体験記のポールポジション
+ペースセッター
採点基準が再び進化し、合格者をガラリ入れ替えたと噂される当試験。最新の「筆記」合格体験記第1号は、受験中から情報を提供いただいたTA様に、無理を言ってお願いしました。
体験記のポールポジションを取ると、
それがペースセッターになる。
誰かが体験記を先に書くと周囲の参考になり、より優れた体験記が続き、薄いものは省かれる。つまり第1号ペースセッターが充実するほど、その年の体験記全体の質が高まります。
TA様は「1次」3回「2次」2回、独学+通学を両方こなした経験豊富な方で、注目は昨年の体験記平均をどれだけ超えてくるか。ではどうぞ。
【合格体験記】1次3回、2次2回。多年度化する「遠回りポイント」はこれ ~TA様
1. 診断士に挑戦した理由・きっかけ、年齢(任意)
39歳の会社員(IT営業)のTAです。
これまで2回(①2017年二次受験後、②2018年一次受験後)体験記を投稿しましたので、内容が一部重複しています。これらを踏まえつつ、今年の二次受験までをざっと振り返りたいと思います。
きっかけは、過去に2年ほど、ITとは異なる分野でコンサル業務に携わっていたことがあり、自由な発想で主体的に仕事を創り上げていく楽しさが忘れられず、またああいった仕事がしたい、と思っていました。
ふと思いつきで2015年に診断士試験を記念受験したところ、たまたま3科目(経営、財務、情報)合格したことから本格的に資格取得を目指すことを決意しました。
2. 学習開始時の知識・保有資格、得意科目・不得意科目、「1次」科目別点数(合格年)
いわゆる多年度生です。各年の状況を表に整理します。
それでは、合格した今になって感じる「遠回りしたポイント」を整理し、年を追って説明します。
遠回りポイント①
必要な一次知識を備えていない
結局2018年に再受験するまで、知識が不足していたことになります
遠回りポイント②
学習姿勢が受け身。
自分にとって試験合格に必要な知識や能力がわかっていない、補えていない状態だったと思います
遠回りポイント③
ゴールが見えていない
当然、そのためのアプローチもわかっていない状態です
遠回りポイント④
力み過ぎ
上記①~③のとおり能力が不足していたことに加え、本番で本来の力を発揮するための準備が不十分でした
2018年、「1次」を受けるか、「2次」に特化するか悩みました。
この年合格したスクール仲間から「診断士はゼネラリストだから、自分は7科目受験にこだわった。今年落ちていても7科目受験するつもりだった。」と聞きました。
ぼんやりと「自分にも「1次」7科目受験が必要ではないか」と考え、2018年は7科目受験に舵を切りました
3. 学習スタイルとそのメリット・デメリット
私の場合、独学で始めたものの、こなしきれないと考えてスクールに通学し、その後独学に戻りました。
スタイルごとのメリデメはありましたが、遠回りポイント同様、行き着くところは以下3点だと思います。※「As is/To be」のイメージです。
- ゴール(合格する姿)がイメージできているか
- 正しいアプローチ(勉強内容・方法)ができているか
- 学習習慣(推進力)が身に付いている
各年のスタイルと姿勢、メリデメ
4. 2次筆記合格までの受験回数、学習時間とその作り方
【受験回数】
2回目(2017年、2018年)
【勉強時間(2次)】
2016年:211時間(ほぼスクール)
2017年:555時間(過去問演習+スッキリ1級他財務会計関連)
2018年:338時間(過去問演習+スッキリ1級)
【学習時間の作り方】
平日は通勤時間や移動時間、終業後に時間を確保しました。コワーキングスペースに寄って勉強し、勉強を継続することを意識していました。
休日はなるべく公民館の学習室に行き、半日程度勉強することが多かったです。
5. 2次筆記合格までの学習法
多年度のため少しずつ変わっていきましたが、最終的には次のようになりました。
【1次】
本サイトの記事にもあるように、過去問を使ってインプットしました。診断士として正しい知識を備え、考え方や思考の方向性を身につけることもできたのではないかと思います。
【2次】~過去問演習+解釈練習
①過去問演習 ②チェック・振り返り ③過去問演習の繰り返し
昨年も今年も、文字にするとやっていることは同じですが、昨年は「できなかったこと」を中心に改善していきましたが、今年は「できていないこと(足りていないもの)」ができるように意識しました。※学習姿勢の「能力開発」部分にあたります。
昨年は以下を事例単位、設問単位で確認し、修正していました。
設問を正しく解釈できた、できなかった
正しい一次知識を使えた、使えなかった
論理的に書けた、書けなかった
今年はそこから一歩踏み込み、以下を考えて必要な能力やスキルを備えるよう取り組みました。
なぜ解釈できなかったのか
なぜ知識が使えなかったのか
なぜ論理的でないのか、読みづらいのか
100点を目指す試験ではないものの、点を取らなければ合格しないので、得点の最大化を意識した結果、取り組み方もこのように変化しました。
【2次】~学習ツールやシート
ファイナルペーパーは昨年と違うものになりました。また「要求分類シート」と「一発合格もくじシート」を活用したことが大きかったと思います。
6. 学習時・試験当日のエピソード
昨年の「2次」でパニックになったこともあり、当日本来の力を発揮できるように注意しました。「難関試験に一発合格する人の本番力」という本を読んで、直前に特に意識した節は「人生は思いどおりにいかない、と考えておくこと」でした。
この試験ですでに2回経験したことで、骨身にしみていましたが、遠回りポイント④のとおり、力みすぎないことは「得点を最大化させる」上で重要なことだと肝に銘じました。その結果、ほど良い緊張感で臨むことができました。
席も一番前で見通しがよかったことも良い影響があったかもしれません。
7. これから合格を目指す方へのアドバイス
アドバイスなどおこがましいですが、いろんなキャリアやバックグラウンドを持っている人が多いので、月並みですが、自分に合った方法を見つけるしかないと思います。
- ゴール(合格する姿)がイメージできているか
- 正しいアプローチ(勉強内容・方法)ができているか
- 学習習慣(推進力)が身に付いているか
初めから見通しを立てられ、ストレート合格できる人もいらっしゃいますが、私はやりながら視野を広げていくしかできませんでした。私にとっては成長に結びつける必要な期間だったと考えていますが、もしかしたら短縮できたかもしれません。
もしこの体験記の一部でも役に立ち、3年が2年、2年が1年と、少しでもどなたかの短縮につながれば幸いです。