「中小」が取れて晴れて企業診断士。活躍の場は2倍以上です。

【超良問H24に学ぶ】「事例Ⅳ」のセオリー

「事例Ⅳ」には定石セオリー。

何言ってんだよ。「Ⅳ」出題はランダムでルーレット。そう言ったのはオマエだぞ。

いえそうでなく。今日紹介する「セオリー」は、60点を狙う受験側ではなく、出題側の台所事情と持ちネタの話です。

「Ⅳ」を30~80点あたりに正規分布させたい台所事情+持ちネタ

  1. 出題(教育)したいのは、①経営分析 ②CVP ③NPV ④ファイナンスの4つ。
  2. 出題して良い知識は、1次「財務」出題済の範囲まで。
  3. 出題相手には、過去問5~10年分の答えを覚えた猛者揃い。
  4. 過去問そっくりを避け、簿記知識偏重もNG。
  5. かつ今後5年間、診断士受験者のお手本になる作問を。

出題側も大変そう? いえ、例えばH29の様に「論点はセオリー通りでも、計算が煩雑」。会計プロの試験委員にとり、計算量で難度調整する位は朝飯前です。

だから難しい計算で「うぷっ」となる前に、「事例Ⅳ」で聞かれる論点のセオリーを先に押さえる。それに最適なのが、良問「H24」です。

H24「事例Ⅳ」

後継者難の旅館オーナーに、追加投資or事業承継を具体提案。

さてこのH24、初めて挑戦しても解けません。というか、本番受験者5,000人全員にこんな問題、80分で解けるワケない。と思わせた難問。

でもこの難問、「感心した」「何度も解き直した」「早く診断士になりたくなった」との感想が聞こえてくる良問なんです。それはね、

「Ⅳ」で教える解法セオリーを網羅しながら、
そのストーリー仕立てが見事だから。

今日のまとめ

  • このH24、まず普通は解けません。
  • 予想PLだって、当時はそうそう作れません。
  • 企業価値の計算式を知らなきゃ解けません。
  • もし知ってても時間が足りず解けません。

ではなぜこんな出題? それはね、計算過程を丁寧に採点すれば実力通りの点差がつく。そして今後5年受験者のお手本になるなら、答案5,000枚の丁寧な採点位は喜んで(?)。

あぁ、なんて教育愛に満ちた試験なんだ!

おっと、そんな勘違いは禁物。出題セオリーの定石は掴んでも、計算難度は年により難易ブレブレなのが「Ⅳ」。そのブレのリスクをどう管理するか? 明日も「Ⅳ」シリーズです。