「Ⅱ」はスト生有利、「Ⅲ」は経験者有利。
この噂は本当かい?
A:従来はそうでした。「事例Ⅰ~Ⅲ」をレイヤーで眺めると納得です。
事例の本質 | 戦略傾向 | レイヤー1⃣ 戦略レベル |
レイヤー2⃣ 解答要求 |
レイヤー3⃣ 解答方針 |
知識適用力 | 互角 | 事例Ⅰ 全社戦略 |
組織作り 傾聴力 変化の認識 |
知識 物知り博士 上から見下ろす |
変化対応力 | スト生有利 | 事例Ⅱ 営業活動 |
儲かる仕組み 市場創造 拡大・成長 |
その場の機転 明朗活発 外向きハツラツ |
安定品質 | 経験者有利 | 事例Ⅲ 生産活動 |
解決実行 原因追及 収束・安定 |
ノウハウ 無口で真面目 内向きコツコツ |
「事例Ⅰ~Ⅲ」は伊達に3つ並ぶのでなく、
それぞれ違うスキルを受験者に課し、その合格価値を高める。
各事例の要求を突き詰めると、「その場の機転」のⅡ=スト生有利、「ノウハウ」のⅢ=経験者有利で確かに納得。ところが、得点開示世代=70点再現答案から学習を始めるスタイルが中心になると、こんな古臭いモデルは一掃。
そこで一歩先行くミライで自分が勝つために。①「事例Ⅰ~Ⅲ」をレイヤー化して自分の強みを探し、②そこから勝ち方を選んでみるのはいかがでしょう?
Part 1:自分の強みを3択~どの事例が得意?
Ⅰ→全社経営戦略、Ⅱ→営業活動、Ⅲ→生産活動で考える。
多数派が考える「事例の構成」 →「Ⅰ組織・人事」「Ⅱマーケ」「Ⅲ生産」とヨコに並べて考える。 |
「Ⅰ~Ⅲレイヤー」の捉え方 →「Ⅰ全社経営戦略」を一番上、「営業」「生産」をタテに従属させる。 |
※ただしⅣは今回考慮外。
深く分析するため、表のタテヨコを少し工夫。
解決課題 | 解決姿勢 | 達成目標 | |
事例Ⅰ | 組織作り | 傾聴力 | 変化の認識 |
事例Ⅱ | 儲かる仕組み | 市場創造 | 拡大・成長 |
事例Ⅲ | 解決実行 | 原因追及 | 収束・安定 |
先の表の「解答要求」をさらに3分割すると、「Ⅰ~Ⅲ」はこう並ぶ。
解決課題 →組織作り、儲かる仕組み、解決実行の順 |
解決姿勢 →傾聴力、市場創造、原因追及の順 |
達成目標 →変化の認識、拡大・成長、収束・安定の順 |
すると。「Ⅰ~Ⅲ」の出題パターンじゃだいたい読める(=ストーリー化して覚えやすい)ぞ。
事例Ⅰ: 組織作り→傾聴力→変化の認識 今の組織が何かギクシャク。既に答えを持つA社長の自説を拝聴。 |
事例Ⅱ: 儲かる仕組み→市場創造→拡大・成長 市場創造至上主義。そのための根拠もターゲットも豊富に用意。 |
事例Ⅲ: 解決実行→原因追及→収束・安定 安定重視の生産部門は、環境変化に常に後手。さてどう改革するか。 |
Ⅰ~Ⅲの違いをレイヤー化すると、解答方針にも違い。
必要能力 | 思考タイプ | 解答態度 | |
事例Ⅰ | 知識 | 物知り博士 | 上から見下ろす |
事例Ⅱ | その場の機転 | 明朗活発 | 外向きハツラツ |
事例Ⅲ | ノウハウ | 無口で真面目 | 内向きコツコツ |
必要能力 →知識、その場の機転、ノウハウの順。 |
思考タイプ →物知り博士、明朗活発、無口で真面目の順。 |
解答態度 →上から見下ろし、外向きハツラツ、内向きコツコツの順。 |
面白いのは、「事例Ⅰ」⇔「Ⅲ」を比べた違いは、過去の「初学スト生」⇔「受験経験者」の違いにピタリ重なること。得点開示前の傾向でいえば、
スト合格者 →主に「Ⅰ」タイプ。知識、博識、やや上から目線。暴れる。 他に「Ⅱ」タイプも。 |
受験経験者 →「Ⅲ」タイプ。ノウハウ、真面目、内向きコツコツ。堪える。 |
一般に「組織が得意!」「マーケが得意!」と自分で決めつけがちだけど、そうでなく。
- 3事例が要求するスキルはそれぞれ異なる。
- 得意は伸ばすが、意識して不得意事例に取り組む。
- すると3事例バランス良く、自分のスキルが伸びる。
「2次」筆記はテストというより教育機関。この試験、知れば知るほど、意外と良くできてるな。そう感じ始めたらしめたもの。
Part 2 :今年の合格スタイルを仮決め
- 知識の適用度 ~聞きたい知識を知ってる・使える。
- 変化の対応度 ~不測や初見の事態に対応できる。
- 安定品質 ~同じ問には同じ答えを返す(答案の再現性)
ぶっちゃけ極端な話。今の「2次」は、「1知識」なら全知識、「3安定品質」ならふぞろい。合格レベルの受験者は、この2つ(またはそれに準じるモノ)をフル活用して「2次」に臨むから、ここではもう差がつかないぞ。
それでね。「2変化の対応」方針は、主に以下の2パターンある。
ノウハウ重視派: 私たち合格者はこう考えるのです! |
知識重視派: そんなの大きなお世話。お前と一緒にするな。 |
初見や不測の事態に直面した時。
- 過去のパターンに沿って処理するか
- 自分の知見から新たな組み合わせで対応するか
この2つは相反し、最後の局面では相容れない。10月本番でどちらにするか、どこかで決めなきゃいけないぞ。
今日のまとめ
「スト生の弱点」。そう大層なタイトルつけても、「事例Ⅰ~Ⅲの違いが不明なまま本試験突入」なんて、得点開示前のカコの話。
70点再現答案の入手から始まるイマの「2次」対策では、レイヤーレベルの技術の違いは本試験の点差にならない。
するとこれからミライの点差は、いよいよ「現場対応力」の勝負へ。さぁ、努力・実力順に合否を決める時代まで、あと一息。
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