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【コピペ答案時代の得点差(Ⅰ)】ファブレス電子機器メーカーの技術を支える実力主義の人事制度

与件の表現を言い換えず、なるべくコピペ。

直近の開示80点答案を見ると、見事なまでに与件のコピペ。すると全受験者5,000人の半数以上がコピペに殺到し、一見答案の点差がつかない。では5,000枚の答案がそっくり化した時、採点者はどこで点差をつけたくなるか。

当サイトが試験当日に作成した「コピペ答案」と、11/4(日)開催のEBAスクール解答分析会の内容を比べ、その差に迫ります。

【コピペ答案時代の得点差(Ⅰ)】ファブレス電子機器メーカーの技術を支える実力主義の人事制度

第1問 難度C ~点差がつく

「研究開発型企業」「競争戦略」に、半々に反応できればベスト答案に。

研究開発型企業であるA社が、相対的に規模の小さな市場をターゲットとしているのはなぜか。その理由を、競争戦略の視点から100字以内で答えよ。

分析解説会との比較
当サイトが当日作成したコピペ解答は、「競争戦略」に反応して5フォース一色ですが、これだと5割以下の得点に。加点答案例では、「ニッチ市場」「競争回避」を押さえた上で、研究開発型企業→開発投資負担が大→特定市場集中まで言及し、A社戦略の納得性を高めています。

第2問 難度B ~与件コピペで差がつかない

過去~現在を聞く問題は、与件コピペ全盛の時代では差がつかない。

A社の事業展開について、以下の設問に答えよ。
(設問1)
A社は創業以来、最終消費者に向けた製品開発にあまり力点を置いてこなかった。A社の人員構成から考えて、その理由を100字以内で答えよ。

分析解説会との比較
設問文「A社の人員構成から考えて」から、「技術者が9割」を最初に書くことがマストに。残りも与件をコピペするので、点差がつきません。

(設問2)
A社長は経営危機に直面した時に、それまでとは異なる考え方に立って、複写機関連製品事業に着手した。それ以前に同社が開発してきた製品の事業特性と、複写機関連製品の事業特徴には、どのような違いがあるか。100字以内で答えよ。

【要求解釈】
第4段落に「売切り型の事業の限界を打ち破る」と明記しています。そこで消耗品ビジネスと大枠を決めると、後は与件の根拠を拾えばOK?
【コピペ解答例】
違いは、製品売切り型と消耗品継続型の差にある。①取引先や顧客の声を反映させた受け身の製品を売切る以前に対し、②情報通信技術の進歩と市場の変化を先読みし継続的な取引を実現した。(87字)
【加点解答例】
特に差がない。

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分析解説会との比較
製品売切り型→消耗品継続型の違いが明確。言い回しの差はあっても与件のコピペ全盛の時代では有意な点差がつきません。

第3問 難度C ~点差がつく

後継者の育成をここで使うと70点答案に。

A社の組織改編にはどのような目的があったか。100字以内で答えよ。

分析解説会との比較
コピペ解答例では、「コピペと知識を並べてどれだけそれっぽく」を狙ったため、出題者の意図を正しく汲めていません。加点解答例も与件のコピペですが、製品開発部門長への権限移譲→後進の育成につなげており、ここに踏み込むと70点答案になります。

第4問 難度D ~確実合格への勝負問

ズバリ1次知識を列挙する勝負問。現行人事制度の弱みを見抜き逆提案をすると◎の満点答案に。

A社が、社員のチャレンジ精神や独創性を維持していくために、金銭的・物理的インセンティブの提供以外に、どのようなことに取り組むべきか。中小企業診断士として、100字以内で助言せよ。

分析解説会との比較
コピペ解答では、与件の表現を列挙して1次知識で言い添え、「内発的動機付け」でまとめました。加点解答例では、一見成功例(強み)になっている現行人事制度が直近10年の事業停滞の原因と指摘し、①新卒採用 ②個人→チーム評価への転換に踏み込んでいます。

今日のまとめ

100点を取る試験ではない。だから多少のミスは当然で、そこをくよくよ悩んでも意味がない。そこで60点のA答案とはどれ位で、どこを書けば頭一つ抜ける70点のS答案に届いたか。

もうそんなこと、わざわざブログに言われなくても、誰でもわかる時代です。

与件に忠実に、しっかりコピペをすれば60点。
与件に忠実に、出題意図を正しく汲めば+αの70点。

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