診断士試験の初学優遇・学習時短・2次ガチャ化が進むほど、「2次」と無関係かつ実務の役にほとんんど立たない、これら3科目の学習人気は右肩下がり。そこでなぜ学ぶ?の割り切りが重要です。
これからのビジネスパーソンが「中小」を学ぶ意味こそゼロですが、「経済」「法務」は真面目にやるとそれなりに楽しめる。しかし4択マークがド易化されると、最小学習量で済ませられます。
ビジネスとの関わりの低下 | それによる試験の易化 | |
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経済学はミクロマクロともに理論的な内容が多く、企業の個別意思決定や現場の課題解決に直結しにくい傾向があります。特に、実務で求められるデータ分析や迅速な意思決定において、経済学の知識が直接的な役割を果たす機会が少なく、学習意欲が低下しています。 | ①「経済」 | 受験生の負担を軽減するため、経済学は過去よりも基本的な理論を中心とした易しい問題が出題されています。これにより、受験者が経済科目を敬遠する傾向を抑える一方で、学習価値が低く見られる結果となり、人気がさらに低下しています。 |
法務は契約や企業設立など限られた場面に使う知識が多く、日常的な企業活動や意思決定において汎用性が低いと認識されています。加えて、法律特有の専門的な内容や解釈に時間を要することから、受験生にとって実務との結びつきが感じにくい分野です。 | ②「法務」 | 法務は特定の場面で役立つ科目であるため、受験者の興味を引き続ける工夫が求められています。そのため、基本的な出題やケース問題を増やし、難度を下げることで合格率の調整が図られています。しかし、この易化方針が結果として試験科目としての地盤低下を招いています。 |
中小企業経営・政策は、政策知識が中心であり、日々進化するデジタル技術やグローバル市場のトレンドと結びつきにくい点が課題です。特に中小企業に併せた施策は、多くの大企業における実務では周回遅れと感じさせることが多く、学習意欲が低下しています。 | ③「中小」 | 中小企業特有の知識を問う問題は受験者が敬遠する傾向があるため、政策や施策を理解する基礎的な出題に重点を置き、難度を下げています。しかし、これが学習価値をさらに低下させる要因となり、受験生にとっての優先順位が下がる悪循環が生じています。 |
【2025年ループ問題⑤】「1次」不人気科目3選 / 試験に出るので仕方なく(経済・法務・中小)
まず前提としてビジネスがデジタル化、データ全盛の時代に入り、数学の素養は避けて通れない。その先行指標になるのが大学人気の「理高文低」な。
理系の即戦力性の優位性 | 日本の厳しい経済状況により、即戦力や効果が早く出る人材が求められ、大学で学んだことが職場で直接活かしやすい理系の方が有利となっている。 |
高卒人材の重要性 | コミュニケーション能力などが重視される場面では、高卒人材が育成可能でコストも抑えられるため、企業が採用する傾向が強まっている。 |
学歴フィルターと文系の課題 | 文系は即戦力を測りにくく、面接や筆記試験で判断されるため、結果的に学歴フィルターが強化される傾向にある。 |
専門職のニーズの変化 | 製造業や研究分野では専門性が必要で理系が有利。文系では法学部や公認会計士のような分野に限定され、理系の選択肢の幅広さが目立つ。 |
文系における理系的スキルの必要性 | データサイエンスや統計など、文系でも理系的なスキルが求められる場面が増え、理系での学びが今後のキャリア形成において有利となる。 |
特にR3までの「法務」は「民法」を必要以上に難化させて不人気化を加速し、「中小」に至ってはそもそも資格登録後に学べば良い知識。今日はこのようなヘタクソ出題が招いた末路を調べます。
不人気①:「経済学」
現状では「要らない」「詰まらない」「ビジネスの役に立たない」と散々な経済学ですが、文系科目の中の理系要素が強い点に注目。つまりA→B、B→Cの三段論法の因果関係を学べる所が強みです。
経済学は抽象的な理論やモデルが中心であり、実務への即応性が乏しいと認識されています。一方で、経営学部や商学部は、マーケティングや会計、組織管理など実務に直結する内容を学べるため、受験者の関心が移行しています。
デジタル化やDXが進む現代において、迅速に変化する市場環境に対応できる実践的なスキルが重視されます。経済学のマクロ視点や理論中心の内容は、これらの時代のニーズと合致しないため、学習優先度が低下しています。
経済学はデータ分析や数量的手法を含むため、文系の中で数学的な思考力を育成する科目として注目されています。ビッグデータやAIが台頭する中で、経済学の数量的な分析スキルは再評価される可能性があり、長期的には人気の回復が期待されます。
不人気②:「法務」
特にグローバルな大企業における契約や知財の知識は高度に専門化して、ジョブ型雇用のトップを進む。診断士程度のにわか知識で余計なコトを言わないことです。
契約や知的財産権に関する高度な法律知識は、弁護士や司法書士などの専門家に任せるべきです。診断士は、自ら判断するのではなく、問題を適切に整理して専門家に引き継ぐ橋渡し役としての役割を重視します。これにより、誤った助言や余計な介入を避けると同時に、中小企業が正確かつ効率的に課題を解決できる環境を整えます。
診断士に必要とされるのは、抽象的な民法全般の知識よりも、契約書作成や契約交渉の実務的なポイントです。例えば、取引条件の設定、リスク回避の方法、簡潔で効果的な契約文言の構築など、実務に直結するビジネスローのスキルを習得することで、中小企業の現場で即戦力として活躍できます。
企業設立や組織変更に関わる会社法の基礎知識は、自らが起業する際において重要であり、優先的に学ぶべき分野です。また、知的財産権や特許権などを守る産業財産権の知識は、競争優位を築くための戦略的ツールとなります。これらの知識を深めることで、中小企業に対し、法的リスクの回避だけでなく、成長戦略の支援も行える診断士が求められています。
不人気③:「中小」
「中小企業経営・政策」を本気で学ばせたいなら「2次」の1科目として出せばよく、しかし出した所で資格の人気を下げるだけ。イマドキの受験者にそれだけ高を括られている点に、ここの試験委員は猛省すべきです。
「中小企業白書」の内容は、確かに政策や現状分析には価値がありますが、実際の企業経営や現場での経営改善には直接的なつながりが少ないと受験者は感じています。試験ではこの白書から多くの知識を求められる一方で、それが実務で即役立つわけではなく、抽象的な理論や数値に偏った内容が多いため、学習意欲が削がれることになります。これが「お役所仕事」的な印象を与え、科目の不人気につながっています。
中小企業政策はしばしば補助金や助成金の提供に焦点が当たることが多いですが、これらの施策が実際にどれだけ中小企業の成長や競争力向上に寄与しているかについて疑問を抱く受験者も多いです。特に、施策が一時的で効果が薄いとされるケースが多く、結果的に受験者は政策に対して冷めた視点を持つことになります。さらに、これらの政策がビジネス現場でどれだけ重要視されているのか疑問を感じているため、試験勉強をする動機付けが弱く、不人気の要因となっています。
中小企業診断士の資格を取得する目的は、企業経営に貢献するための実務知識を身につけることですが、「中小企業経営・政策」に関連する学習が、現代の企業経営の実情に即していないと感じる受験者が増えています。特に、実務志向の受験者にとっては、学ぶべき内容が後付けだったり、時代遅れと感じられるため、この科目に対する魅力を感じにくいです。この結果として、資格全体の人気が低下し、受験者が資格そのものに対する価値を見いだせなくなる恐れがあります。
今日のまとめ
生成AIの普及につれ、AIによるリプレースにおびえるホワイトカラーに、イマドキ不要な知識を学ぶ意欲は沸いてこない。「経済」「法務」「中小」の試験委員にはこんなヘンテコ国家試験の名に甘えず、人気を挽回する作問の工夫が強く求められます。