「2次」を確実に受かる上位5%とは、「事例Ⅰ~Ⅲ」でも「Ⅳ」でも70点狙いをあえて避け、コンスタントに60点を重ねるAAAA合格狙い。それは詰めたるは及ばざるが如し=うっかり高得点狙いはリスクだらけと知っているため。
ここで隣のふぞろいに教えてあげたいのが、衣食足りて礼節を知る。つまり隣のボーダーラインをおっきく超える余力を作ると、絶対に当てさせない作問力を知り、あの無様な裸踊りを回避できます。
4~5択マークのクセにその正答率が2割以下。わざと誤答に誘導できる正答率Eとは?
①科目間バランス | ②あえて捨て問にする勇気 | ③どれも一見もっともらしい? |
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正答率Eランクを出す最大の理由は、1科目で満点近くの得点を取ってしまい試験全体のバランスを崩すのを防ぐ狙いです。これにより、7科目全体での総合力を測る試験本来の意図を守り、特定科目への偏りが合格基準に影響しないようにします。 | 受験者が時間配分を考慮し、重要な問題に集中する判断力を試すため、Eランク問題を出題します。あえて解答を諦める「捨て問」を見極める力を問うことで、受験者の効率的な戦略や全体像を把握する力を浮き彫りにします。 | 選択肢がどれも正しそうに見える設問を出すことで、受験者に選択肢を慎重に比較し、微妙な違いを見極める能力を鍛えます。特にもっともらしい他知識との混同を誘発することで、表面的な暗記ばかりに依存しない注意力を促します。 |
【春の4択祭り】絶対に当てさせない正答率E / 100%は狙わない
素直に鉛筆を転がせば20~25%当たるはずなのに、TAC統計上の正答率を2割以下にするのがEランク。どのように誤答に誘導するかを点検し、「2次」のベテループ回避に役立てます。
戦略論:「経営」R4第7問 同族経営 Eランク
×ア 4Cモデルは、4 つの要素の中で自社の特徴を最も発揮できる要素を発見し、それを強化するためのものである。
×イ 4Cモデルは、家族、企業の所有者、経営者など複数の属性を持つ構成員から成り立つファミリービジネスの複雑な利害関係を解決するためのものである。
×ウ 4Cモデルは、競争優位の確立とファミリー固有のビジョンや目標を両立させるためのものである。
×エ 4Cモデルは、所有と経営を分離する過程で、ファミリービジネスの長所を維持するためのものである。
○オ 4Cモデルは、それぞれの要素にプラスの側面とマイナスの側面があることを認めたものである。
す。
× | →○ | |
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×ア | それを強化 | バランスよく維持 |
×イ | 4Cモデル | スリーサークルモデルの説明 |
×ウ | 両立 | 尊重しながら維持 |
×エ | 過程で | ことなく |
誤答箇所を正文化しただけでは、正直まだよくわからないのがEランク。沼のような知識で身動きできなくなる前に、どうやって正答率を下げるかの手口をどうぞ。
誤答選択肢×イが広く知られている3Cモデルの内容と似ており、受験者の中には混同してしまうケースが見られる。この混乱により、正解以外の選択肢に票が集中しやすく、結果的に正解率がさらに低下する傾向がある。
4Cモデルは試験範囲において新しく取り上げられた内容であり、過去問に類似の設問が存在しないため、多くの受験者にとって初見の知識となる。このため、事前学習が不足していると正解にたどり着きにくい設問となっている。
選択肢がいずれももっともらしい内容で構成されており、明確に誤りと判断できる記述が少ない。そのため、受験者が正答を選ぶ際に迷いが生じやすく、結果として正解率が低下する要因となる。
組織論:「経営」R4第19問 部門間調整 Eランク
○ア 好況時には、組織スラックを増やすことを通じて、組織参加者の満足水準が上昇することを抑制できる。
×イ 組織スラックが存在しない場合、革新案を探索する際にリスク志向的になる。
×ウ 組織スラックが存在すると、部門間のコンフリクトが激化する。
×エ 組織スラックは、組織革新を遂行するための資源とはならないが、環境変化の影響を吸収するバッファーとしての役割を持つ。
×オ 不況期には、組織スラックを組織参加者に放出することによって、短期的に参加者の満足水準を低下させることができる。
× | →○ | |
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×イ | リスク志向 | リスク回避 |
×ウ | 激化 | 緩和 |
×エ | とはならないが | になるとともに |
×オ | 低下 | 上昇 |
「組織論」でいえばスラックを持ち、「生産管理」でいえば余力管理で余裕を持たせる。どうみてもイイコトなのに、ふぞろい脳では正解させない「組織論」には、「2次」対策上多くの点を学べます。
好況時に組織スラックを増やすことで、組織参加者の満足水準の上昇を「抑制」するという考えは、好況なら満足度が自然と高くなると思いがちで、逆に余剰資源があるとより満足感が高まるという直感と反するため、受験者が正解○アを選びにくくなります。
誤答選択肢(×イ~×オ)は、各々が組織スラックの負の側面やバッファー機能、さらには部門間のコンフリクトなど、一般的に理解されやすい内容になっているため、どれも説得力があり、○アの微妙な記述が見落とされやすい状況を生み出します。
Eランクの問題として出題されることで、受験者は組織論全般の理解に対して混乱や不信感を抱きやすくなります。つまり、こうした問題によって組織論に対する理解がさらに深まらず、結果として2次試験(組織論を含む科目)の評価で不利になる恐れがあるため、○アの記述を選びにくくなります。
マーケ:「経営」R3第38問(2) 関係性 Eランク
(設問2 )
文中の下線部②に関する記述として、最も適切なものはどれか。

×ア 顧客価値と顧客満足が企業によって実現されることを通してその企業のブランドにロイヤルティを形成した顧客には、見せかけのロイヤルティを有する顧客と真のロイヤルティを有する顧客が含まれる。
×イ 自社製品を顧客に販売するときの収益性分析を行う場合、対象となる顧客は購買履歴が蓄積された顧客であり、真のロイヤルティを有する顧客と潜在的ロイヤルティを有する顧客が含まれる。
×ウ 新規顧客の獲得を目指す企業にとって、潜在的ロイヤルティを有する顧客セグメントは、製品購入の手段や状況が改善されれば有望な市場となり得るため、企業は潜在的ロイヤルティを有するすべての顧客をリスト化し、一人一人に積極的に勧誘を行うべきである。
○エ 見せかけのロイヤルティを有する赤字顧客には、特定のサービス提供を控えるなどして最低限の収益水準を確保することが望ましい。あるいは、サービス手数料などの値上げによって退出を促すことも重要である。
(設問2) | × | →○ |
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×ア | 見せかけのロイヤルティを有する顧客 | (削除) |
×イ | 潜在的 | 見せかけの |
×ウ | すべての顧客を | 顧客を可能な範囲で |
近年の「マーケ」選択肢は長文が多く、過去問集のヘタクソ解説をうっかりつかうと苦手化しやすい。そこで自分が欲しい答に調整できる、AI解説の出番がやってきます。
×ア~×ウの誤答選択肢も、それぞれ一定の論理や事例に基づいており、どれも一見すると説得力がある内容です。そのため、受験者はどの選択肢を選んでも妥当性があると感じやすく、○エの実務的かつ戦略的な対応策を正しく認識するのが難しくなります。
○エは、収益性を考慮した実践的な戦略―すなわち、見せかけのロイヤルティを持つ赤字顧客に対して、サービスの制限や手数料の値上げで退出を促すという対応―を求めています。しかし、多くの受験者は理論的な側面に偏りがちで、実務上のコスト管理や利益確保という視点が十分に身についていないため、この戦略的判断を正解と選ぶのが難しいと考えられます。
正答○エは、見せかけのロイヤルティを有する「赤字顧客」に対する戦略的対応を述べていますが、これには「見せかけ」と「真の」ロイヤルティ、さらには収益性との関連といった、複数の概念が複雑に絡み合っています。受験者はこれらの微妙な区別を十分に理解していない場合が多く、結果として○エの記述を正解と判断するのが難しくなります。
今日のまとめ
この試験は「1次」も「2次」も、超高得点は取らせたくないので、100%の理解は狙わない。でもどうやって隣のふぞろいを誤答誘導し苦手化させるかの手口を知る上で、AIを使ったEランク分析は今年の有望株です。