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【コピペ答案時代の得点差(Ⅱ)】老舗旅館のインバウンド対応による経営刷新と営業継続

事例Ⅱの作問は与件の根拠をひたすら増やしてダナドコ。そして根拠をひたすら詰め込むキーワード答案を嫌った出題側は、ターゲットとぶつける経営資源の紐付けを重視し、与件コピペのキレイな日本語答案に加点しだした。

ここまでは合格ボーダー以上の方なら誰もが知る話ですが、「いつまでもダナドコ」では本気で点差がつかないな。そう案じた出題側は「解答技術をどう刷新するか」の方向性も示し始めた様子です。

これからのマーケターには、単なるコピペに加えて何が必要? コピペ解答時代の得点差を見ていきます。

【コピペ答案時代の得点差(Ⅱ)】老舗旅館のインバウンド対応による経営刷新と営業継続

第1問 難度C ~出来が悪くて差がつかないが、ここに使った時間が事例の点差に

3Cとはいえ与件のコピペ。この150字で時間をロスすると、第2~4問の時間切れでドボン。

B社の現状について3C(Customer:顧客、Competitor:競合、Company:自社)分析の観点から150字以内で述べよ。

分析解説会との比較
EBA分析会では、3C分析の使い方は過去に出題例がなく、解答がブレて低得点になり、結果的に差がつかないと説明します。
コピペ答案では与件の抜きに徹するので、顧客面・競合面はまずまず。わざと「事例Ⅰ」っぽくした自社面は加点されません。加点答案例では、第2~4問へのつなぎを意識し、立地面に注目した編集です。

第2問 難度B ~与件のコピペを外すと失点に 

ターゲットの複数列挙はNG。すると後は与件の根拠をコピペするだけ

B社は今後、新規宿泊客を増加させたいと考えている。そこで、B社のホームページや旅行サイトにB社の建物の外観や館内設備に関する情報を掲載したが、反応がいまひとつであった。B社はどのような自社情報を新たに掲載することによって、閲覧者の好意的な反応を獲得できるか。今後のメインターゲット層を明確にして、100字以内で述べよ。

分析解説会との比較
当日作成したコピペ答案と、2週間練ったスクール解答が見事にピタリ。つまり根拠の勝手な言い換えや詰め込みよりも、何食わぬ顔で根拠を絞った与件のコピペが正解に。ここを間違うと大きな失点に。

第3問 難度B ~根拠を紐付ければイージー問題

第3問は昼の需要、第4問が夜の需要。そう切り分ければ後はコピペ。

B社は、宿泊客のインターネット上での好意的な口コミをより多く誘発するために、おもてなしの一環として、従業員と宿泊客の交流を促進したいと考えている。B社は、従業員を通じてどのような交流を行うべきか、100字以内で述べよ。

分析解説会との比較
第2問同様、根拠さえ正しく割り付けると、後はコピペになって差がつかない。

第4問 難度E ~どれが正解、どう加点されるかはっきりしない

当問の答えは1つではない。ただ使い残した根拠を迂闊に使うと無理が生じてドボン。

B社は、X市の夜の活気を取り込んで、B社への宿泊需要を生み出したいと考えている。B社はどのような施策を行うべきか、100字以内で述べよ。

分析解説会との比較
コピペ解答では、宿泊需要につながりそうな経営資源の列挙。加点答案例では、「B社の立地」「朝食に魅力があるから泊まっていって」をプラスαの加点要素に挙げています。この場合の採点基準は「何を書いたか」より、「誤った根拠をここで使わなかった」ことになるのでは。

今日のまとめ

従来型の与件コピペ、第2~3問の正答で60点のA答案に。後は第1、4問で使った根拠の数と解答態度で+αの加点。

診断士の「2次」では、周囲も書ける60~70点答案を狙って書く戦略が基本で、他人が書けない答案を書く必要はありません。ただし従来のダナドコ以外に点差がつくように、出題側が仕掛けを始めた様子はありあり。ここは今年の70~80点開示答案に書かれた内容に期待です。

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