています。 |
【R6運営総まとめ】解き直し不要で全問解説 / 「Ⅲ」の知識不要を後押し
「1次」全体を易化させ、なるべく苦労させずに「2次」進出させる中、一応「事例Ⅲ」知識のベースとなる「生産管理」の出題傾向は? その結果はズバリ「易化」です。
R6解き直し不要で全問解説~傾向変化まとめ~
①定番第1問の指標問題がなくなる
②生産管理は全体的に易しく新論点もなし
③店舗管理は超定番問題ばかりでド楽勝
④計算問題も易しく時間がかからない
⑤統計3マークが比較的易しく傾向変化に?
前提:R6全44マーク 4択正誤表
| 設問 | 領域 | 章 | 論点 | 正答率 | ア | イ | ウ | エ | オ |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 11 | 生産 | 2生産方式 | 1レイアウト(配置) | A | ○ | ||||
| 11 | 生産 | 2生産方式 | 1レイアウト(配置) | A | ○ | ||||
| 12 | 生産 | 2生産方式 | 1レイアウト(配置) | A | ○ | ||||
| 1 | 生産 | 2生産方式 | 2生産方式 | A | ○ | ||||
| 10 | 生産 | 2生産方式 | 2生産方式 | D | ○ | ||||
| 3 | 生産 | 3日程計画 | 0進捗管理 | D | ○ | ||||
| 33 | 生産 | 4調達計画 | 5小売店 | B | ○ | ||||
| 14 | 生産 | 4調達計画 | 3発注方式 | A | ○ | ||||
| 13 | 生産 | 4調達計画 | 4現品管理 | D | ○ | ||||
| 15 | 生産 | 4調達計画 | 4現品管理 | B | ○ | ||||
| 16 | 生産 | 5工数計画(IE) | 1工程分析 | C | ○ | ||||
| 17 | 生産 | 5工数計画(IE) | 1工程分析 | B | ○ | ||||
| 6 | 生産 | 5工数計画(IE) | 4時間研究 | E | ○ | ||||
| 8 | 生産 | 6生産業務 | 4設備(効率) | C | ○ | ||||
| 20 | 生産 | 6生産業務 | 5E環境 | B | ○ | ||||
| 21 | 生産 | 6生産業務 | 5E環境 | B | ○ | ||||
| 4 | 計算 | 2生産方式 | 3ライン生産 | C | ○ | ||||
| 2 | 計算 | 3日程計画 | 3PERT | C | ○ | ||||
| 5 | 計算 | 4調達計画 | 2部品表 | A | ○ | ||||
| 34 | 計算 | 4調達計画 | 需要予測 | C | ○ | ||||
| 7(1) | 計算 | 6生産業務 | 3検定 | B | ○ | ||||
| 7(2) | 計算 | 6生産業務 | 3検定 | C | ○ | ||||
| 19 | 計算 | 6生産業務 | 3検定 | D | ○ | ||||
| 9 | 計算 | 6生産業務 | 4設備(投資) | D | ○ | ||||
| 18 | 計算 | 6生産業務 | 業務的意思決定 | E | ○ | ||||
| 27 | 計算 | 8MD | 1予算計画(人時生産性) | B | ○ | ||||
| 28 | 計算 | 8MD | 1予算計画(粗利率) | A | ○ | ||||
| 31 | 計算 | 8MD | 1予算計画(粗利率) | C | ○ | ||||
| 22 | 店舗 | 7店舗 | 3商業集積(統計) | E | ○ | ||||
| 23 | 店舗 | 7店舗 | 1まち三法(都市計画) | B | ○ | ||||
| 24 | 店舗 | 7店舗 | 2その他 | B | ○ | ||||
| 29 | 店舗 | 8MD | 3ISM | B | ○ | ||||
| 32 | 店舗 | 8MD | 4店舗(陳列) | D | ○ | ||||
| 35 | 店舗 | 9物流戦略 | 2輸配送管理(手段) | C | ○ | ||||
| 36 | 店舗 | 9物流戦略 | 2輸配送管理(UL) | A | ○ | ||||
| 37 | 店舗 | 9物流戦略 | 1物流センター(機能) | A | ○ | ||||
| 38 | 店舗 | 9物流戦略 | 1物流センター(運営) | A | ○ | ||||
| 43 | 店舗 | 10販売流通情報Sys | 1店舗(RFM) | A | ○ | ||||
| 39 | 店舗 | 10販売流通情報Sys | 2販売コード(GTIN) | A | ○ | ||||
| 40 | 店舗 | 10販売流通情報Sys | 2販売コード(S1) | E | ○ | ||||
| 25 | 店舗 | 10販売流通情報Sys | 4食品リサイクル法 | B | ○ | ||||
| 26 | 店舗 | 10販売流通情報Sys | 5商取引(統計) | B | ○ | ||||
| 30 | 店舗 | 10販売流通情報Sys | 5商取引(古物営業法) | B | ○ | ||||
| 41 | 店舗 | 10販売流通情報Sys | 5商取引(資金決済法) | C | ○ | ||||
| 42 | 店舗 | 10販売流通情報Sys | 5商取引(個人情報保護法) | A | ○ |
とはいえ超高得点阻止のため、一定数は誤答させる必要がある。もしその誤答が「Ⅲ」に要らない知識とわかれば、次のR6「Ⅲ」も知識を書かせない前提で臨めます。
「事例Ⅲ」「生産管理」最新15マーク
全体を通じて新知識や悩む正答率Cランクがなく、DやEは当てさせない問題。ここで特に「事例Ⅲ」向け知識対策の意識は不要な。
レイアウト・生産方式 4マーク
R5「Ⅲ」で問われたレイアウト、生産性や収益性を大きく左右する生産方式は、「事例Ⅲ」で毎年問われる重要論点です。
日程計画 1マーク
日程計画は文章題こそ1マークですが、例年計算問題が多数出題され、「事例Ⅲ」ではレイアウトに並んで問われやすい重要論点です。
調達計画 4マーク
「事例Ⅲ」の定番フレーム「ニチ子と重代」のうち、在庫が多すぎたり、逆に材料が欠品して生産遅延を招く論点。テキストレベルの基本を押さえます。
工数計画 3マーク
生産管理→生産計画→工数計画のつながりに気づけば、「事例Ⅲ」のレイヤーミスを防げる。工程や動作を決めれば標準時間・標準原価計算が可能になり、後は稼働分析で時々現場を覗いてサボりをコントロールします。
生産現場 3マーク
生産管理(日程調達工数計画→進捗現品予実管理)をフレームワーク化しておけば、残りの工場あるあるがこの論点。品質Q・設備M・環境Eはこのレイヤーで扱います。
「事例Ⅲ」計算問題 最新12マーク
これまで出題が不安定で「1次」の鬼門とされた「検定」が、難易度低めの3マーク出題された。これで「事例Ⅲ」出題を予測し、的中させるスクールの登場を願いましょう。
ライン生産+生産統制 4マーク
正答率C=周囲の手が回っていないが、狙って解けばしっかり当たる。「事例Ⅲ」の計算出題に備えると、脳が賢くなる特典が付きます。
検定 3マーク
診断士の弱点とされた「検定」も、この易化の流れを受け「Ⅲ」で出題すれば知識の普及が一気に進む。ここは注目です。
工業簿記 2マーク
工簿1級の業務的意思決定会計の問題。もし「財務」で出せば「事例Ⅳ」予想問題として話題になりますが、「運営」で出すと手が回らず正答率が低くなる所が盲点です。
MD(人時生産性・粗利) 3マーク
「事例Ⅲ」に粗利率の計算出題はありませんが、人時生産性の計算は「Ⅲ」「Ⅳ」どちらも出題可能性有です。
「事例Ⅲ」対応不要:店舗管理 最新17マーク
冒頭の「5マーク1論点出題予想」で分かる通り、「店舗管理」は毎年決まって同じ論点から同じ問題を出すので、過去問の答を覚えてまるっと当たる。「1次」全7科目で最もイージーモードです。
店舗 3マーク
例年「まちづくり三法」「SCや商店街の統計」を中心に5マーク出ますが、3マークに削減されました。この調子でなくなっても構わない論点です。
MD 2マーク
家族でSCに出かけた時に、フィールドワークできる論点。学習上の重要性なし。
物流戦略 4マーク
設問文の冒頭に「物流センターの運営/機能」、輸配送管理の手段/ユニットロードと書いてあるので、どの論点かすぐわかり、過去問と同じ問題ばかり出る。4マーク中3マークが正答率Aです。
販売流通情報Sys 8マーク
8マーク中、正直どうでも良い法律知識が5マークですが、正答率が示す通り、ノー勉で当たるサービス問題です。
今日のまとめ
「生産管理」の詳細知識は実際の実務に関わる方が知れば良く、診断士試験上は基本知識を組み合わせ、与件企業の現状を知る手段に使う。そう割り切ればR6「事例Ⅲ」での、大きなハズレはありません。