ネットや動画の合格ノウハウはどれも同じものばかり? であれば生成AIを使って積極的に仮説・検証せよと説く業界最新作は、なんと5作連続公開される超具体コンテンツに。AIの力で憧れの「できる」を誰でも「やれる」時代が始まります。

生成AIの新機能Deep Researchで作成した報告書は、なんと動画の4回分。最初のさわりの1回目をぜひ事前にご視聴ください。

【必ず受かる叶う化】「助言」時代の学習スタイル / 予告長編3部作

C経営

【最後の2択】Cランクで悩む原因 / 悩む理由を4分類(マーケ)

スマホで世の中便利になった分、思わぬ所の方向音痴で迷う方が実は激増。そこに優しく助け船を出すのが、未来の診断士であるあなたの役割です。

Q
TAC正答率Cランクを調べていくと、正答率情報を知らない同業D社がどこで滑って転ぶか手に取るようにわかる。この状況を「2次」で構築すれば、今年の試験も勝ちゲー確定?
A

そうですね。誰がが勝手に決め付けた重要度ABCで裸踊りをするノロマに同質化されないために、正答率がCに下がる理由を4点説明します。

①正解らしくない④読む気を失わせる③論点・科目またぎ出題④想定外の初見知識
正解選択肢に、誤解を招くような迷い要素を意図的に組み込むと、一見誤答選択肢に見えてしまいます。特に難しい知識が必要ない領域では、選択肢をやたら長くし、読む気を失わせる出題をすることがあります。一つの設問に複数論点を含め、時に別科目の知識を正解にすることで、正解がすぐ選びにくくなります。初見知識は通常誤答選択肢から出す作問セオリーに反し、それが正解になるケースがたまにあります。

【最後の2択で得点UP】その時なぜ迷ったか / 方向音痴を助けるマーケ(前)

生成AIは目下相手に嘘をつくほかに、上記のように【わざと間違えやすくした】Cランクでは時々間違える。そこを逆手に生成にボケさせた誤答にツッコむ、新たな「1次」対策が開幕します。

マーケティングコンセプト~リサーチ Cマーク6選

R2第29問(設問1) コトラー(STP) Cランク

中小企業のX社では、同社が数年間にわたって取り組んできた、温室効果ガスを一切排出しない新しい小型電動バイクの開発が、最終段階を迎えていた。同社では、この新製品を①小型バイク市場または電動アシスト自転車市場等のどのようなセグメントに向けて発売するかについて検討を重ねていた。
文中の下線部①に関する記述として、最も適切なものはどれか。

×ア 小型電動バイクと従来型のバイクとの主な差異は、エンジンの構造などの機能面に限定されるから、小型電動バイクにはライフスタイルに基づくセグメントは適さない×イ 小型電動バイクの走行性能は従来型のバイクに比較して多くの面で劣るため、ベネフィットによるセグメントを検討することは、この製品にとって不利であり、適切でない○ウ 従来型バイクのユーザーのパーソナリティに関する調査を実施した結果、保守的で権威主義的なユーザーは従来型のバイクを強く好むことが分かったため、これらのユーザーを小型電動バイクのターゲットから除外した。×エ 調査を実施した結果、「保育園に子供を連れて行くための静かで小型の乗り物」を求める消費者の存在が明らかになった。セグメントはより細分化することが必要なので、X社では保育園の規模、子供を連れていく時間帯などの変数を用いて、このセグメントより細分化した上で、ターゲットを選定することにした。
近年のマーケティング上望ましいのは、これ以上セグメントを詳細化するより、ここまでのセグメントに基づいてペルソナを具体化することです。
小型電動バイクの特長は環境への配慮や静音性など、ライフスタイルに基づくセグメントに訴求できる要素が多いので、ライフスタイルに基づくセグメントが適している。小型電動バイクの特長を生かして、ベネフィットによるセグメントを検討することが重要である。従来型バイクのユーザーのパーソナリティに基づいた調査結果を元に、ターゲットセグメントを明確化している点で適切です。セグメントを過度に細分化しすぎるよりも、適切な規模で設定しペルソナをで具体化する方が効果的である。
選択肢と解説
設問1×→○
×アされる
適さない
しない
適する
×イ不利
ない
有利
ある
×エセグメントをより細分化するターゲットをペルソナに詳細化する

正解〇ウがそれらしくないので、消去法でエラー検知するセンスを競う。紛らわしい×イウを「なんとなくおかしい」と落とす力が、「事例Ⅱ」マーケのスコアに直結します。

R2第35問 コトラー(ソサイエタル・マーケ) Cランク

ソサイエタル・マーケティングに関する記述として、最も適切なものはどれか。

×ア 「啓発された自己利益(enlightened self-interest)」の考え方のもとで行われる社会貢献活動であるため、長期的あるいは間接的にも企業やブランドのイメージ、ブランド・ロイヤルティといったマーケティング成果への効果が期待されていない×イ 消費者の長期的な利益あるいは社会的利益に配慮してマーケティングを行うということだけでなく、それを企業の長期的な経営計画と統合することを目指すマーケティングはサステイナブル・マーケティングと呼ばれるが、これとソサイエタル・マーケティングは同義で使われている。○ウ 製品の売上の一定額を社会的課題の解決のために寄付する行為はコーズリレーテッド・マーケティングとも呼ばれ、実務において社会的価値と密接に結びつけられたソサイエタル・マーケティングの一部である。×エ (これはソーシャル・マーケティングの説明→)病院、大学、協会、NGO などの非営利組織で培われた考え方を営利組織にも適用したマーケティングである。
ソサイエタル・マーケティングとサステイナブル・マーケティングは、似た概念ですが、異なるものです。違いが微妙であるため混同しやすく、この際明確にしておくと良いでしょう。
「啓発された自己利益」とは、企業が社会貢献活動を行うことで、最終的には自社の利益やブランド価値の向上にもつながるという考え方であり、マーケティング効果が期待されます。この選択肢はソサイエタル・マーケティングそのものを説明しており、サスティナブル・マーケティングはこれに関連しますが、同義ではありません。コーズリレーテッド・マーケティングはソサイエタル・マーケティングの一部であり、製品の売上の一定額を社会的課題の解決のために寄付する行為は、ソサイエタル・マーケティングの具体的な実践例の一つです。この選択肢はソーシャル・マーケティングを説明しています。ソサイエタル・マーケティングではその一環として消費者ニーズの充足と社会的責任の両立を図ります。

コトラーのソーシャル・マーケティングは様々に解釈され、かつ日々工夫されるので、ネットの解説は誤りや古いものが多い。迷わないためには原書かコトラー解説本で先に確認します。

選択肢と解説
×→○
×アされていないされる
×イサステイナブル→ソサイエタル・マーケの説明そのもの
×エ(主語入れ替え)→ソーシャル・マーケティングの説明

コトラー師匠が唱える方向にCSR・ESG・SDGsと名乗っておけば、市場が勝手にそちらにシフトするので利益が出やすい。「両立させる」のが大事であって、SNS馬鹿のようにそこにのめり込むのはNGな。

R1第32問(設問1) マーケティングリサーチ Cランク

製品開発を効果的に行うために、多くの場合、企業担当者は①製品開発プロセスを段階的に管理・実行している
文中の下線部①に関する記述として、最も適切なものはどれか。

×ア 「アイデア・スクリーニング」において、新製品アイデアが多い場合でも取捨選択は十分に時間をかけて慎重に行うべきである×イ 「市場テスト」では、実験用仮設店舗を用いて消費者の反応を確認するよりも、実際の市場環境で十分な時間や予算を投入して製品やマーケティング施策をテストするべきである○ウ 開発中の製品および当該製品と競合する既存製品を対象に、消費者の「知覚マップ」を作成した場合、開発中の製品が空白領域に位置づけられたとしても、その製品に消費者ニーズや市場性があるとは限らない。×エ 新製品アイデアのスクリーニングの次に、アイデアを具現化させるための試作品開発段階である「プロトタイピング」に移る。製品アイデアを具体的な製品属性に落とし込む作業であるため、通常、技術担当者に全権が委ねられる×オ 新製品開発に際して、市場規模を推定することは、製品開発の実現に投じる費用を誤って算定することにつながるため、不要である。
多くの新製品アイデアを時間をかけて取捨選択することは一見よさそうに思えます。しかし実際には余計なコストと時間のムダ使いを生むことを見逃すと、この×アを選びがちです。
アイデア・スクリーニングの段階では、新製品アイデアを迅速に評価し、魅力のないアイデアは早期に排除します。時間をかけすぎると、プロセス全体が遅れ、リソースの無駄遣いとなります。市場テストでは、コストやリスクを最小限に抑えるために、実験用仮設店舗(アンテナショップ)や小規模な市場でテストを行うことがあります。消費者の「知覚マップ」を作成し、開発中の製品が空白領域に位置づけられたとしても、市場性があるかどうかを判断するには、さらに詳細な調査と分析が必要です。プロトタイピングは、技術担当者だけでなく、マーケティング、デザイン、製造などの複数の部門が協力して行います。市場規模の推定は、製品開発に必要な予算を適切に計画し、リスクを評価する大事なステップです。
選択肢と解説
設問1×→○
×アイべきであることはコスパが悪い
×エ技術担当者に全権が委ねられるユーザーも参加する
×オ不要有用

これも〇ウが正解らしくないので、消去法で×アイエオを落とす。×イオはすぐ落とせますが、ひっかかりやすいのが×エ、つい選びがちなのが×アです。

R2第33問 情報探索(準拠集団) Cランク

消費者と社会的アイデンティティに関する記述として、最も適切なものはどれか。

×ア 感覚や好みに基づいて選択される場合と異なり、専門的知識が必要な製品やサービスに関しては、消費者は属性や価値観が自分と類似している他者の意見やアドバイスを重視する。×イ 自己アイデンティティを示すため、消費者は拒否集団をイメージさせるブランドの選択を避ける傾向がある。この傾向は、他者から見られている状況において行う選択よりも、見られていない状況において行う選択で顕著に強くなる。×ウ 自己概念において社会的アイデンティティが顕著になっている場合、自分が所属している内集団で共有される典型的な特徴を支持するようになる一方、自分が所属していない外集団の全てに対して無関心になる。×エ 自分に影響を与えようとする意図をもった他者が存在する場合、消費者の行動はその他者から強く影響を受ける一方で、単にその場にいるだけの他者からは、影響を受けることはない○オ 自分に対する他者からの否定的な評価を避け、肯定的な評価を形成していこうとする欲求は自己高揚と呼ばれる。自己高揚のレベルが高い消費者は、自分の所属集団よりも、願望集団で使用されているブランドとの結びつきを強める傾向がある。
この○オは正解として選びづらく、かといって×アイウエいずれもどこかおかしい。正解らしい選択肢が見つからない、変わった作問です。
感覚や好みに基づく選択では、専門家よりも口コミ(属性や価値観が自分と類似している他者)の意見が参考にされます。拒否集団とは、あれと一緒にされたくないという心理のことで、他人に見られている状況において顕著になります。社会的アイデンティティが顕著になると、外集団に対して無関心ではなく、否定的な態度を取ることが増えます。単にその場にいるだけの他者、いわゆる「単純な存在としての他者」も消費者の行動に影響を与えることがあります。他者からの否定的な評価を避け、肯定的な評価を求める場合は、所属集団よりも願望集団で使用されているブランドとの結びつきを強める傾向があります。
選択肢と解説
×→○
×ア感覚や好みに基づいて選択される場合専門的知識が必要な製品やサービス
×イ見られている状況見られていない状況
×ウ全て(←断定しすぎ)多く
×エない(←断定しすぎ)少ない

〇オ「自己高揚」はテキスト外なので、×アイウエにバツをしてから選びたい。これまで「断定表現はダメ!」で済ませてきた×ウエも、生成AIを使うとより詳しく教えてくれます。

R5再試験第22問 情報探索(準拠集団キャズム)

下図は、E. M. ロジャースのイノベーション普及理論における新製品採用プロセスを表したものである。
製品ライフサイクルの導入期から衰退期・終末期に製品を採用する、空欄A~Eに入る消費者層の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。

ABCDE
導入期成長期(キャズム後)成長期成熟期衰退期
innovatorearly adopterearly majoritylate majoritylaggard
選択肢と解説
ABCDE
×アearly adopterearly majoritylate majoritylaggardintruder
○イinnovatorearly adopterearly majoritylate majoritylaggard
×ウinnovatorintruderearly adopterlaggardlate majority
×エlaggardearly adopterinnovatorinnovatorlate majority
×オlaggardearly adopterlate majorityintruderinnovator

導入期にはイノベータが主導し、成長期にアーリーアダプターが続き、キャズムを越えた後にアーリーマジョリティが市場を広げ、成熟期にはレイトマジョリティが加わります。ラガードが購入する頃にはその製品は既に衰退期です。

ふぞろいを信じてたまたま受かって大はしゃぎするのが、あのレイトマジョリティ。あなたがラガードにならないことを、当サイト一同願っております。

R1第27問 組織購買 Cランク

市場細分化に関する記述として、最も適切なものはどれか。

×ア BtoB マーケティングで企業規模に基づき市場細分化を行った場合、各セグメント内の企業は企業規模以外の基準においても均一となる×イ BtoB マーケティングではさまざまな変数に基づいた市場細分化が行われるが、突発的な注文が多い企業や小口の注文が多い企業などは対象セグメントに望ましくない○ウ BtoB マーケティングにおいては組織的な購買が行われることが多いが、購買担当者の個人的特性に基づく市場細分化が有効な場合がある。×エ 市場細分化によって製品・サービスの種類が増えるため、企業のコストも増加せざるを得ない
一般的に製品・サービスの種類が増えるとコストも増えると直感するので、ここを選んでも構いません。そして市場細分化によってターゲットを明確にすることで、むしろマーケティングコスト削減につながると教わります。
各セグメント内の企業は企業規模以外の基準においても多様であり、こだわりすぎると追加の細分化が必要になってしまう。突発的な注文が多い企業や小口の注文が多い企業も、ニッチ市場としてな重要なセグメントとなり得る。BtoBマーケティングでは、組織全体の特性だけでなく、購買担当者の個人的特性に基づいて市場を細分化することも効果的です。ターゲット市場を明確にすることでマーケティング活動の効率が向上し、むしろコスト削減や収益増加につながる。
選択肢と解説
×→○
×ア均一となる均一になるとは限らない
×イ望ましくないなり得る
×エせざるを得ないすることもある

B2Bの購買担当者の好みなど気にしたくもないが、これは実務のあるある。それより「断定表現はダメ!」で済ませた試験の常識を、生成AIが一歩踏み込んできた所に注目な。

製品戦略(開発) Cランク2選

R4第34問(設問2) 開発プロセス(コンセプト) Cランク

製品開発のリスクを少しでも低くするためには、市場環境を適切に把握した上で、効率的な開発プロセスが必要である。顧客ニーズの移り変わりが早く、競争の激しい今日の市場においては、①従来型の典型的開発プロセスにとらわれない②新たな開発プロセスが採用されることもある。
文中の下線部②に関する記述として、最も適切なものはどれか。

×ア 開発プロセスに社外の資源を求める動きが加速している中、従業員や研究機関、他の企業だけでなく、顧客を含む不特定多数の人々にまで広く分散して製品開発のプロセスに関わってもらう方法はユーザーイノベーションと呼ばれている。×イ 顧客の移り変わりと競争が激しい市場においては、企画、開発、マーケティング、財務、生産などの各段階を一つ一つ着実に完了させてから次の部門へ引き継いでいくというプロセスによって、製品の失敗や売り上げの機会損失を少なくすることができる。×ウ 他の組織と共同で製品開発を進める場合、自らの組織が有する技術やノウハウと他の組織が有する技術やノウハウとの補完性や適合性が重要視されるため、開発プロセスはシーズ志向よりもニーズ志向重んじられる。○エ 多様な部門のメンバーが1 つのチームを形成して、製品開発における複数のステップを同時に進める場合、さまざまな部門のメンバーがプロセスの全段階に同時進行で関わるため、従来型の典型的な開発に比べて、組織に緊張やコンフリクトが生じやすくなる。
共同製品開発は1社単独よりもニーズ志向が強まりますが、かといってニーズ重視と断じることは危険で、両者のバランスが良くなる、程度の表現が望まれます。×ウを落とすために、○エを正解にするには、マーケに限らず「組織論」の知見が求められます。
「ユーザーイノベーション」は、ユーザー自身が新しい製品やサービスを開発することを指し、幅広い企業が開発プロセスに加わる説明は「オープンイノベーション」です。顧客のニーズや市場の変化が激しい環境では、従来のウォーターフォール型のプロセスでは市場の動きに迅速に対応できず、製品の失敗や機会損失が増えるリスクがあります。他組織と共同開発を進める場合、自他の技術やノウハウの補完性や適合性が重要視され、シーズ志向とニーズ志向のバランスが良くなります。多様な部門のメンバーが一つのチームを形成し、同時に複数のステップを進めることで、迅速な対応が可能になる一方で、部門間の緊張やコンフリクトに留意します。
選択肢と解説
(設問2)×→○
×アユーザーイノベーションオープンイノベーション
×イによってを簡略化することで
×ウとのバランスが
当問は(設問1)が典型的な従来型、(設問2)がこれからのアジャイルな製品開発プロセスを問う。対比させて覚える良問です。

×アは「オープンイノベーション」が浮かべば落とせる。×イウも一見それらしく、〇エはふぞろい先輩が苦手な組織論知識とまたぐので、正答率が下がっています。

R2第36問 開発プロセス(パッケージ) Cランク

パッケージ・デザインに関する記述として、最も適切なものはどれか。

×ア 多くのパッケージ・デザインにおいて蓋ふたは左に回せば開くようになっているように、パッケージでは人にある行動を自然に起こさせるアフォーダンスが重視される。しかしコモディティ化が進む中、アフォーダンスと異なる新しい使い方の提案は、パッケージを通して差別化を図り、価値を高めやすい。×イ 消費者がブランドに対して抱くイメージに対してパッケージ・カラーは強く影響を与えるため、食品パッケージの色を濃くすることによって濃い味の商品であることを伝達することができる。しかし、パッケージ・カラーの色の濃さが、実際の商品の味覚にまで影響することはない×ウ 脳の半球優位性に基づくと、パッケージにおいて画像は右に、文字は左に配置したほうが商品の評価を高めることができるため、このルールはほとんどのパッケージ・デザインで採用されている。○エ パッケージにおける便宜価値は、開けやすい、使いやすい、持ちやすい、捨てやすいといったパッケージの改良によって高めることができる一方、感覚価値は、パッケージ・デザインに対する情緒面の感覚が中身にまで移るような感覚転移の効果を生じさせることによって高めることができる。×オ ブランドを他の文化圏へ拡張する際に、パッケージがブランド・エクイティの維持や活用にどの程度役割を果たすかという点で評価される基準は、防御可能性と呼ばれる。パッケージ上のネームやカラーは、拡張先の特徴や文化的意味合いを考慮しながら移転を進める必要がある。
選択肢の前半は全くその説明の通りですが、後半で「ほとんど」と断定する所が誤りになっている、やや意地悪な問題です。
アフォーダンスは、人にある行動を自然に起こさせるデザインの原則です。コモディティ化が進む中でも、アフォーダンスを無視することは使いにくさを招き、顧客満足度を下げる可能性があります。視覚情報は味覚に影響を与えることが知られており、パッケージの色やデザインが消費者の味の感じ方に影響を及ぼすことがあります。パッケージデザインにおける「文字は左、画像は右」の配置は有効ですが、多くの要素が絡むデザインでは、固定的なルールよりも柔軟なアプローチが求められます。パッケージの便宜価値と感覚価値について具体的に説明しており、感覚転移の効果についても適切に触れている、正しい説明です。ブランドを他の文化圏へ拡張する際に、パッケージがブランド・エクイティの維持や活用にどの程度役割を果たすかという基準は、移転可能性と呼ばれます。
選択肢と解説
×→○
×ア異なるに沿った
×イないあり得る
×ウほとんど多く
×オ防御可能性移転可能性 (難)
記憶可能性:ブランド要素が、どれだけたやすく思い出され、どれだけたやすく認識されるか。これが購買にも消費にも当てはまるか。例:タイド.
移動可能性:そのブランド要素は、同じカテコリーや別のカテコリーに新製品を導入するのに使用できるか。ブランド要素はどの程度、地理的な境界や市場セグメントを越えて、ブランド・エクイティに付加されるか。例:ネスレの鳥の巣.
意味性:ブランド要素がどの程度信頼でき、対応するカテコリーを連想させるか。製品の成分や、そのブランドを使用する可能性のある人のタイプを示唆するか。例:リーンクイジーン低カロリー冷凍アントレ.
適合可能性:そのブランド要素は、どれほど適合と更新が可能か。例:ベティ・クロッカーのイメージ.
選好性:消費者がそのブランド要素に、どれほど美的な訴求力があると思うが。見た目、言葉、その他の面で好ましいか。例:ファイアバード.
防御可能性:そのブランド要素は、どこまで法的に保護できるか、競合に対してどれだけ防御できるか、模倣されにくいか。商標権を維持できるか。例:ヤフー.
出典:Sliede Player

当問は論点またぎの良問である上、長い選択肢のエラーを検知させるイマドキの作問。しっかり復習することで、芋づる式に正しい知識が増えます。

製品戦略(ブランド) Cランク3選

R5再試験第28問 ブランド戦略

 ブランドに関する記述として、最も適切なものはどれか。

×ア 既存ブランドの下で、分野や用途、特徴などが異なる新製品を発売することをブランド拡張と呼び、流通側から見た場合にはさまざまなメリットがある。しかしメーカー側から見ると、ブランド拡張には当該新製品が失敗した場合に既存ブランドを毀損するリスクがある一方で、メリットは特にない×イ 自社ブランドが消費者から見てユニークな価値を有するようにすることを、ブランドのポジショニングという。自社ブランドを競合ブランドから差別化することは、ブランドのポジショニングには含まれない×ウ 製品カテゴリーなどを提示し、当該カテゴリー内で思いつくすべてのブランドを書き出してもらう調査により、ブランドの純粋想起について調べることができる。これに対して、あらかじめブランド名を列挙して回答者に提示し、その中で知っているものをすべて選択し回答してもらう調査は精度が低いため、得られる結果の信頼性も低い×エ ブランドとは消費者の記憶に明確に保持されている最終製品の名称を指す。製品の中に使用されている部品や素材などにも名称が付けられていることがあるが、これらはブランドではない○オ ブランドにはナショナル・ブランド(NB)とプライベート・ブランド(PB)がある。PB は大手小売業などの流通業者が開発し販売するものであるため、ある製品カテゴリーの売上げが一定であるとすれば、PB の売上げが増えるほどNB を展開するメーカーの売上げは減少しやすくなる。しかし、NB メーカーがOEMの形でPB の製造などに関わっている場合は、その限りではない。
ブランドの純粋想起についての調査方法に関する説明は正しいです。後半の誤りを見逃すと、選択肢全体が正しく見えるため、誤って選びがちです。
ブランド拡張は、既存ブランドの信頼性やイメージを新製品にも適用することで、多くのメリットを生みます。自社ブランドが消費者から見てユニークな価値を有するようにすることを、ブランドのポジショニングと呼び、競合との差別化を含みます。ブランド想起力の調査では、あらかじめブランド名を提示して回答を求める方法も用いられています。ブランドは最終製品名以外にも、(インテルなど)部品や素材などにも付けられることがある。ブランドのナショナル・ブランド(NB)とプライベート・ブランド(PB)に関する記述は正確です。また、NBメーカーがOEMの形でPBの製造に関わる場合の例外についても正確に説明しています。

コトラーの4つのブランド戦略では、「ライン拡張」を基本とし、次に「ブランド拡張(新カテゴリー)」「マルチブランド(複数投入)」を検討します。最後に新カテゴリーに既存ブランドを使いたくない時は「新ブランド」です。

選択肢と解説
×→○
×ア一方で、メリットは特にない(削除)
×イ含まれない含まれる
×ウ精度が低いため、得られる結果の信頼性も低い助成想起と呼ばれ、目的によって使い分ける
×エではないに含まれる

近年のマーケでは1問で複数の知識を訊く「論点またぎ」が多く、コトラーのブランド戦略知識は×アにしか使えない。その分1問で複数の知識を効率よく学べます。

R2第34問(設問1) ブランド戦略 Cランク

以下の表は、自社ブランドの市場状況と製品状況によって、当該ブランドが採るべき戦略を検討する際の戦略枠組みである。自社の既存ブランドが、既存市場において、新たなブランド名を付すことによって再出発を図るという【C】に該当する戦略として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。

ABCD
ブランド変更⇔ブランド開発の違いが盲点的にわかりにくく、△イエの2択で悩みます。
×ブランド強化×ブランド・リポジショニング〇ブランド変更×ブランド開発

同じ4マスでもこちらは縦軸がブランド→市場に置き換わる。「ブランド変更」では新規ブランドを作るが、「〃強化」は既存ブランドに投資する。新規市場に出ていくと「ブランド・リポジショニング」となり、そこに新ブランドを付けると「ブランド開発」です。

選択肢と解説
(設問1)
×ア ブランド・リポジショニング
×イ ブランド開発
×ウ ブランド強化
○エ ブランド変更

こっちの4マスはコトラーと似て非なる所を訊くので、ここでムキになったり語呂合わせを始めると、ふぞろい送りの刑にまっしぐら。そうでなく、生成AIのように一つながりのストーリー記憶にするのが上策な。

R5第34問 ブランド戦略 Cランク

ブランディングに関する記述として、最も適切なものはどれか。

×ア BtoBマーケティングでは、BtoCマーケティングに比べて特定少数の顧客を対象とすることが多いため、ブランディングは不要である×イ あるブランドについて、これまで蓄積されたブランド資産を捨てて資産ゼロからスタートするブランド強化戦略では、既存ブランドを全く新しいブランドへと置き換えるため、ブランド管理の中でもリスクの高い戦略である。×ウ ブランディングが成功しているブランドは、他社ブランドとの機能の違いを知覚させる識別機能によって、コモディティ化が進む市場において自社ブランドが選ばれる理由を与えている。○エ ブランディングにおいては、製品やサービスを消費者の使用シーンと関連づけ、消費者に夢や期待、イメージを抱かせることによって、マインド・シェアを獲得することが重要である。×オ ブランドの価値構造において、基本価値、便宜価値、感覚価値は、ブランドとしての基礎となる価値であり、観念価値は当該ブランドと消費者との間に唯一無二の存在としての絆を形成する価値である。
ブランドの価値構造を理解し、感覚価値=基礎ではなく絆を形成する価値と覚えておかないと、この×オを選んでしまいます。
BtoBマーケティングでも、顧客の信頼や価値提案を伝えるうえでブランディングは欠かせません。これまで蓄積されたブランド資産を捨ててゼロからスタートするのは強化ではなく、「ブランド変更」戦略です。ブランドの「想起機能」はそのブランドに対するポジティブなイメージや価値を想起させ、消費者の選択を促します。ブランディングにおいては、消費者の使用シーンや関連付け、夢や期待、イメージを通じて消費者の心に訴えかけ、マインド・シェアを獲得することが重要です。ブブランド価値構造は4つの要素で構成され、基本+便宜価値は商品の利益と便利さ、感覚+観念価値はブランドの独自性や強みを表します。
選択肢と解説
×→○
×ア不要であるの重要性は下がる
×イブランド強化ブランド変更
×ウ機能
識別機能
イメージ
想起機能
×オ基本価値、便宜価値、感覚価値
観念価値
基本価値、便宜価値
感覚価値、観念価値

4Pの中では製品Product、その中でも研究が進むブランドは試験に出しやすい。全く知らない初見知識は誤答の可能性が高いので、ここは慌てず、過去問やテキスト記載の範囲の暗記が優先です。

今日のまとめ

Q
確かに「マーケ」正答率Cランクの正解は正解らしくないものが多く、消去法にしないと当てにくい。そこを教えてもらえるだけでも、今日の記事に感謝です。
A

あら、御礼を言うならいつもの通り試験委員に。「マーケ」で生成AIのボケ(誤答)にツッコむことで正解知識が増える上、その誤答選択肢には近いミライに必ず役立つ、優れた知識がズラリと並びます。

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