診断士「1次」、特に「運営」の易化が進み、過去問5年分を解いておけば深く考えなくても合格420点を大きく超える。このとき、「時間はかかるが必ず正解」できる計算問題に注目します。
それがどこまで正かは別として、近年の「1次」は易しすぎるので、思ったほどにスキルが伸びない。そこで「時間を掛けて計算を当てる」効果を狙います。
| 難易度A(エクセルですぐ解ける) | 難易度B(エクセルでもやや悩む) | 難易度C(毎回試行錯誤が必要) |
|---|---|---|
| 部品表 製品を構成する部品や材料の一覧表で、階層構造を持ちます。エクセルの表形式で整理し、数量や部品番号を管理することで、容易に作成・管理が可能です。 | PERT プロジェクト管理手法の一つで、作業の順序や所要時間をネットワーク図で表し、最短完了時間を求めます。エクセルでネットワーク図を作成し、クリティカルパスを特定するには、作業の依存関係や所要時間を適切に入力・管理する必要があります。 | ラインバランス効率 生産ラインの各作業ステーションの作業時間を均等化し、全体の効率を高める手法です。エクセルで以下の計算式を用いて算出できます。 ラインバランス効率=(各作業ステーションの作業時間の合計 ÷ (最長作業時間 × 作業ステーション数))× 100 |
| 商圏分析 特定の店舗や施設の周辺地域(商圏)の人口、世帯数、所得水準などを分析する手法です。エクセルでデータを集計・分析し、グラフ化することで視覚的に把握できます。 | ジョブショップ 多品種少量生産における生産スケジューリング手法で、各作業の順序や機械の割り当てを最適化します。エクセルでガントチャートを作成し、スケジュールを組むことが可能ですが、作業順序やリソースの制約を考慮する必要があります。 | 線形計画法(Linear Programming) 複数の制約条件下で目的関数を最適化する数学的手法です。エクセルのソルバー機能を用いて解くことが可能ですが、モデルの構築、制約条件の設定、目的関数の定義など、高度な理解と試行錯誤が必要です。 |
| 相乗積 売上構成比と利益率を掛け合わせて、各商品の利益貢献度を評価する指標です。エクセルで以下の計算式を用いて算出できます。 相乗積=売上構成比 × 利益率 | フローショップ 同一の作業順序で製品を生産するライン生産方式で、作業の流れや機械の配置を最適化します。エクセルで作業ステーションごとの処理時間を管理し、全体のスループットを計算することが可能です。 | |
| 交叉比率 在庫回転数と粗利益率を用いて在庫の効率性を評価する指標です。エクセルで以下の計算式を用いて算出できます。 交叉比率=(売上高 ÷ 平均在庫高)× 粗利益率 | 経済的発注量(EOQ: Economic Order Quantity) 在庫管理において、発注コストと在庫維持コストを最小化する最適発注量を求める手法です。エクセルで以下の計算式を用いて算出できます。 EOQ=√(2 × 年間需要量 × 発注コスト ÷ 在庫維持コスト) | |
| 工数計画IE(Industrial Engineering) 作業の標準時間を設定し、生産計画を立てる手法です。エクセルで作業ごとの標準時間を集計し、生産能力や必要人員を計算しますが、作業分析や時間測定の理解が求められます。 | ||
| 設備効率 設備の稼働率や生産性を評価する指標で、稼働時間、停止時間、加工数量などを用いて算出します。エクセルでデータを集計し、以下のような指標を計算します。 設備総合効率=(実稼働時間 ÷ 計画稼働時間)×(実績生産数 ÷ 理論生産数)×(良品数 ÷ 実績生産数) | ||
| リフト値 マーケティングやデータ分析で用いられる指標で、ある施策の効果を測定します。エクセルで以下の計算式を用いて算出できます。 リフト値=(施策実施群の反応率 ÷ 施策非実施群の反応率) |
「運営管理」の計算問題は特定論点だけなので、過去問を使えばヤマが当たる。そこでいつものように論点別にまとめて一気に解きます。
生産方式&レイアウト
ラインバランス効率とは、生産ラインにおける各作業ステーションの作業負荷をできる限り均等に分配することで、待ち時間や遊休を削減し、生産性の最大化を図る考え方です。
こう書くと10点満点
作業工程ごとの標準時間に基づき、タクトタイムを超えないように作業を組み合わせ、ボトルネックの発生を抑えつつ、最小限の人員と設備でスムーズに生産が流れる状態にする。
3工程直列型生産ラインにおけるライン編成を下記に示す。この編成に関する記述として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。ただし、ライン生産は、最も効率が良い状態で運用されるものとする。
【ライン編成】
・第1 工程は、作業時間4 分の作業Aと、作業時間6 分の作業Bで構成されている。
・第2 工程は、作業時間3 分の作業Cと、作業時間4 分の作業Dで構成されている。
・第3 工程は、作業時間2 分の作業Eと、作業時間7 分の作業Fで構成されている。
ライン編成効率の計算問題は頻出かつ難問かつ良問。与えられた文から自分で図を描いて説明できるスキルを伸ばします。
日程計画
限られた設備や人員の中で納期を守りつつ生産効率を高めるために、製造工程の作業順序や作業開始時刻を適切に定める手法であり、対象の生産形態に応じてジョブショップ型、フローショップ型、PERTといったアプローチが取られる。
こう書くと10点満点
各作業の依存関係や作業時間を正確に把握した上で、クリティカルパスを意識しながら負荷の分散や設備の最適配分を行い、納期遅れを発生させずにリードタイムを最短化した計画を策定・運用できている。
ジョブショップ・スケジューリング
フローショップ
PERT
下図は、あるプロジェクトにおけるPERT図の一部を切り出した図である。作業Aの作業時間は3 日であり、作業Aはクリティカルパス上にある。PERT計算に関する記述の正誤の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
PERTについての、計算というより理論問題。Aがクリティカルパス=最も時間がかかるボトルネックと捉えると、×adの嘘に気が付きます。
線形計画法
調達計画
生産に必要な資材や部品を過不足なく、かつ経済的に調達することを目的とし、部品表を基に構成部品の必要量を逆算しながら、発注のタイミングやロットを経済的発注量を用いて最適化していく手法です。
こう書くと10点満点
製品別の部品構成が正確に管理されており、リードタイムや在庫回転率を考慮したうえで、発注頻度と保管コストのバランスが取れた発注量が設定され、余剰在庫・欠品が発生せず安定供給が可能である。
部品表
下図は、最終製品XとYの部品表であり、( )内は親品目1 個に対して必要な部品の個数である。製品XとYを2 個ずつ生産するときの必要部品数量に関する記述として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
部品表にしてはひっかけのない、イージーレベルの計算問題です。
発注計画、経済的発注量
ある商品の需要予測量を、移動平均法(過去3 期の平均)と指数平滑法(平滑化係数=0.8)によってt期(当期)まで計算した結果、下表のとおりとなった。この条件に基づいて計算するt+1期(翌期)の需要予測量に関する記述として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
指数平滑法の計算式を教える良問。試験上は×アイウの移動平均法は違う、×エの72も多分違うと、消去法で当たります。実際には以下で計算し、移動平均より指数平滑法が正確と当たりをつけます。
工数計画(IE)
工数計画は、IE(Industrial Engineering)の視点から作業分析を行い、標準作業時間の設定やムダの排除を通じて必要人員や稼働時間を算定し、生産の効率化と労働生産性の向上を目指す手法です。
こう書くと10点満点
作業観察や動作分析に基づいた科学的かつ実践的な工数算出がなされており、ラインごとの人員配置や工程改善が合理的に行われ、作業時間のバラつきがなく、生産計画に対して過不足なく稼働・出荷ができている。
品質Q・設備M
品質と設備効率の管理は、工程や製品におけるばらつきを統計的に分析することで品質水準を保ちつつ、設備の稼働時間や稼働率を最大化して生産性を高めることを目的とします。
こう書くと10点満点
抜き取り検定や工程能力指数(Cp, Cpk)に基づく品質評価がなされ、異常の早期発見と改善活動が徹底されており、かつ設備総合効率が可視化されてダウンタイムを最小限に抑え、安定した高稼働・高品質体制が確立されている。
検定
設備効率・設備投資
ある製品を製造するための設備の候補として、生産能力が異なる設備AとBがある。それぞれの設備の生産能力、製造固定費、製造変動費単価は下表のとおりである。この2 つの設備の製品需要量に関する優劣分岐点QAB(個/年)として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
ただし、製品の販売単価は500円/個とする。解答に際しては、製品の需要量が生産能力を超えた場合には売り逃しが生じることに注意すること。
設備の優劣分岐はCVP分析の応用になるので、「Ⅳ」計算問題の一種と考えます。
店舗管理17マーク
商圏分析
MD・予算計画
下表は、ある雑貨店の販売実績などを商品分類別にまとめたもので、売上高、粗利率、平均在庫額(売価ベース)が記載されている。この表に記載された商品分類の中で、最も交差比率が低い分類を下記の解答群から選べ。
交差比率=在庫回転率×粗利率と覚えるための計算問題。計算するとすぐ使えるようになる良問です。
下表は、4 つの店舗における、ある期間の売上高、粗利高、従業員数、総作業時間をまとめたものである。各店舗で作業を効率化するためのシステムを導入し、1 人当たりの作業時間を変えずに従業員を1 人ずつ減らした場合、売上高と粗利高が変わらないとすると、システム導入前と比べて人時生産性で最も改善額が大きい店舗を下記の解答群から選べ。なお、ここで人時生産性は粗利高で算出するものとする。
人時生産性は、人数・作業時間のどちらでも計算できるようにしておく。エクセル計算すれば短時間ですぐ覚えます。
物流
POSデータ(リフト値)
今日のまとめ
| 認知機能 | 初見計算問題での向上 | 過去問暗記での向上 |
|---|---|---|
| 問題解決力・論理的思考 | 高――多様な解法パターンの構築と応用 | 低――暗記パターン外では対応困難 |
| ワーキングメモリ容量 | 中~高――複雑手順を一時保持・操作 | 低――短いフレーズ記憶に限定 |
| 注意制御・エラー訂正能力 | 高――自己モニタリングと切り替えが頻繁 | 低――同一条件下での再生にとどまる |
| 転移学習(他領域への応用力) | 高――新規課題へフレキシブルに知識・スキルを適用 | 低――学習した問題形式以外では発揮しにくい |
| 長期的定着・理解の深さ | 高――生成効果により記憶結合が強固 | 中――反復により記憶は定着するが理解は浅い |
近年「1次」4択マークを簡単にし過ぎた結果、脳の同じ所ばかり使うので教育効果がどうも今一つ。そこで初見計算問題強化で「考えるクセ」を促す意図がある?そう考えるとあの「Ⅳ」大ボーナスや作問採点基準変更の狙いが透けて見えます。