GWにもし1日2h時間を取れるなら、間違いなく「Ⅳ」計算問題を解くのが良い。そこでまず全問解説エクセルをDLします。

簿記知識抜きで解く1級計算問題

難化・変化する「Ⅳ」対策として挑戦したい1級計算問題集は、当然簿記2知識を前提とする上、1問解くのに60分かかることもザラ。そこでどんな難問でも「最も正しい1つの解き方」に決まるエクセル解説を用意しました。

C経営

【朝の10分、倍速5分:経営④】狙い目はふぞが苦手な組織論 / A→B、B→Cの因果を読み解く国語力

年度末の多忙な中でも、おめざの朝は貴重な学習ボーナスタイム。ふぞの苦手な組織論の強化で今年の「事例Ⅰ」を楽勝にできる、大プレゼントを用意しました。

Q
「事例Ⅰ」の作問採点上、R3(2021)年印刷業者の「互恵対等」を除き、R4農業法人→R5蕎麦屋→R6運送会社と連続で「どうにも冴えない従業員を」「どう煽ててヤル気にさせるか」の組織論で加点の傾向が強い。いつも切れ味鋭い推論をありがとうございます。
A

これは「たまたま240点合格ちゃんを」「先生!先生!と煽ててヤル気にさせる」程度では、半年足らずでモラールダウンのふぞの惨状を見れば明らか。そして意地でも並列列挙のふぞに全く足りない、A→B、B→Cの因果関係の有効性を確かめます。

①1次緩和を受け2次の採点を工夫②キーワード加点±国語で加減点③自ら考えさせる「問題解決型」へ
2020年の経済財政諮問会議では、1次試験の難度緩和が提言されました。この提言により、受験者の多様な実力を考慮しながらも、試験全体の「質と格」を維持する必要性が生じます。従来のキーワード一律加点方式では、答案における論理構成や記述力(つまり受験者がどのように問題を整理し考察しているか)を十分に反映できないという問題点がありました。この変動制採点基準は、その恣意的変動―つまり試験が2割の運ゲーガチャになる一方で、実力上位5%の確実な合格を実現するために有効であったと考えられます。
そのため、試験全体のレベルを保つために、次のステップとして「2次」採点基準の見直しが検討される流れとなったと考えられます。そこで、答案の構成や記述力で加減点する要素を取り入れ、毎年見直す変動制採点基準を導入し、より柔軟かつ実力を正確に評価できる仕組みを構築したと推測されます。また単なる知識詰め込みではなく、受験者自身が自らの考えを展開し問題解決に取り組む「問題解決型」の姿勢を促す効果も見込まれたと推論されます。

【朝の10分、倍速5分:経営④】狙い目はふぞが苦手な組織論 / A→B、B→Cの因果を読み解く国語力

生来オツムが小さいためにネット情報の波に耐え切れず、やたら「決定版!」「絶対合格!」と決めつけて思考をショートカットしたがるのが、隣のふぞろい道場。そこで朝の10分、倍速5分の組織論聞き流しで、一生モノの思考格差を確定します。

「1次」全科目を通じ重要論点は年1マーク出すので、少し気を利かせれば「2次」で押さえておくべき論点は「自分で考えながら」整理ができる。これに生成AIを組み合わせると、ベテふぞ相手のE社・D社を不要にできる程度はわかるな?

バーナードの組織3要素

組織成立には共通目的、協働意欲、効果的なコミュニケーションの三要素が不可欠であり、これらが連動することで意思統一と業務遂行が実現されます。

こう書くと10点
各要素が均等に機能し、全員が明確な目的意識を持ち、円滑な情報伝達と協働体制が整備されている状態を実現する。

Q
R5再試験第12問 バーナード(組織の3要素)
C. I. バーナードやH. A. サイモンなどによって展開された組織均衡論に関する記述として、最も適切なものはどれか。
A

バーナードの組織3要素とセットで、「誘因と貢献」を覚える。当問はさらにその上級知識「有効性と能率」にも触れています。×ウが細かい知識になっていて、組織参加者それぞれの目標が達成されると「能率」、組織全体の目標が達成されると「有効性」です。

誤答選択肢とその訂正

×ア 組織が成立・存続する1 つの条件は、それぞれの参加者が「誘因」よりも「貢献(→下線部あべこべ)が大きいと知覚することである。
○イ 組織の参加者は、「誘因」と「貢献」を比較考量し、組織への参加を続けるかどうかをそれぞれ判断する。
×ウ 組織の「有効性(→○能率)とは、それぞれの参加者にとって、組織に参加する目的が達成されている程度を指す。
×エ 組織は、さまざまな参加者から提供される「誘因(→○貢献)を活用することで、組織目的の達成を果たすことができる。
×オ 組織目的を達成さえすれば、参加者における「誘因」と「貢献」のバランスはおのずと維持される(→○されやすい)

R2第14問 バーナード(組織の3要素) Cランク

テキストレベルの超基本ですが、他の選択肢も同じくテキスト範囲なので意外に迷うかも。

C.I.バーナードは、経営者の役割を論じるためには、組織についての理解が不可欠だとし、その要素を明らかにした。
バーナードが示した組織の要素として、最も適切なものはどれか。
×ア 階層、分権化、統合化
×イ 計画、指揮、統制
○ウ コミュニケーション、貢献意欲、共通目的
×エ 責任と権限の一致、命令の一元性
×オ 分業、専門化、調整
R3第14問 バーナード(組織の3要素) Cランク

伝達とは、組織の3要素①共通目的②貢献③コミュニケーションの③のことです。

組織の参加者が、自分の行為を決定するものとして組織内の伝達を受け入れるかどうかは、その伝達を権威あるものとして受容するかどうかに依存している。
C.I.バーナード(C. I. Barnard)が主張した伝達の特徴としての権威に関する記述として、最も適切なものはどれか。
○ア 権威が受容されるためには、意思決定に当たり、伝達の内容が組織目的と矛盾しないと参加者が信じることが必要である。
×イ 権威は、伝達の内容が参加者の個人的利害に反する場合でも(→○しない限り)、その命令に従わせる能力を意味する。
×ウ 参加者の無関心圏の範囲では、命令は権威あるものとして(→○とは無関係に)受容される。
×エ 命令の一元性が確保されていれば、権威は職位によって決まるので(→○部下は命令を受容しやすいので)、部下は上位の管理職から発せられる命令に従う。
×オ リーダーシップの権威とは、個人の知識や専門能力とは別に(→○の他にも)、リーダーの地位にその源泉が求められる。
R3第17問 バーナード(組織の3要素) Bランク

強い⇔弱いがあべこべ。

個人が特定の組織との間に形成する継続的な関係性を説明する概念として、組織コミットメントがある。組織コミットメントに関する記述として、最も適切なものはどれか。
×ア 組織の価値観や目標と個人のそれらが一致する場合、個人にとっては組織内で新たに成長できる余地が限られる(→○増える)ため、個人の組織コミットメントは弱く(→○強く)なる。
○イ 長期にわたって1 つの組織に参加し続けることが望ましいという社会的な規範は、個人の組織コミットメントを強めるように作用する。
×ウ 特定の専門的な職務に対する思い入れの強さは、個人の組織コミットメントを強める(→○弱める)ように作用する。
×エ 特定の組織内では高く評価されるものの、労働市場ではほとんど評価されない技能を習得することは、個人の組織コミットメントを弱める(→○強める)ように作用する。
×オ 年功序列的な給与体系の下では、短期間で転職を繰り返すことが個人にとって経済的に不利に作用するため、個人の組織コミットメントは弱く(→○強く)なる。
R4第14問 バーナード(無関心圏) Dランク

当問の「無関心圏がない」のような二重否定は迷いやすい。確かに無関心圏とは一見ネガに聞こえるが、組織や上司にとって都合よい。意外に使える知識です。

C.I.バーナードは組織における個人の権威の受容について、無関心圏(zone of indifference)が重要な役割を果たすとしている。無関心圏に関する記述として、最も適切なものはどれか。
×ア 個人にとって受容可能な命令が継続的に発せられると、次第に無関心圏の範囲が狭く(→○広く)なっていく傾向がある。
×イ 個人にとって無関心圏にある職務は無視(→○需要)され、遂行される可能性が低く(→○高く)なるので、無関心圏をいかに小さく(→○大きく)するかが組織の存続にとって重要になる。
○ウ 個人の無関心圏に属する命令は、権威の有無を問われることなく受容される傾向がある。
×エ 無関心圏にある職務に対しては、個人のコミットメントは低くなるから、無関心圏の存在は組織の存続にとって(→○正)の影響を与える。
×オ 無関心圏にある職務を個人に遂行してもらうためには、個人の貢献を大きく上回る誘因を提供する必要がある(→○ない)

画像:slide player

アンゾフの階層別意思決定

意思決定は経営層から現場まで階層ごとに役割が分かれており、各レベルが戦略・戦術に応じた判断を行い、統合的な経営を支える。具体的には戦略的・管理的・業務的の3つのレイヤーを持つ。

こう書くと10点
各階層で的確な判断がなされ、上層部と現場の意思決定が一体となって戦略実行に結びついている状態を実現する。

Q
「経営」R6第16問 階層別意思決定 Bランク
複雑な意思決定において、意思決定者は完全な合理性を追求できるだけの情報処理能力を持たないとされる。このような「制約された合理性」の下での意思決定に関する記述として、最も不適切なものはどれか
A

受験者に舐められないよう、1問はヘンテコ国語の出題をしないと。。そんなおかしなスイッチが入った設問ですが、国語的なセンスで解けます。

誤答選択肢とその訂正

○ア 意思決定者は、意思決定に際して利用可能な全ての代替案のうち、限られた数の代替案のみを考慮する。
○イ 意思決定者は、代替案が満たすべき最低限の水準を設定し、その水準を満たす代替案を見つけた時点で、その代替案を選択するとともに代替案の探索を終了する意思決定原理に従う。
○ウ 各代替案によって将来的に引き起こされる結果に関する知識は、不完全で部分的なものとなる。
×エ (合理性を追求する情報処理を持つ場合の説明)各代替案によって将来的に引き起こされる全ての結果に対して、それらを最も好ましいものから最も好ましくないものまで順位づける一貫した効用関数を、意思決定者はあらかじめ持つ。
○オ 反復的な意思決定を行う状況では、意思決定者は行動プログラムのレパートリーを作り、それらを代替案の集合として意思決定に利用する。

R2第2問 アンゾフ(階層別意思決定) Bランク

アンゾフが示した戦略的→管理的→業務的意思決定の説明です。×オはアンゾフでなく、意思決定会計(構造的意思決定)の説明。

H.I.アンゾフは、経営戦略の考察に当たって、戦略的意思決定、管理的意思決定、業務的意思決定の 3 つのカテゴリーを基軸として、企業における意思決定を論
じている。
それぞれの意思決定に関する記述として、最も適切なものはどれか。
○ア 管理的意思決定とは、最大の成果を引き出すための経営資源の組織化に関わる意思決定である。
×イ 企業の多角化戦略は、管理的(→○戦略的)意思決定における主要な決定事項の 1 つである。
×ウ 戦略的(→○業務的)意思決定の対象となる問題は、事業活動を通じて生じることから、トップ・マネジメントが意識的に関心を寄せなくても、自ら明らかになる。
×エ 戦略的(→○管理的)意思決定は、企業外部の問題よりも、むしろ企業内部の問題と主に関わっている。
×オ 
戦略的(→○構造的)意思決定は、企業における資源配分を中心としており、固定資産や機械設備など企業内部の資産に対する投資の意思決定と同じである。 ※1級意思決定会計参照
R5再試験第1問 アンゾフ(階層別意思決定)

診断士試験「戦略論」「組織論」「マーケ」のあちこちに所構わず顔を出すイゴール・アンゾフは戦略的経営の父と呼ばれますが、その偏屈そうな顔つきの通り、周囲が右といえば左、左と言えば右と言い出すこじらせオジサン。ごっちゃにしやすい点に気を付けて覚えます。

 戦略計画学派を形成したH. I. アンゾフの意思決定論に関する記述として、最も適切なものはどれか。
×ア 価格設定とアウトプットの水準、マーケティング戦略の策定、パフォーマンスの監視など、企業の資源転換プロセスの能率を最適化するような意思決定を「管理的(→○日常業務的)な意思決定」と呼ぶ。
×イ 環境が安定している場合、「日常業務的な意思決定」よりも「戦略的(→下線部あべこべ)な意思決定」にマネジャーの関心が向けられる。
○ウ 企業が経営資源を財・サービスに転換して利潤を追求するとき、環境に合わせて自社の目的を設定し、それに適合した最良の可能性を提供する資源配分パターンを作り出すことを「戦略的な意思決定」と呼ぶ。
×エ 最適なパフォーマンスを求めて自社資源の構造づくりをするような意思決定を「日常業務的(→○管理的)な意思決定」と呼び、組織づくりはそれに含まれる。

戦略と組織設計

戦略に基づく組織設計は、各部門の役割分担と連携を明確にし、効率性と柔軟性を両立することで目標達成を支援する仕組みです。

こう書くと10点
戦略と組織設計が完全に整合し、全体最適化された体制で迅速かつ柔軟な対応が可能な状態にする。

Q
「経営」R6第14問 戦略と組織設計 Bランク
J.ガルブレイスによれば、組織デザインの諸方策は、情報処理の必要性と情報処理能力の観点から評価できる。組織デザインの方策に関する記述として、最も適切なものはどれか。
A

○アが正解と決まれば、×イウエはそれぞれ形容詞をあべこべに直します。

誤答選択肢とその訂正

○ア 横断的な関係の創出は、情報処理能力を増大させる。
×イ 自己完結的職務の創出は、情報処理の必要性を増大(→○減少)させる。
×ウ 垂直的な情報システムへの投資は、情報処理能力を低減(→○向上)させる。
×エ スラック資源の創出は、情報処理の必要性を増大(→○減少)させる。

(悪問)R2第17問 戦略と組織設計 Cランク

当問の出典はどうやら以下の書籍。買う必要も読む必要もありません。

ABCD
×ア関連多角化垂直統合非関連多角化非関連事業の買収
○イ垂直統合関連多角化規模の経済の活用非関連事業の買収
×ウ内部成長の強化関連多角化垂直統合非関連多角化
×エ非関連多角化規模の経済の活用垂直統合内部成長の強化
ある時点で特定の組織形態を採用している企業でも、経営戦略に従って新たな組織形態に移行していくべき場合がある。その場合、単純な発展段階を経るというよりも、経営者の意思決定によって、異なる経路をたどる可能性がある。J.R.ガルブレイスとD.A.ネサンソンは、経営戦略とそれによって採用される組織形態の可能な組み合わせを、組織の発展段階モデルとして定式化した。
下図は、彼らがモデル化した企業組織の発展過程を図示したものである。図の □は組織形態を、→は経営戦略をそれぞれ表している。
図の中のA~Dに当てはまる経営戦略の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
R3第15問 戦略と組織設計 Cランク

×ウエの正誤訂正はやや難。

経営戦略に関連する組織の運営・設置に関する記述として、最も適切なものはどれか。
×ア A.D.チャンドラー(A. D. Chandler)の「組織は戦略に従う」という命題に基づけば、事業の多角化が進んだ企業では事業部制組織が採用され、地理的拡大が進んだ企業では機能別(→○地域別)組織が採用されることになる。
×イ 機能(職能)別組織において、各機能部門長は事業(→○機能)戦略の策定・執行に関する最終責任を負っている。
×ウ 事業部制組織とカンパニー制組織は類似した特性を有するが、両者の最大の違いは、事業部制組織では各事業部が企業内部の下部組織であるのに対して、カンパニー制組織では各カンパニーが独立した(→○疑似的な)法人格を有している点にある。
×エ プロダクト・マネジャー制組織とは、研究開発型ベンチャー企業における(→○マーケティングから損益までの全権を有した)事業部制組織のことであり、責任者であるプロダクト・マネジャーは、研究商品(→○当該商品)の成果に関する責任を有している。
○オ 持株会社は、その設立に関して一定の制限が定められているものの、規模の下限は設定されていないことから、中小企業においても目的に応じて活用することができる。
R3第22問 戦略と組織設計 Dランク

修飾語のあべこべを丁寧に直す。

企業の長期的成長のためには、既存事業の深化(exploitation)と新規事業の探索(exploration)のバランスを取る経営が重要だと言われている。C.A.オライリー(C. A. O’Reilly)とM.L.タッシュマン(M. L. Tushman)は、この深化と探索を両立する組織能力を両利き(ambidexterity)と名づけた。
両利きの経営を実践するための組織に関する記述として、最も適切なものはどれか。
×ア 既存事業ユニットと新規事業探索ユニットが経営理念を共有し、公平性を確保するために、共通の(→○しつつも、個別の)事業評価基準を構築する必要がある。
×イ 既存事業ユニットと新規事業探索ユニットのオペレーション(→○コラボレーション)を効率的に管理するために、機能横断的なチームを設計する必要がある。
×ウ 既存事業ユニットと新規事業探索ユニットを構造上分離しつつ、異なる文化が生まれない(→○を許容する)ようにするため、ビジョンを共有する必要がある。
○エ 既存事業ユニットと新規事業探索ユニットを構造上分離し、探索ユニットに独立性を与えるとともに、全社的な資産や組織能力にアクセスする権限を与える必要がある。
R4第13問 戦略と組織設計 Bランク

×アエはあべこべ、×イウは入れ替えパターン。解き進めて国語力を鍛えます。

経営組織の形態と構造に関する記述として、最も適切なものはどれか。
×ア 事業部制組織では事業部ごとに製品-市場分野が異なるので、事業部を共通の基準で評価することが困難なため、トップマネジメントの調整負担が職能部門別組織に比べて大きくなる(→○権限移譲して小さくする)
×イ 職能部門別組織は、範囲(→○規模)の経済の追求に適している。
×ウ トップマネジメント層の下に、生産、販売などの部門を配置する組織形態が職能部門別組織であり、各職能部門はプロフィットセンター(→○プロフィットまたはコストセンター)として管理される必要がある。
×エ マトリックス組織では、部下が複数の上司の指示を仰ぐため、機能マネジャーと事業マネジャーの権限は重複させておかなければならない(→○しないように設計する)
○オ 命令の一元化の原則を貫徹する組織形態がライン組織であり、責任と権限が包括的に行使される。
R5第14問 戦略と組織設計 Aランク

R4事例Ⅰ出題で注目を集めた機能別⇔事業部制の元ネタ。環境がVUCAなイマは、権限移譲→事業部制→後継者育成を選びます。

主要な組織形態に関する記述として、最も適切なものはどれか。
×ア 機能別組織では、機能別部門の管理をそれぞれの部門の長に任せることから、事業部制(→下線部あべこべ)組織よりも次世代経営者の育成を行いやすい。
×イ 機能別組織では、知識の蓄積が容易であるため、事業の内容や範囲にかかわらず(→○が限定的であれば)経営者は意思決定を迅速に行いやすい。
○ウ 事業部制組織では、各事業部が自律的に判断できるために、事業部間で重複する投資が生じやすい。
×エ 事業部制組織では、各事業部が素早く有機的に連携できるため(→○しにくいため)、機能別組織よりも事業横断的なシナジーを創出しやすい(→○しにくい)
×オ マトリックス組織は、複数の命令系統があることで組織運営が難しいため、不確実性が低い環境において採用されやすい(→○する利点は少ない)
R5再試験第11問 戦略と組織設計

機能別⇔事業部制組織は「2次」で頻出の超重要知識です。両者の長所短所を整理して理解&暗記します。

 事業部制組織と機能別組織の特徴に関する記述として、最も適切なものはどれか。
○ア 機能別組織では、事業部制組織に比べて、経営者に意思決定の負担が集中する傾向があるが、部門横断的なプロジェクト・マネジャーを配置することで、部門間調整が容易になり経営者の負担軽減を図ることができる。
×イ 機能別組織の下で事業の多角化を行う場合、事業部制(→下線部あべこべ)組織の下での多角化に比べて、経営者は個々の事業のオペレーションに関わる機会が少ない分、全社的な戦略的意思決定に専念できる。
×ウ 事業部制組織では、各事業部に利益責任が課されるため経営の効率化が進みやすく、機能別組織に比べて、生産部門や営業部門で規模の経済性を追求しやすい(→○しにくい)
×エ 事業部制組織では、機能別(→下線部あべこべ)組織に比べて機能部門の技術的な専門性を高めやすく、事業横断的なシナジーの創出が容易である。
×オ 事業部制組織では、直面する状況に応じて各事業部で自律的に事業運営の判断ができるため、機能別組織に比べて部門活動と全社戦略との整合性をとりやすく(→○とりにくく)、経営の全体最適が達成されやすい(→○に工夫が必要になる)

環境不確実性

外部環境の変動や不確実性に対して、取引コスト削減とリスク分散の仕組みを構築し、柔軟な対応策が求められるとする考え方です。

こう書くと10点
環境変化に対し迅速かつ低コストで適応できる組織体制が確立され、取引リスクが最小限に抑えられている状態にする。

Q
「経営」R6第1問 環境不確実性 Dランク
H.ミンツバーグによって提唱された創発的戦略に関する記述として、最も適切なものはどれか。
A

R6「経営」第1問で従来のドメインにとって代わった「創発的戦略」。これは組織論「環境不確実性」の論点であり、「今後の事例Ⅰはおっきく変えるよ?」の予告としか思えません。

誤答選択肢とその訂正

×ア 創発的戦略(→○意図的戦略)とは、「意図された戦略」を「計画された戦略」に落とし込むための方策を表した概念である。
×イ 創発的戦略(→○新事業戦略)とは、新たな事業ドメインをつくり出すための戦略と定義される。
×ウ 創発的戦略(→○シナジー効果、範囲の経済)とは、企業が新たな市場・製品分野に進出する際、シナジー効果の創出を意図する戦略である。
×エ 創発的戦略(→○戦略は組織に従う(アンゾフ))とは、組織形態が戦略の選択肢を狭めるという、戦略策定過程の性質を表した概念である。
○オ 創発的戦略とは、もともとの経営計画には組み込まれておらず偶発的に起こった事象に対応することで、事後的に生み出される戦略のことである。

R2第16問 環境不確実性(外部環境) Cランク

不確実性が高い時は有機的管理、そうでないときは機械的管理でOK。有機的・機械的それぞれの説明がまるごと逆です。

T.バーンズとG.M.ストーカーは、外部環境の不確実性がそれに適した組織内部の管理システムに影響を与えることを明らかにした。彼らは「機械的管理システム(mechanistic management system)」と「有機的管理システム(organic management system)」という2 つのモデルを提唱した。
これらのモデルに関する記述として、最も適切なものはどれか。
×ア 不確実性が高い環境下では、階層トップへの知識が集中し、階層構造を強化(→○横断的相互作用を通じたタスク間の調整を重視)する有機的管理システムが有効である。
×イ 不確実性が高い環境下では、各タスクと全体状況や技術との関係が希薄な(→○上司の指示や命令に支配された職務よりも、スタッフによる助言的内容のコミュニケーションが重視される)有機的管理システムが有効である。
○ウ 不確実性が高い環境下では、タスクそのものや優れた仕事をしようとすることへのコミットメントが強い有機的管理システムが有効である。
×エ 不確実性が低い環境下では、横断的相互作用を通じたタスク間の調整を重視(→○階層トップへの知識が集中し、階層構造を強化)する機械的管理システムが有効である。
×オ 不確実性が低い環境下では、上司の指示や命令に支配された職務よりも、スタッフによる助言的内容のコミュニケーションが重視される(→○各タスクと全体状況や技術との関係が希薄な)機械的管理システムが有効である。
(悪問)R4第20問 環境不確実性(外部環境) Cランク

当問は「組織論嫌い」を生む悪問の代表。誤答×イが状況適合論っぽいですが、混同しないように捨て問にします。

共通の組織形態を持つ組織個体群と環境の関係を分析する理論に、個体群生態学モデル(population ecology model)がある。このモデルは組織個体群の変化を、「変異(variation)-選択・淘汰(selection)-保持(retention)」という自然淘汰モデルによって説明する。個体群生態学モデルに関する記述として、最も適切なものはどれか。
○ア 既存の組織形態を保持しようとする力が強ければ、新たな組織形態が生まれる可能性は低くなる。
×イ 個体群生態学モデル(→○コンティンジェンシー理論)では、環境の変化に対して自らの組織形態を柔軟に変化させて対応できる組織群が選択され、長期にわたって保持されることを示唆する。
×ウ 組織内の部門が緩やかな結合関係にある場合、変異が生じる可能性が高くなるが、保持されている既存の組織形態の存続の可能性は高く(→○低く)なる。
×エ 変異段階で新たに生まれる組織個体群は、既存の組織から派生してくるケースは少なく、独立した企業者活動を通じて(→下線部あべこべ)生み出される。
×オ 変異によって生まれた組織個体群は、政府などによる規制や政策によって選択・淘汰されるが、規制が緩和されれば保持される組織形態の多様性は減少(→○増加)する。
R5第15問 環境不確実性(外部環境) Dランク

○アを「服従」とあえて強い表現にし、誤答×ウを選ばせるひっかけ問題です。有機的→タスクが具体的になる説明はR2第16問を参照。

T.バーンズとG. M.ストーカーは、外部環境の安定性の程度と組織内部の管理システムの関係性を検討し、「機械的管理システム」と「有機的管理システム」という2 つの管理システムのモデルを提唱した。
これらのモデルの対比に関する記述として、最も適切なものはどれか。
○ア 機械的管理システムでは、有機的管理システムよりも上司への服従が強調される。
×イ 機械的管理システムでは、有機的(→下線部あべこべ)管理システムよりも水平的なコミュニケーションによる助言や相談がよくなされる。
×ウ 有機的管理システムでは、機械的管理システムよりも個々のタスクは抽象的(→○具体的)な性質を帯びている。
×エ 有機的管理システムでは、機械的(→下線部あべこべ)管理システムよりもその組織に特有な知識やスキルが重要視される。
×オ 有機的管理システムでは、機械的(→下線部あべこべ)管理システムよりも役割に関する責任が詳細に定められる。
R5第21問 環境不確実性(外部環境) Aランク

組織論の迷論点、資源依存モデルの問題です。一般常識Aランクですが、「パースペクティブ」のようにふぞろいが知らないカタカナを与え、苦手意識を植え付ける工夫に感心します。

資源依存パースペクティブでは、組織がさまざまな資源をステークホルダー(利害関係者)に依存していることに注目している。
メーカーであるA社が、事業活動に必要な原料Xを、Xのみを製造販売しているB社から継続的に購買している場合に、両社間に生じうるパワー関係に関する記述として、資源依存パースペクティブの観点から、最も不適切なものはどれか。
○ア A社がB社以外の他社から原料Xをどの程度購買しているかどうかが、両社間のパワー関係に大きな影響を与える可能性がある。
×イ A社が保有している機械設備の資産評価額が、B社が保有する機械設備の資産評価額よりも相対的に大きいことが、両社間のパワー関係に大きな影響を与える可能性がある(→○はまずない)
○ウ B社の販売量全体におけるA社向けの販売量が占める比率が、両社間のパワー関係に大きな影響を与える可能性がある。
○エ 原料Xの販売についてのB社の自由裁量に関して法律などによる制約があるかどうかが、両社間のパワー関係に大きな影響を与える可能性がある。
○オ 原料Xを入手できなくてもさほど大きな問題が生じずにA社が事業活動を営むことができるかどうかが、両社間のパワー関係に大きな影響を与える可能性がある。
R5第22問 環境不確実性(外部環境) Eランク

同じ業界の企業は、同じような規模の似たような戦略でドングリ競争をすることが多い。その説明が制度的同型化ですが、国語で解けるので暗記不要。

組織における制度的同型化に関する記述として、最も適切なものはどれか。
×ア ある組織形態が社会的に高い評価を得ている場合には、その組織形態を採用しなければ取引関係にある組織から批判されることから(→○することが有利であるため)強制的(→○模倣的)同型化が生じやすくなる。
×イ 環境が安定的であり、どのようにすれば社会から評価されるかが明確であれば、模倣的(→○規範的)同型化が生じやすくなる。
×ウ 政府が特定の組織形態を採用することを求める規制を行えば、制度的環境からの期待が明示的になって競争が緩和されるため(→削除)模倣的(→○強制的)同型化が生じやすくなる。
○エ 専門家団体のような組織横断的な専門家ネットワークが発達することにより、規範的同型化が生じやすくなる。
×オ 取引関係にある組織同士は、資源を相互に依存しあっているために、それらの組織間では規範的(→○模倣的)同型化が生じやすくなる。

出典:赤門マネジメント・レビュー

組織のライフサイクル

組織は創成、成長、成熟、衰退といった段階を経るため、各フェーズに応じた戦略と組織改革が必要となり、持続可能性を追求します。

こう書くと10点
組織の現状が正確に評価され、ライフサイクルに合わせた最適な改革と成長戦略が体系的に実施されている状態にする。

Q
「経営」R6第23問 組織ライフサイクル Bランク
組織のライフサイクル仮説によれば、組織は発展段階に応じて直面する課題が異なる。組織のライフサイクルを起業者段階、共同体段階、公式化段階、精巧化段階に分けて考えるとき、それぞれの段階に関する記述として、最も不適切なものはどれか
A

ライフサイクルが起業者→共同体→公式化→精巧化段階へと進むのは、リード文で与えらえれた正しい知識。選択肢では×ウが嘘つきです。

誤答選択肢とその訂正

○ア 起業者段階では、起業家の創造性や革新性が重視されるとともに外部からの資源獲得が優先されるが、組織の成長とともに経営管理を実行できるリーダーシップが求められるようになる。
○イ 共同体段階では、組織メンバーの凝集性の向上を図るべくトップはリーダーシップを発揮するが、トップダウンによって部下のモラールダウンが生じないようにトップは権限委譲を進めることが求められる。
×ウ 公式化(→○精巧化)段階では、さまざまな規則や手続きが導入され、公式的な調整によって安定性や効率性が追求されるようになるが、組織構造が複雑化するにつれて官僚制の逆機能が顕著に生じるようになる。
○エ 精巧化段階では、安定性や効率性を省みず公式的な構造を解体するとともに、新たな成長機会を自ら発見するリーダーシップの発揮が課題となる。

R4第18問 ライフサイクル Dランク

一旦正解を読んでみて、次に誤答選択肢が違う理由を考えればOK。

abcd
×ア
×イ
×ウ
○エ
×オ
組織のライフサイクル仮説によると、組織は発展段階(起業者段階、共同体段階、公式化段階、精巧化段階)に応じた組織構造、リーダーシップ様式、統制システムをとる。また、組織の発展段階に応じて、組織で支配的となる有効性(組織がその目標を達成した程度)の指標は変化すると考えられる。
組織の発展段階の名称と、各段階で支配的な組織の有効性指標に関する記述の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
【組織の発展段階】
a 起業者段階
b 共同体段階
c 公式化段階
d 精巧化段階
【組織の有効性指標に関する記述】
① この段階では、人的資源の開発が有効性指標として重要となり、経営者のリーダーシップの下で職場集団の凝集性とモラールを高めることが追求される。
② この段階では、資源獲得と成長が組織の有効性指標として特に重視され、顧客や金融機関などの利害関係者と良好な関係を築くことに中心的な価値が置かれる。
③ この段階では、組織の安定性と統制、ならびに組織の生産性が支配的な有効性指標となり、情報管理システムや業務上の規則と手続きが組織内で広く整備される。
④ この段階では、組織の安定性と統制、ならびに組織の生産性と人的資源の開発を重視しつつ、新たな環境適応のための資源獲得と成長が追求される。

部門間調整(社内)

部門間の連携は全社的な目標達成に不可欠であり、情報共有や協議、調整機構の整備によりシナジー効果を引き出す仕組みを指します。

こう書くと10点
各部門が自律的に動くと同時に全体調和を維持し、円滑な情報共有と連携体制が徹底されている状態にする。

Q
「経営」R6第21問 部門間調整 Bランク
組織間関係や組織間ネットワークに関する記述として、最も適切なものはどれか。
A

「埋め込まれた紐帯」なるヘンテコ国語を使う時点で作問者が時代錯誤。「なんとなく阿吽の呼吸」と呼び変えます。

誤答選択肢とその訂正

×ア 「埋め込まれた紐帯」では機会主義的行動が生じやすい(→○にくい)ため、組織間ネットワークにおける「埋め込まれた紐帯」の比率を減らす(→○増やす)ことが望ましい。
○イ 「埋め込まれた紐帯」で結ばれた組織間ネットワークでは、暗黙的な知識の移転が促進されやすい。
×ウ 「弱い紐帯の強み」を最大限享受しようとすれば、関係を取り結ぶ組織を絞り込み(→○広げ)、弱い紐帯を強い紐帯に転換する(→○維持する)ことが不可欠である。
×エ 組織にとって新奇性の高い知識をより獲得するためには、これまでに築いてきた組織との紐帯をいっそう強める(→○いったん弱める)ことが望ましい。
×オ 他の組織からの影響を極力排除するためには、「埋め込まれた紐帯」のみによって(→○の他にも多様化して)構成される組織間ネットワークを構築することが望ましい。

R2第15問 部門間調整(社内) Cランク ※運営知識

生産管理×組織論のクロスオーバー問題。過去マス信者は歯が立ちません。

ABC
×ア大規模バッチのマスプロダクション技術小規模バッチ生産技術連続的処理を行うプロセス技術
×イ大規模バッチのマスプロダクション技術連続的処理を行うプロセス技術小規模バッチ生産技術
○ウ小規模バッチ生産技術大規模バッチのマスプロダクション技術連続的処理を行うプロセス技術
×エ小規模バッチ生産技術連続的処理を行うプロセス技術大規模バッチのマスプロダクション技術
×オ連続的処理を行うプロセス技術小規模バッチ生産技術大規模バッチのマスプロダクション技術
企業が利用する生産技術を次の3 つに分類して考える。
1 .大規模バッチのマスプロダクション技術
2 .小規模バッチ生産技術
3 .連続的処理を行うプロセス技術
このとき、次の文章の空欄A~Cに入る技術の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
【A】 から【B】 、さらに【C】 へ移行するにしたがって、一人の監督者の部下数が増し、組織の階層が増え、スタッフやスペシャリストを支援する管理職の比率が増え、一人当たりの労務費が低下する。
R3第20問 部門間調整(社内) Aランク

×エは部門A⇔Bがあべこべ。

組織における部門には、それぞれの目標や利害が存在するが、組織内で大きなパワーを有する部門は他部門よりも多くの予算を獲得したり、自部門にとって望ましくない他部門からの要求を排除することができる。このような部門の持つパワーの源泉に関する記述として、最も不適切なものはどれか。
○ア 組織が外部環境の重大な不確実性にさらされる場合、その不確実性に有効に対処できる部門は、他部門よりも大きなパワーを持つ。
○イ 組織全体の目標を達成するために解決することが不可欠な組織内外の課題に対処する部門は、他部門よりも大きなパワーを持つ。
○ウ 組織の最終的なアウトプットに対して大きな影響を及ぼす部門は、他部門よりも大きなパワーを持つ。
×エ 部門Aが必要とする経営資源について、その資源を部門B以外から調達できない場合、部門A部門B(→下線部あべこべ)に対して大きなパワーを持つ。
R4第15問 部門間調整(社内) Bランク

×イウエオがどこか変と気づいたら、どこを直すか国語の練習をします。※ウの直し方は調査中。

組織セットモデルにおける渉外担当者(boundary personnel)の概念と機能に関する記述として、最も適切なものはどれか。
○ア 渉外担当者は、組織内外の接点に位置するゲートキーパーとしての役割を持つため、組織革新の誘導者となることもある。
×イ 渉外担当者は、その組織の顔として組織を代表するものであるから(→○が)、法的な代表権を有する必要がある(→○はない)
×ウ 渉外担当者は、他組織の脅威から当該組織を防衛するという境界維持機能を果たすため、外部環境とは距離を置き(→○密に接しつつ)、組織内のメンバーと同質性を保つ必要がある(→○は少ない)
×エ 渉外担当者は、自らは不確実性を処理する権限を持たず(→○持ち)、外部環境の状態や変化を組織内に正確に伝える役割を果たす必要がある。
×オ 渉外担当者を通じた組織間関係は、市場関係を通じた調整ではなく、権限関係(→下線部あべこべ)を通じた調整によって維持される。
R4第19問 部門間調整(社内) Eランク

×イウオはあべこべ。×エは接続詞を直します。

組織均衡を維持するのに必要な資源と、実際にその組織が保有している資源の差を組織スラック(organizational slack)という。組織スラックに関する記述として、最も適切なものはどれか。
○ア 好況時には、組織スラックを増やすことを通じて、組織参加者の満足水準が上昇することを抑制できる。
×イ 組織スラックが存在しない場合、革新案を探索する際にリスク志向(→○回避)的になる。
×ウ 組織スラックが存在すると、部門間のコンフリクトが激化(→○緩和)する。
×エ 組織スラックは、組織革新を遂行するための資源とはならないが(→○になるとともに)、環境変化の影響を吸収するバッファーとしての役割を持つ。
×オ 不況期には、組織スラックを組織参加者に放出することによって、短期的に参加者の満足水準を低下(→○上昇)させることができる。
R5再試験第17問 部門間調整(社内)

「事例Ⅰ」で、既存ユニット⇔新事業ユニットをうっかり併存させると反目しがち。その留意点は当問に答えがあります。×アイウエは全て不要な断定表現を、決めつけを避けた中間的表現に変えます。

企業の長期的成長のためには、既存事業の深化(exploitation)と新規事業の探索(exploration)のバランスを取る経営が重要だといわれている。C. A. オライリーとM. L. タッシュマンは、深化と探索を両立する両利き(ambidexterity)の経営を提唱している。
 両利きの経営を実践するための組織に関する記述として、最も適切なものはどれか。
×ア 既存事業ユニットと新規事業探索ユニットとの間のシナジー(相乗効果)を生み出すためには、新規事業探索ユニットを別会社化してスピンオフすることが必要である(→○なこともある)
×イ 既存事業ユニットと新規事業探索ユニットを構造上分離しても、既存事業ユニットが資源配分の意思決定について新規事業探索ユニットに介入できるような仕組みを採用することが推奨される(→○されない)
×ウ 既存事業ユニットと新規事業探索ユニットを構造上分離しても、公平性の確保のために人材の採用やインセンティブ付与については同じ意思決定ルールや社内手続きを適用すべきである(→○とは言えない)
○エ 既存事業ユニットと新規事業探索ユニットを構造上分離するとともに、全社的な統合を促進する包括的ビジョンを掲げることが望ましい。
×オ 新規事業探索ユニットと既存事業ユニットとの間のシナジー(相乗効果)は、新規事業探索ユニットが既存事業ユニットの技術や知識などを活用できることからのみ(→○などから)生じる。

今日のまとめ

Q
「組織論」選択肢の国語はわざと難しく書いてあるので、そこを苦手にするとふぞろいな並列列挙の刑にまっしぐら。そうでなく論理的な文章とはA→B、B→Cの三段論法で書かれると先に知ることで、読み書き国語を苦手にしなくなる効果が明らか。
A

そこで試しに正文化した選択肢を朝の10分、倍速5分で毎朝流し聞く。すると正しい論理は頭に素直に入るけど、誤った誇張はどこかおかしいことが一目でわかります。

■■ここからテンプレ■■

-C経営

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