西日本ではまだ体温超えの危険な暑さも、東京から北ではお先に一服。そしてR6「2次」進出のあなたも、「1次」再挑戦のあなたも、まず「財務」を総まとめしてクールダウンです。
R1 | R2 | R3 | R4 | R5 | R5-2 | R6 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
文章題 | 12 | 10 | 14 | 14 | 12 | 9 | 16 |
計算問題 | 13 | 15 | 11 | 11 | 13 | 15 | 9 |
計算を減らし文章題を増やすと、理論に触れる実務家・スクール有利に働く。これは現在進んだ「独学有利」をある程度是正する狙いが考えられます。
R6解き直し不要で全問解説~傾向変化まとめ~
①計算出題を減らし、学習法の変化を促す
②CVP(設問2)の応用出題で、R6「Ⅳ」も嵐の予感
③事業承継・M&A熱を受け、「Ⅳ」企業価値が本命
④ファイナンスの理論出題増で、スクール有利に
⑤会計理論問題増加で、簿記2級取得誘導へ
【盆休みブレイク】R6「財務」全問収録 / バツをマルに直すと題意に納得
わが「財務」と言えば、数値のファクトベースでデータドリブンする上でマストのスキル。その真骨頂が、事前予想してその乖離をすぐフィードバックする予実管理機能な。
5マーク1論点法で傾向変化を早わかり
・第11問経営分析 →計算がなくなり「Ⅳ」第1問も60字記述重視へ
・第7問間接法CF→「Ⅳ」で久々のCF計算書or資金繰り表出題に備える
・第12問(設問2)CVP分析 →「1個当たり目標営業利益」のアドリブ対応
・第17・18問投資案の選択 →NPVの理論出題に備える
・第21・22問企業価値 →R6「Ⅳ」出題予想の大本命
・第15・16・23問株価の計算→企業価値設問で関連出題もある
【企業会計原則、理論問題】
☆会計実務の基本~収益認識まで幅広く、R7再受験なら簿記2級取得が近道
Step-1:要復習11+復習不要14マークに分解
要復習の11マークは、どれも最新の「Ⅳ」に出ておかしくない計算問題が主。逆に復習不要の14マークは、自分のキャリアに不要と割り切れば不安が消えます。
設問 | 要復習 | 事例Ⅳ | 領域 | 論点 | ア | イ | ウ | エ |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
7 | ○ | 第1問 | 制度会計 | 間接法CF | ●計算 | |||
11 | ○ | 第1問 | 制度会計 | 経営分析 | 〇 | CFの合計には影響しない | 悪化 | 低下する |
12(1) | ○ | 第2問 | 管理会計 | CVP分析 | ●計算 | |||
12(2) | ◎新傾向 | 第2問 | 管理会計 | CVP分析 | ●計算 | |||
21 | ◎新傾向 | 第3問 | ファイナンス | 配当割引モデル | ●計算 | |||
22 | ◎新傾向 | 第3問 | ファイナンス | 配当割引モデル | ●計算 | |||
14 | 〇 | 第3問 | ファイナンス | WACC | ●計算 | |||
17 | 〇 | 第3問 | ファイナンス | 投資案の選択 | 〇 | |||
18 | 〇 | 第3問 | ファイナンス | 投資案の選択 | 〇 | キャッシュインに考慮する | 機会原価として考慮する | する必要がある |
23 | 〇 | 第4問 | ファイナンス | 株価の計算 | 〇 | |||
24 | 〇 | 第4問 | ファイナンス | オプション | ●計算 |
設問 | 要復習 | 要復習 | 領域 | 論点 | ア | イ | ウ | エ |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
13 | △ | ファイナンス | 資金調達 | 短期借入 | 〇 | 増資 | 減価償却費 | |
15 | △ | ファイナンス | 株価の計算 | 配当性向は安定 | 〇 | 配当額は変動する | ||
16 | △ | ファイナンス | 株価の計算 | 〇 | ||||
19 | × | ファイナンス | ポートフォリオ | 〇 | ||||
20 | × | ファイナンス | ポートフォリオ | 〇 | ||||
1 | × | 制度会計 | 収益認識 | ●計算 | ||||
2 | × | 制度会計 | 債権債務 | 〇 | 個別評価法 | 売掛金 | 未払金 | |
3 | × | 制度会計 | 有価証券 | ある | 〇 | 売買目的有価証券のみ | 取得原価 | |
4 | × | 制度会計 | 会社計算規則 | 資本準備金 | する | いない | 〇 | |
5 | × | 制度会計 | 給与計算 | 〇 | ||||
6 | × | 制度会計 | 引当金 | 〇 | 固定資産に表示 | 負債 | 棚卸資産 | |
8 | × | 制度会計 | 中小企業指針 | 〇 | 利害調整⇔投資家の意思決定 | 〇 | 〇 | |
9 | × | 制度会計 | 法人税 | できる | 益金、損金 | 〇 | に応じて | |
10 | × | 管理会計 | 個別原価計算 | 1570 | 360 | ●計算 | 950 |
Step-2:要復習11マーク個別解説
「事例Ⅳ」出題可能性のある要復習はわずか11マークで、そのうち計算問題が7マーク。新しい重要論点はまず計算で出題と覚えておきます。
「Ⅳ」第1問 経営分析+CF計算書
「Ⅳ」第1問「経営分析」には、同業他社比・前期比の2つのパターンがある。前期比出題の場合は2期BS+PLで「CF計算書」を作成できるので、セットで覚えます。
「Ⅳ」出題可能性のある間接法営業CFの計算です。PLの一部が使わないダミー条件と気づかないと、案外迷いそうです。
以下の資料に基づき、営業活動によるキャッシュ・フローの計算として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。 |
【資料】 (1)当期の損益計算書(一部抜粋)は次の通りである。なお、当期の減価償却費は30,000円であり、当期の営業外収益・営業外費用、特別利益・特別損失はゼロとする。 |
損益計算書(一部抜粋) 単位:千円 売上高 1,000,000 ←計算に使わないダミー 営業利益 200,000 法人税、住民税及び事業税 60,000 当期純利益 140,000 ←計算に使わないダミー |
(2)前期末および当期末の貸借対照表(一部抜粋)は次の通りである。 |
貸借対照表(一部抜粋) 単位:千円 前期末 当期末 売掛金 50,000 46,000 棚卸資産 30,000 33,000 買掛金 35,000 36,200 未払法人税等 30,000 30,000 |
×ア 112,200千円 ×イ 131,800千円 ×ウ 137,800千円 ○エ 172,200千円 |
従来財務諸表を与えて計算させた「経営分析」も、文章題で出す時代。「Ⅳ」第1問への好影響も考えられます。
× | →○ | |
×イ | には | の合計には |
×ウ | 改善 | 悪化 |
×エ | ため 変化しない | が 悪化する |
当期末に、新たに長期借入(借入後60ヵ月にわたって元利均等弁済)を行い、その資金全額で無形固定資産を購入したとする。他の条件を一定とするとき、この取引による財務諸表および財務指標への影響に関する記述として、最も適切なものはどれか。 |
○ア 1年内返済予定長期借入金が増えるので、流動比率は低下する。 ×イ 借入と投資が相殺されるので、投資活動によるキャッシュ・フローおよび財務活動によるキャッシュ・フローには影響しない。 ×ウ 固定資産が増加するため、固定比率は改善する。 ×エ 自己資本には影響しないため、自己資本比率は変化しない。 |
「Ⅳ」第2問 CVP分析
(設問2)は1個あたり目標営業利益150円との、(恐らく既存問題集では)未収録の初見論点です。「事例Ⅳ」もこのような盲点を突き、既存問題集偏重のお勉強では59点B評価以下になる設定です。
(設問1)はごく基本のCVPですが、2級工簿の標準原価計算に慣れていないと計算量が増えて、ミスを誘発します。
(設問2)を方程式で複雑に解くのでなく、標準原価計算の知識で限界利益率25%を求めると簡単に解けます。近年このように簿記知識を応用させる出題が「Ⅳ」で増えており、解き方を1つ1つ覚える古いノウハウ型が通用しなくなっています。
次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。 |
当社は、当期の実績に基づいて次期の利益計画を策定している。当期の実績データは以下の資料の通りである。 |
【資料】 売上高 @1,000×30,000=30,000,000円 変動製造原価 @550×30,000=16,500,000円 変動販売費 @50×30,000=1,500,000円 固定製造原価 6,000,000円 固定販売費及び一般管理費 3,000,000円 |
(設問1)損益分岐点売上高として、最も適切なものはどれか。なお、計算の結果が割り切れない場合には、小数第1位を四捨五入すること。 |
×ア 13,333,333円 ×イ 15,000,000円 ○ウ 22,500,000円 ×エ 27,000,000円 |
(設問2) ★新傾向 目標とする1個当たり営業利益150円を達成する販売量として、最も適切なものはどれか。なお、計算の結果が割り切れない場合には、小数第1位を四捨五入すること。 |
×ア 20,000個 ×イ 22,500個 ×ウ 30,000個 ○エ 36,000個 |
「Ⅳ」第3問 NPV設備投資+DCF企業価値
近年しつこく問われるサステナブル成長率を「Ⅳ」で使うなら、企業価値算定時の継続価値・定率成長モデルの成長率gです。こちらの例題でどうぞ。
近年頻出のサステナブル成長率は、ROE×内部留保率で求めるので5%×0.6で3%になる。そして期首の企業価値(=自己資本)3,000万円を3%成長させると、期末企業価値=3,090万円です。
サステナブル成長率 | 株主価値 | |
×ア | 2% | 3,060万円 |
×イ | 2% | 3,090万円 |
×ウ | 3% | 3,060万円 |
○エ | 3% | 3,090万円 |
C社の当期首の自己資本は3,000万円である。また、負債による資金調達を行っておらず、今後、外部からの資金調達を行わない予定である。当期のROEは5%、当期の配当性向は40%、株主の要求利益率は5%であり、これらは毎期一定とする。 C社の当期のサステナブル成長率と当期末の配当支払後の株主価値の組み合わせとして、最も適切なものはどれか。なお、本問において、当期のROEは当期純利益をお当期首の自己資本で除した値であり、配当は毎期末に支払われるものとする。 |
配当割引モデルのうち、定率成長する継続価値は「Ⅳ」企業価値計算で出題濃厚です。電卓手書きでなくエクセルで解けば深く正確に理解できる意味で、★新傾向としました。
D社の第11期期首において、第11期から第13期までのフリー・キャッシュフローは毎期末200百万円の定額であり、それ以降のフリー・キャッシュフローの成長率は毎期4%で一定と予測されている。 このとき、第14期以降のフリー・キャッシュフローの第11期期首における現在価値として、最も適切なものを下記の解答群より選べ。ただし、計算の結果が割り切れない場合には、小数第1位を四捨五入すること。なお、資本コストは8%であり、その複利現価係数と年金現価係数は以下の通りである。 |
×ア 3,675百万円 ×イ 3,822百万円 ×ウ 3,970百万円 ○エ 4,129百万円 |
単なるWACCの計算問題ですが、解答要求を「リスクプレミアム」と言い換えて迷わせます。リスクプレミアム=自己資本コストーリスクフリー・レートで、ファイナンスR6第19問が例題です。
A社の負債コストは2%、時価基準の負債比率(負債÷自己資本)は0.25、WACC(加重平均資本コスト)は6.28%である。A社の自己資本コストに含まれるリスクプレミアムとして、最も適切なものはどれか。なお、リスクフリー・レートは1%、法人税等の実効税率は30%である。 |
○ア 6.5% ×イ 6.9% ×ウ 7.5% ×エ 7.9% |
NPVとIRRについて、計算でなく理解がないと間違える問題。NPVについて、実際に計算はしませんがCIF100百万円が永続するので、なんとなくOKそうと決める。次にIRRの要求資本コスト10%=毎期80百万円のCFがあればよいので、100百万円ならOKと決まります。
内部収益率法 | 正味現在価値法 | |
○ア | 採択 | 採択 |
×イ | 採択 | 不採択 |
×ウ | 不採択 | 採択 |
×エ | 不採択 | 不採択 |
B社は、800百万円の初期投資を伴う投資案の実施を検討している。この事業を実施すれば、当期以降永続的に100百万円のキャッシュフローが毎期末に発生すると予想される。 この投資案に対する内部収益率法による採否と正味現在価値法による採否の組み合わせとして、最も適切なものはどれか。なお、資本コストは10%とする。 |
設備投資の経済性評価(=ほぼNPV)においては、意思決定の対象となる「差額原価・収益」が何かを見ていきます。ここの知識が抜けると「Ⅳ」で詰むので、理解できるまで要復習です。
× | →○ | |
○ア | - | 埋没コストとして、経済性評価において考慮してはならない |
×イ | 考慮してはならない | キャッシュインとして考慮する |
×ウエ | 考慮してはならない | 機会原価として考慮する |
投資プロジェクトの経済性評価に関する記述として、最も適切なものはどれか。 |
○ア 過去に購入した施設をプロジェクトに利用する場合、当該施設への過去の支出は、投資プロジェクトの評価において考慮してはならない。 ×イ 既存機械を売却して新型機械を導入するプロジェクトの評価において、既存機械の売却見積額を考慮してはならない。 ×ウ 現在未利用の施設をプロジェクトに利用する場合、他に賃貸した場合の賃貸料収入は、投資プロジェクトの評価において考慮してはならない。 ×エ 新製品プロジェクトにおいて、既存製品から新製品に顧客が移る、すなわち、「乗り換え」の影響を考慮してはならない。 |
「Ⅳ」第4問 文章題ポエム
「Ⅳ」第4問の文章題は、①ファイナンス ②会計理論 ③まったくそれ以外のどれか。近年の事業承継・M&Aブームで企業価値が最重要なので、関連するファイナンス論点は要復習です。
企業価値の求め方の文章題で、【 】の知識をそのまま覚えます。リアルビジネスで事業承継やM&Aが盛んになっており、必須の知識になります。
A | B | C | |
×ア | コストアプローチ | インカムアプローチ | 経常利益 |
×イ | コストアプローチ | マーケットアプローチ | 営業利益 |
○ウ | マーケットアプローチ | インカムアプローチ | 営業利益 |
×エ | マーケットアプローチ | コストアプローチ | 経常利益 |
次の文章の空欄A~Cに入る語句の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。 |
乗数法(マルチプル法)は、主力事業が類似している上場企業の乗数として、PER(株価収益率)や企業価値EBITDA倍率などを用いて企業や事業の価値を算定する手法であり、【A】に分類される。乗数法は、【B】に分類されるDCF法(割引キャッシュフロー法)による評価をチェックしたり、簡便的に評価額を求める目的で用いられる。 企業価値EBITDA倍率は、企業や事業の価値評価でよく用いられる乗数である。企業価値EBITDA倍率の分子の企業価値は、有利子負債総額と株式時価総額の合計から現金・預金を差し引いて計算されることが多い。また、分母のEBITDAは利払前・税引前・償却前の利益であり、簡便的には【C】に減価償却費を加えて計算されるので、資本構成の影響を受けない。乗数法に分類される類似会社比較法では、対象企業と類似した複数の上場企業の企業価値EBITDA倍率を算出し、その平均倍率に対象企業のEBITDAを掛けて、対象企業の評価額を算定する。 |
ドル買いのコールオプションの設問です。1ドル=140円だったのが今年1月で、2月には1ドル=150円を突破しているので、作問自体はかなり以前にされている証拠になりそうです。
A | B | C | |
×ア | 129円 | 135円 | 3,500円 |
×イ | 129円 | 135円 | 3,700円 |
○ウ | 135円 | 129円 | 3,500円 |
×エ | 135円 | 129円 | 3,700円 |
次の通貨オプションに関する文章の空欄A~Cに入る語句の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。 |
現時点の為替相場(直物)は1 ドル130円である。ドル建てで商品の仕入代金1,200ドルを支払う予定の企業が、決済日に1 ドル132円で1,200ドルを買うことができる通貨オプションを購入し、その対価としてオプション料100円を支払う。当該企業はイン・ザ・マネーであれば権利を行使するので、たとえば決済日の為替相場(直物)が【A】のときには権利を行使し、【B】のときには権利を行使しない。決済日の為替相場(直物)がAのときに権利行使した場合、通貨オプションを購入しなかった場合に比べて総額の円支出は【C】少なくなる。 |
Step-3:復習不要14マーク
学習時短推しの試験では、知識は総花的でなく大事な所に絞り込む。以下の設問は誤答選択肢をバツ→マルに直してそのくだらなさを確認次第、笑い飛ばして忘れてOKです。
ファイナンス5マーク
「事例Ⅳ」第4問ポエムとは、細かい知識の有無でなく、大きな流れが分かればマス目は埋まる。以下の知識は一度忘れてしまっても、その場のアドリブで何か書けます。
資金調達はまず外部⇔内部に分ける。次に内部を企業間・間接・直接の3つに分けるとスムーズです。
× | →○ | |
×ア | 株式分割 | 短期借入 |
×ウエ | 減価償却費 | 増資(下線部あべこべ) |
資金調達に関する記述として、最も適切なものはどれか。 |
×ア 株式分割と当座借越は、短期資金調達であり、内部金融に分類される。 ○イ 企業間信用とコマーシャルペーパーは、短期資金調達であり、外部金融に分類される。 ×ウ 減価償却費とファイナンス・リースは、長期資金調達であり、外部金融に分類される。 ×エ 増資と留保利益は、長期資金調達であり、内部金融に分類される。 |
クールに考えるとその通りなのに、本試験ではついカッとなりがち。誤答した人は、選択肢を冷静に見る習慣が必要です。
× | →○ | |
×アイ | (配当性向の)変動は大きく | 安定し |
×アエ | (配当額は)安定 | 変動が大きくなる |
毎期一定額の配当を支払う場合と比べた、業績連動型の配当政策に関する記述として、最も適切なものはどれか。 |
×ア 毎期の配当性向の変動は大きくなり、1 株当たり配当額の変動も大きくなる。 ×イ 毎期の配当性向の変動は大きくなり、1 株当たり配当額は安定する。 ○ウ 毎期の配当性向は安定し、1 株当たり配当額の変動は大きくなる。 ×エ 毎期の配当性向は安定し、1 株当たり配当額も安定する。 |
どちらかと言えば「法務」に近い、株式分割や併合に関する出題です。選択肢の国語はまぎらわしいので、誤答した方はテキストに戻って見直します。
A | B | C | D | |
×ア | 減少する | 減少し | 与える | 減少する |
○イ | 減少する | 変化せず | 与えない | 変化しない |
×ウ | 増加する | 変化せず | 与える | 増加する |
×エ | 変化しない | 減少し | 与えない | 減少する |
次の文章の空欄A~Dに入る語句の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。 |
株式分割によって1 株当たり株主価値は【A】。なぜなら、株式分割によって発行済み株式数は増加するが、株主の持分割合は【B】、また、株式分割は企業の資産内容やキャッシュ・フローに影響を【C】ため、株主の富がDからである。 |
安全資産⇔効率的ポートフォリオの組み合わせである「資本市場線」は、毎年少しずつ論点を変えて出ます。当問では「ミクロ経済学」の知識から投資家はC点を選択するので、リスクプレミアム=点Cー点B(正解○イ)です。
以下の図は、縦軸に投資の期待収益率、横軸に当該投資収益率の標準偏差をとった平面上に、効率的フロンティア、資本市場線、ある投資家の無差別曲線を描いたものである。そして、点Aは縦軸と横軸の交点、点Bは縦軸と資本市場線の交点、点Cはこの投資家の無差別曲線と資本市場線の接点、点Dは効率的フロンティアと資本市場線の接点である。 この投資家の保有するポートフォリオのリスクプレミアムに関する記述として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。 |
×ア 点Aと点Dの期待収益率の差の絶対値は、リスクプレミアムの大きさを示している。 ○イ 点Bと点Cの期待収益率の差の絶対値は、リスクプレミアムの大きさを示している。 ×ウ 点Bと点Dの期待収益率の差の絶対値は、リスクプレミアムの大きさを示している。 ×エ 点Cと点Dの期待収益率の差の絶対値は、リスクプレミアムの大きさを示している。 |
こちらも初見のトンチですが、リスク中立的=標準偏差の大小にはこだわらないと、その場で解釈する。すると期待収益率が同じ15%である点A+点B(正解○イ)を選べます。
以下の図は、縦軸に投資の期待収益率、横軸に当該投資収益率の標準偏差をとった平面上に、資産Aから資産Dのそれぞれのリスクとリターンをプロットしたものである。 リスク中立的な投資家が保有する際に最も望ましいと考えられる資産として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。 |
A | B | C | D | |
×ア | ○ | |||
○イ | ○ | ○ | ||
×ウ | ○ | × | ||
×エ | × | × | ||
×オ | × |
制度会計・企業会計原則等8マーク
「経営法務」知識で少し解ける以外は、簿記2級持ちか経理部勤務者でないと知らない。「事例Ⅳ」こそ簿記を求めないものの、これでもなお簿記2取得を嫌がると、万年ベテループの刑です。
「財務」第1問は例年「売上原価の算定」でしたが、R6はここ3年連続出題されている「収益認識」とのコンボ問題に。趣旨としては期末売掛金=(3)150,000ー(2)20,000=130,000円ですが、「Ⅳ」出題はないので苦手な人は迷わず捨てます。
以下の資料に基づき、当社が収益認識の基準として検収基準を用いている場合、当期の貸倒引当金繰入額として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。 |
【資料】 ⑴ 前期に出荷し、当期に顧客が検収を行った商品はなかった。 ⑵ 当期に出荷し、当期の決算日後に顧客が検収を行った額は20,000円である。 ⑶ 仮に出荷基準を用いた場合、当期末の売掛金残高は150,000円となる。 ⑷ 検収の結果、返品された商品はないものとする。 ⑸ 当期の決算整理前残高試算表における貸倒引当金勘定の残高は1,000円である。 ⑹ 貸倒引当金の繰入率は2 %とする。 |
○ア 1,600円 ×イ 2,000円 ×ウ 2,600円 ×エ 3,000円 |
なんと勘定科目名をそのまま聞く、簿記3級丸出しの設問。簿記ホルダーなら×イウエは何か変とすぐわかるので、逆にピンとこない方はそのまま捨てて構いません。
× | →○ | |
×イ | 財務内容評価法 | 個別評価法 |
×ウ | 未収入金 | 売掛金 |
×エ | 買掛金 | 未払金 |
金銭債権・金銭債務や経過勘定項目に関する記述として、最も適切なものはどれか。 |
○ア 一定の契約に従い、継続して役務の提供を受ける場合に、すでに提供された役務に対していまだその対価の支払いがなされていないものは、未払費用という。 ×イ 金銭債権が貸倒懸念債権に該当する場合、財務内容評価法により、貸倒見積高を算定しなければならない。 ×ウ 販売した自社商品の代金をいまだ受け取っていない場合に計上される勘定科目は、未収入金である。 ×エ 有形固定資産となる物品を購入し、その対価の支払いがなされていない場合に計上される勘定科目は、買掛金である。 |
簿記2級の超定番論点「有価証券」の出題です。これも経理部で仕訳を切る人には当たり前知識なので、実務に携わらない人はあえて捨てることにし、ヘタクソ暗記を避けます。
× | →○ | |
×ア | はない | がある |
×ウ | と関連会社株式 | (削除) |
×エ | 債券金額 | 取得原価 |
「金融商品に関する会計基準」に関する記述として、最も適切なものはどれか。 |
×ア 子会社株式については、連結財務諸表作成時に消去されるため、時価が著しく下落した場合であっても、個別財務諸表において評価損の計上を検討する必要はない。 ○イ その他有価証券に該当する株式は、貸借対照表上、投資その他の資産に属する資産として表示する。 ×ウ 保有する有価証券のうち、時価をもって貸借対照表価額とするのは、売買目的有価証券と関連会社株式である。 ×エ 満期保有目的の債券に適用する償却原価法とは、債券を債券金額より低い価額または高い価額で取得した場合において、取得原価と債券金額との差額が金利の調整と認められる場合に、当該差額に相当する金額を償還期に至るまで毎期一定の方法で債券金額に加減する方法をいう。 |
誤答選択肢は、正解選択肢の最小字数だけ変えて作る傾向がある。詳しくなりたい時は、正解選択肢より誤答選択肢に注目すると、効率的に覚えられます。
× | →○ | |
×ア | 利益準備金 | 資本準備金 |
×イ | しない | する |
×ウ | いる | いない |
「会社法」および「会社計算規則」における資本金の額等についての規定に関する記述として、最も適切なものはどれか。 |
×ア 株式会社の資本金の額は、株主となる者が当該株式会社に対して払込みまたは給付をした財産の額とする。ただし、払込みまたは給付をした額の2 分の1 を超えない額は、資本金とせずに利益準備金とすることができる。 ×イ 自己株式の取得は、配当可能限度額に影響しない。 ×ウ 資本準備金は、資本金に組み入れるために取り崩すことが認められており、その場合には、資本準備金がマイナスになることも認められている。 ○エ その他資本剰余金は、繰越利益剰余金のマイナスを補填するために取り崩すことが認められている。 |
○アが法定福利費、×イウエは福利厚生費(法定外福利費)となります。この出題意図は、「くだらない暗記が嫌なら、簿記3級→2級の順に学ぶといいよ」です。
従業員の給与の発生に関連して、法定福利費として計上するものとして、最も適切なものはどれか。 |
○ア 厚生年金保険料の事業主負担額 ×イ 従業員の通勤定期代の事業主負担額 ×ウ 住宅手当 ×エ 住民税の特別徴収の額 |
経理部でBSを作る人には必須の知識。診断士試験に出す意味は、簿記をやらない人への嫌がらせ以外は全くないです。
× | →○ | |
×イ | 一年基準によって分類して流動資産または | (削除) |
×ウ | として | ではなく負債に |
×エ | 有形固定資産 | 棚卸資産(販売用不動産) |
貸借対照表の表示に関する記述として、最も適切なものはどれか。 |
○ア 貸倒引当金が売掛金と短期貸付金に対して計上される場合、これらの資産の控除項目として、一括して記載することができる。 ×イ 繰延税金資産は、一年基準によって分類して流動資産または固定資産として表示する。 ×ウ 資産除去債務は、関連する有形固定資産の控除項目として表示する。 ×エ 中古不動産を販売する業者が販売用に保有している土地および建物は、有形固定資産として表示する。 |
大企業や公開企業(上場企業)のクソ細かい会計基準と違い、中小企業向けは大幅に緩和されます。×イは、中小企業では投資家の意思決定より内部の利害調整を重視するとわかる、良選択肢です。
× | →○ | |
×イ | 利害調整 | 投資家の意思決定(下線部あべこべ) |
「中小企業の会計に関する指針」に関する記述として、最も不適切なものはどれか。 |
○ア 「中小企業の会計に関する指針」では、一定の場合には法人税法で定める処理を会計処理として適用できるとしている。 ×イ 「中小企業の会計に関する指針」では、会計情報の役割として、利害調整に資することよりも投資家の意思決定に資することが重視されている。 ○ウ 「中小企業の会計に関する指針」は、中小企業が、計算書類の作成に当たり、拠ることが望ましい会計処理や注記等を示すものである。 ○エ 金融商品取引法の適用を受ける会社並びにその子会社及び関連会社は、「中小企業の会計に関する指針」の適用対象外である。 |
法人税や税効果の出題としてはごく基本の、テキストレベルの問題です。
× | →○ | |
×ア | できない | できる |
×イ | 収益 所得控除 | 益金 損金 |
×エ | とは無関係に | に応じて |
法人税に関する記述として、最も適切なものはどれか。 |
×ア 内国法人の各事業年度開始の日前5年以内に開始した事業年度において生じた欠損金額があっても、その欠損金額は、当事業年度の損金の額に算入することができない。 ×イ 内国法人の各事業年度の所得の金額は、その事業年度の収益の額からその事業年度の所得控除の額を控除した金額である。 ○ウ 内国法人は、納税地の所轄税務署長の承認を受けた場合には、確定申告書を青色の申告書により提出することができる。 ×エ 法人税の税率は、売上高や総資産、資本金とは無関係に定められている。 |
管理会計1マーク
2級工業簿記で最初に学ぶ個別原価計算の、初見で捻った応用問題です。「事例Ⅳ」計算問題も同様に、正しい知識がないと手も足も出ない応用問題を出すので、この問題が解けない方は「Ⅳ」に向いていません。
× | →○ | |
×ア | 1,070,000 | 1,570,000 |
×イ | 760,000 | 360,000 |
×ウ | 550,000 | 950,000 |
以下の資料に基づき、原価に関する記述として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。 |
×ア 8 月に増加した売上原価は1,070,000円である。 ×イ 8 月末の仕掛品は760,000円である。 ○ウ 8 月末の製品は400,000円である。 ×エ 9月に増加した売上原価は550,000円である。 |
今日のまとめ
特に受験&作問技術が鎬を削って進化する「Ⅳ」では、昨年と同じ準備で臨むと59点以下のB評価になる。今回のR6変化を見逃すと、ふぞろいな8割ループ送りの刑が確定します。