D運営 J事例Ⅲ

【最後の2択】事例Ⅲ知識(中) / あわててαとぼんやりβ

毎年変わる作問採点基準を当てることこそ無意味でも、仮説や可能性を探ることの意味はある。そこで【なぜ試験はベテから落とすのか】を検証します。

Q
4択マークの「1次」知識は、ある程度あっさり覚えてふんわり当たる。そして「2次」では一転、余計な所を覚えすぎるとむしろ落とされる
A

それは試験合格にムキになるほど見事に8割落とされる、当試験の露骨な【ベテ落とし】のことですね。ではおベテが苦手な【検定】知識で説明しましょう。

①間違って×にするのがαエラー②「1次」をド緩和しバンバン合格③間違って○にするのがβエラー
生産管理や検定の観点から見ると、実際には問題がないのに問題があると判断するαエラーが増えると不必要な対策やリソースの浪費につながるため、αエラーを最小限に抑えます。近年の診断士「1次」では、αエラーを避けるために多少の実力不足があっても合格させ、「2次」の2割ガチャにおける8割の敗者(競争試験における分母)の数を増やします。診断士「2次」では、試験合格を目的化したベテを誤って合格させると誤った受験ノウハウを流布するため、1ーβ=エラー検知力を高めてベテ合格を防ぎます。

【最後の2択】あわててαとぼんやりβでエラー発見 / 生産管理の正答率CD対策(後)

2次「事例Ⅰ~Ⅲ」とは、事例A~C社がぼんやり見過ごすβエラーを見つけ、正しい知識に直す試験。そこで正答率CDをバンバン的中させる、「1次」500点組の優位が際立ちます。

スコアの上げ方スコアUPの利点
正答率CDの問題は、一目で正解がわからず、多少の検討が必要な問題です。これらの問題では、選択肢を慎重に比較検討する必要があります。①正答率CDに注力正答率CDの最後の2択では正解を選ぶのでなく誤答を見つけて落とす消去法を用い、これでエラー検知力が高まります。
最初に、4択の中で明らかに誤っている2つを×にします。これにより選択肢が絞られ、最後の2択で正答率が半々になります。②明らかな誤答を外して2択に絞る明らかに誤っている2つを最初に落とすことでエラー検知力が上昇し、仕事でも情報の正誤がわかってきます。
最後に残った2択を吟味し、正しいものを選ぶのではなく、誤答になっている箇所を見つけ出してそれを除外します。③誤りを丁寧に探して消去法隣のふぞろいが気づかない誤答を見つけることで正答率が上がり、この自信がついて「2次」も合格しやすくなります。

Q品質 CDランク1選

R2第6問 QC7つ道具 Cランク

工場での加工品の長さを測定して、そのヒストグラムを作成した結果、下図の①~③が得られた。その原因を調べたところ、おのおのについて以下のa~cの事実が明らかになった。
【原因】と【結果】の組み合わせとして、最も適切なものを次ページの解答群から選べ。

abc
【原因】2 つの機械で生産した加工品が混合していた。規格を超えている加工品について手直しをしていた。一部の工具に破損が見られた。
【結果】例えば機械Aが平均値50mm、機械Bが平均値55mmで動作している場合、ヒストグラムに50mm付近と55mm付近の二つのピークが現れます。→①例えば、規格が45mm~55mmで、これを超える製品は手直しされて50mmに揃えられると、50mm付近の頻度が高くなる一方、規格外の部分の頻度が減ります。→③破損した工具が異常な長さの製品を生産するため、標準分布と異なる外れ値が発生してヒストグラムの一部に長い尾部が現れることがあり、分布が歪みます。→②
選択肢と解説
工場での加工品の長さを測定して、そのヒストグラムを作成した結果、下図の①~③が得られた。その原因を調べたところ、おのおのについて以下のa~cの事実が明らかになった。
【原因】と【結果】の組み合わせとして、最も適切なものを次ページの解答群から選べ。
【原因】
a 2 つの機械で生産した加工品が混合していた。
b 規格を超えている加工品について手直しをしていた。
c 一部の工具に破損が見られた。
abc
×ア
〇イ
×ウ
×エ
×オ

初見の難問でさえ、グラフも見ずにサラリと答え、さらに解説までわかりやすい生成AI。これは続く解説も期待できそうです。

M設備 CDランク5選

R1第20問 設備(効率) Dランク

TPM に関する記述として、最も適切なものの組み合わせを下記の解答群から選べ。

×a 製品のライフサイクル全体を対象とし、災害ロス・不良ロス・故障ロス等あらゆるロスを未然に防止するしくみを構築する。○b 設備効率化を阻害している7 大ロスを時間的ロスの面から検討し、設備の使用率の度合いを表した指標が設備総合効率である。×c 経営トップから現場の作業員まで全員参加の重複小集団活動を行うことが特徴で、職制にとらわれない自主的なサークル活動である。○d ロスを発生させないために行う活動の1 つが計画保全活動で、設備が停止した場合の損失影響度を複数の角度から設備評価基準に基づいて評価し、最適保全方式を決める。
TPMが対象とするのは「製品」でなく「設備」であるという、盲点的なひっかけです。
TPMは製品ではなく設備のライフサイクルに注目し、設備の効率化と故障の未然防止を実現します。その通りです。この内容はTPMでなく、QC活動の説明です。その通りです。
選択肢と解説
×→○
×a製品設備
×c(主語入れ替え)TPMQC活動
abcd
×ア×
×イ××
×ウ×
×エ×
○ア

4択abcdのどれか2つが嘘つき選択肢。正解選択肢○bdもどこか嘘くさいので、×acのバツを見つけて消去法にする設問です。

R4第19問 設備(効率) Cランク

TPM(Total Productive Maintenance)に関する記述の正誤の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。

×a 設備の高度化・複雑化に対応するために、生産部門と独立して保全部門を強化することが故障の未然防止につながる。×b 保全の技術・技能を高め、設備のMTTRをより長く、またMTBRをなるべく短くするような活動を進めることにより、故障ゼロ、不良ゼロを目指す。〇c 設備総合効率は設備の実力を把握するための指標で、7 大ロスを数値化したものである。〇d トップから第一線従業員に至るまで全員が参加し、重複小集団活動により実施する。
「独立」でなく「連携」であるという、盲点的なひっかけです。
TPMでは設備の高度化・複雑化に対応するために、生産部門と保全部門が独立ではなく連携し、全員参加で保全活動を行います。MTTR(平均修復時間)は設短くすることが望ましく、MTTRとMTBFがあべこべになっています。その通りです。その通りです。
選択肢と解説
×→〇
a独立連携
bMTTRMTBF(下線部あべこべ)
abcd
×ア
×イ
×ウ
×エ
〇オ

同じ4択abcdの嘘つき探しでも、作問技術が進化するとバツが2つとは限らない?そこで明らかな誤答(例えば×b)を一つ決め、残り選択肢の組み合わせで最後の2択(例えば×a)でバツをします。

R1第18問 設備(保全) Dランク

生産保全の観点から見た保全活動の実施に関する記述として、最も適切なものはどれか。

×ア 偶発故障期にある設備の保全体制として、部品の寿命が来る前に部品を交換し、故障の未然防止を図る必要があるため、予知保全体制を確立することが重要である。○イ 初期故障期にある設備では、設計ミスや潜在的な欠陥による故障が発生する可能性が高く、調整・修復を目的とした予防保全を実施する。×ウ 設備の故障率は使用開始直後に徐々に増加し、ある期間が過ぎると一定となり、その後劣化の進行とともに故障率は減少する。×エ 定期保全とは、従来の故障記録などから周期を決めて周期ごとに行う保全方式で、初期故障期にある設備に対して実施される。
初期に故障が多いとする一般常識で納得させておき、実は初期故障は徐々に減るとするバスタブ曲線の知識であっと言わせます。
偶発故障期にある設備では、部品の寿命が予測しにくいため、予知保全よりも状況に応じた予防保全や事後保全が適しています。予知保全は、主に摩耗故障期の設備に対して行われます。予防保全は初期故障期に対する適切な保全活動であり、TPMの観点からも適切な記述です。設備の故障率は一般的に「バスタブ曲線」で表され、初期故障の状態から徐々に下がって一定となります。定期保全とは、従来の故障記録などから周期を決めて周期ごとに行う保全方式で、主に偶発故障期や劣化故障期にある設備に対して実施されます。
選択肢と解説
×→○
×ア偶発故障期摩耗故障期
×ウ増加減少(下線部あべこべ)
×エ初期故障期偶発・摩耗故障期

故障
設備が次のいずれかの状態になる変化。a)規定の機能を失う,b)規定の性能を満たせなくなる,c)設備による産出物や作用が規定の品質レベルに達しなくなる。

JIS Z8141-6108

予知保全だ予防保全だと、ただでさえ覚えにくい所を、診断士受験のホワイトカラー様が使うことはまず一生ない。万一「Ⅲ」に出ても慌てない程度の最小限で対応な。

R2第19問 設備(保全) Cランク

保全体制と保全費に関する記述として、最も適切なものの組み合わせを下記の解答群から選べ。

×a 故障が頻発しているような状況では費用の多くが故障の修復に使われるため、保全費のうちでは改良のための費用の比率が高い。〇b 設備が安定稼働するようになると状態監視保全によって不具合の原因を事前に処置できるようになるため、事後保全費が下がる。×c 状態監視保全の結果の解析が進むと、時間計画保全の周期が短くなり、保全費全体は減少する。〇d 設備保全活動に必要な費用で、設備の修理費、点検・検査にかかる保守費用、保全予備品の在庫費用等の総称が保全費である。
簿記2級の知識がないと、改良と修繕で何が違うかがわかりにくくなっています。
故障が頻発している状況では、費用の多くが故障修復や緊急対応に使われる。つまり改良よりも修繕費用が増加します。その通りです。状態監視保全の結果の解析が進むと、むしろ時間計画保全の周期を最適化し、必要に応じて長くすることができます。その通りです。
選択肢と解説
×→○
×a改良修繕
×c短く長く

落ち着いて選択肢を眺めると、実は事前知識がなくても国語で解ける。近年の「事例Ⅲ」もこの傾向が強まっています。

R5第19問 設備(保全) Dランク

保全体制と保全費に関する記述として、最も適切なものの組み合わせを下記の解答群から選べ。

〇a 点検を除いた、清掃、給油、増し締めの3 項目は、自主保全で設備劣化を防ぐための基本条件と呼ばれる。×b 自主保全は、設備を使用するオペレーター自身が保全活動を行って、設備の自然劣化を抑制する活動である。×c 「自主保全の7 ステップ」の中の最初のステップは、自主保全の仮基準を作成することである。〇d 自主保全活動の中には、清掃や検査等の保全が困難な箇所を特定し、これらを効率化する活動が含まれる。×e 自主保全では、改良保全の考え方を積極的に取り入れて、設備故障を抑制する。
保全とその用語の定義について細かく訊かれており、一旦後回しにしてよい設問です。
その通りです。自主保全は、オペレーターが日常的な保全活動を行うことで、設備の早期劣化を防ぎ、異常の早期発見を目指す活動です。自然劣化を完全に抑制するわけではありません。自主保全の7ステップの最初のステップは、初期清掃(設備の徹底的な清掃と点検)です。仮基準の作成は3つ目のステップになります。その通りです。自主保全は主にオペレーターが日常的な清掃や点検を通じて設備の状態を維持し、予防保全活動を行うことを目的としています。改良保全は専門技術者が行う活動であり、自主保全の直接の範疇ではありません。
選択肢と解説
×→〇
×b保全活動を行って、設備の自然劣化を抑制する活動設備の自然劣化に気づいて、保全活動を行うこと
×c自主保全の仮基準を作成初期清掃
×e改良保全予防保全
abcde
×ア
×イ
×ウ
○エ
×オ

×bはやや難で、自然劣化自体は防ぐことはできません。なお全体を通じ、ここまでの暗記は不要です。

E環境 CDランク3選

R1第26問 環境 Cランク【暗記不要】

食品リサイクル法、およびその基本方針(平成27 年策定)に関する記述の正誤の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。

〇a 主務大臣は、再生利用等が基準に照らして著しく不十分であると認めるときは、食品廃棄物等多量発生事業者に対し、勧告、公表、および命令を行うことができる。×b 食品リサイクル法の基本方針では、再生利用等を実施すべき量に関する目標を、資本金規模別に定めている。〇c 食品リサイクル法の基本方針では、食品廃棄物等の再生利用よりも発生抑制を優先的な取り組みとして位置付けている。
中小企業関連の法制や会社法では資本金規模別で分けることが多く、ひっかかりやすい選択肢になっています。
その通りですが、暗記不要です。食品リサイクル法の基本方針では、その目標は資本金規模別でなく、事業の種類や規模、排出する食品廃棄物の特性などに基づいて定めます。その通りですが、暗記不要です。
選択肢と解説
×→○
×b資本金規模業種
abc
○ア
×イ
×ウ
×エ
×オ

同じ正答率CDランクでも、真面目に当てにいくべき論点と、そうでなく鉛筆コロコロで済ませるものと2つある。ここから3問続く環境CDランクは、全て後者です。

R2第22問 環境 Dランク 【暗記不要】

環境保全に関する記述として、最も適切なものはどれか。

×ア ISO14001 の基本的な構造は、環境マネジメントを継続的に改善していくためのPDCA サイクルで、トップが定めた方針に基づいた現場における取り組みを重視し、ボトムアップ型のマネジメントを想定している。〇イ エコアクション21 とは、環境マネジメントシステム、環境パフォーマンス評価および環境報告を1 つに統合したもので、中小事業者でも環境配慮に対する取り組みが展開でき、その結果を「環境活動レポート」として取りまとめて公表できるようにするための仕組みである。×ウ 環境会計とは、物品等の調達に当たって価格や品質などとともに環境という視点を加えて、環境負荷の低減に努めている事業者から購入する活動を促進するため、各製品の環境負荷に対する影響を可能な限り定量的に測定し公表する仕組みである。×エ 環境マネジメントシステムとは、環境保全に関する取り組みを進めるに当たり、が定めた環境に関する方針や目標の達成のために、工場や事業所内に構築された組織の計画・体制・プロセスのことである。
×アウエともテキスト外の細かい所を訊いており、実務で携わっていないと正誤を判定しにくい選択肢になっています。
環境マネジメントシステム(EMS)は、ボトムアップではなく、トップが定めた方針に基づいて現場での取り組みが行われます。その通りです。選択肢の説明は環境会計ではなく、グリーン会計の説明です。環境会計は、企業が環境保全に関連する活動にどの程度の費用をかけ、どのような効果を得たかを定量的に把握し、報告する仕組みです。環境マネジメントシステム(EMS)は、国が定めた方針や目標にした額ものではなく、各組織が自主的に環境方針や目標を設定します。
選択肢と解説
×→○
×アボトムアップトップダウン
×ウ環境会計グリーン購入法
×エ企業や団体

試験中に○イを選ぶのは難しくても、試験後に×アウエの間違いを知るとははーんと納得。これを「一般常識クイズ」と呼びます。

R5第20問 環境 Dランク 【暗記不要】

「エネルギーの使用の合理化及び非化石エネルギーへの転換等に関する法律」に関する記述の正誤の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。

×a この法律に規定されている管理の対象となるエネルギーは、化石燃料と非化石燃料の2 つである。〇b 非化石燃料の中には、水素およびアンモニアが含まれる。×c エネルギー使用量が一定以上の特定事業者は、中長期計画で定めたエネルギーの削減目標の達成が義務付けられている。〇d 認定を受けた事業者は、複数事業者の連携により削減したエネルギーの量を、事業者間に分配して報告することができる。〇e 工場等におけるエネルギー使用の合理化措置の中には、「化石燃料及び非化石燃料の燃焼の合理化」や「放射、伝導、抵抗等によるエネルギーの損失の防止」が含まれる。
そもそもテキスト外の一般常識クイズ問題で、「燃料」⇔「エネルギー」の違いでひっかけるのは、正直疑問に感じる設問です。
省エネ法の管理対象が化石・非化石の2つである所はあっていますが、その後に続くのは燃料(狭義)でなくエネルギー(広義)です。その通りです。エネルギー使用量が一定以上の特定事業者は、中長期計画で定めたエネルギーの削減目標を提出することが義務付けられていますが、その達成は義務付けられていません。その通りです。その通りです。
選択肢と解説
×→〇
×a燃料エネルギー
×c達成提出
abcde
×ア
×イ
×ウ
×エ
〇オ

出題はしてみたものの、その誤答選択肢は覚える気をなくすほどヘタクソ。これを「この論点は深い学習は不要との、出題者のサイン」。そう好意的に受け止めるのがコツな。

今日のまとめ

Q
ねぇ、今日は「生産管理」のCDランク9問をまとめて生成AIに解説させたけど、M設備が「事例Ⅲ」で深く訊かれることはなく、E環境に至っては一般常識クイズ。これでホントにスコアが伸びるの?
A

今日の生成AIが教えてくれたのは、覚えるべき正解知識ではなく、嘘つき選択肢を見破るエラー検知力(1ーβ)。その上で明日の【日程・調達・工数】CDランクを解くと、「Ⅲ」のスコアをダダ上げです。

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