C経営

【最後の2択】構造論と蕎麦屋のマーケ / 無愛想な出題意図をAI補足

【2次を受けてから1次を受け直すと簡単】。それはケーススタディ効果と言われるエピソード記憶が捗るためで、そのうってつけが、意外とみんな普通に解けてしまったR5事例Ⅰ「蕎麦屋のマーケを組織論」です。

Q
R5「Ⅰ」の蕎麦屋の組織事例にあわてふためいたのは歴戦の過去問の答を覚えたベテだけで、意外とみんな普通に解けてしまった。R5は「事例Ⅲ」ばかりちやほやされたから、その巻き返しでR6は「事例Ⅰ」「Ⅱ」難化はガチ?
A

苦心して作った事例が雑魚扱いされた「事例Ⅰ」試験委員の悔しさは想像を絶する・・。そこであの与件文から「事例Ⅰ」「Ⅱ」の例題を作って、私が一矢報いて差し上げます。

試験委員の悔し涙を救う生成AI~R5「Ⅰ」は組織とマーケの好ケーススタディ~
事例Ⅰ(組織・人事)出題事例Ⅱ(マーケ)
Q:A社の組織上の強みと弱みを、それぞれ3つずつ挙げなさい。第1問Q:A社が新規顧客層の取り込みを図るために行うべき市場調査の具体的方法と、その利点を2つ挙げなさい。
A:強みは、経営者と従業員の信頼関係が強固であること、チームとしての助け合い風土が醸成されていること、地域住民からの支持が高いことです。弱みは、従業員の離職率が高いこと、新規メニューの開発力が弱いこと、原材料の仕入れが不安定であることです。(118字)(情報整理)A:1つ目は、地域住民とSNSユーザーを対象にしたオンラインアンケートです。地域住民の需要に支えられて売上が伸びた背景から、地域特有のニーズを把握できます。2つ目は、店舗でのヒアリング調査です。来店客に自主的に問題点を提起し解決する風土があることを踏まえ、リアルなフィードバックを直接収集できます。(148字)
Q:A社が現在の戦略(メニューの絞り込みと店舗改装)を採用してきた理由と、その効果を説明しなさい。第2問Q:A社が現在の戦略(ターゲットとメニューの絞り込み)を採用してきた理由と、その効果を説明しなさい。
A:理由は、効率的なオペレーションを実現し、家族層をターゲットにした差別化を図るためです。効果としては、売上高の安定、家族連れ顧客の増加、経営効率の改善が挙げられます。(82字)(期待効果)A:ターゲットを地元ファミリー層に絞り込み、個室やボックス席を中心とした改装により家族連れ顧客が増加。メニューを蕎麦に特化することで差別化を図り、競合店との差別化と顧客満足度向上を実現しました。(95字)
Q:A社とX社の組織構造面の違いを3つ挙げなさい。第3問Q:A社とX社のマーケティング施策の違いを3つ挙げなさい。
A:A社はリーダーが3部門を統括し、部門間の横のつながりが強く、業務を担当するリーダーが専業できます。一方、X社は経営者が業務ルーティンを定め、横のつながりが少なく、経営者が全体を補っています。(95字)(情報整理)A:A社は原材料を厳選し高品質を重視する一方、X社は客単価を抑え回転率を重視。A社は地域イベントに参加し顧客と交流するが、X社は価格競争を主戦略とし、終日営業で集客を図ります。(86字)
Q:従業員の組織行動面における経営統合上の留意点を2つ挙げ、それぞれについて説明しなさい。第4問Q:A社がX社との経営統合後、既存顧客との関係を維持・強化するために取るべき具体的施策を2つ挙げ、それぞれの目的を説明しなさい。
A:まず経営統合の目的とビジョンを明確にし、定期的に情報共有し、従業員の不安を軽減します。次に、両社の良い点を取り入れ、研修や交流を通じて従業員同士の理解と協力を促進します。(85字)(助言)A:顧客ロイヤルティプログラムを導入し、リピーターに対する特典を提供。これにより、顧客定着率を向上させます。また、定期的な顧客イベント開催で、従業員が定着するようになった経験を活かし、直接交流を増やし、顧客満足度を向上させます。(112字)
Q:サービスマーケティングの観点から、A社とX社の従業員満足度を上げるために考えられる具体的な人事施策を2つ挙げ、それぞれについて説明しなさい。第5問Q:A社が外国人観光客をターゲットに、特に蕎麦の魅力をアピールするための具体的な方法を2つ挙げ、それぞれの効果を説明しなさい。
A:従業員のスキル向上とキャリア成長を支援する研修プログラムを提供し、モチベーションを向上させます。また、業績に応じたインセンティブと透明性の高い評価制度を導入し、従業員のやる気と組織への帰属意識を高めます。(102字)(助言)A:多言語対応の蕎麦打ち体験教室を開催し、地域の食べ歩きを目的とした外国人観光客に蕎麦文化を体験させます。さらに、SNSでのインフルエンサーマーケティングを活用し、SNSの口コミやグルメアプリを参考にする観光客にアプローチし、新たな訪問客を引き込む。(119字)

【最後の2択で得点UP】蕎麦屋のマーケを組織論 / 無愛想な出題意図をAI補足

Q
生成AIが作った解答例を見ると、与件の根拠を上手に引用しているのがわかる。おベテの決め付けや、ふぞのモリモリ答案を避ける狙いを教えて?
A

それは私より試験委員本人に訊くべきです。しかしスクリプトで「試験委員として説明してください」と私に指示すると、代理でそれらしく回答できます。

もし試験委員が生成AIなみにおしゃべりだったら? ~AIが代筆した出題の意図3選~

①現実的な課題解決能力②与件を無視した決め付け禁止③大量情報の高速処理力
与件文の具体的な根拠を引用することで、受験者が現実の企業の状況や課題を的確に理解し、その文脈に基づいた解決策を考える能力が評価されます。これは、診断士が実際の企業支援で直面する現実的な問題に対応する力を測るためです。各企業はそれぞれ固有の文化や歴史、経営環境を持っています。与件文の根拠表現を引用することで、受験者がその企業特有の課題や背景を理解し、それに基づいた解決策を提案できるかを評価します。与件文から具体的な情報を引き出し、それを基に論理的な解答を構築する能力が評価されます。受験者が大量の情報から重要なポイントを見極め、優先順位をつけて処理し、論理的にまとめるスキルが求められます。
:「元々の看板であった蕎麦に資源を集中した」という具体的な状況を踏まえた解答を求めることで、受験者の実践的な分析力と提案力を確認します。「会社として目指す方向性を明確にし、目的意識の共有や意思の統一を図るチームづくりを行った」という文脈を理解し、それに即した施策を考える力を見ます。「地域住民の需要に支えられて客足が絶えることはなく」という具体的状況を引用し、それを基に市場調査やマーケティング戦略を論理的に展開する能力が求められます。

4人の試験委員本人がむっつりオジサンでも、生成AIが代理でそれらしく答えてしまう時代に。こりゃ「1次」で脳を鍛えて賢くなることは、もはや最優先な。

組織の概念と均衡 CDランク 6選

R2第14問 バーナード(組織の3要素) Cランク

C.I.バーナードは、経営者の役割を論じるためには、組織についての理解が不可欠だとし、その要素を明らかにした。
バーナードが示した組織の要素として、最も適切なものはどれか。

×ア 階層、分権化、統合化×イ 計画、指揮、統制○ウ コミュニケーション、貢献意欲、共通目的×エ 責任と権限の一致、命令の一元性オ 分業、専門化、調整
組織設計の基本概念の説明ファヨールの管理過程論の説明バーナード組織3要素の正しい説明ファヨールの管理原則の説明テイラーの科学的管理法の説明

どれもテキスト掲載知識ですが、その出典まで教えてくれる気遣いが、生成AIの利点です。

R3第14問 バーナード(組織の3要素) Cランク

組織の参加者が、自分の行為を決定するものとして組織内の伝達を受け入れるかどうかは、その伝達を権威あるものとして受容するかどうかに依存している。
C.I.バーナード(C. I. Barnard)が主張した伝達の特徴としての権威に関する記述として、最も適切なものはどれか。

○ア 権威が受容されるためには、意思決定に当たり、伝達の内容が組織目的と矛盾しないと参加者が信じることが必要である。×イ 権威は、伝達の内容が参加者の個人的利害に反する場合でも、、その命令に従わせる能力を意味する。×ウ 参加者の無関心圏の範囲では、命令は権威あるものとして受容される。×エ 命令の一元性が確保されていれば、権威は職位によって決まるので、部下は上位の管理職から発せられる命令に従う。×オ リーダーシップの権威とは、個人の知識や専門能力とは別に、リーダーの地位にその源泉が求められる。
「無関心圏」はテキスト外だったので、もっともらしい×ウを選びがちです。
バーナードの理論に従い、伝達の内容が組織の目的と一致することが権威の受容に重要であることを正しく述べています。バーナードの権威の受容理論では、命令が参加者の個人的利害に反する場合、権威は受け入れられないとされます。参加者の無関心圏の範囲内では、命令は疑問視されずに権威として受容されます。権威は職位によって決まるのではなく、命令が共通目的に一致し、参加者がその権威を受け入れるかどうかに依存する。リーダーシップの権威とは、むしろリーダー個人の知識や専門能力に基づき、組織内で認められることが重要です。
選択肢と解説
×→○
×イする場合でもしない限り
×ウあるものとしてとは無関係に
×エ権威は職位によって決まるので部下は命令を受容しやすいので
×オとは別にの他にも

イマドキのオジサンが権威を振りかざしても、若手に相手もされない大事な知識。ただ、豊胸 清純専門を覚えておけばリーダーシップは十分です。

R4第14問 バーナード(無関心圏) Dランク

C.I.バーナードは組織における個人の権威の受容について、無関心圏(zone of indifference)が重要な役割を果たすとしている。無関心圏に関する記述として、最も適切なものはどれか。

前提知識:バーナードの無関心圏とは(生成AI解説)
無関心圏とは、組織の成員が指示や命令を受け入れる際に、特に疑問を持たずに従うことができる範囲のことを指します。この範囲内の命令は、個人にとって受容可能であり、その権威が問われることなく受け入れられる傾向があります。

×ア 個人にとって受容可能な命令が継続的に発せられると、次第に無関心圏の範囲が狭くなっていく傾向がある。×イ 個人にとって無関心圏にある職務は無視され、遂行される可能性が低くなるので、無関心圏をいかに小さくするかが組織の存続にとって重要になる。○ウ 個人の無関心圏に属する命令は、権威の有無を問われることなく受容される傾向がある。×エ 無関心圏にある職務に対しては、個人のコミットメントは低くなるから、無関心圏の存在は組織の存続にとっての影響を与える。×オ 無関心圏にある職務を個人に遂行してもらうためには、個人の貢献を大きく上回る誘因を提供する必要がある
「無関心圏」が前年R3に出題されていても、これももっともらしい×エを選びがちです。
受容可能な命令を継続的に発すると、面倒臭くなって相手の無関心圏の範囲が広がります。組織の存続を優先するときは、無関心圏を広げることを考えます。バーナードによると、無関心圏に属する命令は、個人が特に抵抗することなく受け入れるため、権威の有無に関係なく受容されます。その場合、組織運営において個人が命令を受け入れやすくなり、組織の存続にプラスとなります。無関心圏にある職務は特に大きな誘因を提供しなくても遂行されやすくなる。
選択肢と解説
×→○
×ア狭く広く
×イ無視
低く
大きく
受容
高く
大きく
×エ
×オあるない

個人のヤル気より組織の存続を優先する場合、大量のルーチンワークを与えて思考停止させると良い。ふぞろいビジネスの闇が、刻一刻とあぶり出されます。

R1第18問 職務満足(ビッグファイブ)Cランク

ビッグファイブに関する以下の文章の空欄A~Cに入る用語の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
ビッグファイブを構成する5 つのパーソナリティ特性は、職務満足や職務の成果に影響する。【A】 以外の4 つの特性は、職務満足と有意な関係がある。例えば、「神経症傾向」が強い人ほど、職務満足が低くなる傾向にある。一方、全ての職務の成果と正の相関を持つのは、【B 】である。管理職や営業職のように、良好な対人関係の構築や維持が重要な職務においては、【C】 が高い人ほど職務の成果が高くなる。

A開放性B誠実性C外向性
開放性は他の特性に比べて職務満足や職務の成果に直接的な影響を与えることが少なく、特に特定の職務環境での影響が曖昧であることを、ここで覚えてしまいましょう。
開放性は創造性を発揮し新しいアイデアを生み出す仕事で求められることが多く、職務への満足とは独立しています。誠実性は、計画的で責任感が強いという特徴を持ち、全ての職務の成果と正の相関を持つ特性として知られています。外向性が高い人は、他人と良好な関係を築きやすく、コミュニケーション能力が高いため、職務の成果が高くなる傾向があります。
選択肢と解説
パーソナリティについてのモデルの1 つに「ビッグファイブ」がある。ビッグファイブによると、個人のパーソナリティの多様性は、次の5 つの特性の強度によって説明される。
⑴ 外向性(extroversion:社交的、話好きなど)
⑵ 神経症傾向(neuroticism:心配性、傷つきやすいなど)
⑶ 開放性(openness:想像力が豊か、好奇心が強いなど)
⑷ 調和性(agreeableness:協力的、温和など)
⑸ 誠実性(conscientiousness:計画的、責任感が強いなど)
※当サイト注:和訳表記は諸説あり
×アA:外向性B:開放性C:外向性
×イA:外向性B:開放性C:調和性
×ウA:外向性B:誠実性C:調和性
×エA:開放性B:開放性C:調和性
○オA:開放性B:誠実性C:外向性

発売日が年々計画的に遅延されていることを除けば、イマドキ誰もやりたがらないキーワードの投入作業を黙々と続ける、ふぞろい先輩の誠実性は大いに評価するべきです。

R1第3問 アンゾフ(階層別意思決定) Dランク

次の文中の空欄A~Dに入る用語の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
アンゾフは、環境変化が激しく、企業が決定すべき選択肢の評価基準も与えられていない高度に不確実な状況を、【A 】という概念で捉え、【A 】の状況下において、企業が取り組むべき問題を確定させ、その問題解決の方向性を探求することを経営戦略論の固有の課題と示した。
その上で、企業が行っている意思決定を、【B】 的意思決定、【C】 的意思決定、そして【D】 的意思決定に分類した。【B】 的意思決定は、現行の業務の収益性の最大化を目的とするもの、【C 】的意思決定は、最大の業績が生み出せるように企業の資源を組織化するもの、【D 】的意思決定は、将来どのような業種に進出すべきかなどに関するものである。

A部分的無知B業務的意思決定C管理的意思決定D戦略的意思決定
「部分的無知」は初出なので、ここで覚えるしかありません。BCDは国語の問題で穴埋めできます。
部分的無知とは、環境変化が激しく、決定すべき選択肢の評価基準も与えられていない高度に不確実な状況を指します。日常的な運営や既存のプロセスを最適化し、効率を上げるための意思決定です。組織の構造やプロセスの改善、人材の配置など、管理面での最適化を図る意思決定です。長期的視点で企業の方向性を定め、新たな市場や事業への進出、競争戦略の策定など、企業全体の成長と発展を目指すための意思決定です。
選択肢と解説
ABCD
×ア非対称情報業務組織戦略
×イ非対称情報日常管理計画
×ウ非対称情報日常組織長期
○エ部分的無知業務管理戦略
×オ部分的無知業務戦略長期

ここは「部分的無知」=環境不確実性。2019年=コロナ禍前の時点で不確実性への対応を促すとは、さすが確率2割のクソガチャ試験な。

R5再試験第1問 アンゾフ(階層別意思決定)

戦略計画学派を形成したH. I. アンゾフの意思決定論に関する記述として、最も適切なものはどれか。

×ア 価格設定とアウトプットの水準、マーケティング戦略の策定、パフォーマンスの監視など、企業の資源転換プロセスの能率を最適化するような意思決定を「管理的な意思決定」と呼ぶ。×イ 環境が安定している場合、「日常業務的な意思決定」よりも「戦略的な意思決定」にマネジャーの関心が向けられる。○ウ 企業が経営資源を財・サービスに転換して利潤を追求するとき、環境に合わせて自社の目的を設定し、それに適合した最良の可能性を提供する資源配分パターンを作り出すことを「戦略的な意思決定」と呼ぶ。×エ 最適なパフォーマンスを求めて自社資源の構造づくりをするような意思決定を「日常業務的な意思決定」と呼び、組織づくりはそれに含まれる。
これが「日常業務的」と覚えていないと、正解に選びがちです。ゆで蛙企業では、どうでもよいマイクロマネジメントが横行しがちと覚えておきます。
価格設定とアウトプットの水準、マーケティング戦略の策定、パフォーマンスの監視など、企業の資源転換プロセスの能率を最適化するのは「日常業務的な意思決定」です。環境が安定している場合、マネジャーの関心は「日常業務的な意思決定」に向けられ、戦略的な意思決定は環境が不確実で変化が激しい場合に重要です。最適なパフォーマンスを求めて自社資源の構造づくりをするような意思決定は「管理的な意思決定」に該当します。
選択肢と解説
×→○
×ア管理的日常業務的
×イ日常業務的戦略的(下線部あべこべ)
×エ日常業務的管理的

出す論点は定番なのに、わざわざ毎年言い換えて分かりにくくする。過去問の一字一句を覚える過去マス勉・ふぞ勉に励むと組織論を苦手化するメカニズムが、続々と解明されます。

組織設計 CDランク 3選

R3第15問 戦略と組織設計 Cランク

経営戦略に関連する組織の運営・設置に関する記述として、最も適切なものはどれか。

×ア A.D.チャンドラー(A. D. Chandler)の「組織は戦略に従う」という命題に基づけば、事業の多角化が進んだ企業では事業部制組織が採用され、地理的拡大が進んだ企業では機能別組織が採用されることになる。×イ 機能(職能)別組織において、各機能部門長は事業戦略の策定・執行に関する最終責任を負っている。×ウ 事業部制組織とカンパニー制組織は類似した特性を有するが、両者の最大の違いは、事業部制組織では各事業部が企業内部の下部組織であるのに対して、カンパニー制組織では各カンパニーが独立した法人格を有している点にある。×エ プロダクト・マネジャー制組織とは、研究開発型ベンチャー企業における事業部制組織のことであり、責任者であるプロダクト・マネジャーは、研究商品の成果に関する責任を有している。○オ 持株会社は、その設立に関して一定の制限が定められているものの、規模の下限は設定されていないことから、中小企業においても目的に応じて活用することができる。
長い選択肢の最後にある「機能別」⇔「地域別」の入れ替えを見逃すと、正解に選びがちです。
地理的拡大が進んだ企業では、機能別でなく地域別組織が採用されます。機能別組織において、各機能部門長は自身の機能領域における運営や管理に責任を負います。カンパニー制組織は独立した法人格を持つわけではありませんが、事業部制より強い権限が与えられます。プロダクト・マネジャー制組織のマネジャーは、製品の開発やマーケティングに関する責任を有しています。持株会社の設立に関する規制と中小企業への適用可能性について正確に述べています。
選択肢と解説
×→○
×ア機能別地域別
×イ事業機能
×ウ独立した疑似的な
×エ研究開発型ベンチャー企業における
研究商品
マーケティングから損益までの全権を有した
当該商品

当問は×イウエが一目みておかしく、×アのウソにさえ気づけば、正答率Cにしては当てやすい問題です。

R5再試験第11問 戦略と組織設計

事業部制組織と機能別組織の特徴に関する記述として、最も適切なものはどれか。

○ア 機能別組織では、事業部制組織に比べて、経営者に意思決定の負担が集中する傾向があるが、部門横断的なプロジェクト・マネジャーを配置することで、部門間調整が容易になり経営者の負担軽減を図ることができる。×イ 機能別組織の下で事業の多角化を行う場合、事業部制組織の下での多角化に比べて、経営者は個々の事業のオペレーションに関わる機会が少ない分、全社的な戦略的意思決定に専念できる。×ウ 事業部制組織では、各事業部に利益責任が課されるため経営の効率化が進みやすく、機能別組織に比べて、生産部門や営業部門で規模の経済性を追求しやすい×エ 事業部制組織では、機能別組織に比べて機能部門の技術的な専門性を高めやすく、事業横断的なシナジーの創出が容易である。×オ 事業部制組織では、直面する状況に応じて各事業部で自律的に事業運営の判断ができるため、機能別組織に比べて部門活動と全社戦略との整合性をとりやすく、経営の全体最適が達成されやすい
機能別組織の利点は事務部門での規模の経済性、事業部制の利点は権限委譲と収支責任と明確に区別していないと、誤答しやすくなっています。
機能別組織の欠点は縦割りになることであり、リエゾン担当者(橋渡し役)の配置により経営者の負担軽減を図ることが望ましいとされます。経営者が個々の事業のオペレーションに関わる機会が少なく、全社的な戦略的意思決定に専念しやすいのは、機能別でなく事業部制組織です。事業部制組織では、各事業部が独立して運営されるため、全体としての規模の経済性を追求するのは難しくなります。事業部制組織では、各事業部が独立して運営されるため、事業横断的なシナジーの創出は難しくなります。事業部制組織では、各事業部が自律的に運営されるため、全社戦略との整合性をとるのが難しくなります。
選択肢と解説
×→○
×イ機能別事業部制(下線部あべこべ)
×ウしやすいしにくい
×エ事業部制機能別(下線部あべこべ)
×オとりやすく
されやすい
とりにくく
に工夫が必要になる

機能別⇔事業部制組織の設問では、主語があべこべ、説明があべこべのどちらか。事業部制のデメリット=組織の壁を実感していれば、全て解けます。

ライフサイクル&部門間調整 CDランク 4選

R4第18問 ライフサイクル Dランク

組織のライフサイクル仮説によると、組織は発展段階(起業者段階、共同体段階、公式化段階、精巧化段階)に応じた組織構造、リーダーシップ様式、統制システムをとる。また、組織の発展段階に応じて、組織で支配的となる有効性(組織がその目標を達成した程度)の指標は変化すると考えられる。
組織の発展段階の名称と、各段階で支配的な組織の有効性指標に関する記述の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
【組織の発展段階】
a 起業者段階
b 共同体段階
c 公式化段階
d 精巧化段階

起業者段階共同体段階公式化段階精巧化段階
② この段階では、資源獲得と成長が組織の有効性指標として特に重視され、顧客や金融機関などの利害関係者と良好な関係を築くことに中心的な価値が置かれる。① この段階では、人的資源の開発が有効性指標として重要となり、経営者のリーダーシップの下で職場集団の凝集性とモラールを高めることが追求される。③ この段階では、組織の安定性と統制、ならびに組織の生産性が支配的な有効性指標となり、情報管理システムや業務上の規則と手続きが組織内で広く整備される。④ この段階では、組織の安定性と統制、ならびに組織の生産性と人的資源の開発を重視しつつ、新たな環境適応のための資源獲得と成長が追求される。
組織の創設期で、創業者のリーダーシップのもと、革新と創造が重視されます。組織の構成員の結束力が強まり、コミュニケーションと協力が促進されます。組織が正式な規則や手続きを確立し、業務の標準化と効率化が進みます。既存の安定性と統制を維持しつつ、新たな環境適応のための変革が必要です。
選択肢と解説
abcd
×ア
×イ
×ウ
○エ
×オ

テキストではわかっていても、別な表現を与えられて応用・あてはめする国語力を問われる。「2次」ではこの辺りのスキルで点差がつきます。

R2第15問 部門間調整(社内) Cランク ※運営知識

企業が利用する生産技術を次の3 つに分類して考える。
1 .大規模バッチのマスプロダクション技術
2 .小規模バッチ生産技術
3 .連続的処理を行うプロセス技術
このとき、次の文章の空欄A~Cに入る技術の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
【A】 から【B】 、さらに【C】 へ移行するにしたがって、一人の監督者の部下数が増し、組織の階層が増え、スタッフやスペシャリストを支援する管理職の比率が増え、一人当たりの労務費が低下する。

ABC
小規模バッチ生産技術大規模バッチのマスプロダクション技術連続的処理を行うプロセス技術
選択肢と解説
ABC
×ア大規模バッチのマスプロダクション技術小規模バッチ生産技術連続的処理を行うプロセス技術
×イ大規模バッチのマスプロダクション技術連続的処理を行うプロセス技術小規模バッチ生産技術
○ウ小規模バッチ生産技術大規模バッチのマスプロダクション技術連続的処理を行うプロセス技術
×エ小規模バッチ生産技術連続的処理を行うプロセス技術大規模バッチのマスプロダクション技術
×オ連続的処理を行うプロセス技術小規模バッチ生産技術大規模バッチのマスプロダクション技術

A→B→Cがバッチ小→大→連続プロセスの順になるのは、冷静な時なら当然。ところが本番で気持ちが舞い上がり、「これはボクの知らない難問でちゅ!」になるのは、「2次」と共通な。

R3第22問 部門間調整(社内) Dランク

企業の長期的成長のためには、既存事業の深化(exploitation)と新規事業の探索(exploration)のバランスを取る経営が重要だと言われている。C.A.オライリー(C. A. O’Reilly)とM.L.タッシュマン(M. L. Tushman)は、この深化と探索を両立する組織能力を両利き(ambidexterity)と名づけた。
両利きの経営を実践するための組織に関する記述として、最も適切なものはどれか。

×ア 既存事業ユニットと新規事業探索ユニットが経営理念を共有し、公平性を確保するために、共通の事業評価基準を構築する必要がある。×イ 既存事業ユニットと新規事業探索ユニットのオペレーションを効率的に管理するために、機能横断的なチームを設計する必要がある。×ウ 既存事業ユニットと新規事業探索ユニットを構造上分離しつつ、異なる文化が生まれないようにするため、ビジョンを共有する必要がある。○エ 既存事業ユニットと新規事業探索ユニットを構造上分離し、探索ユニットに独立性を与えるとともに、全社的な資産や組織能力にアクセスする権限を与える必要がある。
異なる文化が生まれることを許容するのが「両利きの経営」の考え方であると知らないと、ここを正解に選びがちです。
既存事業ユニットと新規事業探索ユニットは、異なる目標や評価基準を持つべきであり、共通の事業評価基準を構築することは不適切です。機能横断的に管理するのは、オペレーションではなくコラボレーションです。全社ビジョンを共有することは重要ですが、既存事業と新規事業は異なる文化を持つことも必要です。両利きの経営において重要な要素である、既存事業と新規事業の独立性と資源の共有について正しく述べています。
選択肢と解説
×→○
×アするために、共通のししつも、個別の
×イオペレーションコラボレーション
×ウが生まれないを許容する

猫でもイノベな製造業では、社内の研究開発が不可欠。おっきく権限を与えた上で、干渉を最小限に・・と覚えれば正解できます。

R5再試験第17問 部門間調整(社内)

企業の長期的成長のためには、既存事業の深化(exploitation)と新規事業の探索(exploration)のバランスを取る経営が重要だといわれている。C. A. オライリーとM. L. タッシュマンは、深化と探索を両立する両利き(ambidexterity)の経営を提唱している。
両利きの経営を実践するための組織に関する記述として、最も適切なものはどれか。

×ア 既存事業ユニットと新規事業探索ユニットとの間のシナジー(相乗効果)を生み出すためには、新規事業探索ユニットを別会社化してスピンオフすることが必要である×イ 既存事業ユニットと新規事業探索ユニットを構造上分離しても、既存事業ユニットが資源配分の意思決定について新規事業探索ユニットに介入できるような仕組みを採用することが推奨される×ウ 既存事業ユニットと新規事業探索ユニットを構造上分離しても、公平性の確保のために人材の採用やインセンティブ付与については同じ意思決定ルールや社内手続きを適用すべきである○エ 既存事業ユニットと新規事業探索ユニットを構造上分離するとともに、全社的な統合を促進する包括的ビジョンを掲げることが望ましい。×オ 新規事業探索ユニットと既存事業ユニットとの間のシナジー(相乗効果)は、新規事業探索ユニットが既存事業ユニットの技術や知識などを活用できることからのみ生じる。
同じく、人材の採用やインセンティブについてもユニットの多様性を認めるのが「両利きの経営」であると知らないと、正解に選びがちです。
【決め付け禁止】新規事業探索ユニットを必ずしも別会社化してスピンオフする必要はありません。新規事業探索ユニットの独立性を確保するために、既存事業ユニットが資源配分の意思決定に介入することは避けるべきです。既存事業ユニットと新規事業探索ユニットには、それぞれの特性に応じた異なる人材の採用やインセンティブ付与の仕組みを設けることが望ましい。両利きの経営において必要な要素である、既存事業と新規事業の独立性と全社的な統合のバランスを正しく述べています。新規事業探索ユニットと既存事業ユニットとの間のシナジーは、1つに限られず、戦略的連携や市場アクセスなど多岐にわたる要素から生じます。
選択肢と解説
×→○
×アであるなこともある(決めつけ禁止)
×イされるされない(〃)
×ウであるとは言えない(〃)
×オからのみなどから(〃)
×アイウエは全て不要な断定表現を、決めつけを避けた中間的表現に変えます。

診断士受験者の多くが勤めるそこそこ大企業なら、この程度のことは日頃のあるある。この手を暗記しすぎて小さいオツムをパンパンにする、ふぞろい勉は避けるべきです。

今日のまとめ

Q
こうみていくと「組織構造論」とは、「そこそこな大企業でのあるある」を「やや小難しくした文章で読み書き」するに過ぎない。むしろここを苦手化する理由を知りたい。
A

あらそれなら、未だに「事務局長!」「事例リーダー!」のタテ組織ごっこに夢中なふぞ先輩を見れば一発。その理由は、①実務経験に乏しい ②文章化・抽象化が苦手 ③そもそも国語が苦手のいずれか、または全部です。

■■ここからテンプレ■■

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